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【発明の名称】 乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服
【発明者】 【氏名】黒川 洋一

【氏名】幸元 淳子

【要約】 【課題】衣服の前後を気にすることなく使い分け、胸部を締付けることなく乳房を安定して保持しすると共に十分な幅を持ってサイズ調節が可能な乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服を提供する。

【解決手段】前布部2と後布部3からなる着衣1は前布部2の衿5及び後布部3の衿6をいずれも前衿として着用する形状を成し、着衣1のバスト部4に乳房カップ14を装着して着用する衣服において、乳房カップ14の上部紐体12A、12B及び両端帯体13A、13Bに隣接してボタンを設け、着衣1のそれぞれの所定位置に設けられた掛合部材7a、7b、8a、8bに掛合され、乳房カップ14の他の部分は遊離自在とした構成を成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前布部2と後布部3から成る着衣1のバスト部4に乳房カップ14を装着して着用する衣服30において、乳房カップ14の上部紐体12A、12Bに設けたボタン12a、12bは着衣1の両肩内面部7A、7Bに備えた掛合部材7a、7bそれぞれに掛合し、両端帯体13A、13Bに設けたボタン13a、13bは着衣1の両脇内面部8A、8Bに備えた掛合部材8a、8bそれぞれと掛合され、乳房カップ14の他の部分は遊離自在とした。上部紐体12A、12B及び両端帯体13A、13Bのボタン12a、12b並びにボタン13a、13bは乳房カップ14が身体サイズにフィットするように装着サイズ調節用ボタンを複数配設、掛合部材7a、7b並びに掛合部材8a、8bも前記同様に装着サイズ調節可能にボタン穴17,18を配設し縫着して、着衣1に乳房カップ14を装着容易にする構成とした乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服。
【請求項2】表裏兼用の伸縮性を有する表側布9と裏側布10の二重構造間にカップ状に成型されたパッド15を保持する包装部16と挿入口11を形成し、上部紐体12Aと12Bそれぞれにボタン12a、12a′とボタン12b、12b′、また両端帯体13Aと13Bそれぞれにボタン13a、13a′とボタン13b、13b′を配設した掛合手段を具備する請求項1記載の乳房カップ14。
【請求項3】前布部2と後布部3からなる着衣1は前布部2の衿5及び後布部3の衿6のいずれかを任意選択し着用することができる形状を成し、着衣1の両肩内面部7A、7Bと着衣1の両脇内面部8A、8Bそれぞれに複数のボタン穴17a〜17a″、17b〜17b″並びに18a〜18a′、18b〜18b′を配備した布片から成る掛合部材7a、7b並びに掛合部材8a,8bを縫着した掛合手段を具備し、乳房カップ14の装着を容易にする特徴を備えた請求項1記載の着衣1。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服に係り、好ましくは肌着や寝衣として着用するがアウターとしても着用する乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服。
【0002】
【従来の技術】従来、乳房カップを形成した衣服にはブラジャー、ボディスーツ、レオタード、水着などが知られているが特開2000−54201号公報のように着衣のバスト部分に立体的に乳房カップを形成し、乳房の形状を整えて保持するためにカップワイヤーを縫着した衣服が開示されている。これらはいずれも、着衣のバスト部分に乳房カップが一体形成されており、胸部への圧迫感や周囲の肌にも無理な負担があった。
【0003】女性の乳房の垂れ下がりや広がりを防止するにはブラジャーやボディスーツを着用するのが一般的であるが、その上から着衣を着用する必要があり、若い女性であっても強い違和感を感じリラックスすることができなかった。また、当然のことながら衣服には前後の方向性があり、一定方向(片方)でのみの着用が一般的であった。
【0004】そのため、乳房カップを形成した衣服は乳房カップを着衣のバスト部分に縫着して一体形成し、着用する方向性を決定していた。また、乳房カップを形成していない着衣においては、ブラジャーを着用するがブラジャーのストラップが着衣のストラップがズレたことにより露出して見え、見苦しいという点もあった。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記の問題点を解決するために、衣服の前後を気にすることなく使い分けでき、胸部を圧迫することなく乳房の形状を整える乳房カップを着衣のバスト部分に部分的にのみ掛合し、様々な着用者の胸部サイズにも幅を持って調節が可能な乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決する手段として、前布部2と後布部3からなる着衣1の衿5,6をU形やV形、丸形などに形成し、いずれも前衿として使用できる形状とした。また、バスト部4に装着する乳房カップ14は少なくとも二重構造にした表裏兼用の伸縮性を有した表側布9と裏側布10の間にカップ状に成型されたパッド15を挿着して形成した乳房カップ14を部分的にのみボタンとボタン穴にて掛合し、取替え自在としたことで衣服30の前後を区別することなく着用することができ、乳房カップ14の上部紐体12A、12B及び両端帯体13A、13Bに隣接してボタンを配設し、掛位置を変更調節することにより、様々な着用者のサイズにも適応することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明すれば、本発明の図1は着衣1の正面斜視図であり、点線は着衣1に乳房カップ14を装着した模式図、図2(A)(B)は着衣1を裏返した展開図、図3(A)と(B)は掛合部材7a(7b)と8a(8b)の詳細図、図4は乳房カップ14の正面図である。
【0008】実施の形態1に係る乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服は図1〜図4に示すように、前布部2と後布部3から成る着衣1は前布部2の衿5及び後布部3の衿6のいずれかを任意選択し着用することができる形状を成している。このバスト部4の内面(着用した際に内側になる面)に乳房カップ14を装着して着用する。
