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【発明の名称】 防水靴下
【発明者】 【氏名】小原 亜紀

【要約】 【課題】床に付着した汚れや水分、雑菌等が内部に浸透する事がなく、快適な着用を可能とするとともに、汚れ回避用の室内履きである事を悟られる事のない製品を得る。そして、在宅介護者が患者宅で着用しても、患者や家族に不快感を与える事がなく、介護者自身も快適で衛生的に介護作業が可能なものとする。

【解決手段】防水材製の防水底部1と、この防水底部1の外周縁4上部に下端を固定するとともに足の挿入部2を設けた上部カバー3とから防水靴下5を形成する。この防水底部1と上部カバー3とを同系色とするとともに上部カバー3の外周縁7を防水底部1の外周から外方に突出し、防水底部1を上部カバー3の外周縁7で被覆し、着用状態で防水底部1を視認し得ないように形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防水材製の防水底部と、この防水底部の外周縁上部に下端を固定するとともに足の挿入部を設けた上部カバーとから成るものに於いて、防水底部と上部カバーとを同系色とするとともに上部カバーの外周縁を防水底部の外周から外方に突出し、防水底部を上部カバーの外周縁で被覆し、着用状態で防水底部を視認し得ないようにした事を特徴とする防水靴下。
【請求項2】 防水底部の外周からの上部カバーの外周縁の突出長さは、0.7〜1.5cmとした事を特徴とする請求項1の防水靴下。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内の床に付着した汚れ、水分、雑菌等が足の表面に接触するのを防ぎ、快適な歩行や作業を可能とするための防水靴下に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、老人や病気の患者の在宅介護等を行う際に、室内での食事の世話等を行うので、これらの患者の室内は、一般家庭に比べて汚物や水分等が床に付着している場合が多い。そのため、ホームヘルパー等の介護者が、患者宅で介護を行う際に、床に付着した汚れ、水分、雑菌等が靴下等に浸透し、介護者の衛生確保上、好ましくないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような介護者の衛生確保のため、ゴム製の底部を張り付けた室内履きが従来公知であるが、底部の色が黒く厚いため、特に畳敷きの部屋では土足で歩き回っているような印象を与え、患者やその家族が不快感を覚える。また、介護者が、患者宅の汚れを避けるために室内履きを履いている事を、患者や家族に悟られ易く、更に強い不快感を与えていた。その結果、介護者に対する患者や家族の信頼感が低下し、介護作業にも支障を来たすものであった。
【0004】本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、床に付着した汚れ、水分、雑菌等が内部に浸透するのを防ぐだけでなく、汚れを回避するための室内履きである事を、他人に容易に悟られる事のない製品を得る。そして、在宅介護に於いて、ホームヘルパー等の介護者が着用する事により、患者宅の汚れが足の表面に接触するのを防止して、介護者が快適に介護作業を行う事ができるようにするとともに、患者やその家族の感情を害する事のないようにする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題を解決するため、防水材製の防水底部と、この防水底部の外周縁上部に下端を固定するとともに足の挿入部を設けた上部カバーとから成るものに於いて、防水底部と上部カバーとを同系色とするとともに上部カバーの外周縁を防水底部の外周から外方に突出し、防水底部を上部カバーの外周縁で被覆し、着用状態で防水底部を視認し得ないようにして成るものである。
【0006】また、防水底部の外周からの上部カバーの外周縁の突出長さは、0.7〜1.5cmとしても良い。
【0007】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであり、ホームヘルパー等の介護者が、訪問先の患者宅で本発明の防水靴下を着用するには、一般的な靴下と同様に簡単に行う事ができる。即ち、上部カバーを保持して、挿入部から内部に足を挿入し、防水底部の上面に足裏を密着配置するとともに、上部カバーを整えて足の甲や足首を被覆する事により、着用が完了する。尚、本発明の防水靴下は、素足に着用しても良いし、一般的な靴下やストッキングを着用した状態で、更に本発明の防水靴下を、重ね履きしても良い。
