| 【発明の名称】 |
筍用皮剥き装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】今 茂
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| 【要約】 |
【課題】筍を次々と供給することによって連続的に皮剥き作業を行うことができる新規な構造からなる筍用皮剥き装置を提供する。
【解決手段】一対の摩擦ローラ2,2を上下に組み合せて横設すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラ2を駆動機構3に連動して互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側の巻き込み方向手前側適所には、筍供給用載置台5および/または筍供給用案内樋6を配すると共に、少なくとも一方の摩擦ローラ2には、適量の水を供給可能とする給水部4を併設してなるものとした筍用皮剥き装置である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて横設すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも一方の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなるものとしたことを特徴とする筍用皮剥き装置。 【請求項2】 少なくとも作業範囲となる部分の外周壁面が略全周に渡って凹凸加工面とされてなる略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて略水平状に配すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも上位側の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなるものとしたことを特徴とする筍用皮剥き装置。 【請求項3】 少なくとも皮剥き作業範囲となる部分の外周壁面が、その軸心に平行状か、稍傾斜状となる多数の凹条または凸条加工面とされてなる比較的軟質な合成ゴム製の略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて略水平状に配すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも上位側の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなるものとしたことを特徴とする筍用皮剥き装置。 【請求項4】 摩擦ローラが、その一対の中の少なくとも何れか一方の一端側軸着部に、対峙する他方の摩擦ローラの対応する軸着部方向へ向けて弾性的押圧力を発生し、且つ離反方向に後退および復帰可能に支持するようにした弾性支持機構の組み込まれてなるものとした、請求項1ないし3何れか記載の筍用皮剥き装置。 【請求項5】 筍供給用案内樋が、両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも巻き込み方向手前側適所となる皮剥き作業範囲内の位置と、同作業範囲外の位置との間を、選択的に往復移動可能となるように形成された、請求項1ないし4何れか記載の筍用皮剥き装置。 【請求項6】 筍供給用載置台が、摩擦ローラ側に対峙する縁部を、一対の摩擦ローラの双方の軸芯に対して近接する筍供給用縁部と、一対の摩擦ローラの双方の軸芯から皮剥きを終えた筍を摩擦ローラに接触させずに下降可能とする程度離れた段差状または凹欠状に形成された投下用縁部とからなるものに形成された、請求項1ないし5何れか記載の筍用皮剥き装置。 