トップ :: A 生活必需品 :: A21 ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地

【発明の名称】 改良されたスナック製品用のアルファ化デンプン
【発明者】 【氏名】デビッド ピー.ファング

【氏名】ダグラス ジェイ.ハンチェット

【氏名】ベロニカ エム.ブラッグ

【氏名】アカッシュ タヤル

【氏名】ウィニー セティアディ

【要約】 【課題】連続的なマトリックス結合剤としてドウ物性に作用し、特に揚げ又は焼いたスナック用途に好適な、機械で仕上げでき、成形又は圧延してシートとすることができるドウ改良用アミロース含有デンプンの提供【解決手段】 固形分含量20%で、オメガ=1rad/秒でのG′が約200パスカルより大、特に300パスカルより大であり、タンジェントデルタが約0.1より大で特に約0.2〜約1.0であるアミロース含有デンプン、特にサゴ又はジャガイモデンプンをドウ製造において結合剤として用いる。

【解決手段】固形分含量20%で、オメガ=1rad/秒でのG′が約200パスカルより大、特に300パスカルより大であり、タンジェントデルタが約0.1より大で特に約0.2〜約1.0であるアミロース含有デンプン、特にサゴ又はジャガイモデンプンをドウ製造において結合剤として用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アミロース含有デンプン、特にサゴまたはジャガイモデンプンを適当な連続的マトリックス結合剤としてドウにおいて用いる方法であって、固形分含量20%で、オメガ=1rad /秒でのG′が約200パスカルより大、特に約300パスカルより大であり、タンジェントデルタが約0.1より大で、特に約0.2〜約1.0であるアミロース含有デンプン分散体を含む方法。
【請求項2】 ドウにアミロース含有デンプン、特にサゴまたはジャガイモデンプンを添加することを含む適当なドウを製造する方法であって、得られたアミロースデンプン含有ドウが、約140〜約100g、特に約130〜約110gのピーク力、約40〜約60g/mmの勾配、約9〜約12mm、特に約11〜約12mmの伸び及び約1200〜約800g−mmの加工領域を有する前記方法。
【請求項3】 食品、特に揚げたまたは焼いたスナックに請求項1〜2のドウを用いる方法。
【請求項4】 20質量%の固形分含量で、オメガ=1rad /秒でのG′が約200パスカルより大、特に約300パスカルより大であって、タンジェントデルタが約0.1より大で、特に約0.2〜約1.0であるアミロース含有デンプン、特にサゴまたはジャガイモデンプンを含むドウ結合剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルファアミロース含有デンプンを用いることにより予想外に加工可能なドウを製造する方法並びにそれから製造した製品に関する。本発明は特殊なレオロジー特性を特徴とするアルファアミロース含有デンプンをも包含する。
【0002】
【従来の技術】焼き製品におけるデンプンの挙動は用いる粉の種類、製品の配合(すなわち、他の成分、たとえば、塩、砂糖、乳化剤及びショートニング)、加工条件及び焼くまたは揚げる必要条件を含むがこれらに限定されない最終調理食品の相関関係である。焼き製品に化工デンプンを加えると、最終製品に望ましい水分の保持と触感を与え、細胞構造を改良し、増加した体積及び機械加工性、増大した保存寿命並びに良好な粒子懸濁特性を与えることができる。
【0003】アルファ化デンプンの添加は水分を結合させるのに役立ち、したがって、最終製品に改良された柔らかさを与え、細かい均一な細胞構造の発達に寄与する。ある低グルテン含有またはグルテンを含有しない系、たとえば、トルティーヤ用のトウモロコシ粉においては、上記デンプンを連続的なマトリックス結合剤として用いて、加工性のドウを提供することができる。
