トップ :: A 生活必需品 :: A21 ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地

【発明の名称】 米粉を主原料とするパンの製造方法及び米粉を主原料として製造したパン
【発明者】 【氏名】上野 良之

【要約】 【課題】米粉を主原料として使用した、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まない、食パン,ロールパン,デニッシュパン,フランスパンなどのパン及びその製造方法を提供する。

【解決手段】米を主材料として食パン等のパンを製造する際に、粒径180〜200μmの米粉100.0重量%,砂糖2.0〜13.0重量%,食塩1.0〜8.0重量%,脱脂粉乳1.0〜10.0重量%,活性酵母1.5〜7.5重量%,および水65.0〜82.0重量%を材料として準備する。続いて、これらの材料を混合してパン生地を作成し、内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させ、得られた生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成する。前記の米粉の成分は、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 米を含有する食パンの製造方法であって、(a) 材料として(i) 100.0重量%の米粉,(ii) 2.0〜13.0重量%の砂糖,(iii) 1.0〜8.0重量%の食塩,(iv) 1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳,(v) 1.5〜7.5重量%の活性酵母,および(vi) 65.0〜82.0重量%の水を準備するステップと、(b) 準備された前記の材料を混合してパン生地を作成するステップと、(c) 得られた前記の生地を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、(d) 発酵した前記の生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成するステップと、をそなえたことを特徴とする、食パンの製造方法。
【請求項2】 前記米粉の粒径が180〜200μmであることを特徴とする、請求項1記載の食パンの製造方法。
【請求項3】 前記米粉の成分が、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることを特徴とする、請求項1又は2記載の食パンの製造方法。
【請求項4】 前記混合を様々な速度で行なうことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項5】 前記混合を、低速で2〜5分、中速で2〜5分、高速で2〜5分、中速で2〜4分、高速で1〜7分、中速で1〜4分の順で行なうことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項6】 前記混合の際に、さらなる材料として4.0〜16.0重量%の油脂を加えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項7】 前記準備ステップで準備する材料に、追加の材料として4.0〜16.0重量%の油脂が含まれることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項8】 前記準備ステップで準備する材料に、1.0〜6.0重量%のイーストフードがさらに含まれることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項9】 前記準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲が2.5〜4.5重量%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項10】 前記準備ステップにおける水の好適な量の限界範囲が70〜76重量%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項11】 米を含有する食パンであって、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法によって製造されたことを特徴とする食パン。
【請求項12】 米および小麦を含有する食パンの製造方法であって、(a) 材料として(i) 65.0〜90.0重量%の米粉,(ii) 35.0〜10.0重量%の小麦粉,(iii) 2.0〜13.0重量%の砂糖,(iv) 1.0〜8.0重量%の食塩,(v) 1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳,(vi) 1.5〜7.5重量%の活性酵母,および(vii) 65.0〜82.0重量%の水を準備するステップと、(b) 準備された前記の材料を混合してパン生地を作成するステップと、(c) 得られた前記の生地を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、(d) 発酵した前記の生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成するステップと、をそなえたことを特徴とする、食パンの製造方法。
【請求項13】 前記米粉の粒径が180〜200μmであることを特徴とする、請求項12記載の食パンの製造方法。
