| 【発明の名称】 |
制電性レッグ製品 |
| 【発明者】 |
【氏名】高比良 淳
【氏名】原田 守
【氏名】清水 宏泰
【氏名】白井 友義
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| 【要約】 |
【課題】帯電防止剤が少量であっても、充分な制電性能を付与し洗濯によって制電性能が低下しない制電性レッグ製品を提供する。
【解決手段】ポリウレタン弾性糸をポリアミド繊維でカバリングした複合繊維からなるレッグ製品であって、該ポリアミド繊維が帯電防止剤を1.0〜5.0重量%含み、1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sが2.0×10-3〜4.0×10-3cm2/dtexであることを特徴とする制電性レッグ製品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリウレタン弾性糸をポリアミド繊維でカバリングした複合繊維からなるレッグ製品であって、該ポリアミド繊維が帯電防止剤を1.0〜5.0重量%含み、1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sが2.0×10-3〜4.0×10-3cm2/dtexであることを特徴とする制電性レッグ製品。 【請求項2】 温度20℃、相対湿度40%の環境下における摩擦帯電圧減衰法における測定直後の帯電圧が−4.0〜4.0kVであり、10秒後の帯電圧が−1.0〜1.0kVである請求項1に記載の制電性レッグ製品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は制電性能に優れた制電性能に優れ、洗濯をしても制電性能が低下しないタイツ、パンティストッキング及びストッキング等のレッグ製品に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来からポリアミド繊維は柔らくしなやかであるといった特性から、パンスト・タイツなどのレッグ製品の素材に使用されている。しかし、冬期の低温・低湿度の気象条件下では静電気の発生・放電によって衣類の脱着時に皮膚に刺激を与えたり、スカートの纏わりを誘発するという欠点があった。 【0003】これらの問題を解決する手段としては、ポリアミド繊維表面に後加工によって界面活性剤等の帯電防止剤を付与する方法が各種提案されている。しかしこの方法では洗濯回数を重ねるに従って帯電防止剤が脱落し、繊維の制電性能が低下してしまうという欠点を持つ。 【0004】他にも特開平4−272272号公報には、ラジカル開始剤や電子線を用いてビニルカルボン酸をグラフト重合する後加工を施すことにより、制電性を付与したナイロン繊維が記載されている。しかしながら、これらの繊維は、後加工処理によって繊維の強力の低下を招いたり風合が硬化するという欠点があった。また、これらの方法も耐洗濯性が満足できるものではなかった。 【0005】他にも特開平5−247722号公報には、ポリオキシアルキレングリコール等の親水性樹脂をポリアミド中に共重合、混合分散させた繊維等も提案されている。しかし充分な制電性能を得るためには数10%以上もの高い割合で親水性樹脂を共重合、混合分散させなければならず、紡糸段階において断糸の原因となってしまう。また仮に巻き取れたとしても、紡糸段階において付着させるエマルジョン油剤によって親水性樹脂が吸水して膠着が起こり、糸の解舒性が著しく低下し、製造における歩留まり低下の原因となってしまう。また共重合、混合分散させた割合が少ないと制電性能が充分発揮出来ないという欠点を持つ。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来技術を解消し帯電防止剤が1.0〜5.0%重量という少量であっても、充分な制電性能を付与し洗濯によって制電性能が低下しない制電性レッグ製品を提供することにある。 【0007】 【課題を解決する手段】本発明はかかる課題を解決するために次の手段をとるものである。すなわち本発明はポリウレタン弾性糸をポリアミド繊維でカバリングした複合繊維からなるレッグ製品であって、該ポリアミド繊維が帯電防止剤を1.0〜5.0重量%含み、1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sが2.0×10-3〜4.0×10-3cm2/dtexであることを特徴とする制電性レッグ製品である。 【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本発明では帯電防止剤として公知のものが使用できる。