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【発明の名称】 蕎麦の製麺装置
【発明者】 【氏名】森 吉良

【要約】 【課題】小麦粉などのつなぎを使用しない蕎麦粉のみを使用した蕎麦生地を麺線に加工する製麺装置を提供すること。

【解決手段】後部の周壁に混練された蕎麦生地を入れる開口をあけた筒体2と、この筒体2の先端に設けた多数の穴31を有するノズル板3と、筒体2の中に挿通されて蕎麦生地をノズル板3へ押し進めるスクリュー1とを備えた製麺装置であって、スクリュー1は、略円錐形の心棒11に形成された螺旋状のスクリューであって、心棒11の外径が大きくなるのに応じてスクリューのピッチを小さくしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 後部の周壁に蕎麦生地を入れる開口をあけた筒体と、該筒体の先端に設けた多数の穴を有するノズル板と、上記筒体の中に挿通されて蕎麦生地をノズル板へ押し進めるスクリューとを備えた製麺装置において、上記スクリューは、略円錐形の心棒に形成された螺旋状のスクリューであって、上記心棒の外径が大きくなるのに応じてスクリューのピッチを小さくしたものであることを特徴とする蕎麦の製麺装置。
【請求項2】 筒体の後部の周壁にあけた開口に、蕎麦生地を押し込むテーパー付きスクリューを有するホッパーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の蕎麦の製麺装置。
【請求項3】 筒体の後部の周壁にあけた開口に、蕎麦生地を押し込むシリンダーおよびピストンよりなる手押しポンプを設けたことを特徴とする請求項1に記載の蕎麦の製麺装置。
【請求項4】 手押しポンプは、手で押し下げる力点と、ピストン・ロッドの先端が結合された荷重点と、揺動する棒の先端が揺動自在に結合された支点とを有する梃子棒を備え、ピストン・ロッドが垂直に上下動して梃子棒の荷重点が横方向に揺動しないことを特徴とする請求項3に記載の蕎麦の製麺装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蕎麦の製麺装置に関し、特に、蕎麦粉を使用して小麦粉などのつなぎを使用しないで製麺する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蕎麦粉は、澱粉質が多く、グルテンの含有量が少なくて粘りがないので、つなぎとしてグルテンを多く含有する小麦粉を20%程度添加して蕎麦の麺線に加工している。このような蕎麦は、「2−8蕎麦」と呼ばれ、廉価な従来の製麺装置によって製造可能である。
【0003】蕎麦粉と小麦粉との混合率により、2−8の他に3−7、同割(蕎麦粉と小麦粉が同量)があり、つなぎとして小麦粉以外の材料(ヤマノイモ、鶏卵、鯛のすり身など)を用いる製法が実施されている。
【0004】このように、蕎麦粉以外のつなぎを混入すると、蕎麦の風味、舌触り、のどごしの鮮やかさなどの食感が損なわれるので、つなぎを混入しないことが望ましい。
【0005】また、回転羽根を有するミキサーによって、つなぎを混入しない蕎麦粉を混練して蕎麦生地を作り、大きい圧力をかけて無理にノズルから押出して製麺すると、麺線が短く千切れて食感が日本蕎麦とかけ離れたものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】小麦粉などのつなぎを全く使用しない蕎麦粉100%の蕎麦は、機械によって麺線に加工することが困難であるから、人手によって、練り上げ、延ばし、切り分けの各工程を経て作られていた。しかし、この人手による製麺工程のうち、練り上げ工程は、200〜260回にわたって手で揉まなければならず、所要時間は約40分であり、延ばし工程、切り分け工程の何れの工程も熟練および労力を要する作業であり、1日に製麺し得る量には限度があり、多量生産には適さなかった。
