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【発明の名称】 肌 着
【発明者】 【氏名】丹羽 氏輝

【氏名】佐藤 雅伸

【氏名】笠原 敬子

【要約】 【課題】水分子吸着性能を利用した保温性効果の高い肌着を提供する。

【解決手段】水分子吸着発熱性能を有する編地からなり、その発熱エネルギー指数が5以上、編地の少なくとも肌と接する面の接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下、カンチレバー法による剛軟度が5〜30mm、かつ、編地の破裂強力が0.25MPa以上である肌着。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水分子吸着発熱性能を有する編地からなり、その発熱エネルギー指数が5以上、編地の少なくとも肌と接する面の接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下、編地のカンチレバー法による剛軟度が5〜30mm、かつ、編地の破裂強力が0.25MPa以上である肌着。
【請求項2】前記編地の密度が22〜85ウエル/2.54cmおよび24〜138コース/2.54cmであって、かつ、目付80〜300g/m2である請求項1記載の肌着。
【請求項3】編地を構成する繊維表面に、吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子を固着させてなる請求項1または2いずれかに記載の肌着。
【請求項4】吸湿性ポリマーが、ビニルスルホン酸を主成分としたポリマーである請求項3記載の肌着。
【請求項5】吸湿性微粒子が珪素を含む酸化物の微粒子である請求項3記載の肌着。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肌着に関する。さらに詳しくは、優れた保温性を有し、軽く肌触りが良く、伸縮性に富み、汗をかいてもべとつかない肌着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、秋冬時期での日常着、あるいは寒冷な環境のもとでの作業やスポーツのために、種々の保温性に優れた肌着が提案されてきた。厚手の綿の肌着やウールを混紡した肌着などは、静止時は暖かいものの少し動くと暑くなり過ぎて過度の発汗を招き、運動後は冷えた汗で不快になりがちである。また、重くて動き難い等の問題がある。これらの問題を解決するために、例えば、実公昭61−45180号公報は、表面及び裏面(肌側面)が疎水性合成繊維層、中層が親水性繊維含有層の凹凸状の袋編からなる丸編地を提供し、保温性や吸汗性等を改善している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の実公昭61−45180号公報による肌着は、肌側面が凹凸状の袋編のため肌触りが悪く、保温性も十分とはいえず、また、カサ高のため動き難いなどの問題点があり、いまだ十分に満足される肌着が提供されていないのが実状である。
【0004】本発明の目的は、上記の実状に鑑み、優れた保温性を有し、かつ、軽く肌触りが良く、伸縮性と機械強度に富み、汗をかいてもべとつかず冷感を感じない肌着を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究した結果、水分子吸着発熱性能を有する編地からなり、かつ、肌着としての柔らかさと同時に、着用した時および汗をかいた時の肌面の冷たさを感じることがない編地からなる肌着が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、水分子吸着発熱性能を有する編地からなり、その発熱エネルギー指数が5以上、編地の少なくとも肌と接する面の接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下、編地のカンチレバー法による剛軟度が5〜30mm、かつ、編地の破裂強力が0.25MPa以上である肌着である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の肌着は、水分子吸着発熱性能を有する編地からなり、その発熱エネルギー指数が5以上、少なくとも編地一面側の接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下、かつ、該編地の破裂強力が0.25MPa以上、カンチレバー法による剛軟度が5〜30mmであることを特徴とする肌着である。
