| 【発明の名称】 |
冷菓注出装置のピストン構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】野津 慎次
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| 【要約】 |
【課題】ピストンの加工精度が低いと、ピストンを加圧させるとき、ピストンに作用する偏倚荷重によりピストンが傾斜し、シリンダ内周に対する接触圧力の弱い箇所より加圧流体が冷菓の袋詰め体側に漏洩していた。
【解決手段】ピストン20で隔成したシリンダ2内の一室側に設けた冷菓の袋詰め体3を、ピストン20の他室側に存する加圧流体5で加圧されるピストン20を介して加圧して冷菓を袋詰め体3から注出する冷菓注出装置のピストン構造において、ピストン20を袋詰め体3に接触する上部ピストン21と、加圧流体の圧力を受ける下部ピストン22とに分割形成する一方、互いに対面する上部ピストン21と下部ピストン22の各中心部間に、上部ピストン21の下部ピストン22に対する揺動を許容させるボールジョイント24を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピストンで隔成したシリンダ内の一室側に設けた冷菓の袋詰め体を、前記ピストンの他室側に存する加圧流体で加圧される前記ピストンを介して加圧して前記冷菓を前記袋詰め体から注出する冷菓注出装置のピストン構造において、前記ピストンを前記袋詰め体に接触する上部ピストンと前記加圧流体の圧力を受ける下部ピストンとに分割形成する一方、互いに対面する前記上部ピストンと前記下部ピストンの各中心部間に、前記上部ピストンの前記下部ピストンに対する揺動を許容させるジョイント手段を設けたことを特徴とする冷菓注出装置のピストン構造。 【請求項2】 前記ジョイント手段は、ボールジョイントと、前記上部ピストンに形成され且つ前記ボールジョイントを支承する凹部と、前記下部ピストンに形成され且つ前記ボールジョイントを支承する凹部とからなることを特徴とする請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造。 【請求項3】 前記ジョイント手段は、前記上部ピストン及び前記下部ピストンのうちの一方に形成されたボール状の突出部と、他方に形成され且つ前記突出部を支承する凹部とからなることを特徴とする請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造。 【請求項4】 前記ジョイント手段は、前記各中心部間に縮設したスプリングからなることを特徴とする請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷菓注出装置のピストン構造に係り、特にピストンのシール性の向上に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の冷菓注出装置は、図5に示す構造を有する。すなわち、帽子型のピストン1で隔成されたシリンダ2の上室にアイスクリームなどの冷菓を袋詰めにした袋詰め体3が収容されていて、シリンダ2の下室4には加圧流体5(ブライン)が充填されている。6は、リザーブタンク7の加圧流体5を加圧して下室4に供給する加圧ポンプ、8はリリーフバルブ、9は圧力ゲージである。10は加圧流体5の液面を検知する第1フロートスイッチで、所定液面にないことを検知したとき加圧流体5の補充を知らせるものである。11は加圧流体5の液面が所定量低下した状態を検知することで袋詰め体3を新たに交換することを知らせる第2フロートスイッチである。12はピストン1が最下限位置にある状態を検知する第3フロートスイッチである。 【0003】係る構造を有する冷菓注出装置は、レバー13を点線に示すOFF状態から実線で示すON状態に回動させることで、加圧ポンプ6が駆動し、加圧流体5が矢印で示すように供給管14を介して下室4に圧送され、ピストン1を上方に加圧する。これによりレバー13がON状態にあるとき、ピストン1の上方にある袋詰め体3がピストン1により加圧され、冷菓がコック15から注出され顧客に提供される。レバー13をOFF状態に戻すことで、加圧ポンプ6が停止して冷菓の注出が止まる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来装置にあっては、図6のように上記ピストン1により袋詰め体3の冷菓を加圧圧縮する場合において、冷菓の温度のばらつき、袋詰め体3の収縮状態等によりピストン1が、必ずしもシリンダ2内を水平な状態で真っ直ぐに上昇するとは限らず、ある方向に傾いた状態で加圧上昇することがあった。