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【発明の名称】 乳児用衣服
【発明者】 【氏名】能 勢 みえ子

【要約】 【課題】乳児への着衣を容易かつスムーズに行うことができ、乳児が着衣した際に、乳児の自由な脚の動きを確保することができる乳児用衣服を提供する。

【解決手段】乳児用衣服は、背面部1と、背面部1の一側縁1aから延びる内側前面部2と、背面部1の他側縁1bから延びる外側前面部3とを備えている。背面部1と内側前面部2との間、および背面部1と外側前面部3との間には各々一対の袖部4が設けられている。背面部1と外側前面部3は、互いの下方部が縫い合わされて切り欠かれた股部8を形成し、股部8の両側に筒状の一対の脚部5を形成する。外側前面部3は、内側前面部2の外方に位置し、内側前面部2上に面ファスナー11a、11bにより固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】背面部と、背面部の一側縁から延びる内側前面部と、背面部の他側縁から延びる外側前面部と、背面部と内側前面部との間、背面部と外側前面部との間に、各々設けられた一対の袖部と、を備え、背面部と外側前面部は、互いの下方部が縫い合わされて、切り欠かれた股部を形成するとともに、股部の両側に筒状の一対の脚部を形成し、外側前面部は、内側前面部の外方に位置して、その自由端縁が内側前面部上に面ファスナーにより固定されていることを特徴とする乳児用衣服。
【請求項2】股部は、その全域に亘って背面部と外側前面部とが縫い合わされていることを特徴とする請求項1記載の乳児用衣服。
【請求項3】内側前面部は、少なくとも乳児の胸部と胴部とを覆っていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の乳児用衣服。
【請求項4】内側前面部の上方部にはボタンが設けられ、外側前面部の上方部にはボタンが嵌め込まれるボタン穴が設けられ、内側前面部の上方部に設けられたボタン、または外側前面部の上方部に設けられたボタン穴のいずれか一方は複数設けられて、背面部の上端部と、内側前面部の上端部と、外側前面部の上端部とにより形成される首周り部の大きさを調整することができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乳児用衣服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面部と、内側前面部と、外側前面部と、一対の袖部とを備えた乳児用衣服に係り、とりわけ着衣を容易かつ簡単に行うことができる乳児用衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳児用衣服として、背面部と、背面部の一側縁から延びる一方の前面部と、背面部の他側縁から延びる他方の前面部と、背面部と一方の前面部との間、および背面部と他方の前面部との間に各々設けられた一対の袖部と、を備えた乳児用衣服が知られている。このような乳児用衣服を乳児に着せた後、一方の前面部および他方の前面部にそれぞれ設けられたフックボタンを接合することにより、一方の前面部と他方の前面部とは固定される。
【0003】また、乳児用衣服には、背面部、一方の前面部、および他方の前面部のそれぞれの下方部により脚部が形成され、この脚部に乳児の脚が収納される。また、背面部、一方の前面部、および他方の前面部のそれぞれの上方部により乳児の頭を突出させて首周りを覆う首周り部が形成されている。
【0004】このような乳児用衣服には、乳児の2本の脚を一つの脚部に収納する一脚式と、乳児の2本の脚を股部を介して設けられた一対の脚部の各々に収納する二脚式とがある。
【0005】一脚式の乳児用衣服は、脚部の大きさによって歩行等の乳児の脚の動きを制限する。
【0006】他方、二脚式の乳児用衣服は、脚部の大きさによって、乳児の脚の動きを制限することはなく、一脚式の乳児用衣服に比べ、乳児の自由な脚の動きを可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、二脚式の乳児用衣服は、一脚式の乳児用衣服に比べ、乳児の自由な脚の動きを可能にするという利点を有する。
【0008】このような二脚式の乳児用衣服において、一対の脚部は、股部を介して各々左右に形成されている。この股部は、予め形成されているわけではなく、背面部の下方部と、接合された一対の前面部とをフックボタンで接合することにより形成されている。このような乳児用衣服を乳児に着衣させる際には、一方の脚部に乳児の両脚が誤って入ってしまうことがある。また、一方の前面部と他方の前面部とをフックボタンで接合する作業や、背面部の下方部と一対の前面部とをフックボタンで接合する作業は、煩雑である。さらに、股部の一部のみが接合しているので、乳児用衣服を乳児に着衣させる際に、乳児の脚の指が股部に引っ掛かることが考えられる。