【請求項14】 前記米粉の成分が、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることを特徴とする、請求項12又は13記載の食パンの製造方法。
【請求項15】 前記混合を様々な速度で行なうことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項16】 前記混合を、低速で2〜5分、中速で2〜5分、高速で2〜5分、中速で2〜4分、高速で1〜7分、中速で1〜4分の順で行なうことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項17】 前記混合の際に、追加の材料として4.0〜16.0重量%の油脂を加えることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項18】 前記準備ステップで準備する材料に、4.0〜16.0重量%の油脂がさらに含まれることを特徴とする、請求項12〜17のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項19】 前記準備ステップで準備する材料に、1.0〜6.0重量%のイーストフードがさらに含まれることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項20】 前記準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲が2.5〜4.5重量%であることを特徴とする、請求項12〜19のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項21】 前記準備ステップにおける水の好適な量の限界範囲が65〜76重量%であることを特徴とする、請求項12〜20のいずれか1項記載の食パンの製造方法。
【請求項22】 米および小麦を含有する食パンであって、請求項12〜21のいずれか1項記載の方法によって製造されたことを特徴とする食パン。
【請求項23】 米を含有するロールパンの製造方法であって、(a) 材料として(i) 100.0重量%の米粉,(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖,(iii) 1.6〜2.8重量%の食塩,(iv) 2.0〜6.0重量%の脱脂粉乳,(v) 3.0〜6.0重量%の活性酵母,(vi) 12.0〜28.0重量%の卵,および(vii)32.0〜56.0重量%の水を準備するステップと、(b) 準備された前記の材料を混合してパン生地を作成するステップと、(c) 得られた前記の生地を小片に分割するステップと、(d) 得られた前記の生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、(e) 発酵した前記の生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成するステップと、をそなえたことを特徴とする、ロールパンの製造方法。
【請求項24】 前記米粉の粒径が180〜200μmであることを特徴とする、請求項23記載のロールパンの製造方法。
【請求項25】 前記米粉の成分が、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることを特徴とする、請求項23又は24記載のロールパンの製造方法。
【請求項26】 前記混合の際に、追加の材料として8.0〜26.0重量%の油脂を加えることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか1項記載のロールパンの製造方法。
【請求項27】 前記準備ステップで準備する材料に、8.0〜26.0重量%の油脂がさらに含まれることを特徴とする、請求項23〜26のいずれか1項記載のロールパンの製造方法。
【請求項28】 前記準備ステップで準備する材料に、2.0〜8.0重量%のイーストフードがさらに含まれることを特徴とする、請求項23〜27のいずれか1項記載のロールパンの製造方法。
【請求項29】 前記準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲が2.5〜4.5重量%であることを特徴とする、請求項23〜28のいずれか1項記載のロールパンの製造方法。
【請求項30】 前記準備ステップにおける水の好適な量の限界範囲が41.0〜52.0重量%であることを特徴とする、請求項23〜29のいずれか1項記載のロールパンの製造方法。
【請求項31】 米を含有するロールパンであって、請求項23〜30のいずれか1項記載の方法によって製造されたことを特徴とするロールパン。
【請求項32】 米を含有するデニッシュパンの製造方法であって、(a) 材料として(i) 100.0重量%の米粉,(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖,(iii) 1.0〜6.0重量%の食塩,(iv) 2.0〜8.0重量%の脱脂粉乳,(v) 2.0〜6.0重量%の活性酵母,(vi) 2.0〜12.0重量%の卵,および(vii)42.0〜58.0重量%の水を準備するステップと、(b) 準備された前記の材料を混合してパン生地を作成するステップと、(c) 得られた前記の生地を2.0〜7.0℃の冷蔵庫の中で3〜24時間発酵させるステップと、(d)7.0〜22.0%の油脂を包み込みながら前記の発酵した生地を折り込むステップと、(e) 得られた前記の生地を−10〜−20℃の冷蔵庫の中で20〜40分間おくステップと、(f) 得られた前記の生地を小片に分割するステップと、(g) 得られた前記の生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、(h) 発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成するステップと、をそなえたことを特徴とする、デニッシュパンの製造方法。