【0009】着衣1の前布部2と後布部3はいずれが前、後であると決定しているわけではなく、説明上一方を前布部2、他方を後布部3とした。
【0010】着衣1の前布部2の衿5はV字状に形成し、後布部3の衿6はU字状に形成されているが、いずれも前衿として使用できる形状である。また、着衣1の両肩内面部7A、7Bに備えた布片から成る掛合部材7a、7bを縫着するが、これは着用時に肩の中心となる部分付近に縫着するのが最も好ましい。
【0011】次に、図2(A)(B)に示す着衣1の両肩内面部7A、7Bに備えた布片から成る掛合部材7a、7bを縫着し、身体の脇下部分付近の両脇内面部8A、8Bにも片布から成る掛合部材8a、8bを縫着している。これは図4に示す乳房カップ14の上部紐体12A、12Bに設けたボタン12a、12bを両肩内面部7A、7Bに備えた布片から成る掛合部材7a、7bそれぞれに掛合し、両端帯体13A、13Bに設けたボタン13a、13bは着衣1の両脇内面部8A、8Bに備えた掛合部材8a、8bそれぞれと掛合する。
【0012】上部紐体12A、12Bに設けたボタン12a、12a′、12b、12b′は縦並びに設けられているので、掛合部材7a、7bに掛合する場合、着用者の身体サイズにフィットするように掛位置を調節する。また、両端帯体13A、13Bに設けたボタン13a、13a′、13b、13b′は隣接して設けられており、前記同様に着衣1の両脇内面部8A、8Bに備えた掛合部材8a、8bそれぞれと掛合する際に身体サイズにフィットするように調節される。
【0013】本発明の実施の形態1に係る「掛合部材」とはボタン穴を形成した布片のことを指す。
【0014】図4に示す乳房カップ14は、左右一対の形状を成しており、薄くて柔らかい布地(例えば、レーヨンやニット生地、綿、ナイロン等)から形成されている。この伸縮性を有した表側布9と裏側布10の二重構造間にカップ状に成型されたパッド15を保持する包装部16と挿入口11を形成しているが、乳房カップ14の所定位置にパッド挿着を容易にする挿入口11から着用者の好みによって形状や厚さなどの異なるパッドを自在に入れ替えて着用することができる。
【0015】着用者が胸部における乳房位置のフィット状態を垂直方向(上)に変更調節する場合において、上部紐体12A、12Bのボタン12a、12bが掛合部材7a、7bの17a″、17b″に掛合されている場合は、ボタン穴12a′、12b′に掛位置を変更調節し、フィット状態をチェックする。さらに垂直方向(上)に変更調節する場合には掛位置を17a′、17b′及び17a、17bに変更調節する。
【0016】また、乳房カップ14の両端帯体13A、13Bに設けたボタン13a、13b、13a′、13b′は胸部の圧迫感や締付けを防止して、その身体サイズにフィットするように、隣接してボタンを設けているが、これは、着用者によってボタンの掛位置を8a、8bの18a′、18b′及び18a、18bに変更調節して着用することになる。
【0017】この乳房カップ14には、胸部を圧迫して締付けるような強い伸縮性のバンドや乳房を被う部分の形状を保持するカップワイヤー等は縫着されていないので、乳房を被う部分のサイズは、形状や厚さの異なるパッドを着用者が挿着してサイズ調整を行うものである。なお、サイズ調整用パッドは公知のものを使用した。
【0018】この構成を備えた乳房カップの取替容易なる前後着用可能な衣服を着用するには、先ず、着用者の好みによって着用する衿の形を決める。次に、着用する側に乳房カップ14を取付け、身にまとい、乳房が納まって安定する位置に定着するように、上部紐体12A、12Bに設けたボタン12a、12b、12a′、12b′と両端帯体13A、13Bに設けたボタン13a、13b、13a′、13b′によって、サイズ調節する。また、着用者の好みにより乳房を被う部分のサイズは、形状や厚さの異なるパッドを着用者が挿着してサイズ調整を行うものである【0019】なお、実施の形態1では、着衣1のバスト部4に乳房カップ14をボタンとボタン穴との結合手段を用いて説明したが、これに限らず、着衣1と乳房カップ14の結合手段はマジックテープ(登録商標)や連結ホックを使用してもよく実施例に限定されない。また、乳房カップ14の上部紐体12A、12Bと両端帯体13A、13Bを着衣1のそれぞれの所定位置に縫着して、使用する場合にもカップ状に成型されたパッド15の持つ独自の反復性質を利用して前後に反復させて着用することも可能である。
【0020】実施の形態1では、ティーシャツ状の衣服に乳房カップを装着したものを例にとって説明したが、これに限定されず、タンクトップ、セーター、スリップ、アンダーシャツ、ワンピース、ブラウス、ネグリジェ、ナイトガウン、水着等にも応用することができる。
【0021】また、図示してないがストラップを有した着衣においては、前布部の衿はV形、後布部の衿は丸形に形成し、いずれも前衿として使用できる形状とした。また、バスト部に備えられる乳房カップは着用者の乳房の下側を支える部分に伸縮性を有した素材を一体化して縫着することにより、乳房の形状を保持すると共に横への広がりを防止することも可能になる。使用した素材はナイロンとポリウレタンの複合素材を使用し、他に好ましくはレーヨンやニット生地、綿等がある。
【0022】以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、それらも特許請求の範囲に含まれるものである。
【0023】
【発明の効果】本発明は上述したように、一着の衣服の前後を気にすることなく二通りに使い分けることができ、ブラジャーやボディスーツなどを着用しなくても乳房を安定して保持することができると共に圧迫感や不快感等から開放され、乳房カップの掛位置を調節することにより、様々な着用者の胸部サイズにも幅を持って適応することができる。
【出願人】 【識別番号】597138014
【氏名又は名称】西川合繊株式会社
【出願日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−38308(P2002−38308A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−264667(P2000−264667)