トップ :: A 生活必需品 :: A21 ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地

【発明の名称】 風味付けされたドウシステム
【発明者】 【氏名】ミケーレ・フイアモイ

【氏名】ラフアエル・ストロナテイ

【氏名】ジモン・クリストフアー・フスクロフト

【要約】 【課題】風味付けされたドウシステムの提供。

【解決手段】少なくとも小麦粉、水、パン種及びパン改良剤成分を含んでなるドウシステムとベークド成形ドウシステムであって、更にカプセル封入された両親媒性フレーバーも含んでなるドウシステム、並びにこのようなドウシステムを製造する方法に関する。ドウシステムが0.01〜10重量%のカプセル封入された両親媒性フレーバーを含み、サイズは2mm未満であり、フレーバがハイドロゲルシェルとオイルコアを持つマイクロカプセルを含み、両親媒フレーバーはパンフレバー、オリーブ油フレーバー、バターフレバー、ラードフレバー、酵母フレーバー、及びサワードフレバーの群から選ばれる群から選ばれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも小麦粉、水、パン種及びパン改良剤成分を含んでなるドウシステムであって、さらにカプセル封入された両親媒性フレーバーも含んでなるドウシステム。
【請求項2】 ドウシステムが小麦粉と、小麦粉基準で45から75、好ましくは50から70、最も好ましくは55から65重量%の水と、0.1から10重量%のパン種、好ましくは酵母と、0から3重量%の食塩と、そして0.1から10重量%のパン改良剤組成物を含んでなる請求項1に記載のドウシステム。
【請求項3】 ドウシステムが生ドウまたは部分的に焼いたドウまたは発酵したドウシステムである請求項1及び2に記載のドウシステム。
【請求項4】 ドウシステムが冷凍した成形ドウシステム、特に冷凍した、部分的に発酵し、部分的に焼いたドウシステムである請求項3に記載のドウシステム。
【請求項5】 ドウシステムが0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%のカプセル封入された両親媒性フレーバーを含んでなる請求項1から4に記載のドウシステム。
【請求項6】 カプセル封入されたフレーバーが2mm未満、特に0.3mm未満のサイズを有する請求項1から5に記載のドウシステム。
【請求項7】 カプセル封入された両親媒性フレーバーがハイドロゲルシェルとオイルコアを持つマイクロカプセルを含んでなる請求項1から6に記載のドウシステム。
【請求項8】 両親媒性フレーバーがパンフレーバー、オリーブ油フレーバー、バターフレーバー、ラードフレーバー、酵母フレーバー及びサワードウフレーバーからなる群から選ばれる請求項1から7に記載のドウシステム。
【請求項9】 ドウシステムが2から84、好ましくは4から32の脂肪層の貼り合わせられたドウである請求項1から8に記載のドウシステム。
【請求項10】 請求項1から9に記載の組成物の成形ドウシステムを焼いた後に得られるベークドパン製品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は風味付けされたドウに関する。
【0002】
【従来の技術】パン製品は、特に、そのフレーバーの感じのために、消費者により高く評価される。これは、また、製造したてのパンが製造したてでないパンよりも大抵評価が高い理由でもある。しかしながら、新しいパンを毎日製造することは、パンの製造のためにパン製造者が毎日朝早く起きなければならないことを意味するために、パン製造者にシビアな重荷を負わせることになる。パン製造者にとってのこの問題を克服するための方法と製品が開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの努力の結果、部分的に焼いたパンとすぐに焼けるパンの概念が生まれたが、これらの製品は、なお、焼いた後に得られる製品のフレーバーの感じが不充分であるという事実で悩んでいる。高レベルのフレーバーをレシピ中に利用することによりこのことを部分的に補正することができたが、なおかなりの量のフレーバー成分は、どちらかというと揮発性であって、部分的に焼く間、あるいはその後で焼く間に消失してしまう。更には、ドウがくっつきやすくなり、ドウの作業性が低下するので、高レベルのフレーバーの利用は、また、ドウの特性にマイナスの影響を及ぼす。慣用のドウ製造工程のもう一つの難点は、ベークド製品を噛んだ時のフレーバーの充満感を得ることができなかったということである。これは、慣用の製品中のフレーバー成分はドウ中で均質に分布するが、それに対してフレーバーの充満のためには、分布は不均質でなければならないという事実によるものである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記に示した欠点を克服することができる新規な方法と新規な製品を見出すことができるか否かを研究した。
