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【発明の名称】 再生食品原料
【発明者】 【氏名】岡田 幸子

【要約】 【課題】食品工場から排出される食品廃棄物である野菜や果物の搾汁残渣から得られる植物繊維とアルコール含有残渣などを有効活用する再生食品原料を得る。

【解決手段】野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物からなる再生食品原料であり、特に、野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣が人参破砕物からの搾汁残渣又はりんごジュースの搾汁残渣であり、アルコール漬果実残渣は梅酒濾過残渣の梅果実残渣のペーストである。このような野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物を小麦粉等の穀粒や穀粉に配合して菓子・パン、ほか料理用の各種原料とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物からなる再生食品原料。
【請求項2】 野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣が人参破砕物からの搾汁残渣又はりんごジュースの搾汁残渣であり、アルコール含有残渣がアルコール漬果実残渣である梅酒濾過残渣である請求項1記載の再生食品原料。
【請求項3】 野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合比が90:10〜10:90の範囲での状混合物である請求項1又は2記載の再生食品原料。
【請求項4】 野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物を穀粒や穀粉に配合してなる再生食品原料。
【請求項5】 野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコー漬果実残渣の混合物を穀粉に配合して菓子・パンの原料としてなる請求項4記載の再生食品原料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品工場から排出される食品廃棄物である野菜や果物・果菜の搾汁残渣から得られる植物繊維を有効活用する再生食品原料に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜・果物ジュースは年々その生産量が増大し、それにつれて搾汁残渣の量も増大してきている。従来、これら搾汁残渣はそのまま家畜の飼料や醗酵物として肥料にしているが、本来、これら搾汁残渣は腐敗しやすく、余剰の残渣は焼却処分や埋立処分にされている。また、果汁・野菜ジュース等の飲料中に粒度が22〜140メッシュに調整された人参搾汁残渣パルプを添加混合した食物繊維入り飲料とすることが、特開平9−23859に記載されている。
【0003】一方、アルコール含有残渣である梅酒濾過後の残渣の梅酒漬実は、アルコール臭さやえぐみが残るため、これまでほとんど廃棄処分されていた。この梅酒漬実のアルコール臭さを取り除く方法も検討され、例えば、特開2001−130に極く最近の報告がみられる。梅酒漬実は、このような処理をしたり、あるいはせずにペーストに加工され、これは各種食品に添加して食味改善に利用されている。例えば、アイスクリーム、ヨーグルト、カレーライス、梅寒天ゼリー、ドレッシング、パウンドケーキ、ジャムなどに用いられている。しかし、これらの用途向けの消費量は多くない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記野菜・果物ジュースの搾汁残渣も植物繊維や糖質のほか、たんぱく質、脂質、炭水化物を含有し、栄養分に富むが、水分が多く、乾燥に手間がかかるうえ、腐敗しやすいために一度に大量の搾汁残渣が排出されると、これらの処理が追いつかず、有効活用の隘路となっていた。したがって廃棄処分せざるを得ず、公害環境問題が発生していた。梅酒残渣は、これら野菜・果物ジュース搾汁残渣ほど多くはないが、それでも用途が限定され、完全に再生利用がなされていないのが現状である。
【0005】このように、野菜・果物の搾汁残渣は有効成分が豊富であるが故に腐敗し易く水分が多いため乾燥に費用と時間がかかる。また、果実酒等残渣もそのアルコール分が障害となり充分に活用されず、両者とも産業廃棄物となっている。本発明は双方の特徴を活かし、従来の乾燥法、または飲料に混合する方法等で極く少量しか必要とされない方法で用いるのではなく、大量に混合・煮沸等の比較的容易且つ安価な方法を用いて食品素材とする技術の確立と、それらを利用してさらに高度な技術を要する加工食品マニュアルを完成し、より幅広く多方面に大量に再利用される技術を開発することを本発明の課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら食品廃棄物を再生食品原料として活用することを課題に検討した結果、完成したものである。その解決手段としては、腐敗しやすい野菜・果物繊維とアルコール含有残渣、特に殺菌・防腐効果のある梅酒漬実の混合物からなる風味及び日持ちのよい再生食品原料としたことにある。すなわち、野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物からなる再生食品原料である。
【0007】ここで、野菜搾汁残渣としては、人参、砂糖大根などの根菜類や、ケール、ほうれん草、小松菜、レタス、セロリー、パセリ、モロヘイヤ、キャベツなどの葉菜類の搾汁残渣が用いられ、更に果物・果菜搾汁残渣としては、梅、りんご、オレンジ、ぶどう、パイナップル、苺、ピーマン、トマト、きゅうりなどが用いられる。なかでも、人参破砕物からの搾汁残渣やりんごジュースの搾汁残渣は再生食品原料として好ましいものである。これらは、生のまま又は加熱処理して使用することや、1種又は2種以上の混合物で使用することを妨げない。アルコール発酵残渣は、日本酒、焼酎の残渣、ビール残渣などであり、アルコール漬果実残渣は、梅酒、葡萄酒、りんご酒残渣などが用いられる。梅酒濾過残渣の梅果実残渣の再生食品原料は、殺菌力が大なため保存性の点で好ましいものである。そして、野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール発酵残渣の混合比が90:10〜10:90の範囲、更に80:20〜20:80の範囲でのペースト状混合物として用いると、最も好ましい用途の広がる再生食品原料となる。
【0008】このような、野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール含有残渣の混合物を穀粒や穀粉に配合してなる再生食品原料は、各種の食品原料や、料理用のソースに用いたり、チャツネなどと同様に食味改善素材として広く用いられる。特に、野菜搾汁残渣又は果物・果菜搾汁残渣とアルコール漬果実残渣の混合物は穀粒や穀粉に配合して菓子・パンの原料としての再生食品原料として好ましい。梅酒漬実は野菜・果物・果菜搾汁残渣と混合することで、防腐効果を発揮し、一方、アルコール分の調節ができる。この再生食品原料をパン・ケーキの原料として従来の小麦粉、砂糖、卵、ベーキングパウダー、イーストなどに配合すると、酵母活性の補助役をし、植物繊維の増強になり、かつ、食感も良好になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて具体的に本発明の再生食品原料を説明する。
実施例1(ペースト状混合物の製造例)西洋人参を洗浄、水切した後、細破砕し、圧搾してキャロットジュースを絞り、人参搾汁残渣を得た。この残渣の成分分析結果を表1に示す。
【0010】
【表1】