【請求項7】 筍供給用載置台が、摩擦ローラ側に対峙する縁部を、一対の摩擦ローラの少なくとも何れか一方の軸芯に対して近接する縁部付近で一対の摩擦ローラに向けて筍を供給し、適度に離反した縁部付近で皮剥きを終えた筍を摩擦ローラに接触させることなく下降可能とするよう一対の摩擦ローラの双方の軸芯に対し水平方向所定角度をもって傾斜させてなるものに形成された、請求項1ないし5何れか記載の筍用皮剥き装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の目的】この発明は、笹筍に代表される細身あるいは比較的細身の筍の皮剥き技術に関するものであって、出荷する前に、収穫した大量の筍を連続的且つ安全に供給しながら迅速且つ効率的できれいな皮剥き作業を実施できるようにする新規な構造からなる筍用皮剥き装置を提供しようとするものである。 【0002】 【従来の技術】冬から春に季節が移り、たらの芽やうど、蕨、筍等といった山菜のシーズンを迎えると、多くの一般人でも、あちらこちらの山々に出かけて山菜取りを楽しむ姿が見られるようになってくると同時に、山菜の供給地として知られる地域では、毎年山菜採りを専門とする人達が一斉に野山に分け入っては各種山菜の収穫に精を出し、それらが加工業者の手に渡って処理されるか外、形を整えただけで店頭への供給も始まることから、身近で山菜採りを楽しむことができない都市部に住まいしていて、めっきり季節感をなくしてしまっている一般家庭の食卓においても、こうして供給される様々な山菜が食卓に並べられ、本格的な春の到来を実感しながらの豊かな恵みを味わうことができるようになる。 【0003】このようにして一般家庭にも春の恵みとして届けられる各種山菜も、収穫してそのままの状態で供給されている訳ではなく、例えば、春の恵みを代表する孟宗筍のように予め管理されて収穫されるものでも、収穫時にはその殆どが土中に埋もれていて、それを掘り起こしたときに土が付着していることから、それらの土を洗い落としたり、無駄な表皮を取り除く等の手が加えられて店頭に並べられる訳で、それが野生で育つ笹筍の場合には、孟宗筍と違って食用部分が極端に少ないということもあって、単に汚れを洗い流すだけという訳にはいかず、野山から収穫してきたものからきれいに皮を剥いて出荷する必要があるため、加工業者は、これまで多数の人手を揃えて人海戦術によって笹筍の鮮度が落ちてしまわないよう早期の中に皮剥き処理しなければならず、この加工処理のために多大な労力を必要とすることとなって多くの人件費を投入せざるを得ないことから、他の山菜であるたらの芽やうど、蕨等と違い、市場価格が高い割りには利益幅が少ないという経営上の課題を抱えるものとなっていた。 【0004】こうした事情から、大勢の人手に頼ることなく、笹筍の皮剥き作業を迅速に実施できるようにしようとして、例えば、実開昭64−17626号公報に示されている考案に代表されるような、水平状の一対のローラを平行状に隣接配置させ、該ローラの接合部付近上側に、隙間を設けた溝盤を配してなる「筍自動皮むき機」が提案されている外、本願出願人自らも、特開2000−46039号公報に掲載されているとおりの筍の皮むきに係わる発明を開発済みとなっているが、従前までのこれら筍用の皮剥き機は、連続皮剥き使用をしている中に、筍から剥き取られた皮がローラの周囲に巻き込まれて付着したまま回転し続けてしまうような状態に陥ってしまって溝盤との間やローラ同士の間に目詰まりを起こし、この目詰まりを放置して使用し続けていると、ローラ自体の交換が必要となる程にその表面が磨耗、変形してしまったり、モータが焼き付いてしまうといったトラブルを引き起こす虞れがあることから、皮剥き作業中に頻繁に作業を中断して詰まった皮やその破片を取り除くようにするか、あるいは掻き落としのための排除板を特別に装置したものとするかしなければならず、装置自体が複雑化するだけではなく、掃除やメンテナンス等に手間が掛かってしまって作業効率を落としてしまうという等といった不都合を生じることとなっていた。 【0005】この発明は、以上のとおりの実態に鑑み、従前のようなに人海戦術による笹筍等細身の筍の皮剥き作業からは脱却し、しかも、掃除やメンテナンスを頻繁に繰り返しながらの皮剥き作業とならないようにして、安全且つ連続的に多数の筍を供給でき、小人数であっても大量の筍の皮剥き作業を効率的に実施することができるようにする実用的な技術を開発することはできないものかとの判断から、長年山菜の加工処理装置の開発、提供に係わってきた者の一人として、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の筍用皮剥き装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。 