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【発明の名称】 着脱自在下着
【発明者】 【氏名】劔持 勲

【要約】 【課題】上着を着用したままで、容易に着脱可能な着脱自在下着を提供する。

【解決手段】着脱自在下着1の脇部2bを開放する。後身頃3の横方向のほぼ中央に、縦方向に伸長する芯部材4を設ける。芯部材4の下端4b近傍に、輪状ゴム5を設け、芯部材4と共に後身頃3の下端部3bをまとめて係止できるようにする。前身頃2及び後身頃3の下端2e及び3bの脇部2b側部分に、補強部6を設ける。首回り部3aに立ち襟7を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上着を着用したままで着脱可能な着脱自在下着であって、肩部で連結された前身頃と後身頃とを有して構成され、前記前身頃と前記後身頃の脇部が開放されており、かつ前記後身頃の横方向のほぼ中央に、縦方向に伸長する芯部材を設けたことを特徴とする着脱自在下着。
【請求項2】 前記芯部材の下端近傍に、前記芯部材と共に前記後身頃の下端部をまとめて係止可能な係止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の着脱自在下着。
【請求項3】 前記前身頃及び前記後身頃の下端部の少なくとも脇部側部分に、補強手段を施したことを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱自在下着。
【請求項4】 首回り部に、立ち襟を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着脱自在下着。
【請求項5】 首回り部に、巻き襟を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着脱自在下着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下着に係り、特に上着を着用したままで容易に着脱することのできる着脱自在下着に関する。
【0002】
【従来の技術】スポーツや労作業の際に、背中等に大量に汗をかいた状態で放置しておくことは不快であり、容易に新しい下着と交換できれば至便である。しかし、従来の下着は、上着を脱いだ状態で着脱する必要があった。寒い季節においては、上着を何枚も重ね着していることが多く、それらを脱いでから下着を着替えることは億劫であった。夏は、汗をかきやすく、そのつど上着を脱いで下着を着替えることは面倒であった。従来、寝たままで子供等の下着を脱衣させるための、脇部及び前身頃の前中心が開放して形成された下着が提案されている(特開平7−331504号公報)。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】この公報に記載の下着は、前身頃と後身頃、及び上着の表に出せる襟羽を有して構成され、前身頃の前中心及び脇部が開放されている。従って、この下着の上に別の下着や寝まき等の上着を着用したままでも、襟羽を引っ張ることにより比較的容易に脱衣することができる。しかし、上着を着たままで、この下着を着衣するためには、特に後身頃を操作しにくいので他人の手を必要とし、自分一人で着衣することは困難である。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するために提案されたもので、その目的は、上着を着たままで、かつ人手を必要とせずに、容易に着脱することのできる着脱自在下着を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、上着を着用したままで着脱可能な着脱自在下着であって、肩部で連結された前身頃と後身頃とを有して構成され、前記前身頃と前記後身頃の脇部が開放されており、かつ前記後身頃の横方向のほぼ中央に、縦方向に伸長する芯部材を設けたことを特徴とする。この着脱自在下着は、次のように着用する。まず、前身頃を胸側、かつ後身頃を背中側にして、着脱自在下着の肩部を肩に載せる。そして、前身頃及び後身頃を、それぞれ上着の首回り開口から挿入し、下方へ移動させる。上着の下端開口から本着脱自在下着の下端部を引っ張って整える。
【0006】このように着用する際、本発明の構成によれば、後身頃に設けられた芯部材により、自分では操作しにくい後身頃を背中に沿って下方に移動させやすい。この芯部材は、後身頃を下方へ移動させるのに十分な長さであればよく、通常下端は、後身頃の下端部近傍まで伸長している。一方、上端は、首の動きと干渉しないように、首回り部から少し下がった位置に設定することが好ましい。なお、脱衣する場合は、本着脱自在下着は脇部が開放されているので、上着の首回り開口から本着脱自在下着の上端を上方に引っ張ることで、容易に脱衣することができる。
【0007】ここで、芯部材は、身体に接する側でも外側でもどちらに設けてもよいが、外側に設けると、芯部材が身体に接触することによる不快感を解消することができ好適である。芯部材としては、後身頃の下端部を下方へ導くことが可能な硬さを有する素材を適宜選択できる。例えば、ナイロン等の合成樹脂から成るベルト様の硬い布を使用することができる。芯部材は、通常の手段、例えば縫着等によって後身頃に取り付けることができる。