【0011】表1の結果から、エネルギーは51kcal/100gとかなり高く、糖質11.4g/100g、食物繊維2.8g/100gとかなりの含有量を有する栄養成分の搾汁残渣であるが、富栄養物であるがために極めて腐敗しやすい欠点を有している。
【0012】これに対し、本発明で加える梅酒の濾過残渣ペーストは表2にその成分分析の一例を示す。梅酒の仕込成分からもたらされるアルコール分、糖分が圧倒的に多く存在する。この梅特有の風味とアルコール分が障害となって、加工食品原料としては、それ自身利用されにくいものであった。
【0013】
【表2】

【0014】本発明の再生食品原料は図1に示す工程で得られる。このようなペースト状混合物とするために、上記表1に示すキャロットジュース搾汁残渣と、表2に示す梅酒濾過残渣ペーストとを50:50の比で混合して全体をペースト状とした。このものは、キャロットジュース搾汁残渣が温度約5℃の冷蔵庫中に置いた場合、1〜2日で腐敗して食品原料として使用不可となったのに対し、本発明の再生食品原料のペーストは3ヶ月間以上も同条件で保存できるものとなった。
【0015】実施例2(パンの原料としての利用)強力粉100部に対して、砂糖12部、食塩1.5部、脱脂粉乳2部、全卵24部、バター10部、ドライイースト2部、水45部を加えたものに、実施例1で得られた本発明のペースト状混合物40部を加え、通常の方法で食パン形状のパンに焼き上げた。このパンは、美味なものとなり、ブレックファースト用パンやティータイム用ケーキとしてふさわしいものであり、しかも多くの植物繊維を含むため、従来のパンに起こりがちな便秘も起こり難い健康食品となった。
【0016】実施例3(ゼリー菓子の原料としての利用)粉寒天40g、水4000ccに対して、実施例1のペースト状混合物4000gの割合で用いて、通常の方法でゼリー菓子を製造した。すなわち、寒天粉末と水とを煮溶かした後に砂糖を入れ、続いてペースト状混合物を入れ、全体を均一な分散溶液とし、適当な容器に小分けして、冷蔵庫で冷やして固化させた。得られたゼリー菓子は、本発明のペースト状混合物の成分(表1及び表2)を含有する繊維質の多い健康食品となった。
【0017】実施例4(りんごからのペースト状混合物の製造例)りんごを洗浄、水切した後、細破砕し、圧搾してりんごジュースを絞り、りんご搾汁残渣を得た。この残渣の成分分析結果を表3に示す。
【0018】
【表3】

【0019】表3の結果から、エネルギーは21kcal/100gとかなり高く、糖質4.7g/100g、食物繊維2.2g/100gとかなりの含有量を有する栄養成分の搾汁残渣であるが、富栄養物であるがために極めて腐敗しやすい欠点を有している。
【0020】これに対し、本発明で加える梅酒の濾過残渣ペーストは上記の表2にその成分分析の一例を示す。梅酒の仕込成分からもたらされるアルコール分、糖分が圧倒的に多く存在するが、りんごジュースの搾汁残渣と混合することにより、3ヶ月以上の長期に亘り保存可能なものとなった。
【0021】実施例4(セロリからのペースト状混合物の製造例)セロリを洗浄、水切した後、細破砕し、圧搾してセロリジュースを絞り、セロリ搾汁残渣を得た。この搾汁残渣は原材料がセロリのため、水分が多く、エネルギーや糖質も比較的少ないが、食物繊維がかなりの含有量を有する栄養成分の搾汁残渣である。しかし、水分過多で、富栄養物であるがために極めて腐敗しやすいが、アルコール含有残渣としての、ワイン残渣と混合して粉砕しペースト化することで、極めて安定した食物原料が得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明の再生食品原料は、以上詳述したように、野菜・果物の搾汁残渣に由来する植物繊維炭水化物その他の微量成分とアルコール含有残渣、特に梅酒残渣ペーストに由来するアルコール、糖分その他の微量成分を含み、健康食品原料として極めて好ましい成分構成のものとなる。
【0023】しかも、これら両者の混合により、腐敗しにくい食品原料となって、菓子・パン、味噌、ドレッシング各種食品加工、料理用食品その他の分野に流通させることができる。したがって、腐り易い野菜・果物の搾汁残渣で廃棄処分せざるを得なかったものと、アルコール分が多すぎて用途が限られていた梅酒残渣ペーストが一体化されたリサイクル食品原料となり、資源活用と廃棄物公害防止に寄与すること大なる発明となっている。
【出願人】 【識別番号】596134242
【氏名又は名称】岡田 幸子
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100075960
【弁理士】
【氏名又は名称】森 廣三郎 (外2名)
【公開番号】 特開2002−325547(P2002−325547A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−132880(P2001−132880)