【0006】 【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される筍用皮剥き装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。即ち、略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて横設すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも一方の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなる構成を要旨とする筍用皮剥き装置である。 【0007】この基本的構成からなる発明が包含する筍用皮剥き装置を、より具体的な表現によって示すと、少なくとも作業範囲となる部分の外周壁面が略全周に渡って凹凸加工面とされてなる略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて略水平状に配すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも上位側の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなる構成を要旨とするものであるということができる。 【0008】さらに、この発明の基本構成が包含する他のより具体化した表現によれば、少なくとも皮剥き作業範囲となる部分の外周壁面が、その軸心に平行状か、稍傾斜状となる多数の凹条または凸条加工面とされてなる比較的軟質な合成ゴム製の略円柱体または略円錐体とした一対の摩擦ローラを、僅かな隙間を置いた近接状か、あるいは当接状となるよう上下に組み合せて略水平状に配すると共に、少なくとも何れか一方の摩擦ローラを駆動機構に連動し、それら一対の摩擦ローラ個々が互いに逆転方向に低速回転駆動可能となるように軸着したものとする一方、回転駆動時に巻き込み側となる側であって、同巻き込み方向で両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも手前側適所には、筍供給用載置台および/または筍供給用案内樋を配すると共に、少なくとも上位側の摩擦ローラには、その外周壁面に適量の水を供給可能とする給水部を併設してなる構成の筍用皮剥き装置であるということができる。 【0009】摩擦ローラは、互いに対峙する周壁面間に筍の皮だけを巻き込むようにして自動的な皮剥きを可能とする機能を果たすものであって、少なくともその外周表面の皮剥き作業範囲に相当する部分を筍の皮剥きに好適な素材、形状からなるものとしなければならず、一対のローラは互いに平行状あるいはやや傾斜状となるよう支持されたものとすることができ、外周面を金属、合成樹脂、天然ゴム等、それ自体吸水性のない素材から形成すべきであり、従前までのもののように吸水性を有する発泡ゴムや発泡ウレタン等を使用してしまうと、巻き込まれて粉砕された皮の破片や筋が、給水部からの給水によって膨出状となった小孔に入り込んで除去に手間取ってしまうという不都合を生じてしまうことから、その採用を控えなければならず、それら外周面に付着状となった皮の破片や筋が円滑に給水によって流出、除去されてしまうようにするため、その外周面はできるだけ滑らか仕上げしたものにすると共に、それらの表面には筍の皮を巻き込む上で必須の凹凸加工、例えば軸芯に沿って連続する溝部や、周回り方向に流水を案内可能な同心輪条の凸条部を複数形成したものとしなければならず、そして、それら外周面の略全長に渡って水が供給され易くなるように、一対とも円柱体によるものの場合にはその回転軸芯を僅かに傾斜させたり、あるいはローら自体を円錐状のものとして組み合わせてなるものにすると極めて好都合のものとなる。 