【0008】この防水靴下の着用状態では、防水底部の外周縁上部よりも外方に、上部カバーの外周縁が突出するので、防水底部を視認し得る事はなく、防水靴下を着用している事を患者やその家族に悟られる事はない。そして、普通の靴下であると認識されるものである。また、介護者が防水靴下の着用状態で歩行や各種作業を行う事により、防水底部が見えてしまう事がある。しかし、本発明では、防水底部を上部カバーと同系色で形成しているため、従来の黒いゴム製底部に比べて目立つ事はなく、防水靴下である事が分かりにくい。従って、患者宅の床の汚れを避けるために、防水靴下を着用しても、患者や家族に気づかれず、不快感を与える事がないものとなる。
【0009】一方、防水靴下を着用した介護者が汚れた床を歩いても、防水性に優れた防水底部のみが床に接触するので、床の汚れや水分、雑菌等が内部に浸透する事はなく、快適で衛生的な介護作業が可能となる。また、患者や家族に防水靴下である事を悟られないので、フローリングやタイル製の床だけでなく、畳敷きの部屋でも気兼ねなく防水靴下の着用状態で作業する事ができる。
【0010】また、介護作業が終了して帰宅する際は、玄関先等で汚れた防水底部に触れる事なく、容易に防水靴下を脱ぐ事ができる。尚、この防水底部に付着した汚れは、ティッシュや雑巾で拭き取る事により、簡単に除去できる。更に、除菌シートやアルコール等で拭き取って除菌すれば、より衛生的である。そのため、次の訪問先で同じ防水靴下を使用しても、前の訪問先の汚れや細菌を持ち込む事はなく、衛生的な再使用が可能となる。
【0011】また、この衛生的な再使用が可能である事により、介護者が従来の如く多数の靴下を持ち歩いて、訪問先毎に履き替える必要がなく、荷物を少なくして効率的に活動する事が可能となる。そして、全ての訪問先での作業が完了したら、防水靴下を洗濯機等で簡単に洗濯する事ができ、より衛生的な再使用が可能となる。
【0012】上述の如き効果により、本発明の防水靴下は、ホームヘルパー等の介護者が装着するのに最適で、訪問先の患者宅での汚れを回避して、しかも患者や家族に好印象を与える事ができる。
【0013】また、本発明の防水靴下は、ジャージー素材やパイル素材等で上部カバーを形成すれば、一般的な靴下に近い外観で廉価な製品を得るとともに、優れた伸縮性により活動し易いものとなる。また、着用者の足のサイズに対応して伸縮するようにすれば、汎用性に優れ、量産も可能となる。また、フェルト素材や織布、革等で上部カバーを形成しても良く、高級感が出るとともに保温性や耐久性も向上する。しかし、ジャージー素材やパイル素材に比べて靴に近い外観となり易いため、患者や家族に不快感を与える虞れのないように形成するのが好ましい。
【0014】また、防水靴下の着用状態に於いて、防水底部の外周からの上部カバーの外周縁の突出長さは、0.7〜1.5cmとするのが好ましい。この上部カバー外周縁の突出量が0.7cmよりも少ないと、防水靴下の着用状態で、外部から防水底部が視認し得るものとなり、訪問先の患者やその家族に、汚れ回避用の防水靴下である事を悟られ易く、不快感を与えてしまう。逆に、上部カバー外周縁の突出量が1.5cmよりも多いと、この突出部分が汚れた床に接触するので、床に付着した汚れや水分、雑菌等が上部カバーを通して内部に浸透し、着用者に不快感を与える。
【0015】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於いて説明すれば、(1)は防水底部で、天然ゴムや合成樹脂等の弾性を有する防水材で形成している。また、この防水底部(1)は、着用者が自在に歩行可能な柔軟性を持たせるとともに、着用状態で外部から見えにくいものとするため、3mm程度に薄く形成しているが、防水性を損なわない程度の薄さとするのが好ましい。
【0016】そして、この防水底部(1)の上部に、足(8)の挿入部(2)を設けた上部カバー(3)を接続している。この上部カバー(3)は、伸縮性に優れたパイル素材等で形成する事により、一般的な靴下に似せた形状とするとともに、履き心地や保温性を高めている。また、本実施例では、上部カバー(3)は、着用時に挿入部(2)の上端が着用者の足首に位置するように短尺に形成し、着脱を容易にしている。
