| 【発明の名称】 |
緑茶組成物及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大 村 悌治郎
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| 【要約】 |
【課題】酸化や変色を防止し、カテキンを高濃度で含有させて、カテキンの薬理効果を十分に発揮することができる緑色を保持した緑茶組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】緑茶葉100重量部に対してトレハロース0.01〜30重量部を配合してなることを特徴とする緑茶組成物。及び、生茶葉を加熱処理した後、乾燥させ、粉粒化して緑茶を製造する方法において、前記生茶葉を加熱処理の前に、又は、加熱処理の後に、或いは、加熱処理と同時にトレハロースと接触させることを特徴とする、緑茶組成物の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】緑茶葉100重量部に対してトレハロース0.01〜30重量部を配合してなることを特徴とする、緑茶組成物。 【請求項2】緑茶葉が、粒子径が16メッシュ以下の粉末状乃至粒状緑茶である、請求項1に記載の緑茶組成物。 【請求項3】緑茶組成物のデジタルカラー判別センサーによる緑色指数が900〜1000である、請求項1又は2に記載の緑茶組成物。 【請求項4】生茶葉を加熱処理した後、乾燥させ、粉末状乃至粒状化して緑茶を製造する方法において、前記生茶葉を加熱処理の前に、又は、加熱処理の後に、或いは、加熱処理と同時にトレハロースと接触させることを特徴とする、緑茶組成物の製造方法。 【請求項5】生茶葉を蒸した後、トレハロースと接触させる、請求項4に記載の緑茶組成物の製造方法。 【請求項6】生茶葉を炒った後、トレハロースと接触させる、請求項4に記載の緑茶組成物の製造方法。 【請求項7】生茶葉をトレハロースを含有する加熱水蒸気と接触させる、請求項4に記載の緑茶組成物の製造方法。 【請求項8】乾燥させた後、切断又は挽き潰しにより粒子径を16メッシュ以下に粉末状乃至粒状化させる、請求項4〜7のいずれかに記載の緑茶組成物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生茶葉を加熱処理及びトレハロース処理をして、酸化や変色を防止し、緑茶本来の風味と緑色を長期間保持すると共に、カテキン類及びクロロフィルの含有量を高濃度で保持して、カテキン類及びクロロフィルの薬理効果を十分に発揮することができる緑茶組成物及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、緑茶中に含まれているカテキン類には、老化を防ぐ抗酸化作用、抗菌・ウィルス作用、コレステロール量の調整作用、血圧上昇抑制作用、血糖降下作用、抗糖尿病作用、血小板凝集抑制作用、血栓形成予防効果、抗腫瘍作用、発ガン抑制作用等の薬理効果があることについて発表され、特に注目されるようになった。しかし、カテキン類は、紅茶の発酵時には酵素酸化によってテアフラビンやその他の橙赤色系物質に変化して綺麗な色を呈することができるが、緑茶におけるカテキンは非酵素的酸化反応を受けて褐色物質に変化するために、緑茶自体の変色やお湯出しした際にも黄色のお茶しか出ない原因の一つとなっている。特に、比較的水分の多い状態で放置すると非酵素的酸化反応が加速されて、次第に褐変し、この様な褐変はカテキン類やクロロフィルの含有量が減少したことを意味することから、変色した緑茶はカテキン類やクロロフィルの薬理効果を期待することができない。 【0003】従来、緑茶、主として煎茶及び玉露は、一般的に、水分含量が78重量%の生茶葉を下記に示す様な複雑な製造工程を経ることにより水分含量が5重量%程度の荒茶と称する中間製品が製造され、そして、更に、これを篩い分けたり切断機にかけたりして加工することにより仕上げ茶となり商品化される。 緑茶の製造工程生茶葉(水分含量:78重量%)−(1)蒸熱工程(0.5〜1.0分)−蒸し葉(水分含量:78重量%)−(2)粗揉工程(40〜45分)−粗揉葉(水分含量:50重量%)−(3)揉捻工程(15〜20分)−揉捻葉(水分含量:50重量%)−(4)中揉工程(30〜40分)−中揉葉(水分含量:26重量%)−(5)精揉工程(30〜40分)−精揉葉(水分含量:12重量%)−(6)乾燥工程(10〜20分)−荒茶(水分含量:5重量%) 【0004】一方、抹茶は、一般的に、柔らかい新芽を原料として下記に示す様な簡略化した製造工程を経ることにより製造されている。 