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【発明の名称】 乳の逆浸透透過液及びそれを有効成分とする皮膚化粧液、及び飲料水
【発明者】 【氏名】西田 佳代子

【氏名】安井 孝

【氏名】佐藤 俊彦

【要約】 【課題】乳の逆浸透透過液およびそれを有効成分とする皮膚化粧液の提供。

【解決手段】哺乳動物の乳、特に好ましくは牛乳を逆浸透膜によって直接処理して得られる透過液。更に詳細には、牛乳等の哺乳動物乳より蛋白質や多糖、ペプチド、核酸などの高分子成分を除去した溶液。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 哺乳動物の乳または脱脂乳の逆浸透透過液であって、実質的に蛋白質を含有せず、尿素を3mg/dl以上含有し、1mOsm/kg以上の浸透圧を示すことを特徴とする溶液。
【請求項2】 溶液中に乳由来の乳糖を0.01mg/dl以上含有する、請求項1記載の溶液。
【請求項3】 溶液中のナトリウム含有量が5mg/dl以下、カリウム含量が50mg/dl以下であって、カリウム/ナトリウム比が1〜6を示す、請求項1又は2記載の溶液。
【請求項4】 哺乳動物が乳牛である請求項1乃至3記載の溶液。
【請求項5】 請求項1乃至4記載の溶液を含有することを特徴とする皮膚化粧液。
【請求項6】 請求項1乃至4記載の溶液を含有することを特徴とする飲料水。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳動物の乳、特に好ましくは牛乳を逆浸透膜によって直接処理して得られる透過液に関する。更に詳細には、牛乳等の哺乳動物乳より蛋白質や多糖、ペプチド、核酸などの高分子成分を除去した溶液に関する。本発明溶液は乳中に含有される水溶性の低分子画分を含有しているため、健常者の皮膚に存在する天然保湿因子に類似したミネラル、尿素、有機酸などの保湿成分が含まれており、化粧品用素材として有用である。さらに、本発明によれば、蛋白質が実質的に含有されていないため、刺激のすくない皮膚アレルギーの恐れのない化粧水が提供される。さらにまた、本発明により得られる溶液は動物の成長促進効果を有しており、健康飲料や動物用飼料としても利用できる。
【0002】
【従来の技術】牛乳は食品としての栄養効果の他に、肌荒れ、小じわ、シミ等を防止し、皮膚を滑らかにするなどの美容効果を有することが知られている。古代ヨーロッパでは、牛乳風呂が病後の機能回復や肌を若々しく保つ効果を有することで知られ、診療所での治療や上流婦人の入浴などに使われてきた。また、皮膚科学的には、肌を健全に維持するには皮膚の水分量を適度に保持することが大切であり、皮膚に存在する天然保湿因子がその働きをしていることが知られている。
【0003】牛乳に代表される各種の哺乳動物乳は、近年、飲料や食品素材としてのみならず、このように美容や健康に有効な含有成分に注目して各種の化粧品等の分野への応用開発が試みられている。例えば、脱脂乳を乳酸発酵して得られる乳清から成る皮膚保湿剤(特開昭58−192811)や抗酸化性化粧品(特開昭58−198409)などが提案されている。また、ホエー(乳清)タンパク質を所定量含有させたスキンケアまたはヘアケア用化粧品(特開昭57−54108)なども提案されている。近年、乳成分中の蛋白質や脂質を除去したホエー成分や限外濾過濃縮物や、ホエーを逆浸透膜処理した透過液を配合した化粧品や浴用剤などが提案されている。例えば特開昭63−179818、特開平3−206027にはホエー成分から成る浴用剤が提案されている。一方乳中の低分子画分に注目し、これを配合した化粧品が提案されている。例えば、特許第2951640号公報には牛乳のホエーを限外ろ過処理し、分子量10,000以上の物質を除去した溶液を化粧水として用いる技術が開示されている。しかしこの溶液は、乳由来の抗原性を有する蛋白質が多量に残存しており、アレルギーの発生が必ずしも抑制されているとは言い難い。また特開2000−143492号公報には牛乳からホエーを得て、このホエーを限外ろ過処理した後、さらに逆浸透膜処理を行い、化粧液とする技術が開示されている。