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【発明の名称】 フィット性に優れたストッキング
【発明者】 【氏名】中島 千恵

【氏名】薗田 健二

【要約】 【課題】着用時のフィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたストッキングを提供する。

【解決手段】少なくともレッグ部がポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されているストッキングであって、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分が存在し、且つ、前記編目のうち最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目長が、最も短い編目長の105〜145%の範囲にあることを特徴とするストッキング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともレッグ部がポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されているストッキングであって、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分が存在し、且つ、前記編目のうち最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目長が、最も短い編目長の105〜145%の範囲にあることを特徴とするストッキング。
【請求項2】 前記コース内における前記最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目数が、総編目数の5〜80%であることを特徴とする請求項1記載のストッキング。
【請求項3】 前記コース内における前記編目のうち、最も長い編目長を有する編目部分を足前面に位置させてなることを特徴とする請求項1または2に記載のストッキング。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストッキングに関し、さらに詳しくは、足に装着した際にストッキングのレッグ部の足周方向(コース方向)に対して着圧差を付与することができ、フィット性や着用圧快適性などに優れたストッキングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にストッキングに用いられている素材は、ナイロン6やナイロン66長繊維の原糸および仮撚加工糸が主流である。これらを用いたストッキングは、着用時の肌触り、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けなどの点で総合的に完成されていないという問題がある。
【0003】また、一般にストッキングによる足各部位への締め付け力は、足各部位と接するストッキング編地の伸長率により決定される。ストッキングのレッグ部の編地伸長率は、レッグ部を構成する糸の種類、繊度(dtex)等の糸要因、編組織要因などにより決定されるが、レッグ部の編地が同一糸使いで同一編組織の場合には、編地の編目長によって決定される。
【0004】従来、ストッキングのレッグ部各部位に応じた締め付け力は、同一糸使いで同一編組織の場合、レッグ部の各部位に応じて、ストッキング丸編機の編針の引き込み深さを表す度目を変え、編地の編目長が変化するよう編成を行う、いわゆるファッショニングにより付与されている。例えば、ストッキングのレッグ部を、足長方向(ウェール方向)に太股部、ふくらはぎ部、アンクル部に細分化し、太股部で締め付け力を最も弱くし、太股部、ふくらはぎ部、アンクル部の順に締め付け力が強くなるよう編目長を変化させて編成される。また、さらに細かく細分化したものも提案されているが、いずれも締め付け力の細分化は足長方向に限られており、各部位における足周方向(コース方向)の編目の編目長は同一であり、従って、足周方向に対しては同一の締め付け力を有するものであった。
【0005】しかしながら、人体の足は足長方向だけではなく、足周方向においても曲率、筋構造が異なるため、足長方向にだけ締め付け力を変化させただけでは、十分なフィット感、着用圧快適感、浮腫・疲労感の軽減効果を得ることができなかった。したがって、これらの問題を改良すべく、素材の改質、使用する糸の組み合わせ、編目組織などの検討が行われているが、充分に満足できる物が得られていないというのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、着用時のフィット感、着用圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けなどに優れたストッキングを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題に鑑み、ストッキングのフィット感、着用圧快適感などについて検討した結果、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用い、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分を存在させ、かつこれらの編目長の短長比を特定することにより、ストッキングのレッグ部の足周方向に対して効果的に着圧差を付与できることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明は下記の通りである。
1.少なくともレッグ部がポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されているストッキングであって、レッグ部の少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分が存在し、且つ、前記編目のうち最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目長が、最も短い編目長の105〜145%の範囲にあることを特徴とするストッキング。
【0009】2.前記コース内における前記最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目数が、総編目数の5〜80%であることを特徴とする上記1記載のストッキング。
3.前記コース内における前記編目のうち、最も長い編目長を有する編目部分を足前面に位置させてなることを特徴とする上記1または2に記載のストッキング。