係る現象はピストン1とシリンダ2のはめあい寸法精度が悪いほど傾きが大きく、このためピストン1外周の環状凹溝に設けたピストンシール16のシリンダ2内面に対する接触が不均一となり、接触圧力が弱い部分から加圧流体5がダストシール17を介して袋詰め体3側に漏れ出す虞があった。加圧流体5が袋詰め体3側に漏れると、所望の注出動作を行なうことができなくなってしまう。また、加圧流体5の漏れを生じないような加工精度の高いピストン1とシリンダ2を得るには、それだけ加工コストが嵩張るので限界がある。 【0005】この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、加工コストが安価で、加圧流体のシール性が安定した冷菓注出装置のピストン構造を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するために、次の構成を有する。すなわち、請求項1記載の発明に係る冷菓注出装置のピストン構造は、ピストンで隔成したシリンダ内の一室側に設けた冷菓の袋詰め体を、前記ピストンの他室側に存する加圧流体で加圧される前記ピストンを介して加圧して前記冷菓を前記袋詰め体から注出する冷菓注出装置のピストン構造において、前記ピストンを前記袋詰め体に接触する上部ピストンと前記加圧流体の圧力を受ける下部ピストンとに分割形成する一方、互いに対面する前記上部ピストンと前記下部ピストンの各中心部間に、前記上部ピストンの前記下部ピストンに対する揺動を許容させるジョイント手段を設けたことを特徴とする。 【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造において、前記ジョイント手段は、ボールジョイントと、前記上部ピストンに形成され且つ前記ボールジョイントを支承する凹部と、前記下部ピストンに形成され且つ前記ボールジョイントを支承する凹部とからなることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造において、前記ジョイント手段は、前記上部ピストン及び前記下部ピストンのうちの一方に形成されたボール状の突出部と、他方に形成され且つ前記突出部を支承する凹部とからなることを特徴とする。請求項4記載の発明は、請求項1記載の冷菓注出装置のピストン構造において、前記ジョイント手段は、前記各中心部間に縮設したスプリングからなることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明を図1、図2に示す一実施の形態に基づいて詳述する。図1は冷菓注出装置に用いられるピストン構造を示し、(a)は分解した状態における断面図、(b)はシリンダに組み込まれた状態を示す断面図である。なお、従来装置で説明したと同一部材または均等部材には、同一符号を使用することとし、その説明は割愛する。符号20は、上部ピストン21(ヘッド部)と、下部ピストン22(圧力受け部)との2部品で形成されたピストンで、上記した従来装置におけるピストン1を上下に2分割した態様になっている。23はジョイント手段であって、球体のボールジョイント24と、このボールジョイント24を支承するための上部ピストン21に形成した半球凹状の軸受け部25と、下部ピストン22に形成した半球凹状の軸受け部26とから構成される。各軸受け部25,26はピストン20の上下方向中心軸線L上に配置されている。 【0009】係るピストン20およびジョイント手段23をシリンダ2に組み込んだ場合(図1(b))、すなわち上部ピストン21と、この上部ピストン21に対面する下部ピストン22との間にボールジョイント24を介在させてシリンダ2に収容したとき、上部ピストン21と下部ピストン22との間には、微少間隙Gが存する状態に組み込まれる。この微少間隙Gの存在により、上部ピストン21のみが、ボールジョイント24を回転中心として矢印で示すような揺動変位ができ、傾斜するのを許容される。また、上部ピストン21の上面には、シリンダ2の上室27に収容した冷菓の袋詰め体3が接触する。下部ピストン22の下面におけるシリンダ2の下室4には、加圧流体5(ブライン)の圧力が作用する。なお、28は下部ピストン22の外周に形成した環状凹溝に設けたパッキンを示す。 【0010】本実施の形態の作用を説明する。2分割構造のピストン20をジョイント手段23を介してシリンダ2に組み込んだ冷菓注出装置において、冷菓の袋詰め体3を加圧流体5で加圧するとき、冷菓に温度のばらつき(冷菓の硬さのばらつき)がある場合や、袋詰め体3の収縮具合等により、上部ピストン21に偏荷重が作用する。