【0008】本発明の肌着に用いる、水分子吸着性能を有する編地を構成する繊維としては、吸湿性を有する繊維を用いればよく、例えば、羊毛、蛋白質繊維であるアーディル、ビスコースレーヨン、絹、綿等の湿潤熱の高い繊維を用いても良い。
【0009】または、合成繊維に、紡糸あるいは後加工において吸湿性を付与・向上させることも好ましい。
【0010】例えば、紡糸においては、ナイロンにポリビニルピロリドン等の吸湿ポリマーを錬り込み紡糸して得られた吸湿性向上ナイロン糸等を挙げることができる。ナイロンにポリビニールピロリドンを5重量%練り込むことにより後述する発熱エネルギーが13程度の糸を得ることができる。この糸の編地への混率は、編地全重量比の20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上とすることで目的とする性能を得ることができ好ましい。
【0011】また、後加工においては、吸湿性のあるポリマーおよび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面に固着させることが実用上好ましく用いられる。後加工で吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子を固着させることにより、繊維が吸湿性となることは、後述する編地の柔軟性を増すことにもなり好ましい。
【0012】吸湿性のあるポリマーを繊維表面に固着させる例としては、ビニルスルホン酸を主成分としたポリマーを用いることが好ましい。ビニルスルホン酸としては、例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸が水分子吸着発熱性能の点で望ましい。例えば、ポリエステル100%編地の起毛素材にアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とPEG#1000ジメタクリレートの共重合物を3重量%程度付着させることにより後述する発熱エネルギー指数が15程度の編地を得ることができる。
【0013】吸湿性のある微粒子を繊維表面に固着させる例としては、吸湿率の高い、シリカなど珪素を含む酸化物の微粒子を用い、これをバインダーで繊維表面に固着することが好ましい。
【0014】これら上記の手段を組み合わせて採用することも好ましい。
【0015】また、前記のナイロン系繊維やポリエステル系繊維以外に、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維のみを用いた肌着は勿論のこと、これらの合成繊維同士の交編、交撚、引き揃え、混繊した編地からなる肌着、これら合成繊維のフィラメント糸条使い、紡績糸使い、混紡糸使いによる編地からなる肌着、あるいは、他に天然繊維やセルロース系合成繊維と交編、交撚、引き揃え、混繊糸、混紡糸使いによる編地からなる肌着としても良い。
【0016】編地に用いるこれらの糸の太さとしては、フィラメント糸条ならば総繊度33〜222デシテックス、単繊維繊度は0.1〜11デシテックス、紡績糸ならば綿番手換算で20〜100番手程度が好ましく使用でき、肌着としての狙い用途と後述する製編手法により適宜使い分ければ良い。
【0017】本発明の肌着は、発熱エネルギー指数が5以上であることが重要である。ここで発熱エネルギー指数とは、ポリエチレンテレフタレート繊維100%素材の水分子吸着発熱エネルギーを1とした場合の比較値である。具体的な測定法は実施例で詳細に示すが、アルコール温度計に3gの試料を巻き付け、30℃、30%RHの環境で調温、調湿させた後、30℃、90%RHの環境へ移動させた場合の吸湿時の温度上昇を経時的に観察し、横軸に時間、縦軸に温度としたグラフに30℃から上昇し再び30℃に復元するまでプロットし、その面積を測定するものである。
【0018】この発熱エネルギー指数が5以下では発熱効果が実感できない。発熱エネルギー指数は好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。
【0019】ただし、やたらに吸湿性を増加させただけでは、肌に触れたときに冷たく感じ、保温性を狙いとする肌着には適さなくなる。本発明は、この矛盾を解消すべく、水分子吸着発熱性能を有する編地の肌と接する面の接触温冷感(qmax)を0.12W/cm2以下にする必要がある。
【0020】接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下の編地は、例えば、編地の肌と接する接触面に肌触り感を阻害させない程度の凹凸を付け、接触面積を小さくした編地構造にすることにより得られる。また、接触温冷感(qmax)が0.12W/cm2以下の編地は、接触面のみに吸湿性の低い繊維を用いた2重編組織等の多重組織編地でも得られる。例えば、編地片面を起毛加工する方法や多重編組織で接触面積を小さくする方法で、接触温冷感(qmax)を0.12W/cm2以下にすることができるが、本発明はこれらに限定されず、いかなる方法でも接触温冷感(qmax)を0.12W/cm2以下にすれば良い。