しかし、この溶液は牛乳を一旦ホエーにしたのち限外ろ過処理を行い、その後に逆浸透膜処理を行うという複雑な工程を経るため、本発明で示した乳または脱脂乳をそのまま逆浸透処理を行ったものとは異なった性状を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、牛乳又は脱脂乳を逆浸透膜によって濃縮する過程で大量に排出される透過液の生理活性に着目し鋭意研究の結果、この透過液が公知の特開2000−143492号公報に開示された乳の逆浸透透過液と異なる成分組成を有し、さらに好ましい皮膚保湿効果や動物の生育促進効果を有することを見出した。さらに、この知見に基づき皮膚化粧水に関する本発明を完成するに至った。従って本発明は、哺乳動物乳の逆浸透透過液であって、蛋白質を実質的に含有せず、尿素を3mg/dl以上含有し、1mOsm/kg以上の浸透圧を有することを特徴とする溶液を提供することを課題とする。さらに本発明は、上記の溶液を含有する皮膚化粧液あるいは飲料水を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、哺乳動物乳または脱脂乳の逆浸透透過液であって、蛋白質を実質的に含有せず、尿素を3mg/dl以上含有し、1mOsm/kg以上の浸透圧を示すことを特徴とする溶液に関する。又、該溶液中に乳由来の乳糖を0.01mg/dl以上含有する溶液に関する。又、該溶液中のナトリウム含有量が5mg/dl以下、カリウム含量が50mg/dl以下であって、カリウム/ナトリウム比が1〜6を示す溶液に関する。さらに本発明は、該溶液を含有することを特徴とする皮膚化粧液あるいは飲料水に関する。
【0006】本発明によれば、高分子物質を除去することで、刺激の少ない、皮膚アレルギーの恐れがない化粧水が提供される。さらにまた、本発明により得られる溶液は動物の成長促進効果を有しており、健康飲料や動物用飼料としても利用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、哺乳動物の乳、又は脱脂乳を原料として、好ましくは哺乳動物が乳牛である乳又は脱脂乳を逆浸透膜によって処理して得られる溶液からなる。本発明の溶液は哺乳動物の乳又は脱脂乳の逆浸透透過液であって、蛋白質を実質的に含有せず、尿素を3mg/dl以上含有し、1mOsm/kg以上の浸透圧を示すことを特徴とする溶液であり、さらに好ましくは、前記成分に加えて溶液中に乳由来の乳糖を0.01mg/dl以上含有し、特に好ましくは、前記成分に加えて溶液中のナトリウム含有量が5mg/dl以下、カリウム含量が50mg/dl以下であって、カリウム/ナトリウム比が1〜6を示す。
【0008】本発明の溶液は、牛乳等の哺乳動物の乳又は脱脂乳を逆浸透膜処理する場合の、希薄側の水溶液であり、乳タンパク質が多量に含有されている濃縮側の濃厚溶液ではない。
【0009】逆浸透とは、水や希薄溶液と半透膜で仕切られた濃縮溶液側に、浸透圧以上の圧力を加えると、膜を通って溶媒が濃厚側から希薄側に移行する現象である。本発明の溶液は、このような逆浸透を利用し、希薄溶液側に蛋白質や高分子のペプチドが実質的に移行しないような条件下で乳や脱脂乳を濃縮することによって得られる透過液である。
【0010】本発明に従い逆浸透膜処理を行うに当たっては、逆浸透半透膜として一般に用いられている超微細分離膜の他、ナノフィルトレーション(NF)膜と称されナノメートルオーダーの物質を除去する分離膜を使用することもできる。本発明における逆浸透膜処理とは、本明細書で詳述するように、乳糖含有量を指標として処理を行う。すなわち、乳糖が0.01mg/dl以上含有され、特に好ましくは透過液当たり0.02〜40mg/dl含有するような透過液が得られる限り、そのようなNF膜を使用する場合をも包含する。また、本発明の溶液を得る目的に使用される逆浸透膜の材質も、特に限定されるものではなく、従来より多用されている酢酸セルロース、ポリアミドその他の合成高分子系膜から成るものを自由に使用することができる。