【0010】以下、本発明につき詳述する。本発明において、ストッキングの種類としては、その構造の一部に脚部(レッグ部)を有するものであれば特に限定はなく、一般的に用いられている原糸、仮撚加工糸、または、ポリウレタンなどの弾性糸にこれらの糸をカバリング(シングルカバリングまたはダブルカバリングをいう、以下、同じ)したカバリング糸を用いた通常のストッキングや、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたストッキングがあり、例えば、ウェルト部やパンティ部を備えた薄手のパンティストッキングや厚手のタイツ、ヒザ上ストッキング、ハイソックス、ショートソックスなどが包含される。
【0011】本発明において用いる原糸とは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等の非弾性糸に対して実質的に加撚せず、また仮撚加工等の嵩高加工を行っていない状態のストレート糸、及び、弾性糸にストレート糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したものを含む。また、加工糸とは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等の非弾性糸を仮撚加工(POYの延伸仮撚糸を含む。さらに1ヒーター仮撚糸、2ヒーター仮撚糸を含む。)した糸であり、弾性糸には仮撚加工糸をカバリング(シングル並びにダブルカバリング)したものを含む。
【0012】仮撚加工の方法としては、一般に用いられるピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エア加撚タイプ等、いかなる方法によるものでもよい。又、本発明の目的を損なわない範囲内で、交絡混繊、撚糸、さらには、本発明の目的を損なわない範囲内でセルロース繊維等他の繊維との、カバリング、交絡混繊、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)などによる複合加工を施したものを用いてもよい。また、他の繊維との複合方法として、交編も好適に用いられる。
【0013】本発明のストッキングは、少なくともレッグ部がポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されている。本発明において、「ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されている」とは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維のみを用いる場合以外に、ポリトリメチレンテレフタレート繊維と他の繊維が複合されている場合を含んでいる。ポリトリメチレンテレフタレート繊維と他の繊維が複合されている場合の、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の混率は30%以上が好ましく、さらに好ましくは45%以上である。ポリトリメチレンテレフタレート繊維の混率が30%未満であると、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けなどが低下する傾向にある。
【0014】ここでいう他の繊維とは、ストッキングとして好適に用いられる繊維であれば何ら限定されるものではないが、例えば、ナイロン6やナイロン66等のナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、ポリウレタン等の弾性繊維、天然繊維などが挙げられる。本発明では、弾性繊維との複合が好適に用いられる。
【0015】弾性繊維としては、好ましくは3.3〜110dtex、より好ましくは5.6dtex〜44dtexのポリウレタン繊維が用いられる。弾性繊維のカバリングに用いられるカバリング糸は、好ましくは3.3dtex〜110dtex、より好ましくは5.6dtex〜78dtexであり、3.3dtex未満では、強度の面から破れが生じやすく、又、110dtexを越えると地厚になり、透明感などが低下しやすい。また、カバリング糸としては、ポリトリメチレンテレフタレート繊維で構成されていることが望ましい。
【0016】カバリング糸を使用する場合、シングルカバリングのカバリング数として、好ましくは300T/m〜3000T/m、特に好ましくは600〜2800T/mである。カバリング数が300T/m未満の場合は、芯糸の弾性糸に捲かれる非弾性糸の単繊維がばらけて透明感が低下したり、単繊維が引掛かり、いわゆるツレが発生しやすく、又、3000T/mを越えると編成時にビリが発生し、ビリが部分的に編み地のループに編み込まれ、外観が損なわれたり、風合いが低下する傾向がある。又、カバリング糸を使用することで編み地が斜行する場合には、S撚、Z撚のカバリング糸を1本交互に編成すればよい。
【0017】また、ダブルカバリングのカバリング数として、好ましくは300〜3000T/m、特に好ましくは600〜2800T/mである。カバリング数が300T/m未満の場合は、芯糸の弾性糸に捲かれる非弾性糸の単繊維がばらけて透明感が低下したり、単繊維が引掛かり、いわゆるツレが発生しやすく、又、3000T/mを越えると編成時にビリが発生し、ビリが部分的に編み地のループに編み込まれ、外観が損なわれたり、風合いが低下する傾向がある。
【0018】パンティストッキングとは、ウエストのゴム部分のウエルト部、ヒップ部分のパンティ部、脚部分のレッグ部(フート部、かかと部を含む、以下、同じ)、つま先部分のトウ部などで構成されるパンティ部のついた薄手のストッキングをいい、またタイツとは、上記ウエルト部、パンティ部、レッグ部、トウ部などで構成されるパンティ部のついた厚手のストッキングをいい、さらにヒザ上ストッキング、ハイソックス、ショートソックスとは、脚上部のゴム糸挿入部分の口ゴム部、脚部分のレッグ部、つま先部分のトウ部などで構成されるパンティ部のないストッキングをいい、レッグ部の長さが太ももまでのものをヒザ上ストッキング、ヒザ下までのものをソックス、ふくらはぎまでのものをショートソックスという。
