| 【発明の名称】 |
フライ用油脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 大典
【氏名】根津 亨
【氏名】赤羽 丈明
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| 【要約】 |
【課題】風味・酸化安定性に優れたフライ用油脂組成物及び該油脂組成物を用いたべたつきにくいフライ食品を提供する。
【解決手段】全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上含有し、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)で表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上含有する油脂を用いたフライ用油脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上含有し、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)で表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上含有する油脂を用いたフライ用油脂組成物。 【請求項2】 上記油脂のSFC(固体脂含量)が20℃で25%以上である請求項1記載のフライ用油脂組成物。 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフライ用油脂組成物を用いたフライ食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スナック菓子やドーナッツ、即席麺、その他の食品をフライ調理するときに使用するフライ用油脂組成物に関する。特に、フライした後冷ましてから食するものや、フライし長期にわたり保存した後、食する食品のフライ用油脂組成物に適している。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スナック菓子やドーナッツ等のフライした後、冷ましてから食する食品や、即席麺等の常温での長期の保存を目的とした食品は、液状であるよりも常温で固体状である油脂を用いたほうが有利な点が多い。すなわち、冷ました後、食する食品に液状油脂を使用した場合、食品の包装や食品を手に取ったときに油脂で汚れ易くなる上に、食感がべとついた脂っこいものになりがちである。こうした食品に常温で固体である油脂を用いると、冷ました後の食感が改善される上に、常温で固体状態なので包装や喫食する手を汚すこともなく、長期でも油脂の分離がせず保管することが可能となるのである。 【0003】こうした要求に応える方法としては、水素添加した油脂を用いることが挙げられる。水素添加した油脂は酸化安定性に優れおり、常温で固体状であるので、こうした用途に適している。しかし、欠点としては、水素添加した油脂を主体としたものは特有の風味を持つことが挙げられる。 【0004】また、常温で固体状である油脂としてパーム油が挙げられるが、これを用いてフライしたフライ食品において、フライ食品がべたつくという欠点があった。 【0005】従って、本発明の目的は、風味・酸化安定性に優れたフライ用油脂組成物及び該油脂組成物を用いたべたつきにくいフライ食品を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上含有し、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)で表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上含有する油脂を用いたフライ用油脂組成物を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明のフライ用油脂組成物について詳述する。 【0008】本発明は、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上、好ましくは65〜100重量%、さらに好ましくは80〜95重量%含有し、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)で表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上、好ましくは65〜100重量%、さらに好ましくは80〜95重量%含有する油脂を用いたフライ用油脂組成物である。 【0009】本発明のフライ用油脂組成物に用いる油脂の全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸が50重量%未満であると、フライ食品がべたついた性状のものとなるので好ましくない。 【0010】本発明のフライ用油脂組成物に用いる油脂のSUSの含有量が60重量%未満であると、フライした食品の食感を損ない、べたついた性状のものとなるので好ましくない。 【0011】上記の全飽和脂肪酸とは、遊離の飽和脂肪酸及びトリアシルグリセロールの構成飽和脂肪酸残基の合計を意味する。また炭素数18以上の飽和脂肪酸とは、遊離の炭素数18以上の飽和脂肪酸及びトリアシルグリセロールの構成飽和脂肪酸残基の合計を意味する。 【0012】上記の炭素数18以上の飽和脂肪酸としては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等を挙げることができる。 【0013】また、本発明のフライ用油脂組成物は、飽和脂肪酸として、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有するのがよい。さらに好ましくは炭素数18以上の飽和脂肪酸を含有するのがよい。 【0014】本発明のフライ用油脂組成物は、炭素数16未満の飽和脂肪酸を実質的に含有しないのが好ましい。この実質的に含有しないとは、全飽和脂肪酸中、炭素数16未満の飽和脂肪酸が1重量%未満であることを意味する。 【0015】また、上記のSUSのSが炭素数18以上の飽和脂肪酸残基であることが好ましい。 【0016】このような組成を有する油脂の種類としては、サル脂、マンゴーカーネル脂、コクム脂、シア脂や、これらをアセトン・ヘキサン等の溶剤で分別し得られた結晶部、又は溶剤を用いないドライ分別にて得られた結晶部を挙げることができる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。 【0017】本発明のフライ用油脂組成物において、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上含有し、SUSで表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上含有する油脂の配合量は特に制限はないが、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。 【0018】さらに、本発明のフライ用油脂組成物において、上記のような油脂のほかに、必要により、パーム油等の常温で固体状の油脂又はその分別油、さらには植物性液状油脂、及び完全に水素添加された油脂、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の油脂をエステル交換したエステル交換油等を含有させることができる。これらの必要により含有させることができる油脂は、フライ用油脂組成物中、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下配合することができる。 【0019】また、本発明のフライ用油脂組成物において、風味・色調・ 作業性等を害さない少量の、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下の乳化剤、抗酸化剤、フレーバー、シリコン等の中から選ばれた1種又は2種以上を配合しても良い。 【0020】本発明のフライ用油脂組成物の製造方法は、特に制限がない。全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を50重量%以上含み、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)で表されるトリアシルグリセロールを60重量%以上含有する油脂に、必要により、上記油脂以外の油脂、乳化剤、抗酸化剤、フレーバー、シリコン等を混合することにより得ることができる。 