【0004】一般に、高アミロペクチン含量のワキシーデンプンは総合的なドウの加工性とチップの膨張を改良するので、それらは低グルテン含有またはグルテン不含有系における最良のドウ及び焼きまたは揚げチップ製品を提供したことが認められた。米国特許第5,429,834号は、たとえば、焼きまたは揚げスナック製品に用いるのに適当な機械加工性で、結合力のあるドウを形成するのに有用なアルファ化ワキシーデンプンの使用を記載している。
【0005】対照的に、アミロース含有デンプンは一般に、乾燥した、脆く、砕けた触感のドウを形成し、典型的には機械加工及びさらなる加工の間に引き伸すことができない。アミロース含有デンプンを組み込んだドウは、商業的に適当な製品を達成するために特殊な加工または化工デンプンの組み合わせを必要とした。米国特許第4,873,093号では、たとえば、「ドウのような」触感を、こねながら、未加工の、非アルファ化デンプンを含有する組成物を蒸すことにより得る。次いで、「ドウ」をその最終形状に機械で仕上げ及び細工する。
【0006】他の既知の方法は加工性のドウを製造するために非アルファ化デンプンと少なくとも部分的にアルファ化したデンプンとを組み合わせる。たとえば、米国特許第4,623,548号は、アルファ化デンプン、部分的に糊化した穀物粉及び未加工非アルファ化デンプンの混合物を押し出すことにより製造したドウを記載している。次いで、ドウを揚げて最終製品を形成する。
【0007】欧州特許公開0847702号公報(A2)は、シート及び/またはロール状にし、かつ折りたたんだペストリーの生地に形成し得るドウを記載している。このドウは非アルファ化デンプン材料、非ワキシーアルファ化デンプン、水及び脂肪を必ず含有する。この配合物は、アミロース含有配合物におけるドウの触感欠陥、たとえば、脆さ及び高度に弾性であるが引き伸ばせないことを克服するために用いられる、相当なレベルの脂肪(2〜7%)を含有する。このような配合物は水分含量を低下させ、部分的にふくらんだまたは火ぶくれのある表面を製造する目的でオーブン中でローフとして焼かれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】連続的なマトリックス結合剤としてうまく作用し、焼き及び揚げスナック用途を包含する多様な用途のために機械で仕上げでき、形づくりまたは圧延してシートとすることができるドウに加工できる、アミロース含有デンプンを提供するニーズが相変わらずある。このようなドウはしなやかであるが、べとつかないことが必要であり、形づくるまたは圧延してシートとする工程の間に、ぼろぼろにくずれたり、ひびが入ったりまたは砕けたりしないように弾性を持たねばならない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の注意深く加工したアルファ化アミロース含有デンプンは、これらの望ましい性質を備えたドウを提供する。これらのデンプンの性質は、弾性モジュラス及びタンジェントデルタを包含する特殊なレオロジー値を特徴とし、良好な水分保持を提供する。これらのすべてが、それらから作られた特殊な物理的パラメータを有するドウのすぐれた加工性及び機能性に寄与する。
【0010】本発明は、アルファ化アミロース含有デンプンの使用により予想外に加工性のドウを製造する方法並びにそれにより製造された製品に関する。本発明は特殊なレオロジー特性を特徴とするアルファ化アミロース含有デンプンも包含する。
【0011】本発明の方法はアミロース含有デンプンのスラリーのドラム乾燥、そこで、固形分20%で加熱調理されたデンプンは、オメガ=1rad /秒で約200パスカル(「Pa」)よりも大きいG′及び約0.1より大きいタンジェントデルタを特徴とし、及びアルファ化デンプンを、約9〜12mmの伸長、約40〜約60g/mmの勾配、約100〜約140gのピーク力及び約800〜約1200g−mmの加工領域を有するドウに組み込むことを含む。これにより改良されたドウは、焼き及び揚げ製品を包含するがこれらに限定されない多数の用途において用いるのに適当な有利に加工性のドウを生産する。