【0009】本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、乳児への着衣をスムーズに行うことができ、乳児が着衣した際に、乳児の自由な脚の動きを確保することができる乳児用衣服を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、背面部と、背面部の一側縁から延びる内側前面部と、背面部の他側縁から延びる外側前面部と、背面部と内側前面部との間、背面部と外側前面部との間に、各々設けられた一対の袖部と、を備え、背面部と外側前面部は、互いの下方部が縫い合わされて、切り欠かれた股部を形成するとともに、股部の両側に筒状の一対の脚部を形成し、外側前面部は、内側前面部の外方に位置して、その自由端縁が内側前面部上に面ファスナーにより固定されていることを特徴とする乳児用衣服である。
【0011】本発明によれば、背面部と外側前面部は互いの下方部が縫い合わされて予め切り欠かれた股部を形成するとともに、股部の両側に筒状の一対の脚部を形成するので、一方の脚部に乳児の両脚が誤って入ることはなく、乳児への着衣をスムーズに行うことができる。また、内側前面部と外側前面部は面ファスナーにより固定されるので、内側前面部と外側前面部との着脱を簡単に行うことができる。
【0012】好ましくは、股部は、その全域に亘って背面部と外側前面部とが縫い合わされている。
【0013】好ましくは、内側前面部は、少なくとも乳児の胸部と胴部とを覆っている。
【0014】好ましくは、内側前面部の上方部にはボタンが設けられ、外側前面部の上方部にはボタンが嵌め込まれるボタン穴が設けられ、内側前面部の上方部に設けられたボタン、または外側前面部の上方部に設けられたボタン穴のいずれか一方は複数設けられて、背面部の上端部と、内側前面部の上端部と、外側前面部の上端部とにより形成される首周り部の大きさを調整することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0016】図1乃至図3は本発明の一実施形態を示す図である。図1は、本発明による乳児用衣服を前面から見た図である。図2は、内側前面部と外側前面部との固定部を示す概略図である。図3は、内側前面部を示す概略図である。
【0017】図1乃至図3に示すように、乳児用衣服10は、背面部1と、背面部1の一側縁1aから延びる内側前面部2と、背面部1の他側縁1bから延びる外側前面部3とを備えている。
【0018】背面部1と内側前面部2との間、および背面部1と外側前面部3との間には、各々一対の袖部4が設けられている。また、背面部1と外側前面部3は、予め互いの下方部が縫い合わされて、切り欠かれた股部8を形成するとともに、股部8の両側に筒状の一対の脚部5a、5bを形成する。なお、股部8は、その全域に亘って背面部1と外側前面部3とが縫い合わされている。また、一対の脚部5a、5bのうち、一方の脚部5aは、背面部1および外側前面部3により予め円筒状に形成された固定側脚部5aとなり、他方の脚部5bは後述のように内側前面部2と外側前面部3とを接合して形成される開放側脚部5bとなる。
【0019】図2に示すように、外側前面部3は内側前面部2の外方に位置し、外側前面部3の自由端縁3aには複数の突起側面ファスナー11aが取り付けられている。また、内側前面部2のうち、外側前面部3に取り付けられた各突起側面ファスナー11aに対応する位置に受側面ファスナー11bが複数取り付けられている。そして、突起側面ファスナー11aと受側面ファスナー11bとによって、面ファスナー11a、11bが構成されている。
【0020】図3に示すように、内側前面部2は、下方部の一部が切り取られた形状を有しており、乳児(図示せず)が乳児用衣服10を着衣した場合には、乳児の胸部および胴部が内側前面部2の胸部7aおよび胴部7bにより覆われるようになっている。
【0021】図2に示すように、内側前面部2の上方部には円周方向に所定間隔を置いて複数のボタン12が設けられており、また、外側前面部3の上方部にはボタン穴13が設けられている。この内側前面部2に設けられた複数のボタン12のうちいずれか1つが、外側前面部3に設けられたボタン穴13に嵌め込まれることにより、背面部1の上端部1cと、内側前面部2の上端部2aと、外側前面部3の上端部3cとにより乳児の頭が突出して首周りを覆う首周り部6が形成される。
【0022】また、図1乃至図3に示すように、内側前面部2の自由端縁2bの端部には結び紐14aが取り付けられ、外側前面部3の裏側には、内側前面部2の結び紐14aと結びつけられる結び紐14bが取り付けられている。
【0023】次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0024】本実施の形態の乳児用衣服10の乳児への着衣作用について概説する。
【0025】まず、内側前面部2と外側前面部3とを開放した状態で、乳児の脚の一方を予め形成された固定側脚部5aに収納する。また、乳児の両腕を、一対の袖部4のそれぞれに収納する。
【0026】次に、内側前面部2により乳児の身体を覆う。このとき、内側前面部2は、その胸部7aと胴部7bとにより乳児の胸部と胴部を覆う。そして、内側前面部2の自由端縁2bに取り付けられた結び紐14aと、外側前面部3の裏側に取り付けられた結び紐14bとが結び合わされる。これにより、内側前面部2の自由端縁2bは外側前面部3の裏側に固定される。
【0027】次に、外側前面部3により乳児の身体全体を覆う。このとき、外側前面部3は内側前面部2の外方に位置することとなる。また、外側前面部3の自由端縁3aに設けられた各突起側面ファスナー11aと、内側前面部2に設けられた受側面ファスナー11bとが接合して、外側前面部3の自由端縁3aが内側前面部2上に固定される。また、外側前面部3の突起側面ファスナー11aと内側前面部2の受側面ファスナー11bとが接合して、背面部1と内側前面部2と外側前面部3とにより開放側脚部5bが形成され、乳児の他方の脚はこの開放側脚部5bに収納される。