【0017】また、上部カバー(3)は、底部部分を除いた形で形成し、下端の開口縁を防水底部(1)の外周縁(4)に接続固定して形成しても良く、材料を節約する事ができる。しかし、着用者の足裏に、防水底部(1)が直に接触するので、肌触りを悪くしたり、汗が滞留する等の不快感を与える事がある。更に、上部カバー(3)の下端開口縁と防水底部(1)の外周縁(4)との接続に手間が掛かる。
【0018】そこで、本実施例では、上部カバー(3)を、底部を有する通常の靴下として形成し、この靴下の底部に、防水底部(1)を張り付けている。従って、防水靴下(5)の製造を容易に行う事ができ、低コストで製品を製造する事ができる。また、防水靴下(5)の着用時に、着用者の足裏にはパイル素材が接触するので、肌触りが良好であるとともに、汗も吸収して、快適な着用が可能となる。
【0019】また、防水底部(1)と上部カバー(3)とは、同系色で形成する。そして、同系色であれば何れの色彩で形成しても良いが、本実施例では、双方をクリーム色で形成する事により、ホコリ等が付着しても目立たないようにしている。また、本実施例では、図2、図3に示す如く、防水底部(1)の外面全体に大小の雲状の突起(6)を設け、滑り止め効果を高めるとともに、防水底部(1)の外観を、従来の滑り止め防止用靴下の底部の外観に近づけている。また、防水底部(1)に突起(6)を設けても、表面の凹凸が浅く、汚れの除去が行い易いものである。
【0020】また、防水底部(1)は、図2に示す如く、上部カバー(3)の底部よりもやや狭面積に形成する事により、防水靴下(5)の着用時に上部カバー(3)の外周縁(7)が、防水底部(1)の外周縁(4)の上部から外方に突出するようにしている。このような寸法で形成する事により、防水靴下(5)の着用状態に於いて、防水底部(1)を上部カバー(3)の外周縁(7)で被覆し、防水底部(1)を視認し得ないようにしている。また、このように上部カバー(3)の外周縁(7)が、防水靴下(5)の外周縁(4)の下部からではなく、上部から外方に突出するよう形成しているので、この突出部分が床に接触しにくいものとなる。
【0021】また、この防水底部(1)の外周からの上部カバー(3)の外周縁(7)の突出長さは、0.7〜1.5cmとするのが好ましい。この突出長さが0.7cmよりも少ないと、着用状態で防水底部(1)を上部カバー(3)の外周縁(7)で確実に被覆する事ができず、防水底部(1)が他人から視認し得るものとなる。逆に、突出長さが1.5cmよりも多いと、上部カバー(3)の突出部分が汚れた床に接触し易いものとなり、この突出部分から防水靴下(5)の内部に汚れや水分、雑菌等が浸透し、着用者に不快感を与えるとともに、長い時間の使用ができなくなる。
【0022】上述の如く形成した防水靴下(5)を、ホームヘルパー等の介護者が、訪問先の患者宅で着用するには、従来の靴下と同様に簡単に行う事ができる。即ち、上部カバー(3)の上端を保持しながら、挿入部(2)から防水靴下(5)の内部に足(8)を挿入する。そして、防水底部(1)の上面に足裏を密着配置するとともに、上部カバー(3)にて足(8)の甲や足首を被覆する。尚、本発明の防水靴下(5)は、足裏への接触部分もパイル素材で形成して肌触りを良くしているので、素足に着用しても良い。また、ストッキングや靴下を着用した状態で、更に本発明の防水靴下(5)を、重ね履きしても良い。
【0023】そして、防水靴下(5)を着用した状態では、図3に示す如く、防水底部(1)の外周縁(4)よりも外方に、上部カバー(3)の外周縁(7)が突出するが、この外周縁(7)が床に接触する事はない。そして、この上部カバー(3)の外周縁(4)が、防水底部(1)を被覆し、外部から視認し得る事がないので、患者や家族に汚れ回避用の特別な防水靴下(5)であると悟られる事はなく、一般的な靴下として認識される。
【0024】また、防水靴下(5)を着用した介護従事者が、患者宅内を歩き回ったり、介護作業を行う事により、防水底部(1)が患者や家族から見えてしまう事がある。しかし、防水底部(1)は、上部カバー(3)と同系色のクリーム色で形成しているし、従来の滑り止め付き靴下に似せて突起(6)を設けているので、汚れ回避用の防水手段とは気づかれにくく、従来から存在する滑り止め付き靴下と認識される。従って、防水靴下(5)の着用状態で、介護従事者がフローリングやタイル製の床だけでなく、畳敷きの部屋を歩き回っても、患者や家族に不快感を与える事がない。