抹茶の製造工程生茶葉−(1)蒸熱工程−(2)乾燥工程−(3)粉末化工程(切断・篩分・挽き)−抹茶【0005】上記緑茶及び抹茶の製造方法においては、いずれも上記「蒸熱工程」等の加熱処理工程を経ることが必須であり、この工程を経ることによって、生茶葉中の酵素の活性を失わせると共に、生葉の青臭さを除去することができる。それ故、この「蒸熱工程」等の加熱処理工程を経ることによって初めてカテキン類やクロロフィルもまた余り変化されずに緑茶中に残存させることができることから、緑茶は緑色を呈することができる。また、この「蒸熱工程」等の加熱処理工程の処理時間を普通の処理時間の2〜3倍程長くした深蒸し茶は、茶葉の細胞を少し崩した状態にして、茶葉の細胞内より飛び出した葉緑体を抽出することによって緑色が比較的濃い緑茶とすることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この「蒸熱工程」等の加熱処理工程を経た後の緑色の茶葉は、茶葉中のクロロフィル酸化酵素(クロロフィラーゼ)の活性は完全に失われるが、その後の長時間の各工程を経る間に更に水分が除去されるので、通常の酸化がより一層生じ易くなり、緑茶中に含まれているクロロフィル(青緑色)が酸化されてフェオフィチン(帯褐色)に変化する等の現象が生じ、時間の経過と共に徐々に変色して黄色味を帯びてくる。また、上記クロロフィルの酸化と同時にアミノ酸やカテキン類等の他の成分の酸化も起こるため、アミノ酸やカテキン類等の他の成分も同時に酸化されて失われることになる。しかし、煎茶や玉露等の様な粒子の大きな緑茶においては粉末茶よりも余り変色し難いが、特に、粒子の細かい粉状の抹茶や粒状の緑茶等の場合には、上記抹茶の製造工程の様に簡略化された工程で、短時間で製造されていても、緑茶が粉末化されて、その表面積が大きくなっていることから、酸化が受け易くなっているし、水分も吸収し易くなっているので、酸化劣化が特に顕著に現れ易くなっている。それ故、粉末状や粒状の緑茶に加工した後、緑色の濃い緑茶として長期間保持することは困難なことであった。 【0007】この様な酸化によって変質した茶葉は、茶葉表面の色や、お湯を注いで溶け出してくる煎出液の色(水色)、香気、味等から、素人でも明確に劣化していることを容易に判別することができることから、安価な商品にしかならなかった。それ故、市販の粉末状の緑茶は、製造直後でも緑色指数が900未満に、特に製造後2ヶ月も経過した後では緑色指数が700以下に低下して変色したものが殆どであることから、緑茶とは言い難いものであった。また、この様な変色した粉末状の緑茶は本来緑茶に含まれているはずのカテキンの薬理効果についても僅かしか期待することができないものであった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、緑茶に特定な化合物を配合することによって、表面積が大きい粉末状乃至粒状の緑茶においても酸化を防止して、緑茶の変色を阻止することができるとの知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の緑茶組成物は、緑茶葉100重量部に対してトレハロース0.01〜30重量部を配合してなること、を特徴とするものである。また、本発明のもう一つの発明である緑茶組成物の製造方法は、生茶葉を加熱処理した後、乾燥させ、粉粒化して緑茶を製造する方法において、前記生茶葉を加熱処理の前に、又は、加熱処理の後に、或いは、加熱処理と同時にトレハロースと接触させること、を特徴とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】[I] 緑茶組成物(1) 構成成分(A) 緑茶葉成分本発明の緑茶組成物の緑茶葉成分として用いられる緑茶葉としては、植物であるお茶の木より手摘み、挟み摘み、機械摘み等により採取した生茶葉を加熱水蒸気で加熱処理することによって得られた蒸し茶葉、或いは、上記方法によって採取した生茶葉を釜等で炒った緑茶葉である。これら緑茶葉は、後記トレハロース成分と接触処理した後に、乾燥や粉末状乃至粉状化が行われることによって粉末状乃至粉状緑茶として使用される。具体的には、蒸し茶葉を、揉捻し、乾燥させることによって得られる乾燥緑茶か、或いは、蒸し茶葉を、乾燥し、粉末化(切断・篩分・挽き)した抹茶、或いは、生茶葉を釜等で炒って乾燥し、粉粒化して得られる粉末状乃至粒状の乾燥緑茶である。 