【0011】このように乳糖が0.01mg/dl以上含有され、特に好ましくは透過液当たり0.02〜40mg/dl含有するような希薄側溶液(透過液)を得るには、濃縮溶液側に加える圧力にもよるが、一般に、NaCl阻止率が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98〜99%以上の半透膜を用いて、乳もしくは脱脂乳を逆浸透膜処理すればよい。本発明の水性液を得るための哺乳動物乳は、特に限定されるものではなく、牛乳、山羊乳、さらには人乳などいずれでもよく、またこれらの脱脂乳でもよいが、特に好ましいのは、牛乳及び脱脂乳である。本発明の水性液としては、希薄溶液(透過液)側に乳糖が0.02乃至40mg/dl含有されるような条件で処理される限り、従来牛乳や脱脂乳の濃縮に際して廃棄されていた逆浸透膜処理後の透過液をそのまま利用することもできる。このようにして得られた本発明の溶液は、以下のような特性を有している。
【0012】本発明の溶液は、乳糖を0.01mg/dl以上含有している。乳由来の乳糖は、腸内微生物の活性化等の効能があることで知られている。また溶液の刺激を抑制するような作用があり、本発明の溶液が適用されるスキンケアに好ましい特性を付与する。
【0013】本発明の溶液は、乳タンパク質を実質的に含有しない。乳タンパク質そのものは健康上や美容上幾つかの効能を有するものではあるが、アレルギー発症の可能性があるため除去することが好ましい。しかし、本発明溶液には乳に含有されている尿素が3〜50mg/dl含有される。またジペプチドやトリペプチドなど低分子のペプチドやアミノ酸が含有される。特に尿素は皮膚の角質を滑らかに保つなどの効果を有しており好ましい。本件特許出願以前の公知文献には本発明のように高濃度に尿素を含有する、乳の逆浸透膜透過液は知られていない。これは本発明以前の製造方法では、ホエーを逆浸透処理の原料としたためホエーを調製する段階で除去された可能性が高い。
【0014】本発明の溶液は、イオン化したミネラル(金属イオン)を含有する。すなわち、本発明の溶液に相当する透過液には、乳中に含まれるタンパク質と結合し大分子から成るミネラル成分は移行せず含有されていないが、イオン化し水に溶解したミネラルは存在している。このように水に溶けイオン化したミネラルは、肌や髪に吸収され易く、細胞を活性化する機能があることが知られており、このために本発明の水性液は、スキンケアに良好な効果を発揮するものと考えられる。具体的には、本発明の溶液には、ナトリウムイオン(0.01〜5mg/dl)、カリウムイオン(0.1〜50mg/dl)、カルシウムイオン(0.03mg/dl以下)、マグネシウムイオン(0.01mg/dl以下),鉄イオン(0.6μg/dl以下)が含まれている。本発明の溶液は、牛乳のミネラル組成と大きく異なっている。
【0015】本発明の溶液は、乳タンパク質(大分子)を実質的に含有していないが、水に溶解した幾つかのアミノ酸(遊離アミノ酸)やペプチドは存在している。溶解しているアミノ酸は肌や髪に潤いを与えるといわれており、このことも本発明の水性液がスキンケアを目的とする皮膚化粧液等として有効な理由と考えられる。用いる乳にもよるが、本発明の溶液には、一般に、0.01〜10μg/dl程度の濃度で、グリシン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリン、バリン等の遊離アミノ酸を含有する。
【0016】なお、本発明の実施例においてはこれらの低分子の含窒素化合物の含量をバルンスタイン法によって測定し、6.38の蛋白係数を乗じて蛋白質量として示しているが、抗原性を有するいわゆる高分子の乳蛋白質が存在しているものではない。
【0017】また、本発明の水性液には、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ぎ酸、酢酸などの有機酸が0.0001mg/dl〜10mg/dl含有される。これらの酸は乳中に含有されているものが移行したものであり、これらの酸が存在することによって、本発明の溶液pHは5〜7の弱酸性である。一般のミネラルウォーターはpH7〜8のものが多く、本発明の水性液はそれらとは明らかに異なるものである。肌の表面pHは弱酸性である。そして、肌に直接塗布するものは弱酸性のものの方が肌への刺激が少ないと言われており、特に肌が荒れている場合は刺激が感じやすいため肌に近いpHが望まれる。本発明の水性液はpHが弱酸性であり肌への刺激が少ない特性を有している。
