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【発明の名称】 ケーキドーナツ用生地の製造方法
【発明者】 【氏名】後藤 憲也

【要約】 【課題】冷凍庫から出してすぐの冷凍状態のまま揚げても割れることのないケーキドーナツ用生地の製造方法を提供することを目的とする。

【解決手段】ケーキドーナツ用の材料の中に入れる食品用膨張剤に遅効性のものを用い、さらにケーキドーナツ用の材料を練ってケーキドーナツ用生地を造るときに中に空気が入らないように材料を軽く混ぜるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーキドーナツ用の材料の中に入れる食品用膨張剤に遅効性のものを用い、さらにケーキドーナツ用の材料を練ってケーキドーナツ用生地を造るときに中に空気が入らないように材料を軽く混ぜるようにしたことを特徴とするケーキドーナツ用生地の製造方法。
【請求項2】 混練機を使用し、1〜5分間ゆっくりした速度で練るようにしたことを特徴とする請求項1記載のケーキドーナツ用生地の製造方法。
【請求項3】 食品用膨張剤が、表面を油脂や乳化剤でコーティングして水との反応を遅らせるようにした遅効性のものであることを特徴とする請求項1又は2記載のケーキドーナツ用生地の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】ドーナツには、生地材料にイーストを添加し発酵させて膨らませるイーストドーナツと、生地材料に食品用膨張剤(ベーキングパウダー)を添加して食品用膨張剤が水と反応して発生するガスにより膨らませるケーキドーナツとがある。この発明は、食品膨張剤を添加して膨らませるケーキドーナツ用生地の製造方法に関するものであり、冷凍しておいたケーキドーナツを解凍することなくそのまま揚げられるようにしたものである。
【0002】ここでいうドーナツとは、リング状に成形して揚げたものだけでなく、中に具を入れた餡ドーナツや、クリームドーナツ等の全ての種類のドーナツを含むものである。
【0003】
【従来の技術】ケーキドーナツは、揚げたあと時間とともに次第に油がまわって風味が落ちてくる。そのため、ケーキドーナツは、販売する店舗で揚げ、揚げたてを販売するようになっている。
【0004】そのため、ケーキドーナツは、工場で揚げる直前の状態まで作り、その状態で冷凍(−25℃)し、冷凍状態のまま店舗に備えた冷凍庫に運び、店舗では販売状況に応じてその都度冷凍庫よりだして自然解凍し、揚げていた。
【0005】自然解凍するには約30分程度の時間がかかるため、販売予測に基づき解凍する必要があり、販売予測が外れると品物が不足して販売のチャンスを逃したり、解凍しすぎてロスがでるという問題点があった。
【0006】従来の方法で作った生地を解凍せずにそのまま揚げると、割れやすく、殆どが不良品になるという問題点があった。これは、冷凍状態のものを揚げると、急激な温度変化に耐えられず、ドーナツ生地が急激に膨張して割れると考えられる。また、解凍するとドーナツ生地の表面が水分でベタベタになり、手に生地が付着するので扱いにくくなるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明では、上記の問題点を解決し、冷凍庫から出してすぐの冷凍状態のまま揚げても割れることのないケーキドーナツ用生地の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのためこの発明のケーキドーナツ用生地の製造方法では、ケーキドーナツ用の材料の中に入れる食品用膨張剤に遅効性のものを用い、さらにケーキドーナツ用の材料を練ってケーキドーナツ用生地を造るときに中に空気が入らないように材料を軽く混ぜるようにした。
【0009】このようにすれば、冷凍状態のまま揚げても生地が急激に膨張することがなく、割れない。
【0010】材料を練るには、請求項2に記載のように、混練機を使用し、1〜5分間ゆっくりした速度で練るようにすることが好ましい。
【0011】使用する食品用膨張剤は、請求項3に記載のように、表面を油脂や乳化剤でコーティングして水との反応を遅らせるようにした遅効性のものとすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のケーキドーナツ用生地の製造方法について具体的に説明する。
【0013】ケーキドーナツの材料は、食品用膨張剤を除き従来と同一であるが、一例を挙げて説明すると次のようになる。
【0014】材料は、小麦粉、甘味料、食品用膨張剤、食塩、脱脂粉乳、乳化剤又は油脂、水、玉子を使用する。
【0015】小麦粉は、薄力粉を単独で使用しても良いし、中力粉や強力粉を混ぜたものを使用しても良い。
【0016】甘味料としては、グラニュー糖等の蔗糖類が使用される。
【0017】食品用膨張剤(ベーキングパウダー)は、表面を油脂や乳化剤でコーティングして水との反応を遅らせるようにした遅効性のものを使用する。具体的に説明すると、食品用膨張剤は、酸性剤とアルカリ性剤を反応させて炭酸ガスを発生させるものであり、これらが化学反応しないように、いずれか一方、または両方に水と反応しないように表面をコーティングしたものである。酸性剤としては、焼ミョウバン、酸性ピロリン酸ソーダ等があり、アルカリ性剤としては炭酸水素ナトリウム、重炭酸ソーダ(重曹)等がある。表面のコーティングに使用されるコーティング剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル等が使用される。
【0018】乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が使用される。油脂が使用される場合はショートニング、マーガリン、無塩バター等が使用される。
【0019】玉子は全卵を使用する。
【0020】脱脂粉乳・水の代わりに牛乳を使用することもできる。
【0021】これらの材料の配合比率は適宜変更できるが、次のようにして実験をおこなった。
【0022】
【表1】