【0010】駆動機構は、少なくとも一方(したがって、一対の摩擦ローラ双方の場合が当然に含まれている。)の摩擦ローラを低速回転駆動可能とする機能を果たすものであって、摩擦ローラに筍の皮を巻き取るのに必要な回転力を出力および伝達可能なものとしなければならず、例えば、駆動用モータをベルト、チェーン、歯車等の伝達機構を介して摩擦ローラの一端に接続したものとすることができる外、所望する回転速度に減速すると共に、所定の回転速度範囲で段階的あるいは無段階的に変速および逆転可能な変速機構を有するものとすることが可能であって、起動および停止用のスイッチの外、皮剥き作業範囲付近に配された非常停止用スイッチや、駆動系に大きな負荷が掛かった場合に、過負荷状態を検知して自動停止あるいは逆転駆動する自動スイッチ等を設けることができる。 【0011】筍供給用載置台は、一対の摩擦ローラに近い皮剥き作業の手元となる範囲に、所望する量の筍を待機状態となるよう一時的な並べ置きを可能とした上、順次一対の摩擦ローラの巻き込み方向に手で送り出すときの案内板としても機能するものであり、略水平面状に形成するのが望ましく、複数の水切り用の溝や筍が転げ落ちてしまうのを阻止するよう外周側に低い縁取り状の凸状部を形成したものとすることができる外、摩擦ローラ側に対峙する縁部を、一対の摩擦ローラに近接させ筍の不用意な落下を阻止可能な筍供給用縁部と、一対の摩擦ローラの双方の軸芯から皮剥きを終えた筍を摩擦ローラに接触させずに下降可能とする程度離れた段差状または凹欠状に形成された投下用縁部とからなるものに形成することが可能であり、また、摩擦ローラ側に対峙する縁部を、一対の摩擦ローラの少なくとも何れか一方に対して近接する縁部付近で一対の摩擦ローラに向けて筍を供給し、適度に離反した縁部付近で皮剥きを終えた筍を摩擦ローラに接触させることなく下降可能とするよう、一対の摩擦ローラの双方に対し水平方向所定角度をもって傾斜させてなるものに形成することができる。 【0012】筍供給用案内樋は、一対の摩擦ローラ間の最適な位置に筍を確実に案内するようにし、この発明による装置に十分使い慣れていない作業者にあっても安全な皮剥きが可能となるようにする機能を果たすものであり、筍を摩擦ローラに略平行状となるよう保持可能な程度に湾曲された樋状を成すものに形成されていなければならず、両摩擦ローラ外周壁面の対峙箇所よりも巻き込み方向手前側で皮剥き作業適所となる位置において固定状となるようにすると共に、熟練した作業者のように当該筍供給用案内樋を必要としないときや、装置各部の点検、掃除等に邪魔となるときには、同作業範囲外の位置に仮に避けてしまうことができるよう、両者の位置の間を選択的に往復移動可能となるようにした構成によるものとするのが望ましく、例えば跳ね上げ機構やスライド移動機構等によるものとしたり、あるいは脱着構造によるものとして、不要なときには自由に皮剥き作業範囲外へ移動させてしまうようにした構造によるものとすることができる。 【0013】給水部は、少なくとも皮剥きを行っている筍が接触する摩擦ローラの外周面部分にできるだけムラを生じさせることのないよう流水を供給し、摩擦ローラの当該外周面部分を濡れた状態にして筍の皮や破片、筋等の付着し難くなるようにすると共に、付着しかけた筍の皮や破片等は洗い流されてしまうようにする機能を果たすものであり、清潔な流水の略定量を連続的に供給可能な構造としなければならず、水道の蛇口に直接接続し、蛇口を開放することによって水道水を連続的に供給できるようにしたり、駆動機構に連動する自動開閉弁が駆動機構の起動と同時に、所定量の流水を所望箇所に一定供給できるように構成したもの、摩擦ローラの長手方向に渡ってシャワー状に供給するもの等とすることが可能である外、摩擦ローラの中央もしくは端部側から流水状に供給する構造とすること等が可能であり、摩擦ローラの接線方向であって回転に逆らう向きに流水あるいはシャワーを吹き付ける構造とすることもでき、必要に応じて水道との間に温水機や浄水機等を介在させ、適温に加熱した温水や浄水を供給できるものとすることも適宜採用可能であり、また、給水状態を有利にするために摩擦ローラ自体をやや傾斜させた姿勢で軸着するように配し、流水方向が自然に傾斜方向に促され、摩擦ローラの所定外周面全面ができるだけ均質な状態に濡れるよう配慮したものに形成するとなお好都合のものとなる。 