【0019】一般的にパンティストッキングは、各部位に使用される糸が異なり、ウエルト部、パンティ部、トウ部には仮撚加工糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加工糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸が用いられることが多く、また非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたものもある。トウ部は仮撚加工糸のみで構成されていることもある。これらのパンティストッキングはレッグ部に用いられる糸の種類によってそれぞれ、仮撚加工糸を用いたウーリータイプ、弾性糸にストレート糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸を100%使用したゾッキタイプ、カバリング糸とストレート糸を交編した交編タイプ、ストレート糸に撚りを加えた有撚糸を用いたシアータイプ、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたベアタイプなどと呼ばれている。
【0020】タイツとは、ウエストのゴム部分のウエルト部、ヒップの部分のパンティ部、脚部の部分のレッグ部、つま先部分のトウ部で構成されているパンティ部が付いた厚手のストッキングのことである。一般的にタイツは、ウエルト部、パンティ部、トウ部には仮撚加工糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加工糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたものが用いられることが多く、レッグ部、トウ部は同一の糸種で構成されていることもある。これらタイツは、レッグ部に用いられる糸の種類によってそれぞれ、仮撚加工糸を用いたウーリータイプ、弾性糸にストレート糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸を100%使用したゾッキタイプ、カバリング糸とストレート糸を交編した交編タイプ、ストレート糸に撚りを加えた有撚糸を用いたシアータイプ、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたベアタイプなどと呼ばれている。
【0021】ヒザ上ストッキング、ハイソックス、ショートソックスとは、脚部上部のゴム糸挿入部分の口ゴム部、脚部の部分のレッグ部、つま先部分のトウ部で構成されているパンティ部を有しないストッキングのことでありレッグ部の各々の長さによってそれぞれ太ももまでの長さのものがヒザ上ストッキング、ヒザ下までの長さのものがハイソックス、ふくらはぎまでの長さのものがショートソックスである。一般的に口ゴム部、トウ部には仮撚加工糸、弾性糸、もしくは弾性糸に仮撚加工糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸が用いられることが多く、レッグ部、トウ部は同一の糸種で構成されていることもある。これらはレッグ部に用いられる糸の種類によってそれぞれ、仮撚加工糸を用いたウーリータイプ、弾性糸にストレート糸をカバリング(シングル又はダブルカバリング)したカバリング糸を100%使用したゾッキタイプ、カバリング糸とストレート糸を交編した交編タイプ、ストレート糸に撚りを加えた有撚糸を用いたシアータイプ、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしたベアタイプなどと呼ばれている。
【0022】前記において、非弾性糸として有撚糸を使用する場合、撚数は、ストレート糸の繊度(dtex)に関わらず、収束性が保たれ、反発弾性がストレート糸より若干でも向上する撚数であればいずれの撚数でもかまわないが、好ましくは50〜3000T/m、更に好ましくは75〜1500T/m、特に好ましくは100〜500T/mである。有撚糸の撚数が50T/m未満の場合は、単繊維がばらけて透明感が低下したり、単繊維が引掛かり、いわゆるツレが発生しやすく、又、3000T/mを越えると編成時にビリが発生し、ビリが部分的に編み地のループに編み込まれ、外観を著しく損なうので好ましくない。又、有撚糸を使用することで編み地が斜行する場合には、S撚、Z撚の有撚糸を1本交互に編成すればよい。
【0023】レッグ部を有撚糸のみで構成する場合のポリトリメチレンテレフタレート繊維の繊度は、5.6dtex〜220dtex、好ましくは11dtex〜110dtex、更に好ましくは17dtex〜84dtexである。5.6dtex未満では強度の面から破れが生じやすく、又、220dtexを越えると地厚になり、透明感などが低下しやすい。
【0024】レッグ部以外のウエルト部、パンティ部、トウ部は、仮撚加工糸またはカバリング糸100%で構成してもよいし、カバリング糸と仮撚加工糸を交編してもよい。また、非弾性糸に弾性糸をベア編込みしてもよい。ベア編込みとは、一つの給糸口に非弾性糸と弾性糸を同時に供給し、非弾性糸に弾性糸を添え編する編成法であり、非弾性糸を編地の表面に、弾性糸を編地の裏面に現出するよう編成する。
【0025】ベア編み込みする弾性糸のドラフト率は特に限定されないが、適度なフィット感とサポート性を有し、かつ生地外観、風合い、着用快適性、透明感に優れた効果を持たせるには、ドラフト率を1.1〜5.0とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜4.5である。1.1未満では伸長回復応力が低下しフィット性が不足する傾向にあり、しかも若干、着用時の弛みを生じやすくなるのであまり適当とはとは言いがたい。また、5.0を越える場合、伸長回復応力が高くなる傾向にあり、しかも、寸法的にも小さ目のストッキングとなるため、着用の際、若干、伸び硬く、生地の厚みが増して透明感が低下しやすく、更には着用時の蒸れ感を生じやすくなるのであまり適当とは言えない。
【0026】本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートからなる繊維を包含する。
【0027】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレートとをブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0028】添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸、グリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。
【0029】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。ポリトリメチレンテレフタレート繊維を製造する方法としては、例えば、1500m/分程度の巻取り速度で溶融紡糸して未延伸糸とし、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸と延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