【0018】本発明の溶液の浸透圧は、1〜10mOsm/kgを示すものである。本発明の溶液にはミネラル以外にアミノ酸や尿素も含有するためこれらの含有量が反映されている。一般に蒸留水は飲料に不向きであるといわれている。蒸留水の浸透圧は1mOsm/kg以下であり、また飲料として広く利用されている一般のミネラルウォーターは4〜10mOsm/kgであるので、本発明の溶液は飲料として使用するに何ら問題のないものである。そして、市販のミネラルウォーターと同等の浸透圧を示すため、飲用しても速やかに吸収され、水分補給の目的でも好ましい効果を発揮するものと考えられる。
【0019】以上のような特性を有する本発明の溶液は、そのまま、洗顔やスキンケアに使用することができ、使用後は、肌に透明感やなめらかさを与え、髪に艶や潤いを与える効果がある。また、本発明の溶液は、ニキビ、吹出物、アトピー性皮膚炎、おむつかぶれ等を軽減、治癒する効果を有する。さらに、既存のパック剤、化粧水等と混合した化粧品として使用することもできる。
【0020】本発明に係る皮膚化粧水は、このようにして得た透明な液体を基本とするものであって、健康な成人に存在する天然保湿因子に類似したミネラル、尿素、有機酸などの保湿成分を含有している。本発明溶液は、逆浸透膜処理工程を経ているので除菌されており、従って加熱殺菌は不要であるが、通常化粧料に使用されるフェノニップなどの防腐剤を必要により添加することにより、室温で1年以上の保存が可能である。この時の防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン:メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンその他)、フェノニップ(パラベンのフェノキシエタノール溶液)、フェノキシエタノール、フェノール、レゾルシン、ヒノキチオール、安息香酸(塩)、サリチル酸(塩)、ソルビン酸(塩)、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウムその他、フェノール類、酸類、ハロゲン化ビスフェノール類、アミド類、4級アンモニウム化合物、界面活性剤等化粧品業界において常用される各種殺菌、防腐剤が適宜使用可能である。
【0021】また本発明においては、所望により、既述のように得られた溶液をそのまま使用するほか、その処理物もそのままあるいは化粧料の原料配合成分として各種化粧料に添加配合することもできる。処理物としては、(減圧)濃縮物、ペースト化物、乾燥物(スプレードライ、フリーズドライ等)、希釈物等が挙げられる。
【0022】また本発明の溶液は、そのまま、あるいは他の適当な飲料として混合し健康飲料として服用することも可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】加熱殺菌処理後の脱脂乳を5〜10℃の温度下で、スパイラル式RO膜エレメント(ポリアミド膜面積 7.4m2/エレメント、FILMTEC社製、Ro-3839/30-FF、NaCl阻止率98%)に 25kg/cm2G (平均)の圧力で透過させ、原乳10トン当たり濃縮乳7.7トンと牛乳逆浸透透過液(本発明溶液)2.3トンを得た。
【0025】この溶液を減圧濃縮法によって810倍に濃縮し、この濃縮液を用いて水分、脂肪、蛋白質、灰分及び各種成分を分析した。なお蛋白質は前記したようにバルンスタイン法によって測定した。乳糖、グルコース、ガラクトース、乳蛋白質の分析は液体クロマトグラフィー法によって行った。金属イオンは原子吸光分析法を用いて測定した。
【0026】得られた溶液は、以下の表1に示すように、乳糖、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、リンゴ酸、乳酸、酢酸、尿素等を含有し、無菌、弱酸性(pH5.5付近)、アレルゲンになりうる蛋白、脂質などの高分子化合物を含まないことが確認された。また低分子のペプチドの存在を確認した。
【0027】