このとき、図2のように上部ピストン21は、ボールジョイント24を回動中心として揺動して傾斜変位する。このとき、袋詰め体3から下部ピストン22へボールジョイント24を介して力が作用するが、下部ピストン22に対しては常に中心部で下方に向かう力が作用する。このため、ジョイント手段23の存在により、上部ピストン21が傾斜変位しても、下部ピストン22へは傾斜する方向への応力(傾動応力)が作用しないため、下部ピストン22は水平状態を保持したまま上下動する。その結果、パッキン28はその全周に亘ってシリンダ2の内周面に均一の接触圧で接触することとなり、加圧流体5のシール性能が安定的に確保される。なお、図2において上部ピストン21が傾斜したときでも、上部ピストンが下部ピストンに接触しないように設定するのが好ましい。したがって、本実施の形態によれば、製造コスト安価なピストン構造でありながら加圧流体5の上室27側への漏洩を抑制することができる。 【0011】以上、本発明の実施の形態を具体的に詳述してきたが、具体的な構成はこの形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上記実施の形態では、ジョイント手段23を、ボールジョイント24と、このボールジョイント24を支承するために上部ピストン21に設けた半球状の軸受け部25と、下部ピストン22に設けた半球状の軸受け部26とで形成したが、この代わりに図3(a)に示すように、下部ピストン22の上面中央部に設けた略半球状の突出部30と、この突出部30を支承するために上部ピストン21の下面中央部に設けた略半球状の凹部31とで形成した変形例にしてもよい。この場合、上下部両ピストン21,22を組み込んだとき、図3(b)に示すように上記実施の形態と同様に、上下両ピストン21,22の間に微少間隙Gを存することとなる。かかる構成により、加圧時、上部ピストン21のみ下部ピストン22に対して任意の方向に傾斜変位が許容されるため、上記実施の形態と同様に、下部ピストン22及びパッキン28によるシール性能を安定して維持向上できる効果を有する。また、この変形例において、突出部30を上部ピストン21に、凹部31を下部ピストン22に設けてもよい。 【0012】また、ジョイント手段の他の変形例として、図4に示すように上部ピストン21と下部ピストン22との中央部にコイルスプリング32を縮設した構成にすることもできる。かかる構成により上部ピストン21は下部ピストン22に対してコイルスプリング32のばね力で間隙を存するように浮動して支持されているため、加圧時、上部ピストン21が傾斜しても下部ピストン22に傾動応力が作用しないので、上記実施の形態や変形例と同様に加圧流体の漏洩を防止できる効果がある。 【0013】 【発明の効果】本発明は、加圧流体と冷菓を袋詰めにした袋詰め体との間に存在するピストンを袋詰め体に接触する上部ピストンと、加圧流体の圧力を受ける下部ピストンとに2分割に形成し、上部ピストンと、該上部ピストンに対面する下部ピストンとの各中心部間に、ジョイント手段を設け、このジョイント手段により上部ピストンだけを下部ピストンに対して揺動して傾斜変位を許容する構成を有する。このため、本発明によれば上部ピストンのみを任意の方向にフレキシブルに傾斜させることができるが、下部ピストンにはこのような傾斜応力が作用しないため、下部ピストン外周とシリンダ内周との間のシール性能は安定したものとなり、加圧流体の袋詰め体側への漏洩、及びそれによる冷菓の注出残し等を円滑に回避でき、さらにはピストンとシリンダとのはめあい精度を高めるような加工をそれほど必要としなくても済むので加工コストの安価なピストン構造を得ることができるといった種々の効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000194893 【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100057874 【弁理士】 【氏名又は名称】曾我 道照 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−320448(P2002−320448A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月5日(2002.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−131623(P2001−131623) |
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