【0010】(B) トレハロース成分本発明の緑茶組成物を構成するトレハロース成分としては、二糖類の一つで、二分子のD−グルコースがその還元性基同士で結合した化合物である。結合様式がα結合か、β結合かによって、下記に示すα,α−体、α,β−体、β,β−体の三つの異性体があるが、一般には天然に存在するα,α体が使用される。 [1] α,α−体:ミコース、ミコシド、マッシュルーム糖[2] α,β−体:ネオトレハロース[3] β,β−体:イソトレハロース上記トレハロースは、融点が97℃の斜方柱状晶の固体で、水に可溶性で、熱エタノールに微溶で、エーテルに不溶であることから、水に溶解させた水溶液として用いられるのが一般的である。これらトレハロースはかっては酵母からの抽出によって製造されていたが、近年では、澱粉から直接製造されたものが株式会社林原より「トレハTM」として市販されており、このトレハロースを用いることが好ましい。上記トレハロースをトレハロース水溶液として用いる場合には、一般にトレハロース5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%のトレハロース水溶液として調製して用いられるのが普通である。 【0011】(C) 任意成分本発明の緑茶組成物は、上記必須の構成成分から構成されものであるが、上記成分以外に通常の緑茶に任意成分として配合されるものを、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で含有させることができる。上記任意成分として配合されるものとしては、例えば、pH調整剤等を挙げることができる。pH調整剤としては、具体的には、例えば、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。このpH調整剤はトレハロース水溶液のpHを調整し、弱アルカリ性のpH7.5位にすると、トレハロースを茶葉組織内に速やかに移行させることができる。 【0012】(2) 配 合(A) 配合量比本発明の緑茶組成物を構成する緑茶葉成分とトレハロース成分の配合量比としては、乾燥した緑茶葉100重量部に対して、トレハロースが0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部の割合で配合される。 【0013】(B) 配合方法上記緑茶成分とトレハロース成分とを接触させる配合方法としては、単に両者を接触させれば良いことから、各種配合方法を適用することができるが、一般にトレハロース成分が溶解する水溶液中に蒸す等の加熱処理した緑茶を浸積させたり、生茶葉に加熱水蒸気を接触させる際に加熱水蒸気中にトレハロース成分を混合して接触させたり、トレハロース水溶液中に生茶葉を浸漬した後、加熱水蒸気と接触させること等により行うことができる。この接触処理によって、緑茶葉中のカテキンやクロロフィル等の有効成分の酸化による変色を阻止することができる。 【0014】(3) 性 状(A) 緑色指数一般に加熱水蒸気等で加熱処理することによって得られた茶葉は、上記加熱処理により生茶葉の中の酵素の活性を失わせて、生茶葉成分の酸化を防いで、緑色を保持させた不発酵茶である。この様な加熱処理後の茶葉は、一般にクロロフィル酸化酵素(クロロフィルオキシターゼ)の活性は完全に失われているが、その後の長時間の緑茶製造の各工程を経る間に、加熱されたり、水分が除去されることによって、より一層通常の酸化が生じ易くなるため、緑茶中に含まれているクロロフィル(青緑色)が酸化されてフェオフィチン(帯褐色)に変化する等、徐々に変色して黄色みを帯びてくる。しかし、本発明においては、この緑茶葉をトレハロースと接触処理させることにより、緑茶葉中のカテキンやクロロフィル等の有効成分の酸化による変色を阻止することができるようになる。上記トレハロースとの接触処理により緑茶葉中のカテキンやクロロフィル等の有効成分の酸化による変色を阻止することができる理由については未だ不明であるが、発明者は茶葉中の有効成分をトレハロースの包接(clathrate)作用によって包み込んで、空気との接触を阻止することによる酸化による変色を防止したり、或いは、緑茶葉中の組織内の保有水にトレハロース成分を含有させて、保有水の粘度を増加させて、保有水の移動を阻止して、酸化による変色を防止することができるのではないかと推定している。