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【発明の名称】 麺線掛巻装置
【発明者】 【氏名】福島 繁博

【要約】 【課題】低速巻掛の時間を短縮できると共に、麺掛作業中に麺導管への麺線の供給が途切れる前に簡単な処理で麺線を継ぎ足すことができるようにした麺線掛巻装置の提供を目的とする。

【解決手段】変速位置検出手段12Rでシーソーアーム5が回転軸心方向の変速位置に移動したことを検出すると運転速度を減速し、この後、停止位置検出手段14で麺導管10が右側のストロークエンドに2度移動したことを検出すると運転を停止させ、又、麺導管10から麺線供給経路に沿って所定の距離を隔てた位置で麺線を案内するガイドローラ16の回転停止を検出する麺切れ検出手段19で回転停止が検出された時に運転速度を減速し、この後、停止位置検出手段14により麺導管10が右側のストロークエンドに2度移動したことが検出された時に運転を停止させる制御手段21が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対を成す掛箸を支持したシーソーアームを、その回転軸心の回りに所定の角度範囲内で動揺させながらその回転軸心方向に移動させる一方、前記回転軸心に平行に配置された麺導管を該両掛箸の左右両外側間にわたって往復させることにより、該麺導管を通して供給される麺線を前記掛箸に綾掛けするように構成した麺線掛巻装置において、前記シーソーアームが回転軸心方向の変速位置に移動したことを検出する変速位置検出手段と、前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段と、前記変速位置検出手段により前記シーソーアームがストローク中央側から変速位置に移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段とが設けられることを特徴とする麺線掛巻装置。
【請求項2】 対を成す掛箸を支持したシーソーアームを、その回転軸心の回りに所定に角度範囲内で動揺させながらその回転軸心方向に移動させる一方、前記回転軸心に平行に配置された麺導管を該両掛箸の左右両外側間にわたって往復させることにより、該麺導管を通して供給される麺線を前記掛箸に綾掛けするように構成した麺線掛巻装置において、前記麺導管から麺線供給経路に沿って所定の距離を隔てた位置で麺線を案内するガイドローラと、このガイドローラの回転停止を検出する麺切れ検出手段と、該麺切れ検出手段により前記ガイドローラの回転停止が検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を減速して停止させることを特徴とする麺線掛巻装置。
【請求項3】 前記ガイドローラ及び麺切れ検出手段に加えて前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段を設け、前記麺切れ検出手段により前記ガイドローラの回転停止が検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出した時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段が設けられる請求項2に記載の麺線掛巻装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対を成す掛箸に麺線を綾掛けする麺線掛巻装置に係り、低速巻掛の時間を短縮できる麺線掛巻装置と、麺掛作業中に麺導管への麺線の供給が途切れる前に簡単な処理で麺線を継ぎ足すことができるようにした麺線掛巻装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の麺線掛巻装置として、対を成す掛箸を支持したシーソーアームを、その回転軸心の回りに所定に角度範囲内で動揺させながらその回転軸心方向に移動させる一方、前記回転軸心に平行に配置された麺導管を前記回転軸心を中心にして該両掛箸の左右両外側間にわたって往復させることにより、該麺導管を通して供給される麺線を前記掛箸に綾掛けするように構成したものがある。
【0003】麺線を綾掛けする時には、前記シーソーアームの動揺及び回転軸心方向への移動、並びに麺導管の往復は、麺導管が1往復する間にシーソーアームを2回動揺させ、麺線が重なり合わない程度の所定のピッチでシーソーアームを回転軸心方向に移動させることにより、麺導管を通して供給される麺線が回転軸心方向に見て両掛箸の周りを8文字状に巻掛けられる。
【0004】このようにシーソーアームの動揺及び移動、並びに麺導管の往復を同期させるために、シーソーアームを動揺させる動揺機構と、シーソーアームを回転軸心方向に移動させる移動機構と、麺導管を往復させる麺導管駆動機構とは共通のモータで駆動されるようにしている。
【0005】前記シーソーアームが動揺しながら麺導管の先端側の初期位置から基端近傍の終端位置まで移動する間に該シーソーアームに支持させた対をなす掛箸に麺線が綾掛けされ、この後、終端位置から初期位置に復帰させてから麺線を巻き掛けた掛箸と新しい掛箸とを交換する。
【0006】この従来の麺線掛巻装置には、前記シーソーアームが終端位置側から初期位置に移動したことを検出する初期位置検出と、初期位置から終端位置側に適当な距離だけ離れた第1変速位置をシーソーアームが通過したことを検出する第1変速検出手段と、終端位置から初期位置側に適当な距離だけ離れた第2変速位置をシーソーアームが通過したことを検出する第2変速検出手段と、初期位置側から終端位置にシーソーアームが移動したことを検出する終端位置検出手段と、シーソーアームに同行してこれらの検出手段を駆動する共通の駆動片(ストライカ)とが設けられる。
【0007】又、シーソーアームが初期位置から終端位置に移動する麺掛時には、シーソーアームが初期位置から第1変速位置までは低速で移動し、第1変速位置から終端位置の手前の第2変速位置までは高速で移動し、第2変速位置から終端位置までは、低速で移動するように前記モータを制御する制御回路が設けられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この従来の麺線掛巻装置においては、初期位置と第1変速位置との間隔及び第2変速位置と終端位置との間隔が検出手段の大きさによって一定以上狭くすることができず、麺掛の開始から掛箸の交換までの作業時間を短縮する上で大きな制約があるという問題がある。