【0014】弾性支持機構は、一方の摩擦ローラを、他方の摩擦ローラ方向に一定の加圧力で弾性的に押圧できるようにすると共に、同方向に後退、復帰可能になるよう支持されるものとし、両摩擦ローラ間に予め設定してある当接状態あるいは所定間隙を遥かに越える塊状の筍破片や重なり状の皮が一気に巻き込まれ、両摩擦ローラ軸着部に設計値を越えた外力を加えて破損または変形させてしまったり、あるいは不測の事態で誤って指を引き込まれてしまって大怪我をしてまう等といった事態に対処できるよう、それら予期しない異物を巻き込んだときには、一方の摩擦ローラが他方の摩擦ローラから逃げて軸着部に掛かる負荷や指等異物への加圧力をできるだけ軽減させ、その後速やかに摩擦ローラを元の位置に復元させて通常の作業可能な状態に戻すようにする機能を果たすものであり、例えば、摩擦ローラの軸着部にコイルバネ、板ばね、弾性ゴム、永久磁石あるいはその他の弾性力を発生可能とする各種公知の部品を利用した構造、その他適宜構造によるものとすることができ、特にその構造に限定されることはない。以下、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。 【0015】 【実施例1】図1の筍用皮剥き装置の斜視図、図2(a)の上下配置された摩擦ローラの正面図、図2(b)の上下配置された摩擦ローラの側面図、図6の摩擦ローラ表面形状の正面図および図9の弾性支持機構の側面図に示される事例は、上下一対の円筒型摩擦ローラを互いの外周壁面を接合するよう横設し、各摩擦ローラの一端側にスプロケットおよびチェーンを有する駆動機構を配して、一対の摩擦ローラを低速回転駆動可能に形成した基本的構成からなるこの発明に包含される筍用皮剥き装置の代表的な一実施例を示すものである。 【0016】当該筍用皮剥き装置は、ステンレス製の箱型本体1を有し、その上部奥側には上下二本の金属製軸芯部21,21外周面に同一外径に設定された筒状の吸水性をもつ独立発泡合成ゴムからなり、その表面には、図6に示すように、軸芯方向に沿って直線状の溝が同一間隔をもって多数刻設された筒状弾性被覆体22,22を固着状に装着してなる上下一対の摩擦ローラ2,2の各両端部を回転自在に軸着し、互いの外周壁面同士を接合状とした状態に水平状に支持したものとし、夫々の一端側を箱型本体1の側壁面から外側に突出させスプロケット23,23を結合してチェーン31を、夫々逆回転駆動するように巻き掛けると共に、該箱型本体1の底部付近に内蔵された図示しない駆動用モータおよび減速機構から延伸された出力軸に固着したスプロケット32に巻き掛け、低速回転駆動可能な構造とした上、外カバー15を装着したものとなっている。 【0017】また、上下摩擦ローラ2,2に対応する箱型本体1天面部前側から前壁面上側に至る範囲には、左右の略全長に渡って皮剥きの対象となる筍を供給可能とする皮剥き作業用開口部11が開口され、箱型本体1前壁面上端縁から摩擦ローラ2,2に近接する付近までの空間に水平面状の筍供給用載置台5を形成し、該筍供給用載置台5の摩擦ローラ2,2に対峙する縁部は、摩擦ローラ2,2一端側で最も摩擦ローラ2,2に近接する筍供給用縁部51と、他端側で摩擦ローラ2,2との間に皮剥きを終えた筍8を投下可能な程度の離反スペースを確保した投下用縁部52とを形成するものとし、また摩擦ローラ2,2の他端前面側に対応する位置には、筍供給用案内樋6を箱型本体1天面部後側にヒンジ部61を介して反転移動可能とするよう連結し、該樋形状部の横幅中央寄り縁部を上下摩擦ローラ2,2の接合部付近に向けて傾斜させたものとしている。 【0018】さらに、上側の摩擦ローラ2一端側に対応する箱型本体1天面部には、略鉛直状に貫通し、ゴムホースを接続可能な筒状の給水部4を設け、所定量の水道水を連続的に供給できるものとし、箱型本体1の摩擦ローラ2,2および筍供給用載置台5と、底部に内蔵された図示しない駆動用モータおよび減速機構との間には、摩擦ローラ2,2の鉛直下部から摩擦ローラ2半径範囲内の僅かに手前寄りとなる位置で山折り状に折曲された分類用滑り台12が設けられ、該分類用滑り台12の手前側の傾斜末端側に対応する前壁面には、皮剥きを終えて投下した筍8が滑落する送出口13を開口し、他方背面側の傾斜末端側には剥き取られた筍の皮81が送出される排出口14を開口したものとなっている。 