【請求項33】 前記米粉の粒径が180〜200μmであることを特徴とする、請求項32記載のデニッシュパンの製造方法。
【請求項34】 前記米粉の成分が、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることを特徴とする、請求項32又は33記載のデニッシュパンの製造方法。
【請求項35】 前記混合ステップの際に、追加の材料として8.0〜26.0重量%の油脂を加えることを特徴とする、請求項32〜34のいずれか1項記載のデニッシュパンの製造方法。
【請求項36】 前記準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲が3.5〜5.5重量%であることを特徴とする、請求項32〜35のいずれか1項記載のデニッシュパンの製造方法。
【請求項37】 前記準備ステップにおける水の好適な量の限界範囲が47.0〜54.0重量%であることを特徴とする、請求項32〜36のいずれか1項記載のデニッシュパンの製造方法。
【請求項38】 米を含有するデニッシュパンであって、請求項32〜37のいずれか1項記載の方法によって製造されたことを特徴とするデニッシュパン。
【請求項39】 米を含有するフランスパンを製造する方法であって、(a) 材料として、(i) 100.0重量%の米粉,(ii) 1.2〜4.8重量%の食塩,(iii) 0.1〜1.6重量%のモルトエキス,(iv) 0.8〜2.7重量%の活性酵母,および(v) 65.0〜77.0重量%の水を準備するステップと、(b) 準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、(c) 得られた生地を小片に分割するステップと、(d) 得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、(e) 発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で22〜38分間焼成するステップと、をそなえたことを特徴とする、フランスパンの製造方法。
【請求項40】 前記米粉の粒径が180〜200μmであることを特徴とする、請求項39記載のフランスパンの製造方法。
【請求項41】 前記米粉の成分が、95〜71重量%の米粒,4〜26重量%のグルテン,および1〜3重量%の増粘剤からなることを特徴とする、請求項39又は40記載のフランスパンの製造方法。
【請求項42】 前記準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲が1.0〜2.0重量%であることを特徴とする、請求項39〜41のいずれか1項記載のフランスパンの製造方法。
【請求項43】 前記準備ステップにおける水の好適な量の限界範囲が68.0〜74.0重量%であることを特徴とする、請求項39〜42のいずれか1項記載のフランスパンの製造方法。
【請求項44】 米を含有するフランスパンであって、請求項39〜43のいずれか1項記載の方法によって製造されたことを特徴とするフランスパン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンの製造方法及びその方法により製造されたパンに関し、より詳細には、米粉を主原料とするパンの製造方法及び米粉を主原料として製造したパンに関する。
【0002】
【関連技術】米国政府および日本国政府が発表した最新の農業統計によれば、米の生産量に比べてその消費量が著しく落ち込んでいる。その原因の一つとして、これまで主な米の消費地域であったアジア諸国において、多くの若者の嗜好が米食から(小麦を原料とする)パン食へと移行してきたことが挙げられる。とりわけ日本ではその傾向が著しい。
【0003】この問題を解決するために、パンの主な材料として小麦の代わりに米を使用する研究が行なわれてきた。中には、日本で特許出願がされたものもある。こうした従来技術の例として、日本特許公開公報平成5年第130827号、平成6年第7071号、平成9年第51754号、平成11年第9174号、平成11年第225661号および平成11年第32706号などが挙げられる。
【0004】前記の従来技術は共に幾つかの課題を抱えているが、最も重要なのは次の課題である。米粉は単位体積当たりの重量が大きいため、活性酵母の量が他の材料に比べて少なすぎると、米粉末の弾力や重量によってパン生地が充分に膨らまない。一方、活性酵母の量が他の材料に比べて多すぎると、でき上がったパンは酸味が強くなってしまう。また、これも従来技術に共通の重要な課題であるが、水の量が多すぎると、でき上がったパンは粘つくものになってしまう。