【0021】接触温冷感(qmax)は好ましくは0.1W/cm2以下であり、より好ましくは0.08W/cm2以下である。
【0022】また、本発明の肌着は、編地のカンチレバー法による剛軟度が5〜30mmであることが必要である。剛軟度が30mmより大きいと編地の風合いが硬くなり、肌着としては使用困難になる。また、5mm未満では、編地の風合いが柔らかくなり過ぎ、身体にまとわりついて動き難くなる。
【0023】なおかつ、本発明の肌着は、用いる編地の破裂強力が0.25MPa以上であることが必要である。編地の破裂強力が0.25MPa未満では、着用中に破れたりするため使用に耐えられなくなる。
【0024】前述の剛軟度のみであれば、用いる糸の太さや編地の目付を適宜設定することにより有る程度は達成しうるが、この破裂強力を維持しつつ所望の剛軟度を得ることが重要である。
【0025】本発明の肌着用の編地は、密度が22〜85ウエル/2.54cmおよび24〜138コース/2.54cmであって、かつ目付80〜300g/m2であることが好ましい。
【0026】密度を22ウエル/2.54cm以上および24コース/2.54cm以上とすることで、必要な強度を保ち目ヨレの発生なども防ぎ、製編性も向上する。また、密度を85ウエル/2.54cm以下および138コース/2.54cm以下とすることで、編地の風合いを良くし、軽量感を保ち、さらに製編性を向上させることができる。
【0027】また、編地の目付を、80g/m2以上とすることで、適度な張りを持たせ、身体にまとわり付かない。一方300g/m2以下とすることで、風合いが硬くなるのを防ぎ、軽量感を維持することができる。
【0028】編地の製編は、経編地であるトリコット地、ラッセル地、および、丸編地であるシングル丸編地、ダブル丸編地等のいずれであってもよい。また、編組織は、経編地のハーフ組織、バックハーフ組織、クイーンズコード組織、サテン組織、メッシュ組織、その他変化組織等、または、丸編地の天竺組織、フライス組織、インターロック組織、モックローディ組織、その他変化組織等、通常肌着として使用されている編組織であれば良い。
【0029】特に、編地裏面側(肌面側)の形状を肌触り感を阻害しない程度の凹凸形状とすることで、肌と肌着裏面側の接触面積を軽減させると同時に、不動空気層が形成され、肌面側の接触温冷感(qmax)を下げることができ好ましい形態となる。
【0030】この凹凸形状の形成法としては、変化編組織によるもの、太い糸と細い糸との組合せによるもの、あるいはジャガード柄組織によるもの、さらには、起毛加工によるもの、エンボス加工によるもの等を採用することができる。
【0031】本発明に使用する肌着用の編地は、前述した編組織が単層として構成されたものでもよいが、二層、三層等の多層構造体にしたものであってもよい。多層構造体の編地を使用する場合は、編地表面側を構成する糸に紡績糸を、裏面側(肌面側)に合成繊維マルチフィラメント糸を使用したり、あるいは、編地表面側を構成する糸に単繊維繊度の細い合成繊維マルチフィラメント糸を、裏面側(肌面側)に単繊維繊度の太い合成繊維マルチフィラメント糸を使用することが好ましい。
【0032】このような多層構造体にした編地は、気体状の汗のみならず、液体状の汗は二層、三層等の多層構造体による毛細管現象により、編地裏面側(肌面側)から表面側へ素早く、かつ効率良く吸水・透水・拡散させることができるため、激しい運動等での液体状発汗に対し、好適な肌着とすることができる。
【0033】また、この肌着用の編地には、ポリウレタン系弾性糸等に代表されるゴム状弾性糸を含んでいてもよい。より大きなストレッチ性を必要とするタイツ、アンダーパンツ、ボディスーツ、ガードル、ショーツ等の肌着では、このようなゴム状弾性糸を含ませることにより、そのストレッチパワーにより身体に、よりフィットし動き易さを高めたり、体型を補正することで身体を美しく見せることができ好ましい。
【0034】また、編地に水分子吸着発熱性能を付与する後加工としては、製編生機のリラックス・精練と染色後、ビニルスルホン酸を主成分としたポリマーと架橋剤をパッディング等で編地に付着させた後、熱処理等によりポリマー化して繊維表面に固着する方法がある。ビニルスルホン酸は、pH値が低く、そのまま用いると綿やナイロン繊維は脆化するため、予め中和したビニルスルホン酸ナトリウムを用いる。また、ビニルスルホン酸亜鉛を用いると、消臭性能も付与できる。