従って、この様な酸化劣化を阻止した本発明の緑茶組成物は、デジタルカラー判別センサーによる緑色指数が一般に900〜1000、好ましくは930〜990、特に好ましくは950〜990を呈することができるものである。 【0015】(B) 粒 径本発明の緑茶組成物は、通常、煎茶や玉露のような性状をしたものが一般的であるが、上記酸化劣化の防止による変色防止効果は、粒子径が一般に16メッシュ以下(目開き約1mm以下)、好ましくは32〜200メッシュ(目開き約0.5〜0.07mm)、特に好ましくは60〜100メッシュ(目開き約0.25〜0.15mm)の粉末状乃至粒状のものが用いられ、これら粒径のものは酸化劣化が生じ易いために、その変色防止効果を顕著に発揮することができる。一般に煎茶や玉露と言われる緑茶は粉末茶よりも余り変色し難いが、特に、粒子の細かい粉末状の緑茶とした場合には、上記の如く簡略化された製造工程で、短時間に製造されていても、緑茶を粉末化すると、その表面積が大きくなるために、酸化が受け易くなり、水分も吸収し易くなるので、酸化劣化がより顕著に現れ易い。けれども、本発明の緑茶組成物は、通常の粉末状乃至粒状の緑茶が製造後2ヶ月を経過した後では緑色指数が700未満となってしまうのを、上記茶葉中にトレハロースを配合させることにより、デジタルカラー判別センサーによる製造直後の緑色指数が900〜1000、好ましくは930〜990、特に好ましくは950〜990であった緑茶を、2ヶ月経過した後においても緑色指数が700以上、好まくは800以上、更に好ましくは900以上、特に好ましくは930以上の緑茶に保持することができる。 【0016】(3) 用 途このような本発明の緑茶組成物は、酸化によって変色されておらず、緑色の濃い緑茶であることから、アミノ酸やカフェインやカテキン類やクロロフィルを多量に含有しているので、カフェインの生理作用の他に、カテキン類やクロロフィルの種々の薬理効果を顕著に発揮することができる。従って、緑茶として飲んだり、粉体或いは錠剤等の各種形状に成形して食べることにより、口臭防止や口中の殺菌を行ったり、カフェインやカテキン類やクロロフィルの薬理効果を受けることができる。 【0017】[II] 緑茶組成物の製造方法(1) 原材料生茶葉本発明の緑茶組成物の製造方法において原材料として用いられる生茶葉としては、お茶の木より採取して生茶葉が使用される。これら生茶葉の中には一部に茎部が含まれていても良い。これら生茶葉としては、一般的に5月〜9月頃において収穫される茶葉が使用されるが、これらの中でも5月初旬の新茶の時期に収穫される茶葉は上級煎茶に用いられ、高価であることから経済的には必ずしも有利であるとは言い難い。また、新茶の茶葉中にはアミノ酸が多く含まれているが、カテキン含有量は少ないことから、8月〜9月頃において収穫される夏茶(番茶)の方がカテキンが高濃度で含有されているので、薬効的にも好適であるし、この時期に採取される茶葉が安価であることから有利である。これら生茶葉は、手摘み、挟み摘み、機械摘み等の何れの摘採方法で採取したものでも良い。 【0018】(2) 加熱処理工程上記の様にして採取された生茶葉は、蒸し器によって蒸したり、釜で炒る等にて生茶葉を加熱処理することによって生茶葉中の酵素の活性を失わせ、生茶葉の青臭さを除去したり、茶葉を平らに平均に柔らかくさせて、以降の揉む操作を容易にすることができる。上記加熱処理工程は、具体的には、ボイラーで発生させた低圧の飽和湿り蒸気を蒸し器内の茶葉に導き、多量の加熱水蒸気を茶葉に接触させることによる蒸熱処理を行うことにより、茶葉を短時間に効率よく加熱するか、或いは、容器内に生茶葉を入れて容器を外部より加熱攪拌しながら炒ることによる釜炒り処理を行うことによって行うことができる。この様な加熱処理工程においては、ボイラーで発生させた低圧の飽和湿り蒸気を蒸し器内の茶葉に導き、多量の加熱水蒸気を攪拌下に茶葉と接触させて短時間に効率よく加熱する蒸熱処理を行うことが好ましい。 【0019】(A) 蒸熱処理上記蒸熱処理における蒸熱処理条件としては、一般に95℃以上、好ましくは97〜100℃の温度で、一般に20秒以上、好ましくは30秒〜3分間程度の加熱水蒸気で加熱処理することにより行われる。上記茶葉中の酵素のクロロフィル酸化酵素(クロロフィルオキシターゼ)の活性を失わせるためには95℃の温度を20秒間保てばよいが、一般的には蒸熱時間は30秒から2分前後の範囲内で行われる。蒸熱時間は、玉露、煎茶が一般に30秒から40秒が標準で、若芽はやや短く、こわ葉は長くする。