トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 ショーツ
【発明者】 【氏名】高木 映子

【氏名】小橋 英里奈

【氏名】林 理恵

【要約】 【課題】臍出しのアウターを着用した時のショーツを提供する。

【解決手段】腹部側の前中心から脇線を越えて臀部側の後中心にかける左右一対の同一形状で股部を備えた第1布と第2布とを縫着して形成し、上端ラインは後中心が最も高いと共に前中心が最も低くして、該前中心は着用時に臍下方に位置すると共に、脇線では腰骨に引っ掛かるタイプとし、かつ、クロッチ部下点から後中心上端に至る縫着ラインの後中心側曲線はクロッチ部下点から急激に立ち上がる曲線とする一方、クロッチ部下点から前中心上端に至る縫着ラインの前中心曲線はなだらかな円弧を描きながら立ち上がる曲線としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腹部側の前中心から脇線を越えて臀部側の後中心にかける左右一対の同一形状で股部を備えた第1布と第2布とを縫着して形成し、上端ラインは後中心が最も高いと共に前中心が最も低くして、該前中心は着用時に臍下方に位置すると共に、脇線では腰骨に引っ掛かるタイプとし、かつ、クロッチ部下点から後中心上端に至る縫着ラインの後中心側曲線はクロッチ部下点から急激に立ち上がる曲線とする一方、クロッチ部下点から前中心上端に至る縫着ラインの前中心曲線はなだらかな円弧を描きながら立ち上がる曲線としていることを特徴とするショーツ。
【請求項2】 上記第1布と第2布とは、後中心寄り上下幅と、前中心寄りの上下幅とを相違させ、前中心寄りになるに従い上下幅を漸減している請求項1に記載のショーツ。
【請求項3】 上記第1布と第2布の脚回り部およびクロッチ部を構成する裾部は、他の部分より弾性糸を多く挿入し或いは太い弾性糸を挿入して、パワーを強くしていると共に、裾部の端縁は端始末不要な布端部で構成している請求項1または請求項2に記載のショーツ。
【請求項4】 上記第1布と第2布の上端縁に連続して、伸縮性を有する端始末不要な細幅布を縫着している請求項1乃至請求項3のいずれか1項にショーツ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、女性用のショーツに関し、特に、アウターとして臍を出すヒップハングタイプのパンツ等を着用する場合に好適なショーツに関するものである。
【0002】近時、若い女性のファッションとして、臍を露出させるジーンズ等のパンツを着用する場合がある。この場合、ショーツは一般に臍を出すデザインとはされていないため、パンツの上端からショーツが見える不具合がある。そのため、ショーツが見えないように、ショーツの深さを浅くして、ショーツ上端を下方に下げ、腰骨にショーツの上端を引っかけて着用するショーツが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提供されているヒップハング用のショーツは、前面側と後面側の布幅が同一で、前面側の上端ラインが直線状で、臍に露出するように下方に傾斜させた形状としていないため、臍出しのパンツの上端からショーツが見える恐れがある。よって、ヒップハングのアウターの上端よりショーツがはみ出さないようにするには、ショーツをずり下げた位置で着用しなければならず、非常の着用感の悪いものとなる。また、上下幅が小さい浅いショーツで臍を出す位置に上端を位置させると、ショーツの上端のバンド部分が腹部に当たり段差が生じたり皮膚に筋が付いたりする問題がある。さらに、背面の臀部側でも、アウターの上端からショーツがはみ出しやすく、特に、座った時にはアウターがずり下がるために、ショーツがはみだしやすくなる。
【0004】さらにまた、この種のヒップハングの臍出しファッションでは、通常、ジーンズ等のパンツのアウターを身体に密着させて着用する場合が多いため、ショーツもできるだけ薄くする必要があるが、ショーツの端縁がアウターにひびかせないようにする必要がある。しかしながら、従来提供されているショーツは、裾部分等においてフィット性の工夫等がなされておらず、デザイン性のみ追求されており、機能面が工夫がなされておらず、ショーツのずり下がりが生じやすかったり、フィット感が悪い等の問題があった。例えば、裾部分においては伸縮テープが取り付けられている場合が多く、外形ラインがアウター側へと現出して、ショーツ形状が外観される「ひびき」が生じやすい問題がある。