【0035】本発明による肌着用の編地の染色段階での付帯加工としては、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、吸汗加工、撥水加工、紫外線吸収加工等、さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、オパール加工等、最終狙い肌着種の要求特性に応じて適宜付与することが望ましい。
【0036】本発明の肌着は、素材や編地の構造を適宜選択することにより、次のように幅広く展開可能である。例えば、一般婦人用肌着であるスリップ、キャミソール、ペチコート、ショーツ、アンダーパンツ、タイツ、Tシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ボディスーツ、ガードル等。一般紳士用肌着であるTシャツ、丸首シャツ、U首シャツ、ランニングシャツ、アンダーパンツ、タイツ、ブリーフ、トランクス等。また、これらの肌着の転用を含めたしたアスレチック、アウトドア、スキー等のスポーツ用肌着。屋外作業、保冷庫作業等の作業用肌着等に好ましく使用できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(測定方法)
(1)発熱エネルギー指数幅約3.5cmの試料3gを、アルコール温度計あるいは熱電対の測定部に巻き、摂氏30度×湿度30%RHの環境下に12時間以上放置後の温度を測定した。次に、摂氏30度×湿度90%RHの環境まで湿度を3%/分の速度で変化させ、この間1分ごとに4時間後まで温度を測定した。測定後、上昇温度を積分したものを発熱エネルギー量として求め、次の式によって表した。発熱エネルギー指数=試料の発熱エネルギー量/ポリエチレンテレフタレート繊維タフタ(JIS染色堅牢度試験用添付布)の発熱エネルギー量。
【0038】(2)接触温冷感(qmax)
カトーテック(株)製のサーモラボ2型測定器を用い、室温20℃、湿度65%RHの部屋で、BT−Boxを30℃に調節し、十分調湿したサンプルの上にBT−Box(圧力10g/cm2)を乗せ、10℃の温度差での単位面積当たりの熱流束を測定した。
【0039】(3)発熱効果(保温性向上効果)
肌着縫製品を室温5℃、湿度65%RHの部屋で着用し、エルゴメーターで75Wの運動を15分実施した後、肌着を脱ぎ、裏返し、裏側面の温度を熱赤外線画像で測定するとともに着用感覚を確認した。
【0040】(4)カンチレバー法による剛軟度JIS L 1018「メリヤス生地試験方法」に準じて行った。2cm×15cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ5枚採取した。一端が45度の斜面をもったカンチレバー型試験器を用いて、試験片の一端の短辺を試験器の斜面側のスケールの基準に合わせ、試験片を斜面の方向に滑らせて試験片の一端が斜面と接した時の他端の位置を読み取った。この試験片が滑った長さを剛軟度(mm)とし、タテ、ヨコ各々5枚の平均値で評価した。この値が小さいほど柔らかいことを意味する。
【0041】(5)破裂強力JIS L 1018「メリヤス生地試験方法」に準じて行った。15mm×15mmの試験片を5枚採取し、試験片の表面を上にして張力を加えずに普通の状態で、ミューレン型破裂試験器機に取り付けて破裂強力を測定し、5枚の平均値で示した。
【0042】[実施例1]図1の編方図に示す計8給糸口からなる編組織の全給糸口F1〜F8の構成糸イおよびロにナイロンに吸湿ポリマーであるポリビニルピロリドンを5重量%練り込んだ155デシテックス48フィラメント糸を用い、22Gの両面丸編機にて、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となるナイロン100%の丸編地を編成した。
【0043】この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練、染色、乾燥、仕上げセットを行った。
【0044】得られた編地は、発熱エネルギー指数が13、裏面側(肌面側)の接触温冷感(qmax)が0.811、また、破裂強力が0.59MPa、カンチレバー法による剛軟度が11mm、密度が35ウエル/2.54cm、46コース/2.54cm、目付が181g/m2であった。
【0045】この編地を使用して本発明の肌着を縫製し、評価した結果、暖かく、また動き易く肌着として優れていると判断されるものであった。結果を表1に示す。