【0005】前記の従来技術はいずれも、理想的な活性酵母や水の量を探すのではなく、少なくとも1つの化学添加物を使用することによって、パン生地を膨らませている。しかし、多くの科学者や医師によって発表された最近の論文によれば、化学添加物はアトピーなどの様々なアレルギーを引き起こす原因となる可能性が高い。こうして、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まない、老若に関わらず受け入れられる味の米パンを製造する技術が求められてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、いかなる化学添加物も使用せず、試行錯誤を重ねながら研究と実験を重ね、そして遂に、米パンの成分に加えるべき活性酵母および水の量の臨界範囲を発見した。そしてこの発見が、近年とりわけ日本政府や米国政府が直面する、上述した深刻な農業問題に対処する上で、何らかの貢献になると信じるものである。
【0007】従来技術が抱える上述の課題をふまえた上で、本発明の目的は、米粉を主原料として使用した、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まない、食パン,ロールパン,デニッシュパン,フランスパンなどのパンを提供することである。
【0008】また、本発明の別の目的は、米粉を主原料として使用した、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まない、食パン,ロールパン,デニッシュパン,フランスパンなどのパンの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、本発明の米食パンの製造方法は、材料として (i) 100.0重量%の米粉,(ii) 2.0〜13.0重量%の砂糖,(iii) 1.0〜8.0重量%の食塩,(iv) 1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳,(v) 1.5〜7.5重量%の活性酵母,および (vi) 65.0〜82.0重量%の水を準備するステップと、準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、得られた生地を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成するステップとをそなえて構成される。
【0010】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲は、2.5〜4.5重量%であることが好ましい。加えて、前記の準備ステップにおける好適な水の量の限界範囲は、70〜76重量%であることが好ましい。
【0011】本発明の第2の態様によれば、本発明の別の形態の米食パンの製造方法は、材料として (i) 65〜90.0重量%の米粉,(ii) 35〜10重量%の小麦粉,(iii) 2.0〜13.0重量%の砂糖,(iv) 1.0〜8.0重量%の食塩,(v)1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳,(vi) 1.5〜7.5重量%の活性酵母,および (vii) 65.0〜82.0重量%の水を準備するステップと、準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、得られた生地を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成するステップとをそなえて構成されている。
【0012】前記の米小麦パンに使用する米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲は、2.5〜4.5重量%であることが好ましい。加えて、前記の準備ステップにおける好適な水の量の限界範囲は、70〜76重量%であることが好ましい。
【0013】本発明の第3の態様によれば、本発明の米ロールパンの製造方法は、材料として (i) 100.0重量%の米粉,(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖,(iii)1.6〜2.8重量%の食塩,(iv) 2.0〜6.0重量%の脱脂粉乳,(v) 3.0〜6.0重量%の活性酵母,(vi) 12.0〜28.0重量%の卵,および(vi)32.0〜56.0重量%の水を準備するステップと、準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、得られた生地を小片に分割するステップと、得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成するステップとをそなえて構成される。
【0014】前記のロールパンに使用する米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲は、2.5〜4.5重量%であることが好ましい。加えて、前記の準備ステップにおける好適な水の量の限界範囲は、41.0〜52.0重量%であることが好ましい。
【0015】本発明の第4の態様によれば、本発明の米デニッシュパンの製造方法は、材料として (i) 100.0重量%の米粉,(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖,(iii) 1.0〜6.0重量%の食塩,(iv) 2.0〜8.0重量%の脱脂粉乳,(v)2.0〜6.0重量%の活性酵母,(vi) 2〜12.0重量%の卵,および (vii)42.0〜58.0重量%の水を準備するステップと、準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、得られた生地を2.0〜7.0℃の冷蔵庫の中で3〜24時間発酵させるステップと、7.0〜22.0重量%の油脂を包み込みながら発酵した生地を折り込むステップと、得られた生地を−10〜−20℃の冷蔵庫の中で20〜40分間ねかせるステップと、ねかせた生地を小片に分割するステップと、得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成するステップとをそなえて構成される。