【0019】また、図9中に示すように、上側の摩擦ローラ2の他端側を軸着する軸受け部71には、鉛直上方に向けて立設したガイド棒72を設け、該ガイド棒72を上下進退自在に支持する摺動支持部73と、該摺動支持部73および軸受け部71との間にガイド棒72を軸芯とするよう装着したコイルスプリング74とを設け、上側の摩擦ローラ2の他端側を下側の摩擦ローラ2に向けて弾性的に付勢、支持するよう形成した弾性支持機構7を組み込んだものとしている。 【0020】この実施例に示した筍用皮剥き装置は、一対の摩擦ローラ2,2が互いに同一直径の円筒状であったが、図3(a)の異径の摩擦ローラの正面図および図3(b)の異径の摩擦ローラの側面図に示すように、下側に設置する摩擦ローラ2の直径を大径化したものとすることが可能であり、また、図4(a)の円錐状摩擦ローラの正面図および図4(b)の円錐状摩擦ローラの側面図に示すように、円錐形に形成した摩擦ローラ2,2の互いの細径側を大径側に対応するよう接合し、双方の軸芯を平行状とするよう軸着した構造とすることが可能である。 【0021】さらに、一対の摩擦ローラ2,2は、互いに図5の傾斜状態に接合した摩擦ローラの正面図に示すように、一方端側を互いに接合させた上、他方端側を所定角度θ分拡開状に支持した構造とすることが可能であり、図6のように、摩擦ローラ2の表面に直線状の溝を軸芯に平行状とするよう多数刻設したものの外、図7の斜め格子状の溝を刻設した摩擦ローラの正面図に示すように、斜め格子状の溝を略全周面に渡り刻設したものとしたり、図8の矩形状の突起を等間隔毎に突設した摩擦ローラの正面図に示されるように、矩形状の多数の突起部を周方向および軸芯方向に略等間隔となるよう配置してなる摩擦ローラ2とすることができる。 【0022】 【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明の筍用皮剥き装置は、図1に示される給水部4に、図示しない給水ホースの一端を接続して所定量の流水を連続的に供給し、上側に位置する摩擦ローラ2の一端側に流下させ、摩擦ローラ2の回転または静止状態に拘らず、その軸芯方向に沿う直線状の溝に沿って筒状弾性被覆体22の略全長に行き渡り、筒状弾性被覆体22の接合部を通じてあるいは周壁面から滴下して下側の摩擦ローラ2にも同様に供給されて分類用滑り台12の背面側傾斜面に落下し、排出口14から装置外部へ排水されるものとなる。 【0023】駆動機構3の図示しない駆動モータおよびこれに連動する減速機を正常起動してスプロケット32ならびにチェーン31を作動させ、スプロケット23,23を互いに逆転方向に回転駆動し、上下一対の摩擦ローラ2,2が互いに箱型本体1手前側から後方へ向けて巻き込む方向に低速回転駆動すれば、筍の皮剥き作業を開始できる状態となり、適当な数量の筍8,8,……を筍供給用載置台5の上に準備し、連続的に皮剥き作業を行うことができるが、作業に慣れるまで、図10の筍の皮剥き作業を示す斜視図に示すように、筍供給用案内樋6を利用することが可能であり、該筍供給用案内樋6の樋状部に一個ずつ筍8を乗せて手で抑え込むようにして保持し、筍8の先端側から徐々に送り出して行くと、摩擦ローラ2,2の中央寄りとなる樋状縁部が、幾分摩擦ローラ2,2の接合部付近に近づくよう傾斜されているので、筍8の先端を摩擦ローラ2,2間に上手に誘導することが可能であり、筍8を取り巻いていた皮81,81,……が次々と摩擦ローラ2,2筒状弾性被覆体22の多数の直線状溝に巻き取られて行き、全ての皮を剥き終えた筍8を筍供給用載置台5の投下用縁部52と摩擦ローラ2,2との間を通じて分類用滑り台12上に落下させ送出口13を経て送出するものとなり、図11の筍用皮剥き装置の作動状態を側部から見た断面図に示されるように、筍収容籠16内に受け止めることとなる。 