【実施例2】加熱殺菌処理後の全乳を5〜10℃の温度下で、実施例1と同様に、スパイラル式RO膜エレメント(ポリアミド膜面積 7.4m2/エレメント、FILMTEC社製、Ro-3839/30-FF、NaCl阻止率98%)に 25kg/cm2G (平均)の圧力で透過させ、原乳10トン当たり濃縮乳7.7トンと牛乳逆浸透透過液(本発明溶液)2.3トンを得た。得られた溶液は、実施例1と同様にして分析を行った。以下の表1に示すように、乳糖、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、乳酸、酢酸、尿素等を含有し、無菌、弱酸性(pH5.6付近)、アレルゲンになりうる蛋白、脂質などの高分子化合物を含まないことが確認された。また、遊離アミノ酸量をアミノ酸分析装置を用いて測定したところ表2に示すような遊離アミノ酸を含有していた。
【0028】
【比較例1】特開2000−143492号公報に開示されている方法に従って、ホエーから逆浸透透過液を調製した。すなわち、半透膜としてNTR−729HG(日東電工製合成高分子系膜、NaCl阻止率93%)を用い、牛乳ホエー(牛乳を分画分子量50,000の限外濾過膜で透過させたもの)の逆浸透膜処理を行った。濃縮溶液(ホエー)側に加える圧力は、25kg/cm2とし、その他の処理条件は、流量6〜7L/分、液温4〜6℃とした。得られた透過液(水性液)の含有成分の分析結果を、表1(右欄)に示した。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【実施例3】40人の女性を対象に、実施例1で得られた溶液、及び比較例1で得られた溶液をそれぞれ1ヶ月間以上、化粧水またはボディーローションとして使用し、皮膚化粧用水としての評価を行った。本発明溶液の評価は、使用時の刺激がない(40人)、肌が突っ張らない(39人)、洗顔後ツルツル肌になった(38人)、しっとり感が良い(37人)、今使用している市販品より使用感が良い(30人)であった。一方、比較例1の溶液は、使用時の刺激がない(30人)、肌が突っ張らない(20人)、洗顔後ツルツル肌になった(18人)、しっとり感が良い(38人)、今使用している市販品より使用感が良い(18人)であった。
【0032】以上の結果、本発明の溶液が皮膚化粧水として優れた効果を有することが確認された。
【0033】
【実施例4】4週齢のWistar系雄性ラット(1群10匹)を5連ケージ収容し、飼料にはオリエンタル酵母CRF−1を、飲用水として本法により製造した牛乳逆浸透透過液または水道水を6ヶ月間自由に摂取させた。牛乳逆浸透透過液を自由に飲用させたマウスの群は水道水を自由に飲用させた群に比べ毛並みが良く、図1に示すように、体重増加率が水道水飲用群より高かった。
【0034】以上の結果より、本発明の溶液は動物の生育促進効果を有していることが明らかとなった。又、本発明溶液を飲用したラットには、何ら異常は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明により、哺乳動物の乳、特に好ましくは牛乳を逆浸透膜によって直接処理して得られる透過液、詳細には牛乳等の哺乳動物の乳より蛋白質や多糖、核酸などの高分子成分を除去した溶液が提供される。本発明溶液は、乳中に含有される水溶性の低分子画分を含有しており、健常者の皮膚に存在する天然保湿因子に類似したミネラル、尿素、有機酸などの保湿成分によって皮膚を滑らかに保つ効果を有し、化粧品用素材として有用である。さらに、高分子物質が除去されているため、皮膚アレルギーの恐れのない化粧水が提供される。
【0036】さらにまた、本発明により得られる溶液は動物の成長促進効果を有しており、健康飲料や動物用飼料としても利用できる。
【出願人】 【識別番号】000006699
【氏名又は名称】雪印乳業株式会社
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−320445(P2002−320445A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−130068(P2001−130068)