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【発明の名称】 乾燥果実入りバターの誘導食品とその製造方法
【発明者】 【氏名】山村 新一

【要約】 【課題】レーズンバターは、食材としての素材があくまでバターであり、脂肪分が多いので、食される量がきわめて少量に限られていた。本発明は、多くの量を食することができる、全く新規な乾燥果実入りバターの誘導食品を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、乾燥果実入りバターの外側が、フランスパンの外皮とそれと連続するフランスパンの内相とからなる外皮部で被覆されている乾燥果実入りバターの誘導食品を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乾燥果実入りバター(2)の外側が、フランスパンの外皮(3)とそれと連続するフランスパンの内相(4)とからなる外皮部(5)で被覆されていることを特徴とする乾燥果実入りバターの誘導食品。
【請求項2】 フランスパンの外皮部(5)の厚さが、1.0mm 〜10.0mmである請求項1記載の乾燥果実入りバターの誘導食品。
【請求項3】 乾燥果実入りバター(2)がレーズンバターである請求項1又は2記載の乾燥果実入りバターの誘導食品。
【請求項4】 フランスパンの両端部(6)を切断した後、フランスパンの内相をくり抜き、次にくり抜かれた空間部(7)に、乾燥果実入りバターを充填し、その後、充填された乾燥果実入りバターを固化して製造することを特徴とする乾燥果実入りバターの誘導食品の製造方法。
【請求項5】 くり抜かれた空間部(7)に乾燥果実入りバターを充填した直後に冷凍して乾燥果実入りバターを固化する請求項4記載の乾燥果実入りバターの誘導食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥果実入りバターの誘導食品とその製造方法、さらに詳しくは、レーズンバター等の乾燥果実入りバターに近似した全く新規な食品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知のように、レーズンバターは、味の相性が合致するということから、ウイスキーやワインのような洋酒類のつまみとして食されているが、一方ではウイスキーのようにアルコール度の高い酒類のつまみとして食すると、その多量の脂肪分によって胃の粘膜を保護するという効果があることも認められている。このような理由から、美味なつまみ、嗜好品として広く用いられている。
【0003】しかし、レーズンバターの食材としての素材はあくまでバターであり、本来パン等に付けて食べるものであるので、ウイスキー等のつまみとして食されているとはいえ、脂肪分が多いために食される量もきわめて少量に限られる。本発明は、このような点に鑑みて、全く新規な乾燥果実入りバターの誘導食品を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を解決するために、乾燥果実入りバター2の外側が、フランスパンの外皮部5、すなわちフランスパンの外皮3とそれと連続するフランスパンの内相4とからなる部分で被覆されていることを特徴とする乾燥果実入りバターの誘導食品1を提供する。
【0005】斯かる構成からなる乾燥果実入りバターの誘導食品1は、乾燥果実入りバター2が、フランスパンの外皮部5で被覆されているので、バターが直接舌等の口内に接触することが少なく、従って一般のレーズンバターを食する場合と比較すると、バターの濃厚な脂肪分によるべたつきが緩和され、食べやすくなる。よって、一般のレーズンバターに比べて食べることができる量を増やすことが可能となる。
【0006】また、フランスパンの外皮3は、他種のパンに比べて適度な硬さがあるため、レーズンバターの硬さにもほどよく適合し、食感がよいとの利点も有する。すなわち、フランスパン以外の柔らかい触感のパンを外皮部として用いると、レーズンバターを噛み砕く前に容易に外皮部が軟化し外皮部の存在感がなくなるので、レーズンバターの食感と合わないものとなる。
【0007】好ましくは、フランスパンの外皮部5の厚さは、1.0 〜10.0mm、特につまみとして食するとの観点からさらに好ましくは2.5〜8.5mmとされる。
【0008】斯かる構成からなる乾燥果実入りバターの誘導食品1は、フランスパンの外皮3とともに、外皮3に比べ柔らかく且つ目の粗いスポンジ状の内相4とにより、乾燥果実入りバター2が被覆されるので、全体として弾力性に富み、歯ごたえのある独特の食感を有し、従って、レーズンバターの味をそのまま生かし、しかも一般のレーズンバターとは全く異なる斬新な味や食感を実現するとの利点を有する。
【0009】また、乾燥果実入りバター2としては、主としてレーズンバターが用いられる。
【0010】斯かる乾燥果実入りバター誘導食品1は、濃厚なバターの味とレーズンの酸味がかった甘みとが、淡白なフランスパンの外皮部5の味に非常に良く適合し、さらに、美味しく食べることが可能となるとの利点を有する。
【0011】また本発明は、フランスパンの両端部6を切断した後、フランスパンの内相4をくり抜き、次にくり抜かれた空間部7に、乾燥果実入りバター2を充填し、その後、充填された乾燥果実入りバター2を固化して製造することを特徴とする乾燥果実入りバターの誘導食品1の製造方法を提供する。
【0012】斯かる製造方法は、レーズンバターがフランスパンと一緒に焼かれないので、レーズンバター及びフランスパンの味が変わることなく、さらにレーズンバターとフランスパンの混ざり合う部分が少ないとの利点を有する。また、斯かる製造方法は、特別の製造装置を用意する必要がなく、容易且つ低コストであるとの利点を有する。
【0013】好ましくは、くり抜かれた空間部7に乾燥果実入りバター1を充填した直後に冷凍して乾燥果実入りバター1を固化することができる。
