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【発明の名称】 綾柄編靴下とその製造方法
【発明者】 【氏名】中束 裕

【要約】 【課題】コース方向へは緩やかな伸びにして履き心地のよいものとし、一方ウェール方向への伸びを押さえてずり落ちを防止した靴下であって、而も弾性糸が目立つことのない連結綾柄模様に関する靴下とその製造方法を提供する。

【解決手段】足首上部から口ゴム端近辺までの脚部を表糸と裏糸と弾性糸とからなる締付組織20とし、該締付組織20が裏目15と表目16からなり、該表目16が連結した綾柄模様24とした綾柄編靴下と、その製造方法を構成するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 足首上部から口ゴム端近辺までの脚部を表糸と裏糸と弾性糸とからなる締付組織とし、該締付組織が裏目と表目からなり、該表目が連結した綾柄模様としたことを特徴とする綾柄編靴下。
【請求項2】 綾柄編組織が、表目と裏目をコース方向に2/1、2/2、3/1、3/2の綾柄模様とした請求項1記載の綾柄編靴下。
【請求項3】 綾柄編組織が、コース単位で表目と裏目の浮沈を異なる配列とした請求項1記載の綾柄編靴下。
【請求項4】 足首上部から口ゴム端近辺までの脚部を表糸と裏糸と弾性糸とを用い、リブニッターにて編成される裏目と表目からなり、該表目が連結した綾柄模様に編成したことを特徴とする綾柄編靴下の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は綾柄編靴下とその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、締付組織が緩やかでありながら、ずり落ちることのない綾柄編靴下とその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】本願発明者は、先に特願2000−275435号の技術を発明した。それは足首部から口ゴム端までの脚部を締付組織とし、その締付組織をリンクス柄編模様として、ずり落ちを防止するようにした高級靴下に関するものであった。本願は、その周辺技術に関するものである。
【0003】靴下のずり落ち防止は、昔からの変わらぬ課題であって、従来から多くの提案がなされてきた。しかし従来品の多くは、完全なものではなく、また一般に締め付けがきつくて履き心地の悪いものが多かった。
【0004】元来、靴下はメリヤス品からなるために、コース方向とともにウェール方向にも伸びる特性がある。然し振り返って考えてみれば、履くために必要なのはコース方向に対する伸びであり、ウェール方向へは別段伸びなければならないというものではない。
【0005】特願2000−275435号の技術は、コース方向へは緩やかな伸びにして履き心地のよいものとし、一方ウェール方向への伸びを押さえて、ずり落ちを防止したリンクス柄編模様の靴下とその製造方法に関するものであった。然し、リンクス柄編模様は、表目と裏目の浮沈が交互に組織化された鹿の子柄に関するものであった。従って、綾の連結柄模様の周辺技術は包含されておらず、また挿入する弾性糸が表面に出て目立ちやすいという点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の観点から、本発明はコース方向へは緩やかな伸びにして履き心地のよいものとし、一方ウェール方向への伸びを押さえてずり落ちを防止した靴下であって、而も弾性糸が目立つことのない連結綾柄模様に関する靴下とその製造方法の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するために、足首上部から口ゴム端近辺までの脚部を表糸と裏糸と弾性糸とからなる締付組織とし、該締付組織が裏目と表目からなり、該表目が連結した綾柄模様とした綾柄編靴下と、その製造方法を構成するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の靴下の一実施例を示す平面図である。図2はリブニッターによるゴム編の編成手順で、(a)(b)(c)はゴム編の編成過程を示す説明図である。図3は本発明の締付組織の一実施例を示す組織図である。図4は本発明の締付組織に使用されている2/1の綾柄模様の一実施例を示す簡易組織図である。
【0009】図1の1は本発明の靴下であるが、2が編み始めの口ゴム端で、一コース内に数本の弾性糸を挿入している。ここでいう弾性糸とは、カバリングしていない挿入される太いスパンデックス糸やゴム糸のことである。この口ゴム端2から次の二コース程度の口ゴム部3は、ゴム編組織にしている。それは本発明の靴下が、リブニッターで編成される靴下だからである。本発明の靴下1は、図1に例示した短靴下に限定されるものではなく、ハイソックスにも適用しうるものである。
【0010】通常の靴下は、口ゴム端から数糎のコースに、弾性糸を挿入したゴム編組織にして、締付組織としている。然し、本発明の綾柄編靴下1は、足首部4の上部5から口ゴム端の近辺6までの脚部7を、長い締付組織にしている。締付組織の詳細は後述するが、このように長くしたのは、緩やかな締め付けであっても、ずり落ちないようしたためである。なお本実施例の靴下1は、踵や足底や爪先は平編8にしているが、足甲は縦縞柄9を入れている。そして、本発明の綾柄編靴下1は脚部7の締付組織は、裏目と表目からなり、その表目が連結した綾柄模様にしている。なお本発明の締付組織は、長いものだけに限定されるものではなく、ハイソックスの場合には短いもので固定させることもできる。
【0011】図2は、ゴム編(Rib stitch)10の編成手順を説明した図であるが、(a)(b)(c)の順に編成される。リブニッターは、上下2つのシリンダーを有するので、上針11abcと下針12abcを使用して編成される。(a)は両針11a,12aが接近して給糸13aされる状態を、(b)は給糸13bが両針11b,12bに掛合されてオールドループ14b内に入るよう離れ始める状態を、(c)は両針11c,12cが離れて給糸がオールドループ14cを脱出(knock over)しニューループ13cを形成した状態を示している。 このようにノックオーバーするときは、常にループが一方の側に引き出され、上針11abcと下針12abcでは反対になるので、上針11abcでは裏目15が、下針12abcでは表目16が編成される。