【0012】本発明はアルファ化アミロース含有デンプンの使用により予想外に加工性のドウの製造方法並びにそれから製造された製品に関する。本発明は特殊なレオロジー特性を特徴とするアルファ化アミロース含有デンプンも包含する。
【0013】アミロースを含有するすべてのデンプン及び粉(以下、「アミロース含有デンプン」という)は、本明細書で用いるのに適切であり、あらゆる天然源に由来し得る。本明細書で用いられる、未加工のアミロース含有デンプンまたは粉は、天然に見い出されるものである。交雑、転座、逆位、形質転換を含む標準育種技術または遺伝子もしくは染色体工学のあらゆる他の方法により得られた植物、それらの変異体を含む植物由来のアミロース含有デンプンも適切である。さらに、人工突然変異及び既知の突然変異育種により生産することができる上記遺伝子組成物の変異から成長した植物由来のアミロース含有デンプンまたは粉も本明細書においても適切である。
【0014】アミロース含有デンプン及び粉のための典型的な源は、穀類、塊茎、根茎、豆類、茎または幹である。天然源は、コーン、えんどう豆、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランサス、タピオカ、クズウコン、カンナ、モロコシ及びそれらの高アミロース品種であり得る。特に好ましいのはサゴ、ジャガイモ及びタピオカである。酸化、酵素転換、酸加水分解、熱及び/または酸デキストリン化により製造された、流動性または低粘性変性デンプン、及び/または剪断化生成物を包含するあらゆるアミロース含有デンプン由来の転換生成物も本明細書において有用である。
【0015】化学的に変性されたアミロース含有デンプンも用い得る。このような化学的変性は、限定するものではないが、架橋、アセチル化及び有機的にエステル化されたアミロース含有デンプン、ヒドロキシエチル化及びヒドロキシプロピル化デンプン、リン酸化及び無機的にエステル化されたデンプン、カチオン性、非イオン性及び双性イオン性デンプン並びにスクシネート及び置換スクシネート誘導体またはアミロース含有デンプンを包含することを意図している。このような化工は、当業界で、例えば、「Modified Starches:Properties and Uses」Wurzburg編、CRC Press,Inc.、フロリダ州、(1986)において既知である。
【0016】本発明の方法はアミロース含有デンプンのスラリーのドラム乾燥、ここで20%デンプン固形分含量でのアミロース含有デンプンは、オメガ=1rad /秒におけるG′が約200Paより大きく、タンジェントデルタが約0.2より大きいことを特徴とし、並びに前記デンプンの、約100〜約140gのピーク力、約9〜約12mmの伸び、約800〜約1200g−mmの加工領域及び約40〜約60g/mmの初期勾配のドウへの組み込みを含む。
【0017】このデンプンは、デンプンを溶媒、好ましくは水に混合することにより、適切な撹拌を有する反応容器中でスラリーを形成することにより製造する。得られたデンプンスラリーの濃度は、用いられるポンプ輸送装備及びドラム乾燥される物質の特殊な必要性に従って最適化される。好ましい濃度範囲は約20〜約24ボーメである。スラリーのpHは、アルファ化デンプンの属性に依存して約3〜約9に調整し得る。次いで、スラリーをメインドラム上にポンプ輸送し、メインドラムは不変の加工条件が達成されるまで運転させる。次いで、乾燥した糊化デンプンを収集し、所望の粒径までひいて粉にする。
【0018】種々の程度の加熱調理の製品を作り上げるために、人はスラリーの濃度、ドラム温度、ドラム速度、デンプンのpHと型の変数を調整することができることが、当業界で知られている。一般に、低度の加熱調理は、スラリーを相対的に中性のpH(pH5〜8)及び高濃度に調整し、ドラム速度を増加させ、ドラム温度を低下させることによって得ることができる。他の極端において、高度の加熱調理は、スラリーを低または非常に高pH及び低濃度に調整すること、ドラム速度を低下させそしてドラム温度を増加させることにより生産し得る。中度の加熱調理は、関連のある変数をそれに応じて調整することにより得ることができる。