【0014】斯かる製造方法は、製造に要する時間が少なく、加えてレーズンバター部分とフランスパン部分の混ざり合いがさらに抑制されるので、幅方向に切断された断面の見栄えが良く、商品価値が増大するとの利点を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。図1は幅方向に切断された本発明に係る乾燥果実入りバターの誘導食品1の斜視図、図2は本発明に係る乾燥果実入りバターの誘導食品1の平面図である。
【0016】本実施形態に係る誘導食品は、外見上はフランスパンと相違しないが、その長手方向の両端部6は、一度切断された後、再び元の位置に設置されており、また内部にレーズンバターが充填されている。
【0017】その構成をより具体的に説明すると、この誘導食品1は、内相4及び外皮3からなるフランスパンの両端部6が切断されたことによって形成された両端面の間を貫通するように、より具体的には略円筒状にフランスパンの内相4がくり抜かれている。そして、くり抜かれた空間部7には、レーズンバター2が充填されている。
【0018】次に、本発明に係る誘導食品1の好ましい製造方法について述べる。先ず、図4に示すように、外皮3と内相4とからなるフランスパン10を準備する。
【0019】次に、図5に示すように、フランスパンの長手方向に対する両端部6を幅方向に切断し、その両端に略円形の断面を形成する。
【0020】そして、図6に示すように、この両端部6が切断されたフランスパンの内相4を、両端部6に形成された断面のうち一方の断面のから、他方の断面の方向に先端部が円筒状となったドリルを貫通させることによってくり抜くき、レーズンバターが充填される空間部7を形成する。
【0021】続いて、図7に示すように、レーズンバターが柔らかくなり流動性を有するような温度にレーズンバターを加温し、この流動性を有する状態で、前記くり抜かれた空間部7にレーズンバターを充填する。また、その際に、先に切断した2つの両端部6の内の1つを、前記空間部7の一端部に戻しておくことが好ましい。かかる充填の際に、レーズンバターが、それが充填される側の端部8と反対側に位置する端部9から漏れるのを防止することが可能で、それによって無駄なく効率的に充填を行うことができるからである。
【0022】次に、図3にしめすように、レーズンバターが充填されたフランスパンに、先に切断した両端部6の残る1つを戻し両端8,9を塞いだ後、直ちに冷凍することにより、注入されたレーズンバターが固化し、本発明に係るレーズンバターの誘導食品1が製造される。
【0023】この様にして製造されたレーズンバター入り誘導食品1は、望む厚みを持って幅方向に切断され、酒のつまみ様等に用いられる。
【0024】尚、本発明においては、乾燥果実入りバターとしてレーズンバターを主眼とするが、レーズンバター以外にサクランボを乾燥したものをバターに混練したチェリーバターや、柑橘類の皮を乾燥したものをバターに混練したオレンジバター等、他の果実をバター内に充填することも可能である。
【0025】また、本発明に係る誘導食品1は、主にフランスパンとレーズンバターとからなるが、このフランスパンは特に限定されず、パンの内相4に比べ堅い外皮3と、スポンジ状の内相4とからなる外皮部5が備えられる一般的なものであればよい。
【0026】さらに、両端部6の切断する位置は特に限定されないが、その断面積が、形成を予定しているレーズンバター部分の幅方向の断面積より大きいものとなるような位置が望ましい。
【0027】また、内相4をくりぬく方法は前述の方法に限定されず、両端部6に形成された2つの断面が貫通するものであればよく、例えば、細長いカッター等でくり抜いても良い。
【0028】さらに、レーズンバターの充填方法は特に限定されず、空間部7を満たすのもで有れば良く、例えば、細いノズルを用いて、空間部7の奥から順に充填する方法等でも良い。
【0029】
【発明の効果】前述のように、本発明は、フランスパンの外皮部5で被覆されているので、バターが直接舌等の口内に接触することがなく、従って一般のレーズンバターを食する場合と比較すると、バターの濃厚な脂肪分によるべたつきが緩和され、食べやすくなる。このことにより、一般のレーズンバターに比べて食される量を増やすことができるとの利点を有する。
【0030】また、フランスパンの外皮3とレーズンバターの硬さが程良く適合するので、食感が良く、さらに、指が直接バターに接することがないので、指がべたつくことがなく、容易に手で取ることができるとの利点を有する。
【0031】さらに、フランスパンの外皮とともに、外皮に比べ柔らかく且つ目の粗いスポンジ状の内相とにより、乾燥果実入りバターが被覆されるので、全体として弾力性に富み、歯ごたえのある独特の食感を有し、従って、レーズンバターの味をそのまま生かし、しかも一般のレーズンバターとは全く異なる斬新な味や食感を実現するとの利点を有する。
【0032】また、濃厚なバターの味とレーズンの酸味がかった甘みとが、淡白なフランスパンの外皮部の味に非常に良く適合し、さらに、美味しく食べることが可能となるとの利点を有する。
【0033】さらに、レーズンバターがフランスパンと一緒に焼かれないので、レーズンバター及びフランスパンの味が変わることなく、さらにレーズンバターとフランスパンの混ざり合う部分が少ないとの利点を有する。
【0034】また、斯かる製造方法は、特別の製造装置を用意する必要がなく、容易且つ低コストであるとの利点を有する。
【0035】さらに、製造に要する時間が少なく、加えてレーズンバター部分とフランスパン部分の混ざり合いがさらに抑制されるので、幅方向切断された断面の見栄えが良く、商品価値が増大するとの利点を有する。
【0036】また、乾燥果実入りバターが充填された直後に冷凍されるので、長期間の保存が可能となるとの利点も有する。
【出願人】 【識別番号】500318472
【氏名又は名称】株式会社山村食品
【出願日】 平成12年7月6日(2000.7.6)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外1名)
【公開番号】 特開2002−17241(P2002−17241A)
【公開日】 平成14年1月22日(2002.1.22)
【出願番号】 特願2000−204556(P2000−204556)