トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 靴 下
【発明者】 【氏名】足立 義一

【要約】 【課題】トルマリンの抗菌・消臭機能や血行促進・疲労回復機能等を均一に発揮させ、足のつぼを効果的に刺激できる靴下を提供する。

【解決手段】トルマリンを含有するパッチがパッチ付着部として形成されており、パッチ伸縮量ΔLpx,ΔLpyよりも隙間伸縮量ΔLgx,ΔLgyの方が大に調整されている。したがって、パッチが足と直接接触して、抗菌・消臭機能や血行促進・疲労回復機能等を効果的に発揮させることができる。足の大小に対応してパッチの分布を変化させることができ、各機能をより均一な発揮が可能となる。着用時に着用者の足の大きさに対応して伸長することにより、着用者の足のつぼ分布に対応したパッチ分布が得られやすく、つぼを効果的に刺激することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 足の長手方向及び幅方向(以下、織成方向という)に織成され、交差した織り目を有する織物生地の前記足との接触面に、トルマリンを含有するパッチを前記織成方向に対して連続的又は断続的に付着させたパッチ付着部を形成した靴下であって、前記パッチ付着部における前記織成方向の伸縮量(以下、パッチ伸縮量という)よりも、該パッチ付着部間に形成された隙間形成部における前記織成方向の伸縮量(以下、隙間伸縮量という)の方が大に調整されていることを特徴とする靴下。
【請求項2】 前記隙間伸縮量は、前記長手方向よりも前記幅方向が大に調整されている請求項1記載の靴下。
【請求項3】 前記パッチ付着部は、前記織物生地における前記足の裏面との接触面に形成されている請求項1又は2記載の靴下。
【請求項4】 前記パッチ付着部は、前記織物生地における前記足のアキレス腱との接触面に形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の靴下。
【請求項5】 前記パッチ付着部は、前記織物生地に対し島状ないし散点状に分散形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の靴下。
【請求項6】 前記パッチ付着部は、前記長手方向及び前記幅方向の双方の織成方向において断続的に、かつ前記織り目を各々複数包含する形態で形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の靴下。
【請求項7】 前記パッチ付着部は、前記織物生地に対し碁盤目状に配列されている請求項1ないし6のいずれかに記載の靴下。
【請求項8】 前記パッチ付着部は円形状に形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の靴下。
【請求項9】 前記パッチ付着部は前記織り目を2〜20個包含する形態で形成されるとともに、前記隙間形成部には前記長手方向及び前記幅方向において、前記織り目が各々1〜10個の範囲で形成されている請求項6ないし8のいずれかに記載の靴下。
【請求項10】 前記パッチ付着部は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの少なくとも一方の織成方向が連続的に形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の靴下。
【請求項11】 前記パッチ付着部の厚さが0.2〜1.5mmを満足する請求項1ないし10のいずれかに記載の靴下。
【請求項12】 前記パッチ伸縮量が1.0mm以下である請求項1ないし11のいずれかに記載の靴下。
【請求項13】 前記パッチは発泡性高分子材料を主体とし、前記トルマリンが10〜40体積%配合されている請求項1ないし12のいずれかに記載の靴下。
