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【発明の名称】 ベーカリー製品用ミックス及びベーカリー製品の製造方法
【発明者】 【氏名】宮村 英孝

【氏名】稲垣 泰男

【氏名】中里 博子

【氏名】進藤 宏子

【要約】 【課題】ソフトで軽い食感を有するベーカリー製品を、天然由来の乳化剤を使用して提供する。

【解決手段】乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを併用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを含有することを特徴とするベーカリー製品用ミックス。
【請求項2】 ミックス中、植物性ステロール及びレシチンの合計含有率が0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載のベーカリー製品用ミックス。
【請求項3】 植物性ステロール及びレシチンの合計含有量中、植物性ステロールが5〜20重量%を占めていることを特徴とする請求項1又は2記載のベーカリー製品用ミックス。
【請求項4】 乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを併用することを特徴とするベーカリー製品の製造方法。
【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項記載のミックスを用いることを特徴とする請求項4記載のベーカリー製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパン、ケーキ、ホットケーキ、ドーナツなどの各種ベーカリー製品用ミックス及びベーカリー製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パンやケーキ、ドーナツ類などのベーカリー製品に使用される乳化剤としては、一般にレシチン、モノグリセライド、モリグリ誘導体、蔗糖脂肪酸エステル等が知られている。一方、近年の消費者の健康への強い志向に伴ない、食品についても天然由来の原料を使用したものが望まれるようになっており、乳化剤もその例外ではない。然るとき、上記の如き従来使用されている乳化剤の中、天然由来のものとしては卵黄や大豆由来のレシチンのみである。然しながら、斯かるレシチンを使用してベーカリー製品を製造した場合には、天然由来ではあるものの、ソフトで軽い食感が得られないと云う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き従来の問題に鑑みてなされたものであり、ベーカリー製品のうち、パン・ケーキ等の焼成品については、ソフトで軽い食感の製品を天然由来の乳化剤を使用して提供することを目的とする。また、ドーナツ等の油で揚げる製品については、ソフトでサクミのある製品を天然由来の乳化剤を使用して提供することを目的とする。而して、本発明者は当該目的を達成すべく種々研究を重ねた結果、乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを併用すれば、極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを含有することを特徴とするベーカリー製品用ミックスにより上記目的を達成したものである。
【0005】また、本発明は乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを併用することを特徴とするベーカリー製品の製造方法により上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に於て植物性ステロールとは、大豆等の植物に含まれる種々のステロールの総称を云う。また、本発明に使用されるレシチンは、卵黄レシチン、大豆レシチン等の如何を問わない。
【0007】本発明に於てミックス中に於ける斯かる植物性ステロール及びレシチンの合計含有率は、0.1〜5重量%、特に0.1〜1.0重量%とするのが好ましい。因に、該含有率が0.1重量%より少ないとソフトで軽い食感が得られにくく、他方該含有率が5重量%より多いとソフト過ぎてねちゃついたものとなり易い。
【0008】また、植物性ステロール及びレシチンの合計含有量中、植物性ステロールの含有率を5〜20重量%、特に8〜12重量%とするのが好ましい。因に、該含有率が5重量%より少ないとレシチンの含有量が過多となって、ソフトで軽い食感が得られにくく、他方該含有率が80重量%より多いとしっとりしすぎて、べたつく食感となり易い。
【0009】尚、本発明に用いられる他のミックス原料としては、例えば小麦粉、脱脂粉乳、糖類、食塩、ショートニング、膨張剤等、目的とするベーカリー製品に応じて適宜選定される。また、ベーカリー製品の製造方法は、乳化剤として植物性ステロール及びレシチンを併用する限りその具体的製法の如何を問わないが、本発明ミックスを用いるのが特に簡便で有利である。
【0010】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【0011】実施例1表1記載の配合により食パン用ミックスを調製した。次いで、この食パン用ミックスに水210.0重量部を加え、ホームベーカリー(松下電器産業株式会社製「BT−101」)を用い、4時間コースにて食パンを製造した(ドライイースト2.7g使用)。この食パンの食感は、ソフトで軽いものであった。
【0012】
【表1】

【0013】試験例1食パン用ミックス中の植物性ステロール及び粉末レシチンの合計含有率を表2に記載のように代えた以外は実施例1と同様にしてそれぞれ食パンを製造した。得られた各食パンを10名のパネラーにて試食し、表3に記載の評価基準に基き、その食感を評価した。その結果の平均値は表2に示す通りであった。
【0014】
【表2】

【0015】
【表3】

【0016】試験例2植物性ステロール及びレシチンの合計含有量中の植物性ステロールの含有率を表4記載のように代えた以外は実施例1と同様にしてそれぞれ食パンを製造した。得られた各食パンについて試験例1と同様に試食し、食感を評価した。その結果は表4の通りであった。
【0017】
【表4】

【0018】実施例2表5記載の配合によりケーキドーナツ用ミックスを調製した。次いでこのケーキドーナツ用ミックスに水25重量部を加え、以下常法に従い攪拌混合〜油揚げを行なって、ケーキドーナツを製造した。このケーキドーナツの食感はソフトで軽いものであった。
【0019】
【表5】

【0020】比較例1ケーキドーナツ用ミックス中に、植物性ステロールを添加しなかった以外は実施例2と同様にしてケーキドーナツを製造した。このケーキドーナツの食感は硬く、重いものであった。
【0021】比較例2ケーキドーナツ用ミックス中に、レシチンを添加しなかった以外は実施例2と同様にしてケーキドナーツ用ミックスを製造した。このケーキドーナツの食感はソフトすぎる食感であった。
【0022】実施例3表6記載の配合によりスポンジケーキ用ミックスを調製した。次いで、このスポンジケーキ用ミックスに卵10重量部及び牛乳80重量部を加え、以下常法に従い攪拌混合〜焼成してスポンジケーキを製造した。このスポンジケーキの食感はソフトで軽いものであった。
【0023】
【表6】

【0024】実施例4表7記載の配合によりホットケーキ用ミックスを調製した。次いで、このホットケーキ用ミックスに卵25重量部、牛乳75重量部を加え、以下常法に従い攪拌混合〜焼成してホットケーキを製造した。このホットケーキの食感はソフトで軽いものであった。
【0025】
【表7】

【0026】実施例5表8記載の配合によりドーナツ用ミックスを調製した。次いで、このドーナツ用ミックスに卵13重量部及び水25重量部を加え、以下常法に従い攪拌混合〜油揚げしてドーナツを製造した。このドーナツの食感はソフトで軽いものであった。
【0027】
【表8】

【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ソフトで軽い食感を有する各種ベーカリー製品を、天然由来の乳化剤を使用して製造し得るので、消費者の健康ニーズに合致したベーカリー製品を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】398012306
【氏名又は名称】日清フーズ株式会社
【出願日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【代理人】 【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外4名)
【公開番号】 特開2002−84962(P2002−84962A)
【公開日】 平成14年3月26日(2002.3.26)
【出願番号】 特願2000−272713(P2000−272713)