例えばグリセリン又はアルキレンオキサイド付加物とジカルボン酸アルキルエステルとの反応生成物、有機ポリイソシアネート及びジカルボン酸アルキルエステル、ポリオキアルキレングリコール、アルキルスルホン酸金属塩、ベンゼンスルホン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩を含む重合体等が挙げられる。中でもグリセリン又はアルキレンオキサイド付加物とジカルボン酸アルキルエステルとの反応生成物が好ましい。 【0009】これら帯電防止剤の添加量はポリアミド繊維中1.0〜5.0重量%でなければならない。1.0重量%未満では充分な制電性能を得る事ができない。又、5.0重量%を超えると紡糸の段階で断糸する頻度が高くなるばかりでなく、得られた繊維の風合いが硬くなったり、ヌメリ感がでてきてしまう。好ましくは制電性能、紡糸工程における操業性(紡糸性)、繊維製品の風合いより2.0〜3.0重量%が望ましい。 【0010】制電剤の添加方法は、ポリアミド樹脂を重合する際添加する方法、マスターバッチとしてポリアミド樹脂チップとブレンドして溶融、混練、分散させる方法、紡糸段階において溶融したポリアミド樹脂に帯電防止剤を溶融せしめ注入しスタティクミキサー等の混練素子にて樹脂中に分散する方法等いかなる方法でもかまわない。 【0011】ポリアミドはナイロン6の他、ナイロン4.6、ナイロン6.6、ナイロン6.10、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。酸化チタンなどの艶消剤を含んでも構わない。 【0012】繊維の断面は○は勿論、三角形、四角形等の多角形、星形、歯車形、ハート形、チューブ状の丸型中空、田形などの中空部が存在するような異形断面でもかまわない。ただし1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sが2.0×10-3〜4.0×10-3cm2/dtex条件を満たす異形断面及びフィラメント本数でなければならない。2.0×10-3cm2/dtex未満では充分な制電性能を発現することができずレッグ製品にした場合でも静電気による肌への刺激、スカートの纏わり付きを防ぐことはできない。また、4.0×10-3cm2を超えるような繊維は製造する上で非常に困難であるからである。仮に製造できたとしても単位当りの表面積が大きく収束性に乏しいため、取扱いが非常に難しくレッグ製品製造も非常に困難である。好ましくはタイツ等の風合い上、繊維断面1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sが2.5×10-3〜3.5×10-3cm2/dtexでトータル繊度が50dtexから80dtexで36本から50本の○断面マルチフィラメントが望ましい。 【0013】本願発明に用いる制電性ポリアミド繊維の製造方法は公知の方法で製造することが可能である。速度500から1000m/分程度で紡糸し、一旦ボビン等に巻き取った後に延撚機にて延伸する方法(コンベンショナル法)、紡糸段階において延伸、熱処理を行う方法(スピンドロー法)、4000m/分程度の高速にて一旦ボビンに巻き取り、延伸と仮撚りを同時に行う方法(POY−DTY法)のどの方法からも製造することが可能である。 【0014】延伸は樹脂中に含まれる帯電防止剤を表面にブリードアウトさせるために倍率1.1倍〜3.5倍の範囲で実施するのが好ましい。延伸倍率をこの範囲に設定する事で、帯電防止剤が過度にブリードアウトせず制電性能の耐洗濯性が向上するので好ましい。更に好ましくは一旦、4000m/分の高速にて巻き取り1.15〜1.3倍の範囲にて延伸、仮撚りによって製造された糸が耐洗濯性や製造コストの理由から望ましい。 【0015】仮撚り加工は製品用途によって、施しても、施さなくても構わない。公知のピン仮撚り、フリクション仮撚り、ベルト仮撚りのどの方法でも構わない。 【0016】芯糸として用いるポリウレタン弾性糸は乾式、湿式、溶融の紡糸方法は問わず、ポリマー中にR−OHとR’−NCOが重付加反応した−NHCOの結合を有するもので、エーテル結合を持つエーテルタイプとエステル結合を持つエステルタイプがあるが、そのいずれでもよい。繊度は好ましくは44dtex以下、更に好ましくは17から33dtexが望ましい。 【0017】本発明のレッグ製品は、温度20℃、相対湿度40%の環境下における摩擦帯電圧減衰法(JIS l−1094 5.4法)における測定開始直後(0秒後)の帯電圧が−4.0〜4.0kVであり、10秒後の帯電圧が−1.0〜1.0kVを満足する事が好ましい。 【0018】測定開始直後(0秒後)の帯電圧が−4.0〜4.0kVの場合では脱衣時、人体への放電が発生しないので、パチパチという不快感を与えることがなく好ましい。