【0024】摩擦ローラ2,2の回転によって箱型本体1背面側に送り出された筍の皮81,81,……は、摩擦ローラ2,2の筒状弾性被覆体22表面に沿って流れる水によってその外周面への付着が防止されると共に、それでもなお付着状となってしまった筍の皮や破片、筋等はその付着程度が悪くなっていて速やかに摩擦ローラ2,2から分離、離脱されてしまい、分類用滑り台12の背面側の傾斜を滑落して、排出口14から、下方に用意された皮受け籠17に集められるものとなる。 【0025】また、筍供給用案内樋6を使用せずに筍供給用載置台5上に載置、準備した複数の筍8,8,……を筍供給用縁部51付近の摩擦ローラ2,2間に近接させるよう直接的に供給して皮剥き作業を行うことが可能であり、皮剥きを終えた筍8は、前述と同様に投下用縁部52付近を通じて分類用滑り台12、送出口13へと投下でき、使用しない筍供給用案内樋6は、ヒンジ部61を中心に、図11中の矢印方向に従って反転させ、作業に邪魔にならない皮剥き作業範囲外へ移動させたものとしておく。 【0026】筍8の皮剥き作業中に誤って筍8自体あるいは外の異物を摩擦ローラ2,2間に巻き込んでしまったような場合には、図9に示した弾性支持機構7のコイルスプリング74が、自動的に圧縮されて一方の摩擦ローラ2が他方のローラ2から離反するよう移動する上、緊急停止スイッチの作動によって摩擦ローラ2,2の回転自体が緊急停止されるので、巻き込んだ筍8自体や異物等に損傷を与えることがなく、筍8自体や異物等を取り除けばコイルスプリング74が復元して、後退した摩擦ローラ2を元の位置に自動的に復帰させるものとなる。 【0027】図3のように、下側の摩擦ローラ2の外径寸法を拡大した形状とすれば、筍8を斜め上方から供給するのに好適なものとなり、図4のように、円錐形の摩擦ローラ2,2を組み合わせた場合には、上側摩擦ローラ2の大径側から給水することにより、流水が細径側へも充分に行き渡り易くなり、図5に示すように、摩擦ローラ2,2を互いに傾斜された状態に配置させれば、筍8の皮の厚さや剛さに応じて最適な隙間の位置を選択して作業することが可能となる。 【0028】また、図7または図8のように、摩擦ローラ2表面の凹凸形状を形成した場合にも略同等の皮剥き作業性を確保可能なので、筒状弾性被覆体22の材質あるいは摩擦ローラ2全体を金属あるは硬質なプラスチック等から一体形成する場合等、材質や構造に応じて最適な凹凸形状とすることが可能である。さらに、筍供給用載置台5の筍供給用縁部51および投下用縁部52は、摩擦ローラ2,2に対して傾斜する直線状に形成したものとしているが、投下用縁部52を凹欠状とする段差形状等としても略同等の使用が可能である。 【0029】 【効果】以上のとおり、この発明の筍用皮剥き装置によれば、互いに逆方向に回転駆動する一対の摩擦ローラ間に筍を近接させることによって素早く且つ簡単に筍の皮を摩擦ローラ間に巻き込み、剥ぎ取ることができると共に、次々に巻き取られた皮は、給水部を経て摩擦ローラの周壁表面に連続的に供給される流水により、その付着がし難い状態の外周面に維持され続けると共に、仮に付着状となったものも作動中に渡って常に洗い流されてしまうので、摩擦ローラに付着したまま回転して目詰まりを起こしてしまう弊害を確実に防止することができ、従前までであれば人海戦術に頼った一本一本の手作業による皮剥き作業を余儀なくされるか、あるいは自動皮剥き機を使用しても目詰まりが頻発して思うように作業が捗らなかったというような不都合の一切を解消し、小人数であっても迅速且つ速やかな皮剥き作業を実現可能とし、収穫から出荷までの時間と手間とを大幅に削減して新鮮な皮剥き状筍の出荷に大きな効果を奏するものになるという秀れた特徴が得られる。 