【0021】本発明のフライ用油脂組成物において、20℃におけるSFC(固体脂含量)が、25%以上のものを用いるのが好ましく、さらに好ましくは50%以上、最も好ましくは75%以上のものを用いるのが良い。SFCが25%未満であると、常温での固化性が不充分となり易いため、食感がべとつき易く、また手を汚したりし易い。 【0022】このようにして得られた本発明のフライ用油脂組成物は、素揚げ、空揚げ、天ぷら、フライ等の各種フライ食品に用いることができる。 【0023】 【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。 【0024】〔実施例1〕サルシード原油を常法によりリン酸を加えて脱ガムした後、アルカリによる脱酸処理を行い、続いて酸性白土による漂白処理を行って精製サル脂を得た。これを220℃、減圧下で水蒸気蒸留により脱臭処理を行い、フライ用油脂組成物を得た。 【0025】得られたフライ用油脂組成物は、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)トリアシルグリセロールを66.0重量%含有していた。また、フライ用油脂組成物の炭素数16未満の飽和脂肪酸の含有量は0.1重量%以下であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は49.3重量%であり、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を85.9重量%含有していた(フライ用油脂組成物中、全飽和脂肪酸の含有量は57.4重量%であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は49.3重量%であった)。また、20℃におけるSFC(固体脂含量)は60.7%であった。 【0026】〔実施例2〕実施例1で得られたフライ用油脂組成物を用いて以下のようにポテトチップスを得た。 【0027】ジャガイモの皮を除いた後、1〜2mm程度の厚さになるように輪切りし、沸騰した湯で約3分間茹でた。これを実施例1で得られたフライ用油脂組成物を用いて、8〜10分間フライし、ポテトチップスを得た。このときフライ用油脂組成物の温度が130〜150℃となるように調整した。 【0028】得られたポテトチップスを20℃になるまで冷やし、そして透明な袋に保管した。1週間後、袋の表面に油脂は付着していなかった。 【0029】〔実施例3〕サルシード原油を常法によりリン酸を加えて脱ガムした後、アルカリによる脱酸処理を行い、続いて酸性白土による漂白処理を行って精製サル脂を得た。 【0030】この精製サル脂100重量部に対してアセトン500重量部を加えて溶解し、撹拌しながら40℃から4℃まで0.4℃/分の速度で冷却を行った後、撹拌しながら4℃で1時間保持した。これを減圧により濾過し、結晶部と液状部に分画した。 【0031】得られた結晶部はアセトンの脱溶剤を行い、1重量%の酸性白土を添加し減圧下で漂白処理した後、220℃、減圧下で水蒸気蒸留により脱臭処理を行い、フライ用油脂組成物を得た。 【0032】得られたフライ用油脂組成物は、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)トリアシルグリセロールを89.0重量%含有していた。また、フライ用油脂組成物中の炭素数16未満の飽和脂肪酸の含有量は0.1重量%以下であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は57.9重量%であり、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を88.9重量%含有していた(フライ用油脂組成物中、全飽和脂肪酸の含有量は65.1重量%であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は57.9重量%であった)。また、20℃におけるSFC(固体脂含量)は85.5%であった。 【0033】〔実施例4〕実施例1のフライ用油脂組成物の代わりに実施例3のフライ用油脂組成物を用いたほかは、実施例2と同様の方法にてポテトチップスを試作した。 【0034】得られたポテトチップスを20℃になるまで冷やし、そして透明な袋に保管した。1週間後、袋の表面に油脂は付着していなかった。 【0035】〔実施例5〕マンゴーカーネル原油を常法によりリン酸を加えて脱ガムした後、アルカリによる脱酸処理を行い、続いて酸性白土による漂白処理を行って精製マンゴーカーネル脂を得た。 【0036】この精製マンゴーカーネル脂100重量部に対してアセトン600重量部を加えて溶解し、撹拌しながら40℃から5℃まで0.4℃/分の速度で冷却を行った後、撹拌しながら5℃で1時間保持した。これを減圧により濾過し、結晶部と液状部に分画した。 【0037】得られた結晶部はアセトンの脱溶剤を行い、1重量%の酸性白土を添加し減圧下で漂白処理した後、220℃、減圧下で水蒸気蒸留により脱臭処理を行い、フライ用油脂組成物を得た。 【0038】得られたフライ用油脂組成物は、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)トリアシルグリセロールを87.1重量%含有していた。また、フライ用油脂組成物中の炭素数16未満の飽和脂肪酸の含有量は0重量%であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は57.5重量%であり、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を89.8重量%含有していた(フライ用油脂組成物中、全飽和脂肪酸の含有量は64重量%であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は57.5重量%であった)。また、20℃におけるSFC(固体脂含量)は85.7%であった。 【0039】〔実施例6〕実施例1のフライ用油脂組成物の代わりに実施例5のフライ用油脂組成物を用いたほかは、実施例2と同様の方法にてポテトチップスを試作した。 【0040】得られたポテトチップスを20℃になるまで冷やし、そして透明な袋に保管した。1週間後、袋の表面に油脂は付着していなかった。 【0041】〔比較例1〕実施例1のフライ用油脂組成物の代わりに大豆油を用いたほかは、実施例2と同様の方法にてポテトチップスを試作した。 【0042】大豆油は、全飽和脂肪酸中、炭素数18以上の飽和脂肪酸を34.9重量%含有していた(大豆油中、全飽和脂肪酸の含有量は17.2重量%であり、炭素数18以上の飽和脂肪酸の含有量は6重量%であった)。また、SUS(S:炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、U:不飽和脂肪酸残基)トリアシルグリセロールの含有量は0.2重量%であった。 【0043】得られたポテトチップスを20℃になるまで冷やし、そして透明な袋に保管した。1週間後、袋の表面を観察したところ、袋の表面に多くの油脂が付着し、べたついた状態であった。 【0044】 【発明の効果】本発明は、風味・酸化安定性に優れたフライ用油脂組成物を提供するものである。そして、このフライ用油脂組成物を用いることによって、べとつきにくいフライ食品を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000387 【氏名又は名称】旭電化工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月29日(2000.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修
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| 【公開番号】 |
特開2002−10735(P2002−10735A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2000−196017(P2000−196017) |
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