【0046】[実施例2]実施例1と同様の図1の編方図に示す計8給糸口からなる編組織の4給糸口F1、F3、F5、F7の編地において表面側構成糸イにアクリル紡績糸1/52を、他の4給糸口F2、F4、F6、F8の編地裏面側(肌面側)構成糸ロにナイロンフィラメント加工糸78デシテックス24フィラメント糸を用い、22Gの両面丸編機にて、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。
【0047】この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥を行った。さらに、この染色・乾燥後の生地を、下記組成の処方Aの処理液に浸漬後、ピックアップ率80%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2分乾燥させた。
【0048】
(処方A)
・AMPS(アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸) 20g/l・PEG#1000ジメタクリレート(商品名P303 共栄社)40g/l・過硫酸アンモニウム 2g/l。
【0049】乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1分でセットして発熱エネルギー指数9、裏面側(肌面側)の接触温冷感(qmax)0.076、また、破裂強力は0.52MPa、カンチレバー法による剛軟度は13mm、密度が36ウエル/2.54cm、48コース/2.54cm、目付が190g/m2の編地を得た。
【0050】この編地を使用して本発明の肌着を縫製し、評価した結果、暖かく、また動き易く肌着として優れていると判断されるものであった。結果を表1に併せて示す。
【0051】[実施例3]インターロック編組織においてポリエチレンテレフタレートフィラメント糸83デシテックス36フィラメント糸を用い、22Gの両面丸編機にて、ポリエチレンテレフタレート糸100%からなる表裏フラット形状の丸編地を編成した。
【0052】この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥を行った。さらに、この染色・乾燥後の生地を、実施例2と同一組成の処方Aの処理液に浸漬後、マングルで絞り、乾燥、加熱スチーマー処理、湯水洗、乾燥、セットと実施例2と同一加工を行った。ついで、肌面側となる一面に起毛加工を施した。加工後の編地は、発熱エネルギー指数が15、裏面側(肌面側)の接触温冷感(qmax)が0.043、また、破裂強力が0.26MPa、カンチレバー法による剛軟度が、8mm、密度が40ウエル/2.54cm、51コース/2.54cm、目付が130g/m2であった。
【0053】この編地を使用して本発明の肌着を縫製し、評価した結果、暖かく、また動き易く肌着として優れていると判断されるものであった。結果を表1に併せて示す。
【0054】[比較例1]実施例3で得たのと同様の、ポリエチレンテレフタレート糸100%からなる表裏フラット形状の丸編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥、仕上げセットを行った。この編地は、実施例2,3のような処方Aによる加工や起毛加工を行わないものである。
【0055】得られた編地は、発熱エネルギー指数が1、裏面側(肌面側)の接触温冷感(qmax)が0.141、また、破裂強力が0.23MPa、カンチレバー法による剛軟度が4mm、密度が38ウエル/2.54、50コース/2.54、目付が118g/m2であった。
【0056】実施例1と同様に、この編地を使用して肌着を縫製し評価した結果、身体にまつわりつき動き難く、暖かさが感じられず、どちらかと言えば寒いものであり肌着として不適と判断されるものであった。また、破れ易く機械強度に弱いものであった。結果を表1に併せて示す。
【0057】
【表1】

【0058】
【発明の効果】本発明によれば、水分子吸着性能を有する編地からなり、また肌との接触面の接触温冷感を低下させ、かつ、編地の破裂強力と剛軟度を満足することにより、機械強度と動き易さを損なうことなく、保温性効果の高い肌着が得られる。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成13年1月22日(2001.1.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−220704(P2002−220704A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−12843(P2001−12843)