【0025】一方、防水靴下(5)の着用者は、汚れが付着した床の上を歩いた際に、防水底部(1)の防水効果により、汚れや水分、雑菌等が上部カバー(3)や内部に浸透する事はなく、衛生的で快適な介護作業が可能となる。また、防水底部(1)の全面に、滑り止め用の突起(6)を設けているので、滑り易いフローリング床やタイル床、階段等に於いても、介護従事者が安全に歩行や作業を行う事ができる。
【0026】そして、この訪問先での介護作業が終了して帰宅する際は、玄関先等で防水靴下(5)を脱ぐ事により、衛生的に靴を履く事ができる。そして、本実施例の防水靴下(5)は、上部カバー(3)の丈を足首までの短尺に形成しているので、汚れた防水底部(1)に触れる事なく、防水靴下(5)を容易に脱ぐ事ができる。尚、この防水底部(1)に付着した汚れは、ティッシュや雑巾で拭き取る事により、簡単に除去できる。更に、除菌シートやアルコール等で拭き取って除菌すれば、より衛生的である。そして、次の訪問先で同じ防水靴下(5)を使用しても、前の訪問先の汚れや細菌を持ち込む事はなく、衛生的な再使用が可能となる。
【0027】このように、一つの防水靴下(5)を繰り返し使用できる事により、従来の如く何足も靴下を携帯して訪問先毎に履き替えるような煩わしさがなく、効率的に活動する事ができる。また、天然ゴムや合成樹脂、及びパイル素材で防水靴下(5)を形成しているので、洗濯や消毒を簡単に行う事ができるし、耐久性にも優れたものとなる。
【0028】また、上記第1実施例では、防水靴下(5)の脱着を容易とし、汚れの付着した防水底部(1)に触れる事のない取り扱いを可能とするため、上部カバー(3)の丈を短尺に形成しているが、他の異なる第2実施例では、図4に示す如く、着用時に挿入部(2)の上端が、ふくらはぎに位置するように長尺に形成している。このように形成する事により、第1実施例の短尺なものに比較して、脱着に手間が掛かるが、外観が一般的な靴下と更に似たものとなるため、汚れ回避用の製品だと分かりにくいものとなる。また、この上部カバー(3)の丈を、更に長くして、着用時に挿入部(2)の上端が膝下に達するように形成しても良く、保温性が向上する等の利点がある。
【0029】また、上記各実施例では、ホームヘルパー等の在宅介護の従事者が使用する防水靴下(5)として実施しているが、家庭の主婦やお年寄り等、介護目的でない使用にも適している。即ち、主婦等が水気や汚れの多い台所や洗面所等で家事を行う際に、汚れや冷えから足(8)を保護し、快適な作業を可能とするとともに、滑り止め効果により安全性も向上する。また、お年寄りや病人等が着用すれば、滑り止め効果により、廊下や階段等の安全な歩行が可能となる。これらの場合は、防水靴下(5)である事が他人に気づかれても構わないが、急な来客時等に、客に気づかれる心配がなく、安心して接客できるものである。また、体育館や寺院等、靴を脱ぐ必要のある公共の場所でも本発明の防水靴下(5)を着用すれば、足裏の汚れや冷えを防ぐとともに、他人に気づかれる事のない着用が可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものであるから、床に付着した汚れ、水分、雑菌等が、防水靴下の内部に浸透する事はなく、着用者が快適で衛生的な活動が可能となる。また、防水底部が外部から視認し得る事のないように形成しているので、他人に防水靴下を着用している事を悟られる事がなく、他人の家で着用しても、相手に不快感を与える事はない。
【0031】このような利点により、在宅介護を行うホームヘルパー等が着用し、汚れから足を守って快適で衛生的に介護作業を行う事ができる。更に、一般的な靴下と見分けが付きにくいので、患者宅の床の汚れ回避用の製品だと悟られず、患者や家族等に不快感を与える事がない。
【出願人】 【識別番号】594158460
【氏名又は名称】ナガイレーベン株式会社
【出願日】 平成12年12月1日(2000.12.1)
【代理人】 【識別番号】100068191
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 修
【公開番号】 特開2002−173804(P2002−173804A)
【公開日】 平成14年6月21日(2002.6.21)
【出願番号】 特願2000−367513(P2000−367513)