【0016】前記のデニッシュパンに使用する米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲は、3.5〜5.5重量%であることが好ましい。加えて、材料を準備するステップにおける好適な水の量の限界範囲は、47.0〜54.0重量%であることが好ましい。
【0017】本発明の第5の態様によれば、本発明の米フランスパンの製造方法は、材料として (i) 100.0重量%の米粉,(ii) 1.2〜4.8重量%の食塩,(iii)0.1〜1.6重量%のモルトエキス,(iv) 0.8〜2.7重量%の活性酵母,および (v) 65.0〜77.0重量%の水を準備するステップと、準備した材料を混合してパン生地を作成するステップと、得られた生地を小片に分割するステップと、得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させるステップと、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で22〜38分間焼成するステップとをそなえて構成される。
【0018】前記のフランスパンに使用する米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の限界範囲は、1,0〜2.0重量%であることが好ましい。加えて、前記の準備ステップにおける好適な水の量の限界範囲は、68.0〜74.0重量%であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態について以下に詳述する。
【0020】(第1実施形態)第1実施形態として、米を含む食パンを作る手順を以下に示す。まず、次の材料を準備する。
(i) 100.0重量%の米粉(ii) 2.0〜13.0重量%の砂糖(iii) 1.0〜8.0重量%の食塩(iv) 1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳(v) 1.5〜7.5重量%、好ましくは2.0〜4.5重量%の活性酵母(vi) 65.0〜82.0重量%、好ましくは70〜76重量%の水【0021】続いて、準備した材料を混合してパン生地を作り、得られた生地を内部が温度26〜42℃,湿度68〜89%に保たれた発酵部屋で15〜75分間発酵させ、発酵した生地を内部が温度180〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成する。
【0022】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の混合ステップの際に、追加の材料として4.0〜16.0重量%の油脂を加えることが好ましい。これに代えて、前記の準備ステップで準備する材料に、4.0〜16.0重量%の油脂を追加してもよい。
【0023】また、前記の準備ステップで準備する材料に、1.0〜6.0重量%のイーストフードを加えるとより好ましい。
【0024】(第2実施形態)第2実施形態として、米を含む別の形態の食パンを作る手順を以下に示す。まず、以下の材料を準備する。
(i) 65.0〜90.0重量%の米粉(ii) 35.0〜10.0重量%の小麦粉(iii) 2.0〜13.0重量%の砂糖(iv) 1.0〜8.0重量%の食塩(v) 1.0〜10.0重量%の脱脂粉乳(vi) 1.5〜7.5重量%の活性酵母(vii) 65.0〜82.0重量%の水【0025】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させ、続いて、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で20〜45分間焼成する。
【0026】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。
【0027】また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。
【0028】さらに、前記の混合ステップの際に、追加の材料として4.0〜16.0重量%の油脂を加えることが好ましい。これに代えて、前記の準備ステップで準備する材料に、4.0〜16.0重量%の油脂を追加してもよい。
【0029】また、前記の準備ステップで準備する材料に、1.0〜6.0重量%のイーストフードを加えるとより好ましい。
【0030】(第3実施形態)第3実施形態として、米を含有するロールパンを作る手順を以下に示す。まず、以下の材料を準備する。
(i) 100.0重量%の米粉(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖(iii) 1.6〜2.8重量%の食塩(iv) 2.0〜6.0重量%の脱脂粉乳(v) 3.0〜6.0重量%の活性酵母(vi) 12.0〜28.0重量%の卵(vii) 32.0〜56.0重量%の水【0031】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、小片に分割する。続いて、得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させた上で、内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成する。