【請求項14】 前記トルマリンの平均粒径が0.1〜1.5μmを満足する請求項1ないし13のいずれかに記載の靴下。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人の足を覆い、保護・保温作用を有する靴下に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、トルマリン(電気石とも言う)の有する圧電効果(ピエゾ効果)、焦電効果(パイロ効果)等に由来すると考えられる抗菌・消臭機能や血行促進・疲労回復機能等が着目され、健康用品、治療用品等様々な分野で応用されている。例えば、人体の足に対する応用例として、トルマリンの粒子・粉末を合成樹脂やゴムと混合し、これを靴用の中敷としてシート成形したり、予め成形した中敷に充填・塗布したりすることが、特開平10−234411号公報、特開平10−234416号公報、特開平2000−294号公報等に記載されている。また、トルマリンの粒子・粉末を含有する繊維を使用した靴下が、例えば特開平10−219502号公報等に開示されている。さらには、つぼ指圧シート等にトルマリンの粒子・粉末を用いることが、例えば特開平9−276361号公報、特開平2000−37437号公報等で知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら従来例によれば、人体の足に対してトルマリンの上記諸機能を作用させて、一定の健康増進・健康回復等の作用効果を奏することができるが、例えば体格差等による足の大小に対応させて、足全体に対して直接的かつ均一な効果を及ぼすことがむずかしかった。
【0004】本発明の課題は、足の大小にかかわらず、トルマリンの抗菌・消臭機能や血行促進・疲労回復機能等をより均一に発揮させ、とりわけ足のつぼを効果的に刺激することができる靴下を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課題を解決するために、本発明の靴下は、足の長手方向及び幅方向(以下、織成方向という)に織成され、交差した織り目を有する織物生地の前記足との接触面に、トルマリンを含有するパッチを前記織成方向に対して連続的又は断続的に付着させたパッチ付着部を形成した靴下であって、前記パッチ付着部における前記織成方向の伸縮量(以下、パッチ伸縮量という)よりも、該パッチ付着部間に形成された隙間形成部における前記織成方向の伸縮量(以下、隙間伸縮量という)の方が大に調整されていることを特徴とする。
【0006】すなわち、本発明の靴下には、トルマリンを含有するパッチが、織物生地の足との接触面に、織成方向に対して連続的又は断続的に付着させたパッチ付着部として形成されており、パッチ伸縮量よりも隙間伸縮量の方が大に調整されている。したがって、トルマリンを含有するパッチが足と直接接触して、トルマリン固有の抗菌・消臭機能や血行促進・疲労回復機能等を効果的に発揮させることができる。しかも、パッチ伸縮量よりも隙間伸縮量の方が大に調整されているので、足の大小に対応してパッチの分布を変化させることができるようになり、上記各機能をより均一に発揮させることが可能となる。とりわけ、足のつぼは足の大小関係に比例した形で分布していると考えられるので、本発明の靴下は、着用時に着用者の足の大きさに対応して伸長することにより、着用者の足のつぼ分布に対応したパッチ分布が得られやすく、血行促進・疲労回復等に有効なつぼを効果的に刺激することができる。また、パッチ伸縮量が隙間伸縮量に比べて相対的に小さいので、トルマリンを含有するパッチが伸縮の繰り返しに伴って割れ・欠けを生じたり織物生地から脱落したりしにくく、上記効果が長期間にわたって維持できる。
【0007】そして、上記隙間伸縮量は、足の長手方向よりも幅方向が大に調整されているのが望ましい。特に幅方向(足幅)における足の大小関係に比例した形でパッチ分布を調整することができるので、体格差等の個人差に対応しやすくなる。なお、着用者の性別・年齢等によって区分(子供用・男性用・女性用、L・M・Sサイズ等)された長さ(足長)の靴下を着用するのが通常であるから、靴下から見た足の大小は足幅の大小として現れやすいと考えられる。
【0008】ここで、本発明の一要素を構成するトルマリン(tourmaline)は、電気石とも呼ばれ、天然に産出し、ホウ素・アルミニウム等を含む珪酸塩鉱物である。その組成は、一般式XY3l6(OH)4(BO33(Si618
X=Na又はCaY=Mg,Fe,Li又はMnで表される。現在10種ほどが知られており、含有成分によってX=Na,Y=Mgのとき、ドラバイト(dravite)
X=Na,Y=Feのとき、スコール(schorl)
X=Na,Y=Liのとき、エルバイト(elbaite)
X=Ca,Y=Mgのとき、ウバイト(uvite)
等の呼称がある。
【0009】トルマリンは、モース硬さ7〜7.5、密度3.0〜3.3g/cm3で、色は化学組成によって異なり、赤トルマリン,黒トルマリン等と称される。ガラス様又は樹脂様の光沢をもち、不透明又は半透明であり、美麗なものは宝石に使われる。トルマリンの結晶に外部から圧力を加えると、分極を起こして、結晶端面に静電荷を生じ、微小電界を発生する。トルマリンとりわけ黒トルマリンは、この現象すなわち圧電効果(ピエゾ効果)が著しい。また、トルマリンには、結晶を加熱すると分極を起こして電荷が生じる現象、すなわち焦電効果(パイロ効果)も確認されている。