【0007】そこで、この発明は、このような問題点を解決するために考えられたもので、蕎麦の風味、舌触り、のどごしの鮮やかさなどの食感を損なうことのない蕎麦粉100%の蕎麦を製造する製麺装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の蕎麦の製麺装置は、後部の周壁に混練された蕎麦生地を入れる開口をあけた筒体と、この筒体の先端に設けた多数の穴を有するノズル板と、上記筒体の中に挿通されて蕎麦生地をノズル板へ押し進めるスクリューとを備えた製麺装置であって、上記スクリューは、略円錐形の心棒に形成された螺旋状のスクリューであって、上記心棒の外径が大きくなるのに応じてスクリューのピッチを小さくしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の蕎麦の製麺装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】(第1の実施形態)この発明の蕎麦の製麺装置は、図1の斜視図およびモータ・カバー7を外した状態の図2の断面図に示すように、スクリュー1を回転自在に挿通した筒体2と、この筒体2の後部の周壁にあけらた穴を経て、予め混練された蕎麦生地を筒体内に投入するホッパー4と、筒体2の先端部に設けられた多数の穴31をあけたノズル板3と、スクリュー1を駆動する減速機14を備えたモータ13とを備えている。
【0011】筒体2に挿通されたスクリュー1は、図2の断面図および図3の斜視図に示すように、略円錐形の心棒11に形成されたものであって、螺旋状のスクリュー1のピッチは、心棒11の外径が大きくなるのに応じて小さくなるように形成されている。
【0012】そして、心棒11の径が小さくてスクリュー1のピッチが大きい部分を後部としてホッパー4に臨ませ、心棒11の径が大きくてスクリュー1のピッチが小さい部分を先端部として多数の穴31をあけたノズル板3に臨ませるように筒体2内に挿通されている。
【0013】スクリュー1の心棒11の後端には、平行な2面に切欠12を形成し、減速機14の出力軸16の先端には、スクリュー1の心棒11の後端が噛み合う凹部15が形成されている。
【0014】筒体2の先端部の外周には、螺子が形成されており、この螺子にねじ込まれるリング状のキャップ32により、多数の穴31をあけたノズル板3を保持している。
【0015】筒体2の後部の周壁には丸穴または角穴があけられ、この丸穴または角穴に短い筒部21が結合され、この筒部21の上端面にホッパー結合用フランジ22が形成されている。
【0016】混練された蕎麦生地を筒体2内に投入するホッパー4は、下端部に結合用フランジ45が形成された倒立円錐台形の漏斗42と、この漏斗42の中で回転するテーパー付きスクリュー41と、このテーパー付きスクリュー41を駆動する減速機44を備えたモータ43とにより構成されており、結合用フランジ45を介して筒体2の後部上に結合されている。
【0017】次に、このように構成された製麺装置の第1の実施形態の動作について説明する。
【0018】回転羽根を有するミキサーによって、手打ち蕎麦と略同じ加水率(重量比で蕎麦粉1:水0.4)で、つなぎを混入しない蕎麦粉を練って予め蕎麦生地を作っておく。
【0019】筒体2のスクリュー1を回転させ、ホッパー4のテーパー付きスクリュー41を回転させながら、漏斗42の中に適当な大きさの塊に丸めた蕎麦生地を投入すると、筒体2の後部へ蕎麦生地を押し込むことができる。
【0020】筒体2の後部に押し込まれた蕎麦生地は、筒体内のスクリュー1によって混練されながらノズル板3に向かって押し進められる。
【0021】筒体2に挿通された螺旋状のスクリュー1は、円錐形の心棒11に形成され、スクリューのピッチは、心棒11の外径が大きくなるのに応じて小さくなるように形成されているので、ノズル板3に近づくほど流路が狭くなって蕎麦生地の混練が進み、かつ圧力および温度が上昇して、ノズル板3の穴から麺線となって押し出される。
【0022】打粉を敷き詰めたトレイをノズル板3の下に置いて、横向きに押し出されてくる麺線を下から手の平で支えながら麺線同士が引っ付かないように打粉を振りかける。そして、押し出された麺線が1食分の長さに達すると、ノズル板3の表面において麺線を手で切り取ってトレイに並べ、茹でる準備をするのである。
【0023】このような製麺作業が終了すると、筒体2の先端部に螺子にねじ込まれているリング状のキャップ32およびノズル板3を外して、筒体2から螺旋状のスクリュー1を引き出して掃除を行い、さらに、筒部21のホッパー結合用フランジ22からホッパー4を外して掃除を行ったのち、元どおり組み立てればよいのである。