また、10秒後の帯電圧が−1.0〜1.0kVではレッグ製品中に帯電した静電気の除電が速やかに行われ、スカートの纏わり付きを誘発する事がないので好ましい。更に好ましくは測定開始直後(0秒後)の帯電圧が−3.0〜3.0kVで、10秒後の帯電圧が−0.5〜0.5kVであることが望ましい。 【0019】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、1dtex及び1cm当りの繊維表面積Sは以下の方法をで算出した。 【0020】延伸、仮撚りが終了した制電性ポリアミド繊維の横断面写真を光学顕微鏡にて撮影した。次にこの写真を用いて三谷商事製パソコンソフト「ウインルーフ」を用いて繊維の周囲長Tを測定後、全マルチフィラメントの1dtex及び1cm当りにおける総表面積Sを算出した。 S=T×1(cm)/DtS:1dtex及び1cm当りの繊維表面積(cm2) T:制電性ポリアミド繊維の断面における外周長さ(cm) Dt:制電性ポリアミド繊維の繊度(dtex) 【0021】制電性レッグ製品の着用時の刺激及びスカートの纏わり状況についての評価方法、結果について説明する。 【0022】温度20℃、湿度40%の人工気象室内において被験者に上着:羊毛100%のセーター、実施例及び比較例として試作したタイツを着用し、スカート:ポリエステル100%製、人工皮革製革靴(底部は合成樹脂製)を履いた状態でアクリル板の上を1分間足踏みした。スカートの纏わり付きの有無、タイツ脱着時の肌への刺激ついて評価を行った。全く静電気の弊害が観られなかったものを◎、僅かに弊害が観られたものを○、静電気の弊害が確認はできるが着用に不快感を伴わないものを△、はっきりと静電気の弊害が確認でき、非常に不快なものを×とした。 【0023】ポリアミド繊維の紡糸工程における操業性(紡糸性)は、全く糸切れせずに巻き取り可能だったものを◎、1日に数回断糸やフィラメント中の単糸切れが発生する場合があったものを○、断糸が多発し生産することが不可能だったものを×とした。 【0024】(実施例1)相対粘度2.7(溶媒:95%硫酸)のナイロン6を溶融させ、グリセリンのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物(付加重合重量比率80/20)とジメチルテレフタレートとの反応生成物を2.5重量%添加し、270℃の温度にて溶融紡糸して紡糸速度4000m/分で75dtex/48フィラメントの断面形状が○であるマルチフィラメント未延伸糸を得た。 【0025】該マルチフィラメントをピン仮撚機を用いて延伸倍率1.15倍、熱板温度150℃、スピンドル回転数3500rpm、S、Z撚り、それぞれ3400t/mの条件で仮撚りして65dtex/48仮撚加工糸を得た。1dtex当りの繊維表面積は2.8×10-3cm2であった。続いて鞘糸に該仮撚加工糸を、芯糸に22dtex/2fのポリウレタン弾性糸(ポリエーテル系)を用いてスピンドルrpm7000、撚り数400t/m、ドラフト率2.6倍の条件で片岡機械製のBS−S−240シングルカバリング機に仕掛けて、S・Z各撚方向のカバリング糸を得た。 【0026】このカバリング糸を針本数360本の永田精機製の4口靴下編み機KT−SUPER4を使い、回転数380rpmの条件でS・Z各2本ずつレッグ部、パンツ部に配置し、タイツを製編した。得られた生機を酸性染料を用い、染色−仕上げ−型板セットを実施してタイツを得た。 【0027】タイツの制電性能を温度20℃、相対湿度40%の環境下でカネボウ・エンジニアリング摩擦帯電圧測定器にてJIS L−1094 5.4法に従って帯電圧を測定し評価した。また着用試験結果を表1に示す。 【0028】(実施例2〜3)実施例1と同じ方法にて繊度、フィラメント数、帯電防止剤を変えてタイツを作成、評価した。 【0029】(比較例1〜4)実施例1と同じ方法にて繊度、フィラメント数、断面形状を変えてタイツを作成、評価した。 【0030】 【表1】
【0031】 【発明の効果】本発明の制電性レッグ製品は耐久性に優れ、優れた制電性能をもつものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000952 【氏名又は名称】カネボウ株式会社 【識別番号】596154239 【氏名又は名称】カネボウ合繊株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−266103(P2002−266103A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−70688(P2001−70688) |
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