【0010】次に、パッチ付着部を形成する部位としては、織物生地における足の裏面との接触面が好適である。着用者の全体重を支持し、かつつぼの集中する足の裏面にトルマリンを含有するパッチが直接接触することによって、上記圧電効果及びつぼ刺激効果に伴う抗菌・消臭機能及び血行促進・疲労回復機能等が効果的に発揮される。また、パッチ付着部を、織物生地における足のアキレス腱との接触面に形成すれば、血行促進・疲労回復等にさらに優れた効果を発揮することができる。
【0011】ところで、パッチ付着部を織物生地に対して島状ないし散点状に分散形成すると、足の裏面に対するつぼ刺激効果を広範囲に及ぼしたり、あるいは集中的に作用させたりといった調整が容易となる。このとき、パッチ付着部を、長手方向及び幅方向の双方の織成方向において断続的に形成し、かつ織り目を各方向において各々複数包含する形態で形成してもよく、また、長手方向及び幅方向のうちの少なくとも一方の織成方向に連続的に形成してもよい。
【0012】このうち、パッチ付着部を長手方向及び幅方向の双方の織成方向において断続的に形成する場合に、パッチ付着部が所定部位に形成された織物生地を安価に製造する観点からは、パッチ付着部を織物生地に対し碁盤目状に配列し、円形状に形成することが望ましい。ただし、パッチ付着部は、デザイン的な観点等から千鳥状等に配列したり、矩形状等に形成したりしてもよい。
【0013】さらに具体的には、パッチ付着部は織物生地の織り目を2〜20個包含する形態で形成されるとともに、隙間形成部には長手方向及び幅方向において、織り目が各々1〜10個の範囲で形成されている。これによって、複数の織り目にまたがってパッチ付着部を形成できるので、隙間伸縮量を十分に確保しつつ、パッチ付着部の織物生地からの脱落を防止することができる。
【0014】ところで、パッチ付着部の厚さは0.2〜1.5mm、望ましくは0.4〜1.0mmに調整するとよい。これによって、十分なつぼ刺激効果が得られるとともに、足の裏面との接触による摩滅や織物生地からの脱落を防止して、長期間にわたってつぼ刺激効果を維持できる。なお、パッチ付着部の厚さが0.2mm未満では、足の裏面との接触による摩滅でパッチが短期のうちに消滅してしまうおそれがあり、1.5mm超では、パッチが織物生地から脱落しやすくなったり、着用時に違和感を感じたりする場合がある。
【0015】また、パッチ伸縮量を1.0mm以下に調整するときは、パッチが伸縮の繰り返しに伴って割れ・欠けを生じたり、織物生地から脱落したりしにくくなる。なお、パッチ伸縮量が1.0mm超では、上記割れ・欠け・脱落等が発生しやすくなる他、パッチ分布がつぼ分布から大きくずれる可能性がある。
【0016】このパッチは、ゴム(例えばシリコンゴム)、合成樹脂(例えばポリウレタン)等の発泡性高分子材料を主体として、トルマリンを10〜40体積%配合すれば、十分な圧電効果等が得られると考えられる。なお、トルマリン配合量が、10体積%未満では、上記のトルマリンの効果が十分に得られない場合があり、40体積%超では、トルマリンが高分子材料に均一に混合しない場合やパッチ付着部に成形したときざらつき感等の違和感を覚える場合がある。
【0017】ここで、本明細書において「主体」とは、着目している物質において最も体積含有率の高い成分を意味し、必ずしも「50体積%以上を占める成分」を意味するものではない。
【0018】そして、上記圧電効果等を十分に発揮するために、トルマリンの平均粒径は0.1〜1.5μmとすることが望ましい。なお、トルマリン平均粒径が0.1μm未満では、トルマリンの粉砕加工等にコストを要するおそれがあり、1.5μm超では、パッチ付着部に成形したときざらつき感等の違和感を覚える場合がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明にかかる靴下を着用した状態を示す説明図、図2はその靴下の足裏接触面(足の裏面との接触面)を示す内面図とX−X断面図、図3は同じくアキレス腱接触面(足のアキレス腱との接触面)を示す内面図とY−Y断面図をそれぞれ示している。図1の実施例において、靴下1は、足Fの長手方向及び幅方向に織成され、交差した織り目Kを有する織物生地Tを縫製してなる。図2に示すように、足Fの裏面が接触する足裏接触面1Aには、トルマリンを含有する円形パッチPを、織物生地Tの織成方向(長手方向及び幅方向)に沿ってほぼ碁盤目状に配列・付着してパッチ付着部3を形成している。そして、織物生地Tの織成方向において隣り合うパッチ付着部3,3間には、織物生地Tが露出して隙間形成部5が形成されている。つぼの集中する足Fの裏面に直接接触する織物生地Tの足裏接触面1Aにパッチ付着部3を形成したので、つぼ刺激が活発に行われ、血行促進・疲労回復等に効果を発揮する。