また、深蒸し茶の場合は1分〜2分が一般的である。 【0020】(B) 釜炒り処理上記容器内に生茶葉を入れて容器を外部より加熱攪拌しながら炒る釜炒り処理における釜炒り処理条件としては、一般に釜の表面温度を300〜330℃にして加熱攪拌することにより行われる。上記茶葉中の酵素のクロロフィル酸化酵素(クロロフィルオキシターゼ)の活性を失わせる殺青には、通常、茶葉の温度を80〜100℃とし、12分程度加熱処理することにより行われるが、その後、釜から取り出し約1時間放置し、再び同じ釜で60〜80℃の温度で加熱することにより乾燥させる。 【0021】(C) 冷却処理上記蒸熱処理や釜炒り処理等の加熱処理工程を行って、緑色を変色させない様にした茶葉は、高温では酸化による褐色に変化し易いことから、直ちに冷却が行われる。冷却は一般に10〜25℃の温度になるまで行われる。 【0022】(3) トレハロース処理工程茶葉をトレハロースと接触させて、茶葉中にトレハロースを含有させるためには、トレハロースを液状又は霧状の状態で接触させる必要がある。トレハロースとの接触処理は、上記加熱処理の後に、又は、加熱処理の前に、或いは、加熱処理と同時に行うことができる。これらの中でも加熱処理の後に、或いは、加熱処理と同時に行うことが好ましい。特に加熱処理と同時に行うことが好ましい。 【0023】(A) トレハロース水溶液へ浸漬する方法茶葉をトレハロースと接触させて、茶葉中にトレハロースを含有せるためには、トレハロース水溶液中に蒸した茶葉を浸漬させる方法が、最も簡便な方法であり、且つ、十分な接触を行うことができることから好ましい方法である。 トレハロース水溶液の調製上記トレハロース水溶液の調製は、水溶性のトレハロースに水を加えて攪拌することにより容易に溶解し、調製することができる。該トレハロース水溶液のトレハロースの濃度は、一般に5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%に調製される。茶葉中にトレハロースを含浸させようとするならば、低濃度の溶液の方が含浸され易い。濃厚な溶液は脱水作用が生じて含浸し難くなる。 トレハロース処理条件上記トレハロース処理としては、一般に10〜35℃、好ましくは20〜25℃、特に好ましくは常温程度の温度にて行われる。また、処理時間は、一般に0.5〜5時間、好ましくは2〜3時間にて行われる。 【0024】(B) トレハロース水溶液を噴霧する方法蒸した茶葉に上記トレハロース水溶液を噴霧する方法で、上記トレハロース水溶液へ浸漬させる方法と実質的に同様の濃度のトレハロース水溶液を噴霧しながら蒸した茶葉を攪拌する方法である。 【0025】(C) 加熱処理とトレハロース処理とを同時に行う方法加熱処理とトレハロース処理との両処理を同時に行うには、生茶葉を加熱処理する帯域中にトレハロースを存在させることにより行うことができる。具体的には、生茶葉を加熱処理する帯域中にトレハロースの水溶液を供給したり、加熱処理帯域に供給される直前の生茶葉中にトレハロースの水溶液を供給したり、加熱処理帯域を出た直後の未だ熱い茶葉にトレハロースの水溶液を供給したり、生茶葉を加熱処理する帯域に供給される加熱水蒸気中に予めトレハロースを混合したりすることにより行うことができる。これらの中でも加熱処理帯域に供給される直前の生茶葉中にトレハロースの水溶液を供給したり、生茶葉を加熱処理する帯域に供給される加熱水蒸気中に予めトレハロースを混合したりすることが好ましい。 【0026】上記加熱処理工程の処理条件としては、ボイラーで発生させた低圧の飽和湿り蒸気に予めトレハロース水溶液を5〜50重量%の濃度となる様に混合し、このトレハロース含有加熱水蒸気を蒸し器内の茶葉に接触させることにより行うことができる。蒸し器内の処理条件としては、一般に95℃以上、好ましくは97〜100℃の温度で、一般に20秒以上、好ましくは30秒〜3分間程度処理することにより行われる。蒸熱時間は、玉露、煎茶が一般に30秒から40秒が標準で、若芽はやや短く、こわ葉は長くする。従って、秋から夏に収穫される煎茶においては1分〜2分である。また、深蒸し茶の場合は1分〜3分が一般的である。この様な加熱処理とトレハロース処理とを同時に行う方法は、生茶葉が加熱水蒸気による加熱によって軟化されて、機械的な攪拌により接触を促進させていることから、茶葉の組織内に含浸され易い状態となっているので、茶葉とトレハロースとの接触を十分に行うことができる。