【0030】又、本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、形態が長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面が丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。単糸繊度は、好ましくは0.11〜5.6dtex、より好ましくは0.56〜4.4dtexであり、トータル繊度は、好ましくは5.6〜110dtex、より好ましくは9〜90dtexである。
【0031】本発明におけるストッキングのレッグ部には、その少なくとも一部の同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目が存在する。図1に本発明の一実施例を示すストッキング編地のモデルループを示した。図1において、ストッキング編地は、ウェール方向2の同一コース内に、最も短い編目長を有する編目部分6と、これよりも長い編目長を有する7列の編目部分5とが配置され、これらがウェール方向1に繰り返して編成されている。なお、長い編目長5には最も長い編目長を有する編目部分5Aが含まれる。
【0032】ここで、編目長とは、一つの編み目を形成するのに必要な長さを意味し、図1に斜線で示したようにニードルループ3の長さとシンカーループ4の長さの和で表される。また長い編目長を有する編み目部分とは、同一コース内における最も短い編目長を有する編目部分以外の編目部分をいう。このような同一コース内に二以上の異なる編み目長を有するストッキングは、編成カムの上下動で同一コース内で編目長を変えることができる装置を備えた丸編機を用いて製造することができる。
【0033】一般的な丸編機は、その軸を中心に回転運動を行う円筒(シリンダー)に、縦の溝が複数彫られ、この溝の各々の中に針が1本ずつセットされており、その針が溝に沿って動く仕組みになっている。この針の1本、1本にはシリンダーに対して放射状に突起部(バット)が少なくとも1個ついており、このバットが針の横に設けられた複数のカムによって形成される上昇、下降の走行路に沿って走行することにより、針が上下する。糸が供給される箇所において針が上昇したとき、供給された糸が針にキャッチされ、針が下降したとき、キャッチされた糸が先に形成された前コースの編目を抜けることで新しい編目が形成される。
【0034】糸が供給される箇所に在るカムは、糸の供給箇所の上手にあって、糸案内装置によって供給される糸を針がキャッチできる高さまで針を上昇させる針上げカムと、糸の供給箇所の下手にあって、糸をキャッチした後の針を下げて先に形成された前コースの編目を抜けて新しい編目を形成する針下げカムとの一対のカムからなる。コース方向に編針の引き込み深さである度目を変えて編成を行う、いわゆるファッショニングはこの一対のカムに対してシリンダー、すなわち針全体を軸方向に移動させて編針の引き込み深さを変えることによって行われる。
【0035】これに対して、本発明のストッキングは、上記の針下げカムが同一コース内で任意に移動する丸編機より製造され、1ウェール以上、編機針本数未満の任意ウェール数の異なる編目長を有する編目部分を任意コース数編成することにより、コース方向およびウェール方向に、異なる編目長を有する任意編目範囲を形成することができる。
【0036】すなわち、同一コース内において1回以上、針下げカムが移動することにより、針下げカムの元の位置と、1回以上移動した位置においてそのカム上を針が通過する間、針下げカムが移動した距離(一般に1.00mm以下)に応じた編目長を持つ編目部分が形成される。従って、針下げカムが移動した位置で、そのカムを針が通過する時間をコントロールすることで、1ウェール以上、編機針本数未満のウェール数における、任意のウェール間で、針下げカムの移動する距離に応じた編目長を有する編目部分を編成することができる。
【0037】また、同一コース内において、針下げカムの移動や元の位置に戻すことは任意に行うことが可能であるため、同一コース内に、二以上の異なる編目長を有する編目部分を単独または交互に繰り返して任意に設けることができる。また、針下げカムは、シリンダーとは個別に作動するため、上記したファッショニングが行われていても、その各々のコースの度目に応じた編目の編目長に対し、針下げカムの移動する距離を設定することが可能であり、同一コース内に任意の異なる編目長を持つ編目部分を設けることができる。
【0038】編目長は、針下げカムの移動する距離に応じて決定されるが、針下げカムが針頭に対して下方位置に移動したとき、その距離に応じて、針下げカムが移動する前の元の位置で編成された同一コース内の編目に比較して編目長の長い編目部分が得られる。また本発明において、同一コース内における最も短い編目長を有する編目以外の編目の編目長(以下、長い編目の編目長ともいう)は、最も短い編目長の105〜145%、好ましくは110〜140%の範囲にあることが望ましい。長い編目の編目長が最も短い編目長の105%未満では、着用したときの足周方向の着圧差が小さくなる。この着圧差が小さいと全体が均一に締め付けられ、筋肉に沿った適切な着圧設計が行えず、足の血行促進および足の疲れや浮腫を軽減させることができない。一方、長い編目の編目長が最も短い編目長の145%を越える場合には、締め付け力が減少し、フィット感、着用快適感ひいては疲れにくい等の効果が得られない。ここで、着圧とは、ストッキングを着用したときに、体(特に脚部)に接して与えるストッキングの締め付け力をいう。
【0039】本発明のストッキングのレッグ部各部位への締め付け力は、同一コース内における二以上の異なる編目長を有する各々の編目部分で異なり、その締め付け力は各々の編目部分の編目長と編目数によって決定される。例えば、同一コース内に、他の編目に比較して長い編目長を有する編目部分がある場合、同一コース内で両編目部分の着圧差を比較すると、編目長の長い編目部分の着圧は他の編目部分に比べて小さく、編目長の短い編目部分の着圧は他の編目部分に比べ大きい。すなわち、両者の着圧差はその編目長の差により決定され、編目長の差が大きいほど着圧差が大きくなる。なお、上述した丸編機における針下げカムの移動可能な距離は、ストッキング用丸編み機の構造上、一般には1.00mm以下であるため、最も短い編目長より150%以上の長い編目長を形成することはできない。