【0028】また、内側前面部2の上方部に取り付けられた複数のボタン12のうちいずれか一つのボタン12が、外側前面部3の上方部に設けられたボタン穴13に嵌め込まれる。このようにして、背面部1の上端部1cと、内側前面部2の上端部2aと、外側前面部3の上端部3cとにより首周り部6が形成される。
【0029】このようにして、乳児用衣服10が乳児に着衣される。このとき、股部8は、予め形成されており、股部8の全域に亘って背面部1の下端部と外側前面部3の下端部とが縫合されているので、例えば、固定脚部5aに乳児の両脚を収納したり、一対の脚部5a、5bに乳児の脚を収納する際に乳児の脚が股部8に引っ掛かったりすることなく、確実に乳児の両脚を各脚部5a、5b内に収納することができる。
【0030】また、内側前面部2は、その胸部7aと胴部7bとにより乳児の胸部と胴部を覆うので、保護すべき乳児の胸部および胴部を、内側前面部2の胸部7aおよび胴部7bと、外側前面部3とにより2重に保護する。また、内側前面部2は下方部の一部が切り取られているので、内側前面部2により乳児の脚は覆われず、乳児の脚は自由に動きやすい。さらに、内側前面部2の下方部の一部が切り取られることにより、乳児用衣服10は軽量化される。
【0031】また、内側前面部2に設けられたボタン12は円周方向に複数設けられているので、これらのボタン12のそれぞれの位置に応じて適切なボタン12をボタン穴13に嵌め込むことにより、首周り部6の大きさは調整可能となる。なお、ボタン12は、安全性を考慮すれば、ゴムボタン12等の柔らかい材質からなることが望ましい。
【0032】ボタン12を複数設ける代わりに、ボタン穴13を複数設けて、乳児の首周りの大きさに適切に対応したボタン穴13とボタン12とを嵌め合わせることによっても、首周り部6の大きさを調整することができる。
【0033】さらに、外側前面部3と内側前面部2とは、外側前面部3の自由端縁3aに設けられた各突起側面ファスナー11aと、内側前面部2に設けられた各受側面ファスナー11bとが接合することにより固定される。従って、外側前面部3と内側前面部2とは、外側前面部3と内側前面部2とをフックボタンで接合する場合に比べて、容易かつスムーズに着脱することができる。また、内側前面部2に取り付けられた各受側面ファスナー11bの幅は、外側前面部3に取り付けられた各突起側面ファスナー11aの幅に対して比較的大きくなっている。従って、乳児が成長して身体のサイズが変化しても、各突起側面ファスナー11aの各受側面ファスナー11bに対する取り付け位置を調整することにより、乳児の身体の変化に適切に対応した乳児用衣服10のサイズ調整が可能となる。
【0034】また、乳児用衣服10の脚部の形態は二脚式となっているので、一脚式の乳児用衣服10に比べ、乳児の自由な脚の動きが可能となっている。
【0035】以上説明したように、本実施の形態によれば、予め股部8が形成されており、股部8の全域に亘って背面部1の下端部と外側前面部3の下端部とが縫合されているので、一対の脚部5a、5bのうちいずれか一方に乳児の両脚を収納したり、乳児用衣服10の着衣の際に乳児の脚の指が股部8に引っ掛かったりすることを防ぐことができる。これにより、乳児への乳児用衣服10の着脱を、より安全かつスムーズに行うことができる。また、外側前面部3と内側前面部2とは、突起側面ファスナー11aと受側面ファスナー11bとが接合することにより固定されるので、外側前面部3と内側前面部2との着脱を容易かつスムーズに行うことができる。
【0036】また、ボタン穴13に嵌め込まれるボタン12の位置に応じて、首周り部6の大きさを調整することができ、さらに、各突起側面ファスナー11aは、対応する受側面ファスナー11bの幅方向に対して取り付け位置を調整することができる。これにより、乳児の身体の変化に適切に対応させた乳児用衣服10のサイズ調整が可能となる。
【0037】さらに、乳児用衣服10の脚部の形態として二脚式を採用し、また、内側前面部2は、その胸部7aと胴部7bとにより乳児の胸部と胴部を覆うので、乳児の胸部と胴部を外側前面部3を含めて2重に保護することができる。さらに、内側前面部2の下方部の一部が切り取られ、乳児用衣服10の軽量化が図られている。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、乳児の身体、特に乳児の胸部および胴部、を充分に保護すると同時に、乳児への着衣を容易かつスムーズに行うことができ、乳児の一対の脚を、確実かつ簡単に、乳児用衣服の一対の脚部に収納することができる。
【出願人】 【識別番号】391003912
【氏名又は名称】コンビ株式会社
【出願日】 平成13年5月1日(2001.5.1)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外5名)
【公開番号】 特開2002−327308(P2002−327308A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2001−134105(P2001−134105)