また、この加熱処理とトレハロース処理とを同時に行う方法は、前記加熱処理工程とトレハロース処理工程とを同時に実施できることから、製造工程数を短縮することができるので、経済的にも特に好ましい方法である。 【0027】(4) 揉捻工程揉捻工程としては、茶葉を熱風の中で攪拌、揉圧することにより茶葉各部分の水分を均一にし、能率良く乾燥させることができることから、下記の(a)〜(d)の各揉捻工程を実施することが好ましいが、必要に応じて、これらの揉捻工程の一部又は全部を省略することもできる。 【0028】(A) 粗揉工程上記トレハロースとの接触を終えた茶葉を熱風の中で攪拌、揉圧することにより茶葉各部分の水分を均一にし、能率良く乾燥させ、締まりをつける。茶葉水分は粗揉開始時の75〜80重量%から終了時には50重量%前後にまで減少する。 【0029】(B) 揉捻工程揉捻工程は、茶葉の組織を破壊して酵素と基質を直接接触させ、発酵が急速に進むようにすると同時に、茶葉をよりを付けて締まらせるために行われる。揉捻は一般に20〜30分間行われ、篩い分けした後、粗い部分は再び揉捻機にかける。機械室へは冷湿風を送って室温を25℃、湿度85%に保つ。 【0030】(C) 中揉工程中揉工程は、粗揉と同様に熱風に当てながら揉む工程で、茶温36±2℃を基準にして設定するが、茶葉の含水率が低くなっている分温和な条件で行う。中揉は一般に30〜40間分行われる。茶葉水分は、この工程で50重量%から26重量%前後にまで減少する。 【0031】(D) 精揉工程精揉工程は、煎茶の形状である真っ直ぐに伸びた形を作る工程である。下から熱せられた凹凸のある弧状の揉盤と揉み手との間で、茶葉は重圧を受けて形が整えられる。精揉は一般に30〜40間分行われる。茶葉水分は、この工程で26重量%から12重量%前後にまで減少する。 【0032】(5) 乾燥工程上記各工程を終了した後、熱風が送られている乾燥室で、茶葉をゆっくりと含水率が5重量%程度になるまで乾燥させる。減圧乾燥を行うのが好ましく、特に460mm/H2Oの減圧下で、40〜50℃の温度で減圧乾燥室内で乾燥させるのが良い。乾燥は一般に8〜10時間程度行われる。茶葉水分は、この乾燥工程で4〜5重量%程度にまで減少する。 【0033】(6) 粒状化工程上記乾燥工程で乾燥した茶葉を必要に応じて適度の大きさに切断した後、この切断した茶葉を篩分し、粒状の茶葉とすることができる。 (7) 粉末状化工程上記篩い分けし、粉末状乃至粒状の茶葉を、更に挽き潰すことにより粉末化することができる。また、粉末化は、茶葉の粒子径が一般に16メッシュ以下(目開き約1mm以下)、好ましくは32〜200メッシュ(目開き約0.5〜0.07mm)、特に好ましくは60〜100メッシュ(目開き約0.25〜0.15mm)のものとなるまで行われる。これら粉末化した茶葉は錠剤等の各種形状に成形することができる。上記粒状化工程及び粉末状化工程は、煎茶を製造する場合には省略することができる。 【0034】 【実施例】以下に示す実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明する。 [I] 評価方法(1) 緑色指数の測定本発明の緑茶組成物の緑色指数の測定は、株式会社キーエンス製デジタルカラー判別センサ CZ−V1型測定器によって行うことができる。 測定条件 光源 色 :緑色LED 種類 :CZ−40 検体距離:60mm 角度 :センサヘッドの検体に対して直角 スポット:6mm 計測時間:0.5〜1分 基準色設定 :収穫直後の生茶葉の色を標準品(1000)とする。 測定条件 :静止 検体収納容器 :ガラスシャーレ 検体 :恒温器を用いて40℃にて保存したもの 製造直後、1ヶ月後、2ヶ月後、【0035】(2) 水分の測定本発明の緑茶中の水分の測定は、日本薬局方生薬乾燥減量測定法に準じて行うことができる。 【0036】(3) カテキン含量の測定本発明の緑茶組成物中のカテキン含量の測定は、(株)矢内原研究所製酵素イムノアッセイキットを用いて、お茶中に含まれるガロカテキン・ガレート(GCg)、エピガロカテキン・ガレート(EGCg)、エピカテキン・ガレート(ECg)を総カテキン量として測定することができる。 【0037】[II] 実施例及び比較例実施例1(1) 生茶葉静岡県榛原郡相良町地区にて8月下旬より9月上旬に機械摘みにより収穫した夏茶(番茶)100kgを採取したものを原材料として用いた。