【0008】本着脱自在下着の前身頃は、前中心全体が開放された構成にすると着用し易いが、前身頃を首回り開口から挿入して下方へ移動させる際に、裏返しになってしまう等、扱いにくい。そこで、前身頃の前中心の少なくとも下方部分は開放されない構成とすることが好ましい。この場合、前中心が大きく開口した構成にすると、上述のように着用する際に、本着脱自在下着を頭からかぶって肩に載せやすい。
【0009】前中心全体が開放された構成にする場合は、左右の前身頃の所定位置、例えば前中心の開放部下端等に、マジックテープ(登録商標)等の係止手段を設けて、左右の前身頃を係止できる構成にすることが好ましい。このような構成にすると、着用する際には、左右の前身頃を係止しないで、本着脱自在下着を頭からかぶらずに肩に載せることができる。また、前身頃を下方に移動させる際には、係止手段で左右の前身頃を係止することにより、両者を合わせて下方に移動できるので移動させやすい。また、着用中にも、左右の前身頃が広がってしまうことを防止できる。
【0010】なお、本着脱自在下着の素材としては、通常下着として採用される木綿、絹、化学繊維等を使用できるが、吸湿性、肌触りの良さ、コスト等の観点から、木綿のタオル地が好適である。いずれの素材を使用する場合も、肌触りを考慮し、例えば、タオル地の表側の面を、肌に接する側に使用することが好ましい。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の着脱自在下着において、前記芯部材の下端近傍に、前記芯部材と共に前記後身頃の下端部をまとめて係止可能な係止手段を設けたことを特徴とする。このような構成としたので、この係止手段で後身頃をまとめてから、本着脱自在下着を着用すると、後身頃が広がってしまうことなく、芯部材の機能と相まって、より一層後身頃の下端部を下方に移動させやすい。後身頃の下端部を移動させた後、上着の下端開口から手を入れ、係止手段から後身頃の下端部を解放して、下端部を整えればよい。係止手段としては、例えば、弾性部材から成る輪状の留め具、さらに詳しくは布で被覆された輪状ゴム等を使用することができる。係止手段は、芯部材の下端近傍に縫着等の手段によって取り付けることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の着脱自在下着において、前記前身頃及び前記後身頃の下端部の少なくとも脇部側部分に、補強手段を施したことを特徴とする。ここで、補強手段としては、その部分の素材を重ねて縫着すること、下着本体の素材とは別の強度の高い素材を縫い付けること等を挙げることができる。この補強手段は、前身頃及び後身頃の下端部全体に施すこともできるが、本着脱自在下着を着用する際には、下端部の脇部側部分を下方へ引っ張ると整えやすいので、少なくとも下端部の脇部側部分が補強されていればよい。このような手段を講じたので、本下着を着用する際に、その下端部を下方へ引っ張ることによる、その部分の素材の破れ等の劣化を防止することができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着脱自在下着の首回り部に、立ち襟を設けたことを特徴とする。このように立ち襟を設けると、首回りの汗を吸収することができる。また、冬季には、防寒の機能をも果たすことができる。さらに、当該立ち襟を上方に引っ張ることにより、容易に脱衣することができる。この立ち襟は、首回り全体に設けることもできるが、後身頃の首回りのみに設けると、本着脱自在下着の上に重ねて着用する他の下着又は上着との干渉を避けることができる。また、本着脱自在下着の作製も簡易にすることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着脱自在下着の首回り部に、巻き襟を設けたことを特徴とする。ここで、巻き襟とは、首の回りに巻きつける形式の襟の意である。このように巻き襟を設けると、首回りの汗を吸収することができると共に、冬季には防寒の機能をも果たすことができる。さらに、表側の素材を工夫することにより、例えば、サテン等の生地を使用することによって、襟元をおしゃれに演出することもできる。裏側(肌に接する側)の素材は、吸湿性及び肌触りに優れる、例えば、綿のタオル地等が好適である。この巻き襟の長手方向の両端は、例えば、マジックテープ、ホック、ボタン等の係止手段によって係止可能に構成することができる。このような構成にすると、さらに上記機能を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の着脱自在下着の、(A)は正面図、(B)は背面図であり、図2は、その展開図である。この着脱自在下着1は、前身頃2と、この前身頃2とは肩部2aのみで連結され、脇部2bでは連結されていない後身頃3とを有する。すなわち、本着脱自在下着1は、脇部2bが開放されている。前身頃2の前中心は、比較的大きい開口部2cを有し、前中心下方部2dは開放されずに構成されている。
【0016】後身頃3の横方向のほぼ中央には、縦方向に伸長する芯部材4が設けられている。この芯部材4の上端4aは、後身頃3の首回り部3aより、例えば、6〜10cm程度下がった位置に設定されている。一方、芯部材4の下端4bは、後身頃3の下端部3bの近傍まで伸長している。この芯部材4の下端4bの近傍には、布で被覆された輪状ゴム5が縫着されている。前身頃2及び後身頃3の下端部2e及び3bの脇部側部分には、それぞれ三角形の高強度の別布が縫着された補強部6が設けられている。後身頃3の首回り部3aには、立ち襟7が縫着されている。立ち襟7は、別布が重ねて縫着されて補強されている。なお、輪状ゴム5が、請求項2に記載の係止手段に相当し、補強部6が、請求項3に記載の補強手段に相当する。