【0005】本発明は上記問題を解消して、臍出しファッションとする場合に、好適に着用できるヒップハング・タイプのショーツを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、腹部側の前中心から脇線を越えて臀部側の後中心にかける左右一対の同一形状で股部を備えた第1布と第2布とを縫着して形成し、上端ラインは後中心が最も高いと共に前中心が最も低くして、該前中心は着用時に臍下方に位置すると共に、脇線では腰骨に引っ掛かるタイプとし、かつ、クロッチ部下点から後中心上端に至る縫着ラインの後中心側曲線はクロッチ部下点から急激に立ち上がる曲線とする一方、クロッチ部下点から前中心上端に至る縫着ラインの前中心曲線はなだらかな円弧を描きながら立ち上がる曲線としていることを特徴とするショーツを提供している。
【0007】上記のように、本発明のヒップハング・タイプとしたショーツは、同一形状の2枚の布を前後中心ラインで縫着した単純な形状とし、従来のショーツで用いている股部での前後身項布の縫着や別布からなるクロッチ布を前後身項布の下端の間に介在させる構成とはしていない。このように単純な構成としながら、前中心からクロッチ部中心を越えて後中心へと連続する第1布と第2布との縫着ラインは、クロッチ部を下点とする円弧形状を描き、かつ、この円弧は上記のようにクロッチ部下点から前中心上端に到る前中心側は緩いカーブとし、後中心側は急激に立ち上がるカーブとして臀裂に密着させているため、身体の体型に沿ったラインとすることができ、腹部、股部、臀部側にフィットさせることができる。
【0008】さらに、腹部側では、その上端を臍よりも下方位置としているため、臍出しファッションとした場合に、腹部側では臍より下方のアウター上端からショーツがはみ出さず、また、臀部側も座ってアウターがずり下がった状態でもアウター上端からショーツがはみ出すことがない。さらに、臀部側においては腹部側よりは上端位置を高くしているため、座った状態でもショーツがヒップ形状にフィットし、ショーツがずり下がることがなく、安心して着用することができる。かつ、第1布と第2布とからなり、縫着ラインも連続した1本のラインだけであるため、ショーツ自体の構成が単純であり、これら第1布と第2布とを縦横に大きな伸びがあり且つ薄い布より構成すると、ショーツが嵩ばることなく身体にぴったりと密着し、身体にフィットさせるアウター用のショーツとして最適なものとなる。
【0009】上記第1布と第2布とは、後中心寄り上下幅と、前中心寄りの上下幅とを相違させ、前中心寄りになるに従い上下幅を漸減している。詳しくは、第1布と第2布のパターンは、上端縁が後中心寄りから前中心寄りに向けてやや湾曲しながら或いは直線状に下方傾斜させていると共に、下端縁は後中心から前中心に向けて直線状として、上記のように前側と後側の上下幅を均等とせずに変えている。第1布と第2布を上記パターンで同一形状とすることにより、前記したように、前中心の上端では臍を出す程度に低い位置とできると共に、後中心は若干高くして脇線位置で上端縁を腰骨に引っかけることができ、臀部側では膨出する臀部によりショーツがずり下がって着崩れすることがない。かつ、前側と後側の上下幅を変えることにより、下端縁は略水平は直線状となるため、左右脚回り端を脚の付け根け根回りに位置させることができる。
【0010】上記第1布と第2布の脚回り部およびクロッチ部を構成する裾は、弾性糸を多く挿入し或いは他の部分よりも太い弾性糸を挿入して、パワーを強くしていると共に、裾部の端縁は端始末不要な布端部で構成している。
【0011】上記のように脚回り端の裾のパワーを強くしていることにより、脚の付け根に左右脚回り端の裾をぴったりと密着でき、不快なずり上がりを防止できる。かつ、この裾端縁を端始末不要な布端部としているため、裾端縁がアウターに響きにくく、外観を良くすることができる。
【0012】上記第1布と第2布の上端縁に連続して、伸縮性を有する端始末不要な細幅布を縫着し、上端ラインに沿うバンド部としている。この上端ラインに取り付ける細幅布はレース状の伸縮性テープ或いは装飾デザインを持たせた伸縮性テープとすると臀部側で座った時にショーツの上端縁がはみ出してもデザイン性を持たせているため、外観を損なわない。第1布と第2布とは上記のように上下幅が均一でないため、上下両端末を端始末不要に編むことはできず、いずれか一方は端始末が必要な布端となる。よって、上端ラインに沿って伸縮性を有するテープ等からなる細幅布を取り付けている。なお、上端縁を端始末不要な端部とし、下端縁に沿って別布を連結してもよいが、裾部の端縁となる下端縁はアウターにひびきやすいため、下端縁は端始末不要な端部布とし、上端縁に別布を取り付ける方が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態のショーツを図面を参照して説明する。図1乃至図5は第1実施形態のショーツ1を示し、該ショーツ1は腰骨で上端を引っかける所謂ヒップハング・タイプのショーツからなる。