この生茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (2) 蒸熱工程上記夏茶を平野鉄工社製ボイラー及び鈴木鉄工社製10寸型(スピードコントロール付送帯型)蒸し器を用いて、100℃の温度で90秒間蒸して酵素の活性を失わせた。この蒸し茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (3) 冷却工程上記蒸熱工程で処理した蒸し茶葉を宮村鉄工所製(スピードコントロール付送帯型)冷却器を用いて、2分間常温にまで冷却した。 【0038】(4) トレハロース処理上記蒸し茶葉を、水14.5リットルにトレハロース(株式会社林原製「トレハTM」)5.5kgを溶解させたトレハロース27.5重量%水溶液中に浸漬させ、組織を壊さない程度に攪拌を行いながら、常温で2時間含浸させた。このトレハロース処理茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (5) 粗揉工程上記トレハロース処理した茶葉を、カワサキ機工社製120型粗揉機を用いて、50〜70℃の温度の熱風を吹き付けながら40〜45分間攪拌し、乾燥させた。この粗揉処理した茶の水分含量を測定した結果、50重量%に減少した。 【0039】(6) 乾燥工程45〜50℃の温度の熱風が送られている山益製作所社製MAS−2420型減圧乾燥機を用いて、最大減圧値450mm/H2Oの減圧下で、8時間かけて乾燥させた。 (7) 製粉機乾燥緑茶を日本ニューマチック工業社製衝突式気流粉砕機PGM130型を用いて60メッシュ以下に設定し粉砕した。 (8) 製 品この製粉処理した茶葉は粒径が60〜100メッシュの粉末状乃至粒状緑茶で、緑色指数は950であり、トレハロースは緑茶葉100重量部に対して4重量部含有しており、カテキン類は茶葉中に18重量%含有していた。また、この茶葉の水分含量を測定した結果、5重量%であった。 【0040】実施例2(1) 生茶葉静岡県榛原郡相良町地区にて8月下旬より9月上旬に機械摘みにより収穫した夏茶(番茶)100kgを採取したものを原材料として用いた。この生茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (2) 蒸熱工程上記夏茶を平野鉄工社製ボイラー及び鈴木鉄工社製10寸型(スピードコントロール付送帯型)蒸し器を用いて、100℃の温度で90秒間蒸して酵素の活性を失わせた。この蒸し茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (3) 冷却工程上記蒸熱工程で処理した蒸し茶葉を宮村鉄工所製(スピードコントロール付送帯型)冷却器を用いて、2分間で常温にまで冷却した。 【0041】(4) トレハロース処理上記蒸し茶葉を、水14.5リットルにトレハロース(株式会社林原製「トレハTM」)5.5kgを溶解させたトレハロース27.5重量%水溶液中に浸漬させ、組織を壊さない程度に攪拌を行いながら、常温で2時間含浸させた。このトレハロース処理茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 (5) 乾燥工程上記茶葉を脱水処理し、熱風が送られている山益製作所社製MAS−2420型減圧乾燥機を用いて、450mm/H2Oの減圧下で、45〜50℃の温度で、12時かけてゆっくりと乾燥させた。この乾燥処理した茶葉の水分含量を測定した結果、5重量%であった。 【0042】(6) 製粉機乾燥緑茶を日本ニューマチック工業社製衝突式気流粉砕機PGM130型を用いて60メッシュ以下に設定し粉砕した。 (7) 製 品この製粉処理した茶葉は粒径が60〜100メッシュの粉末状乃至粒状緑茶で、緑色指数は950であり、トレハロースは緑茶葉100重量部に対して4重量部含有しており、カテキン類は茶葉中に17重量%含有していた。また、この茶葉の水分含量を測定した結果、5重量%であった。 【0043】実施例3(1) 生茶葉静岡県榛原郡川根町地区にて9月下旬に機械摘みにより収穫した秋茶100kgを採取したものを原材料として用いた。この生茶葉の水分含量を測定した結果、78重量%であった。 【0044】(2) トレハロース含有加熱水蒸気処理工程上記秋茶を寺田製作所製低圧ボイラー(蒸気圧力0.5kgf/cm2以下)及び寺田製作所製網胴回転攪拌蒸機を用い、下記の条件下で茶葉を攪拌し打圧を与えながら連続して蒸すと共にトレハロース処理した。 