| 【発明の名称】 |
パン類の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩田 恭一
【氏名】平岡 香織
【氏名】玉越 篤男
【氏名】後藤 勝
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| 【要約】 |
【課題】もっちりとした食感を有し、しかも良好な膨らみのパンを安定的に得ることのできるパン類の製造方法。
【解決手段】小麦粉に対して熱水を加え混捏してなる中間生地を使用するパン類の製造方法において、本捏時にα化澱粉及び/又はα化穀粉を配合し混捏することを特徴とするパン類の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 小麦粉に対して熱水を加え混捏してなる中間生地を使用するパン類の製造方法において、本捏時にα化澱粉及び/又はα化穀粉を配合し混捏することを特徴とするパン類の製造方法。 【請求項2】 α化澱粉及び/又はα化穀粉の配合量が、最終的なパン生地形成に必要な全小麦粉100重量部に対して0.5〜15重量部である請求項1に記載のパン類の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は外観及び食感の優れたパン類の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】パンはわが国において欠かせない食品の一つで種類も多く、さまざまな風味・外観・食感のパンが市販されている。その中で、もっちりとした食感を有するパンがとりわけ日本人の嗜好に叶うため、パンにもっちり感を付与する方法が種々提案されている。例えば、α化したタピオカ澱粉を主原料に用いる方法(特公平1-26662号公報)、ワキシーコーンスターチとα化澱粉を配合する方法(特開平10-56946号公報)、特定の加工澱粉とα化澱粉を組み合わせる方法(特開平10-295253号公報)、特定の分子量のデキストリンを配合する方法(特開平11-28049号公報)、糯粉と増粘多糖類を配合する方法(特開平10-113115号公報)、低温で長時間発酵させる方法(特開2000-37157号公報)なとが知られている。しかし、これらの方法では小麦粉以外の成分配合量が多く、パン本来の風味が損なわれたり、コストアップとなるなどの難点を有していた。 【0003】一方、従来から、もっちりとした食感を出すために湯捏法による製パンが行なわれている。湯捏法(あるいは湯種法、α化法、糊麦法)とは、中間生地を作る際に、小麦粉に熱水を加えたものを種生地(湯種)とする製パン法である。湯捏法により製造した製品は、パン本来の風味が生かされつつ、湯種の配合割合が多いほどもっちりとした食感の製品が得られる。しかしながら、湯捏法は熱水を用いるため小麦粉中のグルテンが熱変成をおこし、焼成後のパンの膨らみが悪化するという欠点がある。さらに、湯捏法は湯種製造時の熱水の温度調整が難しく、湯種の品質を一定に保てないため均質な品質のパンを生産することが困難となる。こうした問題を解決する為に湯捏法で調整した中間生地を低温で長時間保存する方法が提案されているが(特開2000-262205号公報)、この方法ではパンの品質は向上するが、中間生地を低温長時間保存するスペースが必要であること、全行程所用時間が大幅に長くなることから生産性が著しく低下し、結果としてコストアップになるという難点を有している。なお、α化澱粉を配合したパンの製造方法については、柔らかさを改良したパンの製造方法(特開昭59-175845号公報)や特定の膨潤度を有する架橋α化澱粉を添加する方法(特許第2989039号)等が知られているが、いずれも湯捏法で得られるようなもっちりとした食感を発現するものではない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、パン類の製造における上記の問題点を克服し、もっちりとした食感を有し、しかも良好な膨らみのパン類を安定的に供給し得る製造方法を提供せんとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成せんと鋭意検討を重ねた結果、湯捏法により調製した中間生地にα化澱粉及び/又はα化穀粉を配合することにより、もっちり感を有し品質の優れたパンを製造し得ることを見出し発明を完成させた。本明細書において、パン類とは、食パン、菓子パン等のパンの他、ドーナツ、蒸しパン等、小麦粉と水とを使用して得られる生地を加熱して得られるものを含む。尚、ここで言う生地とは冷凍生地も含む。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明では、湯捏法によるパンの製造法において、本捏時にα化澱粉及び/又はα化穀粉を配合することにより、1)湯捏法に起因するパンの膨らみの低下、2)湯捏法に起因する品質のばらつき、3)小麦粉以外の素材を多量に配合した場合の風味の低下という問題点を解決し、容易に簡便に湯捏法本来のもっちりとした食感と適度な膨らみを有する外観・食感共に優れたパンを製造し得るのである。 【0007】本発明における、中間生地の調製方法については、特に制限はないが、得られたパンのもっちり感と外観(パンの膨らみ)・風味を綜合的に勘案すると、1)小麦粉の使用量は、最終的なパン生地形成に必要な全小麦粉100重量部に対して5〜15重量部であり、2)熱水の使用量は、中間生地用の小麦粉100部に対して80〜120重量部である。尚、ここでいう熱水とは、温度が70℃以上の水をいう。さらに、本発明における中間生地の保存時間には特に制限はなく、中間生地作製後に保存せず次のミキシングに移行しても良く、あるいは長時間保存しても良い。しかし、生産性を考慮すると、中間生地温度40℃以下で次のミキシングに移行するのが望ましい。生地温度40℃以上であると、次のミキシングの捏ね上げ温度の制御が困難になる。 【0008】本発明における本捏時には、中間生地に対して、最終的なパン生地形成に必要な全小麦粉量のうち、湯種に使用した小麦粉を差し引いた量の小麦粉及びα化澱粉及び/又はα化穀粉を加えて混捏する。