【0030】特に、実施例に説明した筍用皮剥き装置は、上記した特徴に加え、摩擦ローラ2,2の巻き込み側手前付近に、予め複数の筍8,8,……を待機させるよう載置可能な筍供給用載置台5を設けて筍8の摩擦ローラ2,2間への供給作業を効率化することができると共に、収穫期のように、熟練者以外であっても皮剥き作業を行わざるを得ない場合であっても、筍供給用案内樋6に筍8を載置して抑えながら、これを案内として摩擦ローラ2,2間に筍8を供給すれば、全くの初心者であったとしても熟練者と略同等の作業性を確保して良質な筍8を出荷することができることになり、次第に作業に慣れてきた段階で、筍供給用案内樋6を反転移動させて摩擦ローラ2,2の略全体を露出状とし、さらに効率的な皮剥き作業を実現可能とするという利点が得られるものとなっている。 【0031】また、筍供給用載置台5筍供給用縁部51の上側付近で皮剥き作業を行えば、皮剥き作業中にうっかり筍8を落下させてしまったとしても筍供給用縁部51が筍8を受け止めるので、素早く筍8を拾い上げて作業を続行できる上、皮剥きを終えた筍8は、摩擦ローラ2,2を伝って流れる流水によって表面に残る皮の破片まで洗い流してしまって改めて洗浄し直さなくてもよい状態となり、そのまま筍供給用載置台5投下用縁部52と摩擦ローラ2,2との間から落下させ、分類用滑り台12、送出口13を通じて外の皮剥き済みの筍8,8,……と共に筍収容籠16に自動的に集められるようになる一方、剥き終えた皮81,81,……やその破片、筋等は、流水によって摩擦ローラ2,2の外周面から速やかに離れて分類用滑り台12、排出口14を経て皮受け籠17に集められてしまうことから、後に続く筍8,8,……のパック詰め作業や皮81,81,……の処理作業を極めて簡単、迅速に実施できるという実用的な効果が得られることになる。 【0032】また、万が一皮剥き作業中に筍8やその他の異物が摩擦ローラ2,2間に巻き込まれてしまったようなときにも、弾性支持機構7コイルスプリング74が速やかに一方の摩擦ローラ2を逃がすように構成されているので、巻き込んだ筍8やその他の異物に損傷を与えたり、あるいは摩擦ローラ2,2やその軸着部を破損させてしまうことも未然に防止できるものになる同時に、誤って手を挟まれたときにも取り返しの付かない大怪我に至ることのない安全対策としての役割も果たすことになり、その後、挟み込んだ筍8や異物を取り除いてしまえば、コイルスプリング74の復元力により、位置を逃がしていた摩擦ローラ2が自動的に元の正常な位置に移動、復帰することから、特別の解除操作等を一切必要とせずに皮剥き作業を再開することができこととなり、秀れた安全性と経済性とを兼ね備えた皮剥き装置となる。 【0033】叙述の如く、この発明の筍用皮剥き装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも構造がシンプルで製造も容易な上、摩擦ローラの目詰まりを確実に防止できるので、従前からのこの種自動皮剥き機に比較して遥かに経済的なものとすることができる上、作業効率自体も大幅に高めることができることから、費用の削減と加工処理時間の短縮とが確実に達成可能になるものであり、輸入野菜の低価格化や人件費の高等の影響を受け、更に一層の作業性の改善が求められている山菜加工業者にとっては勿論のこと、山菜取りを楽しむ人々からも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599127438 【氏名又は名称】今 茂
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| 【出願日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083437 【弁理士】 【氏名又は名称】佐々木 實
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| 【公開番号】 |
特開2002−306146(P2002−306146A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月22日(2002.10.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−118556(P2001−118556) |
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