処理条件網胴回転数:30〜50rpm、攪拌軸回転数:250〜550rpm、茶葉流量:400kg/時間、蒸熱温度:95℃茶葉蒸熱滞留時間:45秒トレハロース濃度:38重量%トレハロース供給速度:10〜11リットル/400kgトレハロース供給口:生葉供給口トレハロースの噴霧空気圧:0.25mpa(3) 冷却工程上記トレハロース含有加熱水蒸気処理工程で処理した茶葉を宮村鉄工所製(スピードコントロール付送帯型)冷却器を用いて、2分間で常温にまで冷却した。 (4) 乾燥工程上記茶葉を脱水処理し、熱風が送られている山益製作所社製MAS−2420型減圧乾燥機を用いて、450mm/H2Oの減圧下で、45〜50℃の温度で、12時かけてゆっくりと乾燥させた。この乾燥処理した茶葉の水分含量を測定した結果、5重量%であった。 【0045】(5) 製粉機乾燥緑茶を日本ニューマチック工業社製衝突式気流粉砕機PGM130型を用いて60メッシュ以下に設定し粉砕した。 (6) 製 品この製粉処理した茶葉は粒径が60〜100メッシュの粉末状乃至粒状緑茶で、緑色指数は990であり、トレハロースは緑茶葉100重量部に対して3.4重量部含有しており、カテキン類は茶葉中に19重量%含有していた。また、この茶葉の水分含量を測定した結果、4重量%であった。 (7) 保 存この粉末状乃至粒状緑茶を2ヶ月間保存した後の緑色指数は970であった。その結果を表2に示す。 【0046】実施例4実施例1の「(2) 蒸熱工程」及び「(3) 冷却工程」を、下記の「(2) 釜炒り工程」に変更した以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。 (2) 釜炒り工程上記夏茶を鋳鉄製釜に入れ、加熱攪拌して、茶葉を80〜100℃の温度に保持しながら12分間炒ることにより酵素の活性を失わせた。その後、釜から取り出し約1時間放置し、再び同じ釜で60〜80℃の温度で茶葉を加熱して乾燥させた。 【0047】比較例1実施例1においてトレハロース処理を行わなかった以外は実施例1と同様に実施した。その結果、茶葉の水分含量5重量%、粒度が60〜100メッシュの粉末状の緑茶を得た。また、この茶葉の緑色指数は850であり、カテキン類は茶葉中に14重量%含有していた。 【0048】比較例2実施例4においてトレハロース処理を行わなかった以外は実施例4と同様に実施した。その結果を表2に示す。 【0049】比較例3〜4実施例1においてトレハロースで処理する代わりにフルクトース又はラクトースで処理した以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。 【0050】 【表1】
【0051】 【表2】
【0052】 【発明の効果】このような本発明の緑茶組成物は、酸化による変色が無く、緑色の濃い緑茶であることから、アミノ酸やカフェインやカテキン類を多量に含有しているので、カフェインの生理作用(覚醒作用、利尿作用、血管の拡張による血液の循環を良くし、消化液の分泌を良好にし、中枢神経の刺激による脳の働きを活性化し、物事に対する反応を速める。)の他に、カテキン類を高濃度で含有していることから、老化を防ぐ抗酸化作用、抗菌・ウィルス作用(消化器病原菌に対する抗菌力、インフルエンザウィルスに対する抗菌力、虫歯に関係ある細菌に対する作用)、コレステロール量の調整、血圧上昇抑制作用、血糖降下作用、抗糖尿病作用、血小板凝集抑制作用、血栓形成予防効果、抗腫瘍・発ガン抑制作用、解毒作用、消臭作用等の薬理効果を発揮することができる。また、水に溶けないクロロフィルや弗素を高濃度で含有していることから、口臭を防止したり、歯の表面を強化することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500196098 【氏名又は名称】株式会社 仁生堂
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| 【出願日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075812 【弁理士】 【氏名又は名称】吉武 賢次 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−10736(P2002−10736A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2001−122235(P2001−122235) |
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