【0014】上記ショーツ1は、腹部側の前中心ラインL1から脇線L2を越えて臀部側の後中心ラインL3にかける左右一対の同一形状で股部を備えた第1布2と第2布3とを縫着して形成している。この縫着した第1布2と第2布3の上端に沿って連続して伸縮性を有する細幅布4を取り付けると共に、第1布2と第2布3とから構成されるクロッチ部5の内面側に綿素材からなる当て布6を取り付けている。
【0015】同一形状の第1布2、第3布3は図3に示すパターンとしている。図3に示す第1布2により説明すると、上端縁2aと下端縁2bの図中左側端を結ぶ前中心ラインL1に沿う縫着ライン、右端縁を結ぶ後中心ラインL3に沿う縫着ライン、上端縁2aの先端から下方へ湾曲ライン2c、2dを設けると共に、クロッチ部での縫着ラインとなる部分は湾曲ライン2c、2dの下端から直線ライン2e、2fとして垂下させて、下端縁2bと連続させている。上記前中心ラインL1の湾曲ライン2cは湾曲の曲率半径を大きくして深いくりとする一方、後中心ラインL3の湾曲ライン2dとはクロッチ部の下点から急激に立ち上がるカーブとして浅いくりとしている。
【0016】上記のように、上端縁を傾斜させていることにより、上端縁2aと下端縁2bとに挟まれる上下幅は、後中心寄り上下幅H11と、前中心寄りの上下幅H2とを相違させて、H1>H2とし、かつ、前中心寄りになるに従い上下幅を漸減している。
【0017】上記第1布2と第2布3の前中心ラインL1と後中心ラインL3との縫着ラインを縫着した状態で、上端縁2aは図中右端の後中心上端P1を最も高くすると共に図中左端の前中心上端P2を最も低くして、前中心P2は着用時に臍下方に位置させるようにしている。上端縁2aの上端縁2aの略中心位置の脇線L2に当たる位置P3は着用時に腰骨に引っ掛かる位置としている。
【0018】また、後中心上端P1からクロッチ部下点P4に至る湾曲ライン2dを縫着して形成される後中心側曲線と、前中心上端からクロッチ部下点P4に至る縫着ライン2cを縫着して形成される前中心曲線とは、前中心側曲線が後中心曲線よりも曲率半径が大きい緩い円弧形状としている。上記前中心側曲線は臍の位置からクロッチ部下点へと続く体型に沿った曲線とし、後中心側曲線は臀裂に沿う形状としている。
【0019】上記湾曲ライン2cと2dの下部縫着部と直線ライン2eと2fとを縫着することによりクロッチ部5を構成し、上記縫着部が直交方向の交差位置がクロッチ部5の下点P4となる。このクロッチ部5には前記のように内面側に綿からなる当て布6を取り付け、肌触りを良くしている。下端縁2bは直線状とし、第1布2、第2布3をそれぞれ左右両端の直線部2e、2fを縫着することにより、足の付け根位置に位置する脚回り部7を構成している。
【0020】第1布2、第2布3は薄く縦横方向に伸びのよいツーウエイラッセルから形成しており、身体にぴったりと密着するようにしている。具体的には、第1布2、第2布3は弾性糸を挿入して伸びを持たせ、本実施形態では、全体に180デニール(198dtex)の弾性糸を1本挿入している。 また、図4に示すように、第1布2、第2布3の下端縁2bから1,2センチ幅の最下端部2gには180デニールの弾性糸を2本挿入して、該最下端部2gより上方へ1.2センチ幅の部分2hには180デニールの弾性糸を1.5本挿入して、上方の他の部分よりもパワーを強め、最下端部2gのパワーを最も強くしている。上記弾性糸を1.5本挿入するとは、弾性糸を2本挿入するウエールと弾性糸を1本挿入するウエールとを交互に設け、全体として1.5本挿入された状態としている。また、上記最下端部2aは端始末不要なヘム使いとしている。
【0021】このように、第1布2、第2布3の下端縁に沿った部分のパワーを強くしておくと、該下端部より形成される左右脚回り部7の裾のパワーが強くなり、脚にぴったりと密着させることができる。かつ、脚回り部7の最下端部2gからなる裾は端始末不要なヘム使いとしているため、裾に端始末のテープあるいは折り返し部を設けずに薄くすることができ、裾ラインがアウターにひびきにくくすることができる。
【0022】縫着した第1布2と第2布3の上端に沿って、前記したように、連続して伸縮性を有する細幅布4を取り付けており、該細幅布4はストレッチレースとして、アウターからの上端からはみ出してた場合、外観を損なわないようにしている。なお、本実施形態では細幅布4の幅は3センチとしている。