【0005】この研究から、第1の例として米国特許第6,045,835号で開示されているようなカプセル封入された両親媒性フレーバーの使用が上記の問題を解決することができるという発見がなされた。米国特許第6,045,835号は、ドウシステムにフレーバーを与えるためにそこで記述したカプセル封入されたフレーバーを使用する可能性を示唆していない。この明細書で使用されるところの「両親媒性フレーバー」という用語は、部分的に水溶性であって、かつ部分的に油溶性である、すなわち二元性の溶解性を示すフレーバーを包含する。この本発明のカプセル封入した両親媒性フレーバーは、ハイドロゲルシェルとオイルコアを持つマイクロカプセルの形態で得られる。
【0006】米国特許第5,902,622号は、パン製造の用途に適する天然の、熱安定性風味料を製造する方法を記述している。この風味料は、ハーブ、スパイス、フルーツ、ナッツまたは他の植物材料を食用油、水及び乳化剤の混合物により抽出し、次いで、その後カプセル封入される液体風味料留分を分離することにより製造されている。この抽出工程は、親油性及び親水性の風味料成分の双方を抽出すると言われている。記述されているカプセル封入工程は、ハイドロゲルシェルとオイルコアを有するマイクロカプセルを生成しない。
【0007】
【発明の実施の形態】1番目の実施態様においては、本発明は、少なくとも小麦粉、水、パン種及びパン改良剤成分を含んでなり、このドウシステムがさらにカプセル封入された両親媒性フレーバーも含んでなるドウシステムに関する。このカプセル封入したフレーバー成分は、米国特許第6045835号に開示されている方法により製造され得る。それゆえ、米国特許第6045835号の内容は、引用により本明細書に組み込まれられている。事実上、この米国特許の方法は、次のステップを含む。
(i)シェルでオイルを保持するためのオイルコアを取り囲むハイドロゲルシェルを有するマイクロカプセルが製造され、(ii)保持されたオイルコア中に輸送するために両親媒性フレーバーが水の存在下でマイクロカプセルに添加され、(iii)この化合物が水性拡散によりハイドロゲルコアを通って輸送され、(iv)そして、このオイルコアが輸送中にハイドロゲルシェル中に保持されて、カプセル封入されたフレーバーを提供する。
【0008】引き続きマイクロカプセルを脱水するか、あるいは該カプセルを架橋することにより、フレーバーは、マイクロカプセル内に効果的に閉じ込められる。
【0009】上記工程により得られるマイクロカプセルは、2mm未満、特に0.3mm未満のサイズを有する。これらのマイクロカプセルは、製品特性にマイナスの影響を及ぼすことなくドウシステム中で適用され得る。カプセル封入されたフレーバーの量は、好適には小麦粉基準で0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%である。
【0010】この両親媒性フレーバーは、米国特許第6045835号に記述さられている定義により両親媒性とされるいかなるフレーバーであることもできる。典型的な例は、パンフレーバー、オリーブ油フレーバー、バターフレーバー、ラードフレーバー、酵母フレーバー、サワードウフレーバー及びフルーツフレーバーである。最良の結果は、オリーブ油フレーバー、エキストラバージンオリーブ油フレーバー、バターフレーバー及びパンフレーバーにより得られる。
【0011】本発明の好ましい実施態様においては、カプセル封入された両親媒性フレーバーは、コアセルベーション工程により得られる。このようなコアセルベーション工程においては、コロイドに富む相(コアセルベート)とコアセルベート化剤(平衡化剤(equilibrium agent))の水溶液とへの分離が起こり、タンパク質、炭水化物、または重合性液滴により被覆されたオイルを形成する。この工程においては、2つの油相と1つの水相が吸着されて、最終的に1つの油相と1つの水相となる。第1の油相がマイクロカプセルコアを形成する。このコアは、ハイドロゲルカプセルにより取り囲まれており、本明細書では分散相(コロイド)が連続相(水)と組合わさって、粘稠なゼリー状の製品を生成するコロイドとして定義される。両親媒性フレーバーの水中への分散に続いて第2の油相が得られる。
【0012】好ましくは、カプセル封入されたフレーバーにより構成されるマイクロカプセルのハイドロゲルシェルは、タンパク質(例えば、ゼラチン)、炭水化物(例えば、アラビアゴム、アルギネートまたはカルボキシメチルセルロース)、合成ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)及びこれらの混合物からなる群から選ばれる材料から本質的に構成される。
【0013】このドウシステムは、通常のドウ成分を慣用の量で含んでなる。このように、このドウシステムは、小麦粉と、小麦粉基準で45から75、好ましくは50から70、最も好ましくは55から65重量%の水と、0.1から10重量%のパン種、好ましくは酵母と、0から3重量%の食塩と、そして0.1から10重量%のパン改良剤組成物を含んでなる。このドウシステムは、いかなるドウシステムとすることもでき、すなわちこのシステムは、生ドウまたは部分的に焼いたドウまたは発酵したドウシステムとすることもできる。