【0032】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。
【0033】また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。
【0034】さらに、前記の混合ステップの際に、追加の材料として8.0〜26.0重量%の油脂を加えることが好ましい。
【0035】また、前記の準備ステップで準備する材料に、8.0〜26.0重量%の油脂を追加してもよい。
【0036】さらに、材料を準備するステップにおける活性酵母の好適な量の範囲が、2.5〜4.5重量%であることが好ましい。
【0037】加えて、前記の準備ステップで準備する材料に、1.0〜6.0重量%のイーストフードを加えるとより好ましい。
【0038】(第4実施形態)第4実施形態として、米を含むデニッシュパンを作る手順を以下に示す。まず、以下の材料を準備する。
(i) 100.0重量%の米粉(ii) 5.0〜17.0重量%の砂糖(iii) 1.0〜6.0重量%の食塩(iv) 2.0〜8.0重量%の脱脂粉乳(v) 2.0〜6.0重量%の活性酵母(vi) 2.0〜12.0重量%の卵(vii)42.0〜58.0重量%の水【0039】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、2.0〜7.0℃の冷蔵庫の中で3〜24時間発酵させる。続いて、7.0〜22.0%の油脂を包み込みながら発酵した生地を折り込み、得られた生地を−10〜−20℃の冷蔵庫の中で20〜40分間おく。
【0040】得られた生地を小片に分割し、内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させた上で、内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で8〜16分間焼成する。
【0041】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。
【0042】また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。
【0043】さらに、折り込みステップの際に生地に包み込む油脂の量は、8.0〜26.0重量%であることが好ましい。
【0044】また、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の範囲は、3.5〜5.5重量%であることが好ましい。
【0045】加えて、前記の準備ステップにおける水の好適な量の範囲は、47.0〜54.0重量%であることが好ましい。
【0046】(第5実施形態)第5実施形態として、米を含むフランスパンを作る手順を以下に示す。まず、以下の材料を準備する。
(i) 100.0重量%の米粉(ii) 1.2〜4.8重量%の食塩(iii) 0.1〜1.6重量%のモルトエキス(iv) 0.8〜2.7重量%の活性酵母(v) 65.0〜77.0重量%の水【0047】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、小片に分割する。続いて、得られた生地の小片を内部の温度が26〜42℃、湿度が68〜89%に保たれた発酵室の中で15〜75分間発酵させた上で、発酵した生地を内部の温度が180℃〜235℃に保たれたオーブンの中で22〜38分間焼成する。
【0048】前記の米粉の粒径は、180〜200μmであることが好ましい。
【0049】また、前記の米粉の成分は、米粒95〜71重量%,グルテン4〜26重量%,および増粘剤1〜3重量%であることが好ましい。さらに、前記の準備ステップにおける活性酵母の好適な量の範囲は、3.5〜5.5重量%であることが好ましい。加えて、前記の準備ステップにおける水の好適な量の範囲は、68.0〜74.0重量%であることが好ましい。
【0050】
【実施例】以下に本発明の実施例をあげて説明する。
実施例1米を含有する食パンを作るために、次の材料を準備した。
(i) 粒径195μmの米粉 100重量%(ii) 砂糖 9.0重量%(iii) 食塩 5.0重量%(iv) 脱脂粉乳 5.5重量%(v) 活性酵母 3.5重量%(vi) 水 76.0重量%【0051】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、内部の温度が28℃、湿度が72%に保たれた発酵室の中で55分間発酵させた上で、内部の温度が210℃に保たれたオーブンの中で35分間焼いた。
【0052】また、前記の米粉の成分は、米粒86重量%,グルテン12重量%,増粘剤2重量%とした。
【0053】その結果でき上がった食パンは、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まないもので、小麦のパンに比べて匂いが弱かった。
【0054】変形例として、前記の混合ステップの際に、材料として10.0重量%の油脂を更に加えた。でき上がった食パンの味は、例1の食パンと同等に優れていた。別の変更例として、前記の準備ステップの材料に同量の油脂を加えたところ、同様の結果が得られた。
【0055】また、さらに別の変形例として、前記の準備ステップで準備される材料に4重量%のイーストフードを加えた。でき上がった食パンは小麦のパンと変わらない味をそなえていた。
【0056】実施例2米と小麦を含有する食パンを作るに当たり、次の材料を準備した。