【0019】固形分含量20%で適当な程度の加熱調理したアミロース含有デンプンは、オメガ=1rad /秒のG′が200Pa、特に300Paより大きく、タンジェントデルタが0.1より大きく、特に約0.2〜約1.0である。G′とタンジェントデルタのプロフィルを糊化したデンプンから得られたデンプン分散液について測定する。一般に、1よりも大きいタンジェントデルタを有するデンプンは流体様または粘稠であることが知られている。例えば、Larson,R.G.の「The Structure and Rheology of complexFlwds」Oxford Press(1999)参照。反対に、0.1より低いタンジェントデルタは、容易に砕ける物質を規定する。これは、0.07のタンジェントデルタを有するアルファ化トウモロコシデンプンにより例3において説明する。
【0020】しかしながら、固形分含量20%の加熱調理したデンプンのタンジェントデルタが0.1より大、特に約0.2〜約1で、そのG′値が200Pa、特に300Paより大なら、デンプンは、望ましい弾性で、連続的マトリックス結合剤として、ドウ用途のために予想外に適切である。この望ましい範囲内のG′及びタンジェントデルタを有するアミロース含有デンプンは、限定するものではないが、サゴ及びジャガイモを包含する。
【0021】次いで,このように規定されたアルファ化アミロース含有デンプンを適切な加工性のために結合剤を必要とするドウに組み込む。加工性であるドウは、所望の程度の弾性を有し、極端に腰が強くも、極端に展性があることもない。良いドウは、高度に弾性で伸びなかったり、湿ったり、柔かかったり、脆かったりまたはくっついたりしない。これらの属性は、ドウの中で連続的なマトリックスを形成する結合剤によりもたらされ、前記結合剤は理想的には小麦系における小麦グルテンのようにふるまう。本発明のアミロース含有デンプンは予想外に連続的マトリックス結合剤として作用し、加工性で形を作ることができる凝集性触感を有するドウを形成する。
【0022】本発明のアミロース含有デンプンが連続性マトリックス結合剤として予想外に有用である系は、限定するわけではないが、トウモロコシマサ(トルティーヤ用のトウモロコシ粉)、粗びきトウモロコシ、コーンミール、マメ科植物(例えば、ヒヨコマメ及びレンズマメ)、ジャガイモ粉、ジャガイモフレーク、ジャガイモ粒子、米粉、オート麦粉、豆粉(例えば、黒豆)、大麦粉、ソバ粉、タピオカ粉、サゴ粉及び緑豆粉を包含する。
【0023】一般に、種々のデンプンの結合能力は、55%のマサファリーナ、35%の水及び10%のデンプンからなる、マサドウを形成し、ドウをシート状に成形し、シートの関連物理的パラメータを測定することによって評価することができる。これらのマサシートの物理的パラメータはドウの加工性の尺度である。マサは、それ自体ほとんどまたはまったく本来の結合特性を有しないから、これらの特性は、デンプンが通常十分な結合剤を欠いている系における連続的なマトリックス結合剤として作用して加工性のドウを形成する能力の尺度である。
【0024】物理的パラメータは、シート化したマサのシートの伸びをTA−XT2計器で測定することにより決定する。シートは、犬用の骨形に形成し、1mm/秒の速度で25mmまで引っぱる。伸長力は、伸長の距離に対してプロットし、ピーク力、伸長作業領域及び初期勾配を包含する、ドウの特性に相関するいくつかの有用なパラメータをこのデータから引き出す。
【0025】ピーク力は、破断の前の最大伸長でのドウに働かせることができる最大の力である。高ピーク力は、非常に強靭なドウを記述する。他の極限で、低ピーク力のドウは弱い性質を有する。伸長はドウの伸びと柔軟性の尺度である。長い伸長は、機械加工性に不適当な湿った粘質のドウを示す。過度に短い伸長は、容易に砕ける、乾いた、高度に弾性であるが伸びないドウをもたらす。加工は距離に関する力の積分であり、したがって、ドウの総合的強度の尺度である。初期勾配は、ドウの伸長を開始するのに必要な力の尺度である。初期勾配は初期硬度の反映である。低初期勾配は、許容できない柔かさのドウを示す。