【0012】図3は、本発明の締付組織20の一実施例を示す組織図である。締付組織20は、編糸に表糸21と、裏糸22と、弾性糸23との三本を使用している。表糸21には、本実施例の場合30番手のウーリーナイロン/綿混紡糸の3本引き揃え糸を使用している。また裏糸22には、50番手双糸のウーリーナイロンを使用しているがFTYを使用するようにしてもよい。そして弾性糸23は、挿入糸としてのゴム糸等である。但し以上は一例で、本発明の編糸は、これ等の種類や番手に限定されるものではない。
【0013】本発明の締付組織20は、表目が連結した綾柄模様24にしている。本発明でいう綾柄模様24とは、裏目15に対し表目16を連続して綾状に斜めに浮かした柄模様のことである。そのため、浮沈が交互に繰り返えされるリンクス柄編模様とは相違する。
【0014】図4は綾柄模様24の配列を簡易化して、弾性糸抜きで示したもので、黒が表目を白が裏目を示している。コースC1は、ウェールW1とウェールW2が浮いて表目になっており、ウェールW3は沈んで裏目になっており、ウェールW4とウェールW5は再び浮いて表目になっている。そしてコースC2は、ウェールW1が裏目になり、ウェールW2とウェールW3が浮いて表目になっており、ウェールW4が再び沈んで裏目になっており、ウェールW5は再び浮いて表目になっている。
【0015】従って、コースC1のウェールW2は、コースC2のウェールW2と連結した組織になっている。即ち図4の綾柄模様24は、図3のコース方向の表目16,16と裏目15とが2/1の綾状に配列され、綾柄の模様を呈している。
【0016】また本実施例の締付組織20は、度目を荒くして編成した。そのため、引き揃えの太い表糸21と相俟って、裏目15と表目16,16は、大きな柄の配列となり、ウェール方向の伸びが押さえられた。
【0017】次の図5は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のまた別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様124の場合も、表目116,116と裏目115とがコース内では同じく2/1の綾状に配列されているが、ウェール方向に二目づつ伸びている。
【0018】また図6は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のさらに別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様224の場合も、表目216,216と裏目215とが2/1の綾状に配列されているが、本発明の綾柄模様は、ウェール方向に夫々三目づつ伸びている。
【0019】そして図7は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のさらにまた別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様324の場合は、表目316,316と裏目315,315とが2/2の綾状に配列された例を示している。
【0020】図8は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様の別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様424の場合は、表目416,416,416と裏目415とが3/1の綾状に配列されている。
【0021】次の図9は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のまた別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様524の場合も、表目516,516,516と裏目515とが3/1の綾状に配列されているが、本発明の綾柄模様は、ウェール方向に夫々二目づつ伸びている。
【0022】また図10は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のさらに別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様624の場合も、表目616,616,616と裏目615とが3/1の綾状に配列されているが、本発明の綾柄模様は、ウェール方向に夫々三目づつ伸びている。
【0023】そして図11は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のさらにまた別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様724の場合は、表目716,716,716と裏目715,715とが3/2の綾状に配列された例を示している。
【0024】最後の図12は、本発明の締付組織に使用されている綾柄模様のそしてまた別な実施例を示す簡易組織図である。この綾柄模様824の場合は、コース11では表目816と裏目815とが3/1の綾状に配列されている。然し、コース12では表目816と裏目815とが1/1に交互に配列されている。このように本発明の綾柄編組織は、コース単位で表目と裏目の浮沈が異なる配列を組み合わすこともできる。
【0025】
【発明の効果】本発明の靴下は、表目をコース方向に二目ないし三目伸ばし、裏目は一目ないし二目に止めたので、挿入するゴム糸が表面に表われにくくすることができた。
【0026】本発明の綾柄編靴下は、ウェール方向への伸びは押さえられ、コース方向への伸びは非常に緩やかで履き心地のよいものとすることができた。
【0027】本発明品の靴下は、締付組織を長くするのもよく、ずり落ちを効果的に防止することができた。
【0028】本発明の靴下は、締付組織を綾柄模様にしたので、高級感あふれる上品な靴下とすることができた。
【出願人】 【識別番号】501225601
【氏名又は名称】中束 裕
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100096275
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 浩一
【公開番号】 特開2002−327306(P2002−327306A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2001−170251(P2001−170251)