【0040】また本発明において、編み目長の長短による着圧差を効果的に発現させる点から、同一コース内における長い編目長を有する編目数(ウェール数)は、同コースの総編目数の5〜80%であることが好ましく、より好ましくは10〜50%である。長い編目長を有する編目数が5%未満の場合または80%を越える場合には、着圧差が小さすぎ、フィット感、着用圧快適感ひいては疲れにくい等の効果が十分には得られにくい。
【0041】このように、少なくともレッグ部の一部において、目的に応じた着圧差が生じるよう、同一コース内に二以上の異なる編目長を有する1ウェール以上で編機針本数未満の任意ウェール数および任意コース数からなる任意の編目範囲を単独または組み合わせることにより、ウェール方向に着圧差を付与できるストッキングを得ることができる。このとき、任意の編目範囲にある柄の種類としては、後記する図2に示すような縦すじ柄が好ましい。
【0042】同一コース内における最も長い編目長を有する編目部分5Aを足前面に位置させるほうが、筋肉深部の血流を促進し、血行が促進され、浮腫、怠さの緩和を促すことができる。さらに好ましくは同一コース内における最も長い編目長を有する編目部分5Aを足前面に、かつ同一コース内における最も短い編目長を有する編目部分を足後面に位置させるほうが、筋肉深部の血流促進効果や血行促進効果がさらに増進し、浮腫、怠さの緩和がより効果的となり、快適な着用感が継続される。なお、本発明において、足前面とは、ストッキングを着用した状態で正面から見たときに見える部分をいい、足後面とはこれ以外の部分をいう。
【0043】また、最も短い編目長を有する編目部分6と長い編目長を有する編目部分を交互に配置してもよいが、外観的にすっきりした物が得られず、着用した際の足の美しさが損なわれる場合がある。また、着圧差を設けた同一コース内の編目部分、またはコース、ウェール両方向の任意の編目範囲の糸使い、編組織は特に限定されないが、同一糸使い、同一編組織とするのが好ましい。
【0044】図2は、本発明の一実施例を示すパンティストッキングの説明図であり、(A)には正面図を、(B)には側面図を示した。図2において、パンティストッキング11は、ウエストのゴム部分のウエルト部7、ヒップ部分のパンティ部8、脚部のレッグ部9およびつま先部のトウ部10で構成され、レッグ部9は、コース方向に縦すじ状に編成された長い編目長を有する編目部分5と、最も短い編目長を有する編目部分6とからなる。
【0045】長い編目長を有する編目部分と最も短い編目長を有する編目部分の分布形態としては、長い編目長を有する編目部分5と短い編目長を有する編目部分6との間で、針下げカムの移動する距離を、一般に1.00mm以下の範囲で漸増または漸減させたほうが好ましい。すなわち、編目長にグラデーションを現出させることができ、長い編目長を有する編目部分5と最も短い編目長を有する編目部分6のラインが目立たず、ぼかし機能を発揮する。
【0046】このような構成のパンティストッキングでは、脚部の後ろ側に着圧の強い部分を有し、疲れやすいふくらはぎ部などが優先的に締め付けられるため、快適なフィット感が得られ、また浮腫や疲労感を効果的に低減することができる。本発明のストッキングを製造する方法はとくに限定されないが、例えば、一般にいうストッキング用丸編機を用いることが出来る。この場合、針本数は300本から600本、釜径(釜の直径)は7.62cm(3インチ)から12.7cm(5インチ)が好ましい。
【0047】本発明のストッキングの編組織は、特に限定されず、ニット、タック、ウエルトの組織、または、これらの組合せであって、これにより柄が表現されていてもよい。又、ストッキングを構成するループの大きさも特に限定されず、例えば、コース方向に編針の引き込み深さである度目を変えて編成を行う、いわゆるファッショニングや、交編ストッキングの場合などで用いられるカバリング糸とストレート糸又は仮撚加工糸など、いわゆる伴糸のループの大きさを変えてもよい。
【0048】又、ストッキングを構成するループの大きさも特に限定されず、例えば、コース方向に編針の引き込み深さである度目を変えて編成を行う、いわゆるファッショニングや、交編ストッキングの場合などで用いられるカバリング糸とストレート糸又は仮撚加工糸など、いわゆる伴糸のループの大きさを変えても良い。ストッキングのプレセット条件、縫製条件、染色条件、仕上剤条件、ファイナルセット条件等は特に限定されず、適宜選択すればよい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、実施例などにより本発明を具体的に説明する。尚、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
(1)ポリウレタン弾性糸の繊度(dtex)
20℃、相対湿度65%雰囲気下で、ポリウレタン弾性糸を無緊張かつ無荷重で直線状に静置し、24時間放置し放縮させる。この後、試料を1000mmの長さで切断したものを10本合わせて秤量し、10000mあたりの質量に換算し、その値を繊度(dtex)とする。
【0050】(2)原糸或いは仮撚加工糸の強度・伸度JIS−L−1013・1069・1095 引張強伸度試験方法に準ずる。
(3)原糸或いは仮撚加工糸のヤング率JIS−L−1013・1015・1095 初期引張抵抗度(ヤング率)試験方法に準ずる。
【0051】(4)原糸或いは仮撚加工糸の伸縮伸長率・伸縮弾性率JIS−L−1090 伸縮性試験方法に準ずる。
(5)編目長測定部位は、M寸人体足型にM寸パンストを着用させたときの、下腿部(下腿最大部を中心とする部分)の拡大写真を撮影し、同一コース内における長い編目長を有する編目部分と最も短い編目長を有する編目部分の編目長を、各々測定する。
【0052】最も短い編目長を有する編目部分の編目長に対する、同一コース内における長い編目長を有する編目部分の編目長の割合(X)を、次式で算出する。なお、測定数はパンスト3点とし、これらの平均値を評価値とした。
X(%)=〔(長い編目長を有する編目部分の編目長)/(最も短い編目長を有する編目部分の編目長)〕×100(6)フィット性パネラー10名による官能テストを行い、着用時のフィット性について評価した。フィット性について、非常に良好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不良を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0053】(7)レッグ部の透明感パネラー10名による官能テストを行い、着用時のレッグ部の透明感について評価した。レッグ部の透明感について、非常に良好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不良を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0054】(8)風合い(ソフト感)
