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【発明の名称】 魚節粉砕物の製造方法及び魚節削りの製造方法
【発明者】 【氏名】鳥 橋 篤 男

【氏名】田 村 昌 己

【氏名】山 口 晴 康

【要約】 【課題】本発明は、味、香りが良好な魚節削りの製造方法を提供することを目的としている。

【解決手段】魚節削りの製造方法は、魚節1を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物2に形成し、この魚節粉砕物2に被膜3を形成して、魚節粉砕物2の水分、香りを閉じ込め、この被膜3が施された魚節粉砕物2を鱗片状に削るものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】魚節を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物に形成し、この魚節粉砕物に被膜を形成して、前記魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込めることを特徴とする魚節粉砕物の製造方法。
【請求項2】魚節を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物に形成し、この魚節粉砕物に被膜を形成して、前記魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込め、この被膜が施された前記魚節粉砕物を鱗片状に削ることを特徴とする魚節削りの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】本発明は、魚節粉砕物の製造方法及び魚節削りの製造方法に係り、特に、味、香りが良好な魚節粉砕物の製造方法及び魚節削りの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚節、例えば、鰹節を削ったものにあっては、削り節の保存中の酸化、劣化を抑えるために、窒素ガスなどの不活性ガスにより包装袋内の空気を置換している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一旦包装袋を破り、包装袋内に削り節が残った場合、包装袋内の削り節は、外気に曝され酸化、劣化により風味の減退が著しく早いという問題点が生じた。また、削り節用の包装袋はガスバリア性が要求され、通常の食品包装袋より高価であると共に、これらは商品の特性上、一回使い捨てで不経済であり、更に、このような一回使い捨ての個別包装商品では、消費者側でのゴミの増大にもつながるという問題点をも生じた。本発明は、上述した問題点を除去するようにした魚節粉砕物の製造方法及び魚節削りの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の魚節粉砕物の製造方法は、魚節を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物に形成し、この魚節粉砕物に被膜を形成して、前記魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込めるものである。
【0005】また、請求項2記載の魚節削りの製造方法は、魚節を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物に形成し、この魚節粉砕物に被膜を形成して、前記魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込め、この被膜が施された前記魚節粉砕物を鱗片状に削るものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例の魚節粉砕物の製造方法及び魚節削りの製造方法を図面を参照して説明する。
【0007】(実施例1)図1において、1は魚節、例えば、鰹節で、鰹節1は、長さ20cm〜30cm程度のもので、水分が15重量%〜25重量%(望ましくは20重量%〜22重量%)のものを使用する[図1(a)参照]。先ず、鰹節1を図示しない破砕機を使って、鰹節1を粗く粉砕し、粒状品とする(粒状の魚節粉砕物2)[図1(b)参照]。粒状とは、例えば、鰹節1を粒径5mm〜15mm程度のものである。
【0008】次に、魚節粉砕物2の水分、香りを閉じ込める被膜3を魚節粉砕物2に形成する。被膜3は、例えば、図1(c)に図1(b)の魚節粉砕物2を拡大して示すように、オリゴ糖、多糖類、デンプン分解物等の糖類(糖類以外には、ゼラチン、魚介エキス類等を挙げることができる。)を含んだ液体を魚節粉砕物2にコ−ティングして形成する。糖類は、例えば、還元水あめ、プルラン等であり、より具体的には、林原株式会社製のプルランを、湯または水に20%溶液となるよう溶解し、これ浸漬液とし、粒状の魚節粉砕物(粒状品)100 重量%に対し、浸漬液20重量%を、添加混合する。これをタナ式乾燥機で、魚節粉砕物2の水分が22重量%まで乾燥させて同時に、魚節粉砕物2に被膜3を形成する。形成後、魚節粉砕物2を包装袋4内に入れて出荷する[図1(d)参照]。包装袋4は、より望ましくは、開封後でも再密封して保存できる包装形態が良く、例えば、チャック付き袋が良い。
【0009】次に、家庭内で食する際、上述の包装袋4内から被膜3を形成した魚節粉砕物2を取り出し[図1(e)参照]、市販されている削り機(例えば、愛工業株式会社製の回転式かつおぶし削り)を使って、鱗片状(チップ花状)に削る[図1(f)参照]。削る際、被膜3により魚節粉砕物2の水分、香りを閉じ込めることができる、つまり、保存中に香り成分が飛散、損失したり、酸化による風味を抑えることができるため、魚節粉砕物2の水分を15重量%〜25重量%(望ましくは20重量%〜22重量%)に保つことができ、魚節粉砕物2を温めたり、蒸して水分を加えることなく、外観的にきれいな鱗片状(チップ花状)に削ることができる。こうして得た削り節を、従来法による鰹節の削りと比較した結果を表1に示す。なお、表1、表2中の香り、味、食感の評価基準は1〜10の10段階評価で、以下の基準で行った。
1・・・非常に悪い2・・・悪い3・・・やや悪い4・・・どちらかといえば悪い5・・・どちらともいえない6・・・普通7・・・どちらかといえば良い8・・・やや良い9・・・良い10・・・非常に良い【表1】