【0026】図1は、発見した所望の値より大きいピーク力、勾配及び加工領域値並びに所望の値より小さい伸長値の組み合せを有するドウは、不適切に強靭で、乾燥した、高度に弾性であるが伸びなく、脆いことを図解する。反対に、許容できる値よりも低いピーク力、勾配及び加工領域値並びに高い伸長値を有するドウは、それらが弱く、湿って、粘着性で粘質であり、したがって、非加工性である点で不適当である。約100〜約140g、特に約110〜約130mmのピーク力、約9〜12mm、特に約11〜約12mmの伸長、約800〜約1200g−mmの加工領域及び約40〜60g/mmの初期勾配は許容できる弾性及び加工性のドウを形成する。
【0027】有利に、pH7でドラム乾燥した、20%固形分含量で測定した、オメガ=1rad /秒でのG′が約200Pa、特に約300Paより大きく、約0.1より大きい、特に約0.2〜約1のタンジェントデルタを特徴とするアルファ化サゴ及びジャガイモデンプンの両方が、十分な弾性を示す連続的なマトリックス結合剤を提供し、望ましい加工性のドウをもたらす。上記アルファ化アミロース含有デンプンを含有するドウは、優秀な加工性のドウを示す、ピーク力、伸長初期勾配及び加工領域値を有する。
【0028】本発明の更なる態様を次に記載する。
1.適切な連続的マトリックス結合剤としてアミロース含有デンプンを用いる方法であって、20%固形分含量で、オメガ=1rad /秒で、約200Paより大きいG′及び約0.1より大きいタンジェントデルタを有するアミロース含有デンプン分散体を含む方法。
2.G′が約300Paより大きく、タンジェントデルタが約0.2〜約1.0である態様1の方法。
3.適切なドウを作成する方法であって、ドウにアミロース含有デンプンを加えることを含み、得られたアミロースデンプン含有ドウが約140〜約100gのピーク力、約40〜60g/mmの勾配、約9〜約12mmの伸長及び約1200〜約800g−mmの加工領域を有する方法。
【0029】4.前記ドウのピーク力が約130〜約110gで、伸長が約11〜約12mmである態様3の方法。
5.前記アミロース含有デンプンがサゴ及びジャガイモである態様1の方法。
6.態様1のまたは3のドウを食品に用いる方法。
【0030】7.前記食品が揚げたまたは焼いたスナックである態様6の方法。
8.固形分含量20質量%で、オメガ=1rad /秒でのG′が約200Paより大きく、タンジェントデルタが約0.1よりも大きいアミロース含有デンプンを含むドウ結合剤。
9.G′が約300Paより大きく、タンジェントデルタが約0.2〜約1.0である態様8のドウ結合剤。
前記デンプンがサゴまたはジャガイモである態様8のドウ結合剤。
【0031】次の例は本発明を更に説明するために提示されており、いかなる点においても限定ととるべきではない。別記されていない場合には、すべての部及びパーセントは質量により、そして、すべての温度はセ氏(℃)で示されている。
【0032】例1次の例は本発明のアミロース含有デンプンの製造を説明する。十分に撹拌しながら、25.44Kgの原料のままのサゴデンプン* を35.67gの水に加え、22ボーメの濃度が得られた。スラリー化されたデンプンのpHを水酸化ナトリウムの希溶液で約7.0のpHに調整した。
【0033】スラリーの添加速度を、メインドラムとアプリケーターロールの間に一定のサイズのデンプンのソーセージ形の帯が形成されるように調整しながら、スラリーを予熱したドラム(Model #E−5−5,Dedert Corporation)に蠕動ポンプを用いてゆっくりと移した。15分で定常状態条件に達した。メインドラムの速度は6回転/分、ロールニップのギャップは0.37cm、表面温度は168℃で、蒸気圧は5.5〜9.0Kg/cm2 であった。