パネラー10名による官能テストを行い、着用時のソフト感について評価した。ソフト感について、非常に柔らかいを5、柔らかいを4、どちらともいえないを3、やや硬いを2、硬いを1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0055】(9)風合い(ドライ感)
パネラー10名による官能テストを行い、着用時のドライ感について評価した。ドライ感について、非常にドライであるを5、ドライであるを4、どちらともいえないを3、ややヌメっているを2、ヌメっているを1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0056】(10)締め付け感(緊迫力)
パネラー10名による官能テストを行い、着用時のレッグ部の締め付け感について評価した。測定部位は下腿部最大周径部の前面及び後面とし、レッグ部の締め付け感について、適度な締め付け感があり非常に良好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不良を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0057】(11)着用圧快適感パネラー10名による着用評価を行い静止時、運動時(5分間の踏み台昇降を1分間の休憩をはさんで3回繰り返し)におけるフィット感、着用圧快適感を評価した。着用圧快適感については、「非常に良好」を5、「良好」を4、「どちらともいえない」を3、「やや不良」を2、「不良」を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0058】(12)運動後の疲労感パネラー10名による着用評価を行い、運動後(5分間の踏み台昇降を1分間の休憩をはさんで3回繰り返し)における疲労感を評価した。運動後の疲労感については、「疲れを感じさせない」を5、「疲れを感じさせにくい」を4、「どちらともいえない」を3、「疲れを感じさせやすい」を2、「疲れを感じさせる」を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0059】(13)摩耗耐久性パネラー10名による着用評価後のものについて摩耗耐久性について評価した。摩耗耐久性について、非常に良好を5、良好を4、どちらともいえないを3、やや不良を2、不良を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0060】(14)膝部及び踵部の抜けパネラー10名による着用評価を行った。パネラーがパンティストッキングを8時間着用し、脱着後、20℃、65%RHの環境下に1時間放置した後、形態を評価した。着用前の状態に比べて、膝部及び踵部の抜けが、全くないを5、若干抜けるを4、抜けているを3、かなり抜けているを2、抜けて着用困難を1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0061】〔実施例1〕ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレートを用い、紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、56dtex/36f、33dtex/24f、33dtex/10f、13dtex/3f、9dtex/4fの延伸糸を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は表1に示すとおりである。
【0062】尚、10%伸長時の弾性回復率は、試料に0.0088cN/dtexの初荷重をかけ、毎分20%の伸びを一定割分の速度で伸ばし、伸度10%になったところで今度は逆に同じ速度で収縮させて、応力−歪曲線を画く。収縮中、応力が初荷重と等しい0.0088cN/dtexにまで低下した時の残留伸度をLとし、下記式で算出した。
【0063】10%伸長時の弾性回復率(%)=[(10−L)/10]×100上記の延伸糸を、三菱重工業(株)製LS−2仮撚加工機(第1ヒーターは接触式、第2ヒーターは未使用、加撚機構はピン方式)を用いて、スピンドル回転数275,000rpm、仮撚数は各ストレート糸に適した条件、第1フィード率は±0%の条件でヒーター仮撚加工を行い、S、Zそれぞれに加撚した1ヒーターの仮撚加工糸を得た。仮撚加工の条件および得られた加工糸の物性は表2に示すとおりである。
【0064】得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維を用い、下記条件で各種のパンティストッキングを製造した。釜径10.16cm(4インチ)、針本数400本の通常のパンティストッキング用丸編機を用いて、コース方向全部位において針本数400本の内、100本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編成したパンティストッキングの生機を得た。
【0065】なお、ウエルト部は155dtexのポリウレタン弾性糸、56dtex/36fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(a)、片岡機械(株)製カバリング機を用い33dtexのポリウレタン弾性糸をドラフト3.0で延伸し、33dtex/10fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を、S、Zそれぞれ600T/mでシングルカバリングしたカバリング糸(b)を用いて交編し(1:1タックの組織にて編成)した。
【0066】また、パンティ部及びトウ部は、仮撚加工糸(a)とカバリング糸(b)を用いて交編し(天竺組織にて編成;尚、パンティ部の一部にランガードとして同一の糸使いで1:1タックの組織にて編成)、レッグ部は、片岡機械(株)製カバリング機を用い44dtexのポリウレタン弾性糸をドラフト3.0で延伸し、13dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレート繊維のストレート糸を、S、Zそれぞれ1800T/mシングルカバリングしたカバリング糸(c)のみを用いた。