結果は、形状、香り、味、食感ともに、実施例1の方が勝っていた。
【0010】(実施例2)実施例1と同様に、鰹節1を図示しない破砕機を使って、鰹節1を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物2に形成する。次に、魚節粉砕物2の水分、香りを閉じ込める被膜3を魚節粉砕物2に形成する。被膜3は、例えば、糖類(オリゴ糖、多糖類、デンプン分解物等の糖類以外には、ゼラチン、魚介エキス類等を挙げることができる。)、酸化防止剤を含んだ液体を魚節粉砕物2にコ−ティングして形成する。より具体的には、湯または水100 重量%に対し、糖類[林原株式会社製のプルラン]20重量%、酸化防止剤[理研ビタミン株式会社製のトコフェロ−ル製剤(商品名 理研E乳剤14-B)]1.5 重量%を添加混合し、これを浸漬液とする。これをタナ式乾燥機で、魚節粉砕物2の水分が22重量%まで乾燥させて同時に、魚節粉砕物2に被膜3を形成する。形成後、魚節粉砕物2を包装袋4内に入れて出荷する[図1(d)参照]。
【0011】次に、家庭内で食する際、上述の包装袋4内から被膜3を形成した魚節粉砕物2を取り出し[図1(e)参照]、市販されている削り機(例えば、愛工業株式会社製の回転式かつおぶし削り)を使って、鱗片状(チップ花状)に削る[図1(f)参照]。こうして得た削り節と、従来法による鰹節の削り節を、それぞれ容器包装に充填パックし、1週間置いた後に評価した結果を表2に示す。
【表2】

結果は、形状、香り、味、食感ともに、実施例2の方が勝っていた。(実施例2のほうが、保存性がある。)
【0012】(実施例3)実施例1と同様に、鰹節1を図示しない破砕機を使って、鰹節1を粗く粉砕して粒状の魚節粉砕物2に形成する。次に、魚節粉砕物2の水分、香りを閉じ込める被膜3を魚節粉砕物2に形成する。被膜3は、例えば、糖類(オリゴ糖、多糖類、デンプン分解物等の糖類以外には、ゼラチン、魚介エキス類等を挙げることができる。)、酸化防止剤、調味料を含んだ液体を魚節粉砕物2にコ−ティングして形成する。より具体的には、林原株式会社製のプルラン20重量%、鰹エキス5 重量%、砂糖2 重量%、理研ビタミン株式会社製のトコフェロ−ル製剤(商品名 理研E乳剤14-B)1.5 重量%を添加混合し、これを浸漬液とする。なお、この浸漬液は、酸化防止剤、調味料(例えば鰹エキス、酵母エキス、たん白加水分解物、L-グルタミン酸ナトリウム、醤油、砂糖など)を適宜加えることで、味の強化を行うことができる。これをタナ式乾燥機で、魚節粉砕物2の水分が22重量%まで乾燥させて同時に、魚節粉砕物2に被膜3を形成する。次に、被膜3を形成した魚節粉砕物2を市販されている削り機(例えば、愛工業株式会社製の回転式かつおぶし削り)を使って、鱗片状(チップ花状)に削る。こうして得た削り節は、すでに醤油、砂糖などで調味されているため、そのままふりかけ用の具材として利用できる。
【0013】なお、上述の実施例1〜3の魚節削りの製造方法において、被膜3が施された魚節粉砕物2の水分が20重量%〜22重量%であると、魚節粉砕物2を鱗片状に削ることができる。魚節粉砕物の水分が20重量%未満であると、削ったものが粉っぽくなり、水分が22重量%を超えると、削ったものが薄灰白色または薄茶褐色となる不具合が生じる。
【0014】また、本実施例においては、魚節の例として、鰹節を挙げたが、本発明にあっては、これに限らず、まぐろ節、あじ節、さば節、いわし節等にも同様に適用できるものである。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の魚節粉砕物の製造方法によれば、魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込める被膜を魚節粉砕物に形成しているため、保存性が良好であり、味、香りの良好な魚節削りを得ることができる。
【0016】また、請求項2記載の魚節削りの製造方法によれば、被膜により保存性が良好な魚節粉砕物を削るため、削り易く、また、被膜が施された魚節粉砕物を鱗片状に削るため、味、香りの良好な魚節削りを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】591040513
【氏名又は名称】株式会社マルハチ村松
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】 【識別番号】100088144
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 静富 (外2名)
【公開番号】 特開2002−320443(P2002−320443A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−129371(P2001−129371)