それ以外に、水、イースト、イーストフード、砂糖、食塩、バター、マーガリン、ショートニング等の通常、パン製造に使用される成分を必要に応じて使用できる。α化澱粉及び/又はα化穀粉の添加量については、特に制限はないが、最終的なパン生地形成に必要な全小麦粉量100重量部に対して、0.5〜15重量部が望ましく、特に、1〜8重量部が好ましい。0.5重量部より少ないとα化澱粉及び/又はα化穀粉の効果が発揮し難い面があり、15重量部よりも多いと、もっちりしすぎて重すぎる食感になる傾向がある。本捏は、通常のパン製造におけるのと同様の混合条件及び捏ね上げ温度によって行う。 【0009】本発明のパン製造方法は、中種法、直捏法等、従来公知の製パン法やその他の菓子用等の生地調整法に適用することができる。中種法に適用する場合には、本中間生地とは別に中種生地を調整し、本中間生地に中種生地とα化澱粉及び/又はα化穀粉及び小麦粉の残量等の材料を加えて本捏することが好ましい。直捏法に適用する場合には、本中間生地を調製後にα化澱粉及び/又はα化穀粉と小麦粉の残量等の材料を加えて本捏する。最終的なパン生地を得た後、常法の工程(発酵、分割、丸め等)を経て加熱(焼成、フライ、蒸し上げ)してパンを製造する。 【0010】本発明において使用できるα化澱粉の原料澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、エンドウ豆澱粉、およびこれらにエステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、酸処理、酸化処理、湿熱処理等の物理的又は化学的処理を単独で又は組み合わせて施した加工澱粉を挙げることができる。α化穀粉の原料としては、餅種米、米、小麦、とうもろこしなどの穀粉砕物が使用でき、これらを単独又は併用して使用することができる。その中でも餅種米粉砕物、タピオカ加工澱粉、小麦粉が好ましい。また、これら澱粉及び穀粉をα化する方法としては、ジェットクッカー処理、ドラムドライヤー処理、エクストルーダー処理、スプレードライ処理等の通常の方法が利用できる。以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限られるものではない。 【0011】 【実施例】実施例(中間生地調製工程) 「配合」 強力粉 10重量部熱水(90℃) 10重量部「作業方法」 ミキシング 低速2分、中速2分捏上温度 57℃保存 5℃、16時間(本捏工程) 「配合」 最強力粉 70重量部強力粉 20重量部α化澱粉 2重量部((株)ホーネンコーポレーション製 ベイクアップ YT―10) イースト 4重量部乳化剤 0.3重量部イーストフード 0.1重量部バイタルグルテン 2重量部砂糖 10重量部塩 1.8重量部バター 6重量部脱脂粉乳 2重量部水 55重量部「作業方法」 ミキシング 中速3分、イースト水投入、低速3分、中速4分、バター投入、低速2分、中速6分、高速2分捏上温度 27℃発酵 60分、パンチ、45分分割 230gベンチタイム 30分ホイロ 45分焼成 上火温度180℃、下火温度220℃、40分【0012】比較例1(従来の湯捏法) (中間生地調製工程) 「配合」 強力粉 30重量部熱水(90℃) 30重量部「作業方法」 ミキシング 低速2分、中速2分捏上温度 57℃保存 5℃、16時間(本捏工程) 「配合」 最強力粉 70重量部イースト 4重量部乳化剤 0.3重量部イーストフード 0.1重量部バイタルグルテン 2重量部砂糖 10重量部塩 1.8重量部バター 6重量部脱脂粉乳 2重量部水 50重量部「作業方法」 ミキシング 中速5分、イースト水投入、低速5分、中速9分、バター投入、低速3分、中速7分、高速2分捏上温度 27℃発酵 60分、パンチ、30分分割 230gベンチタイム 30分ホイロ 50分焼成 上火温度180℃、下火温度220℃、40分【0013】比較例2(従来の製法:ストレート法) 「配合」 最強力粉 70重量部強力粉 30重量部イースト 4重量部乳化剤 0.3重量部イーストフード 0.1重量部バイタルグルテン 2重量部砂糖 10重量部塩 1.8重量部バター 6重量部脱脂粉乳 2重量部水 61重量部「作業方法」 ミキシング 低速3分、中速4分、バター投入、低速3分、中速6分、高速1.5分捏上温度 27℃発酵 90分、パンチ、30分分割 230gベンチタイム 30分ホイロ 40分焼成 上火温度180℃、下火温度220℃、40分【0014】品質評価:パンの膨らみ、もっちり食感を食パンで評価し、その結果を表1に示した。パンの膨らみは山形食パンでパンの高さを測定することで評価を行った。もっちり食感評価は、膨らみの大小に食感が左右されないよう角型食パンで行った。品質安定性は、食パンの高さのバラつき度合を標準偏差から判定した。 【0015】 【表1】
【0016】この表の示すように、実施例より得られたパンは、比較例と比べ膨らみが良く、もっちり食感も同等である。また、比較例1のパンは膨らみのバラつきが大きかった。 【0017】 【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明によれば、もっちりとした食感を有し、しかも良好な膨らみのパンを安定的に得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000241544 【氏名又は名称】株式会社ホーネンコーポレーション
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| 【出願日】 |
平成13年3月2日(2001.3.2) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−253111(P2002−253111A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−57667(P2001−57667) |
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