【0024】(第2の実施形態)第1の実施形態においては、予め混練された蕎麦生地を筒体2内に押し込むためにテーパー付きスクリュー41を有するホッパー4を使用しているが、第2の実施形態においては、図4の断面図に示すように、手押しポンプ5を使用する。その他の構成および動作は第1の実施形態と同じである。
【0025】手押しポンプ5は、図4に示すように、筒体2のホッパー結合用フランジ22と結合するフランジ55が端面に形成されたシリンダー52と、このシリンダー52内で上下に動くピストン51と、このピストン51を駆動するピストン・ロッド56と、このピストン・ロッド56を動かす梃子棒6とにより構成されている。
【0026】シリンダー52の上部側方には、蕎麦生地を投入するための投入口53があけられており、この投入口53には投入を容易ならしめるための漏斗54が設けられている。
【0027】図5の側面図に示すように、梃子棒6は、手で押し下げる力点Pと、ピストン・ロッド56の先端に回動自在に結合された荷重点(中間部)Wと、揺動する棒61の先端に揺動自在に結合された支点Fとを有する棒であって、支点Fの反対側の離れた位置には、スプリング62が結合されて、スプリング62の弾力によって力点Pおよび荷重点Wを引き上げるように付勢されている。
【0028】シリンダー52が基台に固定され、ピストン51を駆動するピストン・ロッド56が垂直に上下動して梃子棒6の荷重点Wが横方向に揺動できないので、梃子棒6の支点Fを固定することなく、揺動する棒61によって支点Fを揺動可能としたものである。
【0029】次に、このように構成された製麺装置の第2の実施形態の動作について説明する。
【0030】筒体2のスクリュー1を回転させながら、漏斗54を介してシリンダー52の投入口53へ適当な大きさの塊に丸めた蕎麦生地を投入して、スプリング62の弾力に抗して梃子棒6の力点Pを押し下げると、ピストン51によって筒体2の後部へ蕎麦生地を押し込むことができる。押し込まれた蕎麦生地は、筒体内のスクリュー1によって混練されながらノズル板3の穴31から押し出される。
【0031】ピストン51を押し下げたとき、ピストン51の下面の全面に蕎麦生地が付着しており、ピストン51の上面は大気圧で押されているので、スプリング62の弾力が作用してもピストン51およびピストン・ロッド56は上昇しない。
【0032】しかし、筒体2内のスクリュー1によってピストン51の下面の蕎麦生地が引き込まれて、ピストン51の下面に空洞が形成されて空気が流入すると、スプリングの弾力によって、ピストン51は投入口53の上まで引き上げられる。
【0033】このように、ピストン51が投入口53の上まで上昇すると、次の丸めた蕎麦生地を投入して、梃子棒6を押し下げればよいのである。このように、ピストン51の上昇により蕎麦生地を補充するタイミングが分かるので、蕎麦生地を途切れさせることなく連続して製麺作業を行うことができる。
【0034】
【発明の効果】以上の実施の形態に基づく説明から明らかなように、この発明の製麺装置によると、略円錐形の心棒11を有し、螺旋状のスクリューのピッチが、心棒11の外径が大きくなるのに応じて小さくなるように形成したスクリューを使用することにより、麺線が短く千切れてことがなく、茹で上げたときに、人手によって作られた蕎麦粉100%の蕎麦と対比して、風味、舌触り、のどごしの鮮やかさなどの何れの点においても遜色のない蕎麦を得ることができる。
【0035】また、この発明の製麺装置によると、手打ち蕎麦と略同じ加水率で、つなぎを使用しない蕎麦生地であっても、千切れない麺線に加工できるので、労力および熟練を要することなく、蕎麦粉100%の蕎麦を多量生産することができるという効果を奏することができる。
【出願人】 【識別番号】501097684
【氏名又は名称】有限会社チーム大地
【出願日】 平成13年5月24日(2001.5.24)
【代理人】 【識別番号】100099254
【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明 (外3名)
【公開番号】 特開2002−345389(P2002−345389A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−156186(P2001−156186)