【0034】* 一般にデンプンは、未化工(「原料のままの」)または化工デンプンから得られる。本明細書において用いられる化工デンプンはデンプンポリマー科学における当業者に周知の技術により製造される。これらの例で用いる場合、架橋サゴは、例えば、Whistler他の「Starch Chemistry and Technology」2版、Academic Press Inc.(1984)10章、3節、第324〜326頁に記載された手順に従って0.02%のPOCl3 で処理されたサゴデンプンをいう。同様に、本明細書で用いる場合、酸加水分解サゴは、例えば、Whistler他の「Starch Chemistry and Technology」2版、Academic Press Inc.(1984)17章、3節、第536頁に記載された手順に従って、水流動度17まで加水分解されたサゴデンプンを示す。
【0035】例2本例は、マサシートの物理パラメータを測定し、ピーク力、伸長、加工及び初期勾配値を計算する方法を説明する。マサ ハリナ(harina)(55%)、水(35%)及び例1のアルファ化デンプン(10%)をHobart Food Mixer中で混合し、1mmのロールのギャップを4回通し、折りたたんだ。次いでギャップを1.5mmまで増加させ、1回通し、次いで、ロール幅にわたって均一な厚さとなるように、上下を逆にして、2回通した。得られたドウのシートを試験のために、図2に示すように、犬の骨形に切断した。伸長の間の破断を調節するために、試料の長さの半分の距離のところで、各ヘリの側部に0.3cmの切り込みの形で弱点を導入した。ドウの伸長は、前のシート状にする作動の方向と平行に行った。シートの伸長は二重クランプ付属品を用いて、TA−XT2(Texture Technologies Corp)測定器で行った。試料の各側部を固定し、1mm/秒の速度で25mmまで引っぱった。
【0036】次いで、犬の骨形で測定した伸長の力を引っぱった距離に対してプロットし、ピーク力、初期勾配、破断点の距離及び曲線下の領域を計算した。グラフ1(図3)は、10%のアルファ化サゴデンプンを含有するマサドウの距離に対する伸長の力のプロットである。下記で説明するように、ピーク力は曲線の最大値である。伸長はドウの破断時の距離の測定値である。加工性は曲線下の計算された領域であり、初期勾配は1mmの伸長距離での曲線の勾配である。
【0037】例3本例は例1の方法により製造したアルファ化デンプンから配合した多数のマサドウの比較による、加工性ドウの最も望ましいピーク力、伸長、加工性及び初期勾配特性の測定及び計算を説明する。
【0038】タピオカ、ジャガイモ、サゴ、架橋サゴ、酸加水分解、サゴ、ワキシートウモロコシ及びデントトウモロコシから、例1の方法によりいくつかのアルファ化デンプンを製造し、そこで各ベースデンプンを3種の異なるpH、すなわち、3.5、6.5〜7.0及び9.0でスラリー化した。
【0039】このようにして得られたアルファ化デンプンをマサドウに配合し、シート状にして、例2に記載された方法に従って、各マサシートについて、ピーク力、初期勾配、伸長及び加工性を計算した。得られた結果を表1に列挙する。
【0040】
【表1】

【0041】約100〜約140gのピーク力、約9〜約12mmの伸び、約800〜約1200g−mmの加工領域及び約40〜約60g/mmの初期勾配を有するドウは許容し得る弾性的で加工性のドウを形成する。
【0042】これらの規定された範囲外にあるドウは、許容できる加工性ではなかった。ワキシートウモロコシとタピオカはすべてのpHで、弱く、湿った、粘着性で粘質のドウを形成した。他の極限で、デントトウモロコシから形成したマサドウは、所望しない強靭で、乾燥した、高度に弾性であるが伸びない、脆いドウを形成した。表1に報告したデータは、サゴとジャガイモのみが上記のパラメータにより許容できる加工性のドウを形成したことを示す。