【0020】図3に示す織物生地Tのアキレス腱接触面1Bにも、トルマリンを含有する円形パッチPが、織物生地Tの織成方向(長手方向及び幅方向)に沿ってほぼ碁盤目状に配列・付着され、パッチ付着部3が足裏接触面1Aと同様に形成される。また、隣り合うパッチ付着部3,3間に、足裏接触面1Aと同様の隙間形成部5が形成される。このように、織物生地Tのアキレス腱接触面1Bにパッチ付着部3を形成すると、靴下1による血行促進・疲労回復等の機能が一層高められる。
【0021】ここで、図2の足裏接触面1A及び図3のアキレス腱接触面1Bに各々示される円形パッチPは、発泡性ポリウレタン(発泡性高分子材料)に、平均粒径が0.1〜1.5μm(例えば1μm)のトルマリンを10〜40体積%(例えば30%)配合した混合物として調製される。この円形パッチPを織物生地T上に散点状に分散させ、焼き付け又は溶着により織物生地Tに付着させて、パッチ付着部3が形成される。パッチ付着部3の厚さ(盛り上がり高さ)hは0.2〜1.5mm(例えば0.5mm)に調整して、十分なつぼ刺激効果が得られるようにしている。また、パッチ付着部3は、上記した厚さhを有するとともに、焼き付け又は溶着により織物生地Tに付着させてあるので、足Fの裏面との接触によってすぐに摩滅したり、織物生地Tから容易に脱落したりしないようにしている。
【0022】図4は靴下1の伸縮形態を示す拡大説明図であり、図2の足裏接触面1Aと図3のアキレス腱接触面1Bとのいずれにも適用できる。図4(a)の収縮状態において、各々のパッチ付着部3は、幅方向xにおいて1個の織り目Kを含み、また長手方向yにおいて3個の織り目Kを含み、合計3個の織り目Kを包含して、織物生地Tに付着形成されている。次に、幅方向xに隣接するパッチ付着部3a,3b間に形成された隙間形成部5aには、幅方向xにおいて1個の織り目Kが形成されており、また長手方向yにおいて3個の織り目Kが形成されている。一方、長手方向yに隣接するパッチ付着部3a,3c間に形成された隙間形成部5bには、幅方向xにおいて1個の織り目Kが形成されており、また長手方向yにおいても1個の織り目Kが形成されている。これによって、複数(例えば合計で2〜20個)の織り目Kにまたがってパッチ付着部3がしっかりと固定され、織物生地Tから脱落しにくくなる。
【0023】このとき、幅方向xにおいて、パッチ付着部3a,3bの寸法Lpx=6mm、隙間形成部5aの寸法Lgx=2mmであった。また、長手方向yにおいて、パッチ付着部3a,3cの寸法Lpy=6mm、隙間形成部5bの寸法Lgy=0.5mmであった。なお、織り目K間の寸法は、幅方向xにおける縦糸7の間隔Dx=4mm、長手方向yにおける横糸9の間隔Dy=2mmであった。
【0024】次に、図4(b)のように織物生地Tが幅方向x及び長手方向yに伸びた伸長状態について説明する。幅方向xにおいて、パッチ付着部3a’,3b’の寸法Lpx’は6mmのままほとんど変化がなかったが、織物生地Tの幅方向xへの伸びにより、隙間形成部5a’の寸法Lgx’=6mmとなった。また、長手方向yにおいても、パッチ付着部3a’,3c’の寸法Lpy’は6mmのままほとんど変化がなかったが、織物生地Tの長手方向yへの伸びにより、隙間形成部5b’の寸法Lgy’=2mmとなった。なお、織り目K間の寸法は、隙間形成部5a’の幅方向xにおける縦糸7の間隔Dx’=6mm、隙間形成部5b’の長手方向yにおける横糸9の間隔Dy’=2.75mmにそれぞれ拡大した。
【0025】したがって、パッチ伸縮量及び隙間伸縮量は、以下の通りとなる。
・幅方向パッチ伸縮量:ΔLpx=Lpx’−Lpx≒0mm・長手方向パッチ伸縮量:ΔLpy=Lpy’−Lpy≒0mm・幅方向隙間伸縮量:ΔLgx=Lgx’−Lgx=4mm・長手方向隙間伸縮量:ΔLgy=Lgy’−Lgy=1.5mmなお、パッチ伸縮量ΔLpx,ΔLpyをほとんど0mmとしたので、パッチPが伸縮の繰り返しに伴って割れ・欠けを生じたり、織物生地Tから脱落したりしにくい。また、図4における各数値は単なる例示であり、適宜変更可能である。