(i) 粒径195μmの米粉 75.0重量%(ii) 小麦粉 25.0重量%(iii) 砂糖 9重量%(iv) 食塩 5.0重量%(v) 脱脂粉乳 5.5重量%(vi) 活性酵母 3.5重量%(vii) 水 76重量%【0057】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、内部の温度が28℃、湿度が72%に保たれた発酵室の中で55分間発酵させた上で、内部の温度が210℃に保たれたオーブンの中で35分間焼いた。
【0058】また、前記の米粉の成分は、米粒86重量%,グルテン12重量%,増粘剤2重量%とした。
【0059】その結果でき上がった混成の食パンは、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まない上に、小麦パンの味と食感をそなえていた。
【0060】変形例として、前記の混合ステップの際に、材料として10.0重量%の油脂を更に加えた。でき上がった混成の食パンの味は、例2の食パンと同等に優れていた。別の変形例として、前記の準備ステップの材料に同量の油脂を加えたところ、同様の結果が得られた。
【0061】また、さらに別の変形例として、前記の準備ステップで準備される材料に4重量%のイーストフードを加えた。でき上がった食パンは、米を主な原料としたにもかかわらず、小麦のパンと変わらない味と食感をそなえていた。
【0062】実施例3ロールパンを作るに当たり、次の材料を準備した。
(i) 粒径195μmの米粉 100.0重量%(ii) 砂糖 11.0重量%(iii) 食塩 2.2重量%(iv) 脱脂粉乳 3.8重量%(v) 活性酵母 3.5重量%(vi) 卵 20.0重量%(vii) 水 50.0重量%【0063】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、小片に分割した。続いて、得られた生地の小片を内部の温度が28℃、湿度が72%に保たれた発酵室の中で55分間発酵させた上で、内部の温度が210℃に保たれたオーブンの中で10分間焼いた。
【0064】また、前記の米粉の成分は、米粒86重量%,グルテン12重量%,増粘剤2重量%とした。
【0065】前記の混合ステップの際に、材料として10重量%の油脂を更に加えた。
【0066】その結果でき上がったロールパンは、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まないもので、小麦のパンに比べて匂いが弱かった。
【0067】実施例4米を含有するデニッシュパンを作るに当たり、次の材料を準備した。
(i) 粒径195μmの米粉 100.0重量%(ii) 砂糖 10.0重量%(iii) 食塩 3.0重量%(iv) 脱脂粉乳 3.5重量%(v) 活性酵母 4.5重量%(vi) 卵 6.0重量%(vii) 水 55.0重量%【0068】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、6.0℃の冷蔵庫の中で55時間発酵させた。続いて、10重量%の油脂を包み込みながら発酵した生地を折り込み、得られた生地を−15℃の冷蔵庫の中で30分間寝かせた。
【0069】この生地を小片に分割し、内部の温度が35℃、湿度が72%に保たれた発酵室の中で55分間発酵させた上で、内部の温度が210℃に保たれたオーブンの中で17分間焼成した。
【0070】また、前記の米粉の成分は、米粒86重量%,グルテン12重量%,増粘剤2重量%とした。
【0071】その結果でき上がったデニッシュパンは、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まないもので、小麦のパンに比べて匂いが弱かった。
【0072】実施例5米を含有するフランスパンを作るに当たり、次の材料を準備した。
(i) 粒径195μmの米粉 100.0重量%(ii) 食塩 3.0重量%(iii) モルトエキス 0.8重量%(iv) 活性酵母 2.0重量%(v) 水 75.0重量%【0073】次に、準備した材料を混合してパン生地を作り、小片に分割した。続いて、得られた生地の小片を内部の温度が28℃、湿度が72%に保たれた発酵室の中で55分間発酵させた上で、発酵した生地を内部の温度が210℃に保たれたオーブンの中で35分間焼成した。
【0074】また、前記の米粉の成分は、米粒86重量%,グルテン12重量%,増粘剤2重量%とした。
【0075】その結果でき上がったフランスパンは、粘つかず、酸味が弱く、化学薬品を含まないもので、小麦のパンに比べて匂いが弱かった。
【0076】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明のパンは、米粉を主原料として使用し、粘つかず、酸味が弱く、化学物質を含まず、老若に関わらず受け入れられる味を有し、若者などの米離れを防ぎ、米の需要の増大に寄与するものである。
【0077】本発明方法によれば、上述した本発明の新規な米パンを容易に作ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】300071384
【氏名又は名称】上野 良之
【出願日】 平成12年9月25日(2000.9.25)
【代理人】 【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
【公開番号】 特開2002−95404(P2002−95404A)
【公開日】 平成14年4月2日(2002.4.2)
【出願番号】 特願2000−290814(P2000−290814)