【0017】このように構成された着脱自在下着1は、次のように着用する。まず、図3に示されるように、輪状ゴム5で、後身頃3の下端部3bを、芯部材4と共にまとめて係止する。そして、前身頃2を胸側、かつ後身頃3を背中側にして、着脱自在下着1を頭からかぶり、肩部2aを肩に載せる。そして、前身頃2及び後身頃3を、それぞれ上着(図示せず)の首回り開口から挿入し、下方へ移動させる。この際、後身頃3は、芯部材4を有し、かつその下端部3bが輪状ゴム5で芯部材4と共に係止されているので、下方へ移動させやすい。そして、上着の下端開口から手を入れ、後身頃3の下端部3bを輪状ゴム5から解放し、補強部6を引っ張って整える。同様に、前身頃2も上着の下端開口から手を入れて補強部6を引っ張って整える。脱衣するときは、脇部2bが開放されているので、上着の上部開口から、立ち襟7を上方に引っ張ることにより、容易に脱ぐことができる。
【0018】本実施形態の着脱自在下着1は、全体が単純な矩形から成り、首回り部3aも直線で構成されているので、製作が容易である。なお、図4に示されるように、立ち襟7を設けない構成とすることもでき、襟のない上着等にも対応させることができる。この場合は、首回り部3aの近傍を上方に引っ張って脱衣するので、この部分を別布等で補強すると(図示せず)好ましい。前中心の開口2cの周囲及び脇部2b等は、バイアステープ等で補強すると(図示せず)、ほつれにくくなり、繰返しの洗濯にも耐えるようにすることができる。
【0019】また、図5及び図6示されるように、後ろ身頃3の首回り部3aに、巻き襟8を設けることもできる。この巻き襟8の長手方向の両端には、係止手段としてマジックテープ8a、8aが設けられている。従って、首回りの汗取り及び防寒機能を高めることができる。係止手段としては、ホック、ボタン等も選択でき、例えば、見栄えのするボタンを採用すると、機能性に加えて襟元をおしゃれに演出することもできる。
【0020】図7は、本発明の他の実施形態の着脱自在下着の展開図である。この着脱自在下着10は、図2の場合とは、前中心11aが開放されている点が異なっている。そして、左右(図7中、上下)の前身頃11の前中心11a近傍の下端(図7中、右端)にマジックテープ12が設けられており、図8に示されるように、左右の前身頃11を係止できるように構成されている。このように構成された着脱自在下着10は、マジックテープ12をはずした状態で着用できるので、頭からかぶることなく、肩部11bを肩に載せることができる。そして、マジックテープ12で左右の前身頃11を係止してから、上着の上部開口から前身頃11を入れることができる。従って、左右の前身頃11が、裏返しになってしまうことを防止でき、前身頃11を操作しやすい。
【0021】また、本発明に係る着脱自在下着1、10は、下着本体全体が木綿のタオル地で形成されており、タオル地の表側の面を内側、すなわち肌に接する側に使用して作製されている。従って、吸湿性に富み、かつ肌触りも良好である。なお、本着脱自在下着1、10の素材に、カテキン類のような抗菌・消臭に効果のある成分を含有させることができる。このような構成にすると、抗菌・消臭の機能を付加することができ、商品価値を高めることができる。
【0022】なお、朝初めて着るときは、本発明の着脱自在下着のように後身頃に芯部材を有するものでなくてもよく、脇部が開放された構成の下着、すなわち、上着を着用したままで脱衣可能な下着であればよい。そして、汗をかいた場合に、本発明の着脱自在下着に取り替えるというように、適宜使い分けて使用することが好ましい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の着脱自在下着は、自分では操作しにくい後身頃に芯部材が設けられているので、後身頃を下方へ移動させやすい。また、係止手段が設けられているので、後身頃を芯部材と共にまとめて係止することにより、より一層後身頃の操作を容易にすることができる。従って、本着脱自在下着は、上着を着用したままで、かつ人手を必要とせずに容易に着脱することができる。さらに、前身頃及び後身頃の下端の脇部側部分に、補強手段が施されているので、下方に引っ張ることによって布が傷むことを防止できる。立ち襟又は巻き襟を設けた場合には、首回りの汗を吸収する効果に加え、冬の防寒の機能をも果たし、かつ立ち襟又は巻き襟を引っ張ることにより脱衣を容易にすることができる。
【出願人】 【識別番号】398052874
【氏名又は名称】劔持 勲
【出願日】 平成13年3月19日(2001.3.19)
【代理人】 【識別番号】100107157
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 比呂美
【公開番号】 特開2002−275704(P2002−275704A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−77399(P2001−77399)