【0043】例4本例は本発明のアルファ化デンプンの構造の程度を規定及び測定するためにレオロジーのデータを得る方法を説明する。レオロジーの試験は、デンプンスラリーを加熱ドラム表面に塗布し、例1に記載したドラム上に形成された「ソーセージ」から試料を採集することにより得られたデンプン分散体について行なった。試料は必要なら約20%の固形分含量に調整する。試料は5〜10分かけて室温まで冷却させ、直接レオメーターに塗布し、すぐに試験した。レオメーターはPheometics Fluids Spectrometer 11(Rheometics Scientific、ニュージャージー州、ピスカタウェイ)であった。すべての測定は、平行プレート配置を用いて行った。振動性周波数掃引(oscillatory frequency sweep)を試料の線状粘弾性ウィンドウにおける歪を用いて、100rad /秒〜0.1rad /秒の範囲にわたって試料に関して行なった。線状粘弾性歪(γ)は試験される材料の構造を破壊しないように十分に小さい歪と規定される。得られたG′、G″のプロフィルを測定し、G″に対するG′の比からタンジェントデルタを計算する。
【0044】弾性モジュラスであるG′の値を各アルファ化デンプンについてのタンジェントデルタの関数としてプロットし、グラフ2(図4)に描いた。1よりも大きいタンジェントデルタを有するデンプン分散体は粘稠または流体様の試料を示すことが分かった。反対に、0.1より小さいタンジェントデルタを有する試料は、G′値に依存して苦もなく砕けるか、または望ましくなくどろどろしているもしくは脆い。
【0045】グラフ2に描いたデータは、下記のパラメータ、0.1より大きいタンジェントデルタ、特に0.2〜1のタンジェントデルタ及び200Paより大きい、特に300Paより大きいG′値、内に入るサゴ及びジャガイモデンプン分散体は望ましい弾性であったことを示す。ドウに組み込んだ時、これらのデンプンは例3に同定した性質によって規定される優れたドウを形成した。
【0046】例5本例は、例4に従って製造した対応するアミロース含有デンプン分散体が0.2〜1のタンジェントデルタ及び300Paよりも大きいG′値を有する、アミロース含有デンプンを含有するドウから作ったマサシートの優れた物性を説明する。
【0047】サゴデンプンを例1の方法に従ってドラム乾燥し、上記手順に従ってマサシートに組み込んだ。得られたマサシートは有利に弾性で、破断に対して高い耐性を示し、滑らかな均一な表面を有した。マサシートの伸び試験はピーク力について128gの平均値及び11.5mmの伸びを生じ、所望のドウの好ましい範囲に十分に入った。
【0048】対照的に、例1の手順に従ってドラム乾燥し、マサドウに組み込んだトウモロコシデンプンは、成形しにくく、引裂きやすく、粗い表面を有するシートを提供した。不満足なドウのピーク力値は125gの平均値を有していた。このドウは4.5mmの伸びをも示し、これは許容し得るドウのために適当な値をかなり離れている。
【0049】したがって、例4に規定したように、0.28のタンジェントデルタ値及び650PaのG′値を有するサゴデンプンは有利な商業用途を有する加工性のドウを与えるマサドウにおける連続的結合剤として働く。反対に、0.07の不満足に低いタンジェントデルタ値及び2200の非常に高いG′を有する脆いトウモロコシデンプンは、マサドウ系における連続的結合剤として適切に機能しない。
【出願人】 【識別番号】590000824
【氏名又は名称】ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション
【出願日】 平成13年8月6日(2001.8.6)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2002−95405(P2002−95405A)
【公開日】 平成14年4月2日(2002.4.2)
【出願番号】 特願2001−238298(P2001−238298)