【0023】上記構成からなるショーツ1は、図5(A)(B)(C)に示す状態で着用され、腹部側の前側では、上端が臍より下方に位置し、脇線では腰骨に引っ掛かる位置にあり、臀部側の後側も膨出する臀部により上端ラインが下げられる。よって、臍出しのヒップハングのパンツ等のアウターを着た場合に、該アウターの上端からショーツ1がはみ出すことを防止できる。
【0024】また、ショーツ1を構成する第1布2、第2布3を縦横方向に伸びを良くしているため身体にぴったりと密着できると共に、前中心ラインL1、後中心ラインL3を体型に密着させる円弧形状としているため、より身体への密着性を高めることができる。さらに、脚回り部の裾はパワーを強めているため、脚回りに密着できるために不快なずり上がりを防止できると共に、端始末不要な編み方としているため、端縁のラインをアウターに現出させない。
【0025】図6及び図7は第2実施形態を示し、ショーツ1’の全体を伸縮性を有するレース布を用いて形成している。即ち、第1布2’、第2布3’および、該第1布2’と第2布3’を縫着して連続させる上端縁の細幅布4’は同一レース布で形成している。
【0026】上記第1布2’、第2布3’、細幅布4’は、図7に示すレース布20を裁断して用いている。該レース布20は同一幅Wとし、上下両側の先端20a、20bは端始末不要のスカラー形状とし、これら先端20a、20bから1.2センチ幅の部分20c、20dに弾性糸を2本挿入してパワーを大としている。さらに、これら部分20c、20dから内方へ1.2センチ幅の部分20e、20fは第1実施形態と同様に180デニールの弾性糸を1.5本挿入して、パワーを若干小さくなるように切り替えている。上記部分20e、20fに挟まれた本体部分20gは180デニールの弾性糸を1本挿入して縦横方向に大きな伸びを持たせている。
【0027】上記レース布20は、下側先端20bを第1布2’、第2布3’の下端縁として、上端縁及び左右両側端縁を第1実施形態の図3に示すパターンと同一形状に裁断する。切断で分割された上側部は、上側先端20aを上端縁とし、下端縁はスカラー形状とした部分で切断して端始末不要な細幅布4’を設ける。上記第1布2’と第2布3’とを前中心ラインL1、後中心ラインL3で縫着し、縫着された第1布2’と第2布3’の傾斜した上端縁に沿って上記細幅布4’の下端縁を外面側に重ねて縫着することにより、ショーツ1’を完成している。 他の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0028】上記ショーツ1’では、1枚のレース布20を裁断することにより第1布、第2布および細幅布4’を設けることができ、ショーツ全体を美麗なレース布で仕上げているために、所要の機能を保持しながらデザイン性の高いものとすることができる。他の作用効果は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0029】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明に係わるショーツでは、臍だしのヒップハングパンツ等のアウターを着用した場合に、ショーツ自体も臍だしの形状としているため、アウターの上端からショーツがはみ出すことを防止できる。また、臀部側においては、腹部側よりは上下幅を大として上端ラインを高く設定しているため、膨出する臀部によりずり下がったり着崩れることがない。
【0030】さらに、第1布と第2布とを前中心と後中心とで縫着し、かつ縫着ラインを身体の体型に沿わせたラインとし、後側では臀裂に沿わせているため、身体に密着させることができると共に、布自体に縦横方向の大きな伸びを持たせているため、身体にぴったりと密着でき、運動追従性があり、着用感のよいものとなる。
【0031】さらにまた、下端縁および上端縁は伸びを少なくしているため、脚回りにフィットさせてずり上がりを防止できると共に、上端もずり下がりを防止できる。かつ、上下端縁とも端始末不要としているため、端縁が厚くならず、端縁のラインがアウターにひびくことも防止できる利点がある。
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
【公開番号】 特開2002−327304(P2002−327304A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2001−132874(P2001−132874)