【0067】次いで、通常の方法でプレセットを行った後、上記で得られたパンティストッキングの生機を縫製糸(33dtex/10fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を2本合撚したもの)を用いて、コース方向全部位において針本数400本の内、100本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編成した箇所が足前面に位置するように配置し、股部及びトウ部を縫製した。
【0068】次いで、通常の方法でパンティストッキングの一般色である茶色に酸性染料で染色、仕上剤処理、ファイナルセットを行い製品とした。着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
【0069】〔実施例2〕実施例1において、針下げカムを同コースの他の位置に対して0.5mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
【0070】〔実施例3〕実施例1において、針下げカムを同コースの他の位置に対して0.4mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
【0071】〔実施例4〕実施例1において、コース方向全部位において針本数400本の内、200本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
【0072】〔実施例5〕実施例1にて、コース方向全部位において針本数400本の内の200本間において、20本は針下げカムを同コースの他の位置に対して0.6mm下げた位置、次の20本を通常の0mm位置にし、交互に配したものを各々5回繰り返し編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0073】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例6〕実施例1において、レッグ部に44dtexのポリウレタン弾性糸を片岡機械(株)製カバリング機を用いドラフト3.0で延伸し、9dtex/4fのポリトリメチレンテレフタレート繊維のストレート糸を上撚りとしてS方向に2000T/m、下撚りとしてZ方向に1800T/mでダブルカバリングしたカバリング糸(d)のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0074】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例7〕実施例4において、レッグ部にカバリング糸(d)を用いた以外は、実施例4と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0075】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例8〕実施例1において、ウェルト部に155dtexのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ部、トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸をドラフト3.0で延伸し、33dtex/24fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を用い、片岡機械(株)製カバリング機でS加撚した仮撚加工糸をS方向に1200T/m、Z加撚した仮撚加工糸はZ方向に1200T/m、でシングルカバリングしたカバリング糸(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(e)を用いた以外は、実施例1と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0076】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例9〕実施例4において、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(d)を用いた以外は、実施例4と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0077】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例10〕実施例1において、ウェルト部に155dtexのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ部、トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸を片岡機械(株)製カバリング機を用いドラフト3.0で延伸し、13dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を上撚りとしてS方向に1200T/m、下撚りとしてZ方向に1000T/mでダブルカバリングしたカバリング糸(f)を用いた以外は、実施例1と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0078】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔実施例11〕実施例4において、ウェルト部に155dtexのポリウレタン弾性糸、パンティ部、レッグ部、トウ部に44dtexのポリウレタン弾性糸を片岡機械(株)製カバリング機を用いドラフト3.0で延伸し、13dtex/3fのポリトリメチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を上撚りとしてS方向に1200T/m、下撚りとしてZ方向に1000T/mでダブルカバリングしたカバリング糸(f)を用いた以外は、実施例4と同様に天竺組織で編成しタイツを作成した。
【0079】着用の状態での評価結果は表3に示すとおりであり、フィット性、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたものであった。