《餡ドーナツの製造方法》先ず、ショートニング・甘味料・乳化剤をビーターで良くすり合わせる。
【0023】次に、全卵に水を加え、均一になるまで撹拌する。
【0024】次に、篩にかけた小麦粉・脱脂粉乳・食品用膨張剤・食塩を加え、混練機で空気を抱き込まないように1〜5分間ゆっくりした速度で練る。
【0025】勿論、空気を抱き込まないように手で練ることもできるが、工場で製造する場合は、作業効率を良くするために混練機を使用する。
【0026】このようにして練られた生地を60分程度休ませてから包餡し、成形する。
【0027】この状態で冷凍(−25℃)して保存する。
【0028】この冷凍されたケーキドーナツ用生地をフライヤーに入れて揚げる。フライヤーは公知のものを使用する。
【0029】フライヤーの揚げ油の温度は、160℃〜170℃とし、生地を投入して浮き上がると4分揚げ、裏返してさらに4分揚げる。潜行式のフライヤーの場合は、4分揚げる。
【0030】このように製造されたドーナツは、割れがなく、従来と同様の食感の得られるものとなる。フライヤーで揚げているときにドーナツに割れが生じないのは、生地の中に空気が少ないためと、食品用膨張剤が遅効性であり、急激に膨張しないためと考えられる。
【0031】比較例として同材料をケーキミキサー(空気を抱き込むようにして練る混練機)を使用して生地を作り、フライヤーで揚げたところ、ドーナツは割れた。
【0032】また、比較例として食品用膨張剤を通常のものに代えて生地を作り、フライヤーで揚げたところ、ドーナツは割れた。
【0033】従って、この効果は前記の相乗効果によるものと考えられる。
【0034】
【発明の効果】この発明では、上述のように構成されており、冷凍状態のまま揚げても割れることがないので、客の流れに応じてすぐに挙げて商品にすることができ、販売チャンスを逃すことがない優れたものとなる。
【0035】また、冷凍状態のままで揚げるので、生地が手に付着することがなく、扱い易いものとなる。
【出願人】 【識別番号】301023685
【氏名又は名称】後藤 憲也
【出願日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【代理人】 【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
【公開番号】 特開2002−335849(P2002−335849A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−144125(P2001−144125)