【0026】このように、パッチ伸縮量ΔLpx,ΔLpyよりも隙間伸縮量ΔLgx,ΔLgyの方が大に調整されているので、足Fの大小に対応してパッチPの分布を変化させることができるようになり、血行促進・疲労回復機能等をより均一に発揮させることが可能となる。とりわけ、着用時に着用者の足F’が小さい場合(図5(a)参照)と足F”が大きい場合(図5(b)参照)とに対応して伸長することにより、着用者の足のつぼ分布に対応したパッチ分布が得られやすく、血行促進・疲労回復等に有効なつぼを効果的に刺激することができる。なお、隙間伸縮量ΔLgx,ΔLgyを、例えば0.5〜10.0mmの範囲に設定すると、体格差等の個人差に基づく足の大小関係に広範囲に対応して、織物生地Tが伸縮できる。ただし、隙間伸縮量ΔLgx,ΔLgyが0.5mm未満では足の大小関係に対して十分に追従できないおそれがあり、また、10.0mm超では織物生地Tそのものの傷みが激しくなる。
【0027】図5の靴下着用状態について、さらに具体的に説明する。図5(a)に示すように着用者の足F’が小さい場合に、パッチ伸縮量及び隙間伸縮量が次のように表わされるとする。
・幅方向パッチ伸縮量:ΔLpx’=Lpx’−Lpx≒0mm・長手方向パッチ伸縮量:ΔLpy’=Lpy’−Lpy≒0mm・幅方向隙間伸縮量:ΔLgx’=Lgx’−Lgx (1)
・長手方向隙間伸縮量:ΔLgy’=Lgy’−Lgy (2)
【0028】次に、図5(b)に示すように着用者の足F”が大きい場合には、パッチ伸縮量及び隙間伸縮量は次のように表わされる。
・幅方向パッチ伸縮量:ΔLpx”=Lpx”−Lpx≒0mm・長手方向パッチ伸縮量:ΔLpy”=Lpy”−Lpy≒0mm・幅方向隙間伸縮量:ΔLgx”=Lgx”−Lgx (3)
・長手方向隙間伸縮量:ΔLgy”=Lgy”−Lgy (4)
図4と同様にパッチ伸縮量ΔLpx’,ΔLpx”;ΔLgy’,ΔLpy”をほとんど0mmとする(すなわち、Lpx≒Lpx’≒Lpx”;Lpy≒Lpy’≒Lpy”)と、靴下1の織物生地Tの伸縮量は隙間伸縮量で表わされることになる。そこで、式(1)〜(4)を比較すると、隙間伸縮量ΔLgx’,ΔLgx”;ΔLgy’,ΔLgy”の大小関係は、結局のところ伸長後の隙間形成部寸法Lgx’,Lgx”;Lgy’,Lgy”の大小関係に帰結することになる。すなわち、着用者の足F”が大きい図5(b)の場合には、着用者の足F’が小さい図5(a)の場合に比べて、伸長後の隙間形成部寸法が大きくなっている(Lgx’<Lgx”;Lgy’<Lgy”)。しかも、すべての隙間形成部について以上の関係が成り立つので、足の大小に対応してパッチPの分布が一様に変化する。
【0029】ところで、図4に示す隙間伸縮量に関して、長手方向隙間伸縮量ΔLgyよりも幅方向隙間伸縮量ΔLgxの方が大に調整されているので、特に幅方向xにおける足の大小関係に比例した形のパッチ分布が得やすくなり、図5において説明した体格差等の個人差に対応しやすくなる。なお、幅方向隙間伸縮量ΔLgxと長手方向隙間伸縮量ΔLgyとの比ΔLgx/ΔLgyを、例えばΔLgx/ΔLgy=1.3〜5.0の範囲に設定すると、足の大小関係に比例したパッチ分布を得るために同一材質の縦糸と横糸とを使用でき、織物生地T(靴下1)の製造が容易かつ安価である。ただし、ΔLgx/ΔLgyが1.3未満では、体格差等の個人差に基づく足の大小関係に広範囲に対応できない場合があり、また、5.0超では縦糸と横糸とに異なる材質を使用することに伴う織物生地T(靴下1)のコストアップ等の可能性がある。
【0030】図6は、図2の変形例を示し、パッチ付着部3’を長手方向yに連続的に形成した例を示す。パッチ付着部3’を連続形成することにより、パッチ付着部3’の補強を図り、部分的にパッチPの摩滅や脱落が発生しても長期の使用に耐えうるようになっている。なお、パッチ付着部を幅方向xに連続的に形成することもできる。
【出願人】 【識別番号】591150270
【氏名又は名称】日本ぱちんこ部品株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫
【公開番号】 特開2002−61003(P2002−61003A)
【公開日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【出願番号】 特願2000−243252(P2000−243252)