〔比較例1〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、針下げカムを同一コースの他の位置に対して0.2mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0080】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例2〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、針下げカムを同一コースの他の位置に対して0.65mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0081】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例3〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向全部位において針本数400本の内、390本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0082】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例4〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向全部位において針本数400本の内、10本は針下げカムを、同コースの他の位置に対して0.6mm下げて編成した以外は、実施1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0083】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例5〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向全部位において針本数400本の内、100本は針下げカムを同コースの他の位置に対して0.6mm下げた位置、次の100本を通常の0mm位置にし、交互に配したものを各々2回繰り返し編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0084】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例6〕実施例1において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維に代えてナイロン6を用い、コース方向全部位において針本数400本の内、20本は針下げカムを同コースの他の位置に対して0.6mm下げた位置、次の20本を通常の0mm位置にし、各々10回繰り返し交互に配して編成した以外は、実施例1と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0085】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例7〕比較例3において、カバリング糸(d)を用いた以外は、比較例3と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0086】着用の状態での評価結果は表4に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例8〕比較例4において、カバリング糸(d)を用いた以外は、比較例4と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0087】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例9〕比較例5において、カバリング糸(d)を用いた以外は、比較例5と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0088】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例10〕比較例6において、カバリング糸(d)を用いた以外は、比較例6と同様にしてパンティストッキングを作成した。
【0089】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例11〕比較例3において、カバリング糸(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(e)を用いた以外は、比較例3と同様にしてタイツを作成した。
【0090】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例12〕比較例4において、カバリング糸(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(e)を用いた以外は、比較例4と同様にしてタイツを作成した。
【0091】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例13〕比較例5において、カバリング糸(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(e)を用いた以外は、比較例5と同様にしてタイツを作成した。
【0092】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
〔比較例14〕比較例6において、カバリング糸(e)を用い、パンティ部、レッグ部、トウ部にカバリング糸(e)を用いた以外は、比較例6と同様にしてタイツを作成した。
【0093】着用の状態での評価結果は表5に示すとおりであり、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、運動後の疲労感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに問題があるものであった。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
【表5】

【0099】なお、表3、4、5において、針下げカム部分のウエール数にて、分母はコース方向全部位における針本数を示し、針下げカム部分の割合(%)は、全編目部分に対する編目長が長い編目部分の割合である。
【0100】
【発明の効果】本発明のストッキングは、従来のものに比較して、フィット性、透明感、風合い、締め付け感、着用圧快適感、摩耗耐久性、膝部・踵部の抜けに優れたストッキングであり、医療用ストッキング、スポーツ用ストッキング等に用いることができる。さらにまた、手袋などに応用することもできる。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【公開番号】 特開2002−13004(P2002−13004A)
【公開日】 平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願番号】 特願2000−190090(P2000−190090)