【0014】このドウシステムは、同じ成分を含有するが、ねかさなかった及び/または発酵しなかったドウシステムと比較して、0から250、好ましくは10から200、最も好ましくは50から100容量%増加した比容積を有する。好ましいドウシステムは、冷凍した成形ドウシステム、特に冷凍した、部分的に発酵した、部分的に焼いたドウシステムである。
【0015】ドウ中に存在するパン改良剤組成物は、既知のパン改良剤成分、すなわちパン改良用酵素、酸化防止剤、乳化剤、増粘剤、モルト抽出物、すべてのモルト化小麦粉、大豆粉、砂糖、ライ麦粉区分、小麦粉区分、脂肪及びミルク成分(ラクトース、ホエー透過物、ホエーミルク、スキムミルク、全乳)、安定化剤(リン酸ナトリウム及びカルシウム)、酸、塩基及び塩(酢酸及び塩、乳酸及び塩、リンゴ酸及び塩、酒石酸及び塩、炭酸塩、硫酸塩)の成分の群から選ばれる一つあるいはそれ以上の成分を含有することができる。好適なパン改良用酵素は、アミラーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼグルコオキシダーゼ、カタラーゼ、パーオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、アミログルコシダーゼ、リポキシゲナーゼプロテアーゼ、リパーゼからなる群から選ばれる。適用することができる乳化剤は、DATEM−エステル、モノ及びジグリセライド、レシチン、SSL、CSLである。
【0016】酸化防止剤として、アスコルビン酸及びビタミンEを本発明のドウで使用することができる。有用な増粘剤は高吸水能の増粘剤である。この例は、デン粉、変性デン粉、グアーガム、ペクチン、ゼラチン、大豆粉、ルピナス粉、小麦グルテン、予備ゼラチン化小麦粉、キサンタンガム、カルボキシメチル−セルロース及びL−システイン、グルタチオン等の即時性のドウ成分である。
【0017】このパン改良剤組成物は、使用し得るいかなる形式でも使用され得る。このように、この組成物は、液体、または微粉化した粉末または押し出し物またはショートニングとすることができる。
【0018】このドウは、通常の方法で所望の形状に成形され得る。好ましい成形ドウは、また、シート状とされた、あるいはラミネート化されたドウ及びバゲットまたはフランスパンまたは特定の市場に適当な他の形状を製造するのに好適なドウとすることもできる。ラミネート化されたドウは、2から84、好ましくは4から32の脂肪層を有する。この成形ドウは、またチョコレート等の詰め物または風味のよい詰め物を入れることもできる。このように、詰め物をした焼いたパン製品を得ることができる。
【0019】本発明の一部は、また、本発明の成形ドウ製品を焼いた後に得られるパン製品である。
【0020】本発明のドウは、ドウ製造の慣用の加工方法により得られる。この厳密な加工は、所望される製品のタイプに依存する。すなわち、生ドウに対しては、Rtbまたは冷凍されたパーベークドドウの製造に対するのと別に、もう一つの方法が使用される。この加工は、実際、本発明のドウシステムの製造の方法であって、ドウ成分の小麦粉、水、乳化剤、パン改良剤組成物、パン種及び場合によっては食塩を慣用の方法で異なった所望の製品に必要とされる量に相当する量で混合し、このように得られたプレミックスを20から40℃で0から60分間ねかせ、そこでこのドウを最終製品(すなわち、ドウ、すぐに焼けるドウ、または部分的に焼いたドウの製造のために)に必要とされるのに応じて成形あるいはラミネート化あるいは検査あるいは冷凍し、そこで、このように得られた製品を焼いて、場合によっては解凍した後、焼いた最終のパン製品、または更に焼く必要のある部分的にベークドパン製品を得る方法として要約され得る。
【0021】
【実施例】示した条件を用いてバゲットドウを下記の表に挙げた成分から製造した。この表においては、カプセル封入された両親媒性フレーバーを含有する本発明のドウの調製品を開示し、一方比較のドウをフレーバー無しで、また非カプセル封入フレーバーにより製造した。
【0022】
【表1】

【0023】カプセル封入されたパンフレーバーを用いる焼いた最終製品においては、本発明のカプセル封入された特別な成分の使用により長持ちするアロマとフレーバー/風味が提供される。
【出願人】 【識別番号】501229115
【氏名又は名称】ユニリーバー・エヌ・ブイ
【出願日】 平成13年6月7日(2001.6.7)
【代理人】 【識別番号】100060782
【弁理士】
【氏名又は名称】小田島 平吉
【公開番号】 特開2002−27903(P2002−27903A)
【公開日】 平成14年1月29日(2002.1.29)
【出願番号】 特願2001−172353(P2001−172353)