【0009】又、麺掛の終了時に麺導管を正確に左右いずれか一方のストロークエンドに停止させるためには、終端位置検出手段の位置を微妙に調整する必要があり、この調整作業に多大の時間と労力が必要になるという問題もある。
【0010】更に、一連の麺線の供給が終了したり、麺線が途中で切れたりして麺線の供給が麺掛作業中に中断された時には、手動でシーソーアームを麺線の供給が中断した位置に戻す一方、麺線を麺導管に通し、麺導管から引出した麺線を掛箸に巻掛けられた麺線に繋いでから運転を再開する必要があり、非常に面倒な処理をしなければならないという問題もある。
【0011】本発明は、これら従来技術の課題を解消し、麺線の巻き終わりに際しての低速巻掛の時間を短縮することができ、かつ、麺導管を正確に左右いずれか一方のストロークエンドに麺導管を停止させることができるようにした麺線掛巻装置を提供することを第1の目的とするものである。
【0012】又、本発明は、麺容器の麺線全部の供給が終る時や、麺線が途中で断線した時など、麺導管への麺線供給が中断する時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作を自動停止させることができるようにした麺線掛巻装置を提供することを第2の目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る麺線掛巻装置は、対を成す掛箸を支持したシーソーアームを、その回転軸心の回りに所定の角度範囲内で動揺させながらその回転軸心方向に移動させる一方、前記回転軸心に平行に配置された麺導管を該両掛箸の左右両外側間にわたって往復させることにより、該麺導管を通して供給される麺線を前記掛箸に綾掛けするように構成した麺線掛巻装置において、前記第1の目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0014】即ち、前記シーソーアームが所定の巻終側変速位置に移動したことを検出する変速位置検出手段と、前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段と、前記変速位置検出手段により前記シーソーアームがストローク中央側から所定の変速位置に移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段とが設けられることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0015】これによれば、変速位置検出手段により前記シーソーアームがストローク中央側から所定の変速位置に移動したことが検出された時から麺導管が1〜2往復するまでの間に、麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを停止位置検出手段が検出するので、低速で運転される時間を最短時間に短縮することができるという作用を得ることができる。
【0016】又、麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段の位置は、麺導管又は麺導管に連動する部品の位置が所定の停止位置に位置することを検出できる位置に設ければよく、シーソーアームの回転軸心方向への位置とは関係なく、左右いずれか一方のストロークエンドに移動させた麺導管に合うように調整すればよいので、短時間で、簡単に、かつ正確に停止位置検出手段の位置合わせができるという作用も得られる。
【0017】又、本発明に係る麺線掛巻装置は、対を成す掛箸を支持したシーソーアームを、その回転軸心の回りに所定に角度範囲内で動揺させながらその回転軸心方向に移動させる一方、前記回転軸心に平行に配置された麺導管を該両掛箸の左右両外側間にわたって往復させることにより、該麺導管を通して供給される麺線を前記掛箸に綾掛けするように構成した麺線掛巻装置において、前記第2の目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0018】即ち、前記麺導管から麺線供給経路に沿って所定の距離を隔てた位置で麺線を案内するガイドローラと、このガイドローラの回転停止を検出する麺切れ検出手段と、該麺切れ検出手段により前記ガイドローラの回転停止が検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を減速して停止させることを特徴とするという技術的手段を採用する。
【0019】ところで、麺線が正常に送られている場合、ガイドローラは麺線に駆動されて回転するが、麺線がガイドローラの手前で断線し、その断線端部がガイドローラを通過したり、容器から供給されている麺線の終端部が前記ガイドローラを通過したりすると、ガイドローラに接する麺線がなくなるのでガイドローラが停止する。更に、ガイドローラよりも向こうで麺線が断線すると、ガイドローラに接している麺線が停止するのでガイドローラも停止する。実際には、麺線の端部がガイドローラを通過する前に麺線のガイドローラに対する接触圧が低下してガイドローラを駆動する力が弱くなりガイドローラが停止することもある。
【0020】このように麺線が断線したり、麺線の供給が途絶えたりしようとする時には、ガイドローラの回転が停止し、前記麺切れ検出手段によりこのガイドローラの回転停止が検出されると、前記シーソーアーム及び麺導管を駆動するモータへの電力供給の停止、電気制動(回生制動、プラッギング、インバータ減速など)などにより前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度が減速され、停止される。
【0021】シーソーアーム及び麺導管の減速が開始されてから現実にシーソーアーム及び麺導管が停止するまでの間、麺線は麺線供給経路に沿って進むが、前記ガイドローラの位置を、その間に麺線が進む距離よりも麺導管から麺線供給経路に沿って遠くに離れた位置に設定すると、麺線の終端が麺導管に入る前に麺線を停止させることができ、麺導管の手前で止まった麺線の終端部に次に麺線を絡み合わせ、指先で揉んで麺線の繋ぎ目の太さを所定の太さ以下に整えるという簡単な処理で、中断された麺線の巻掛けを再開することができるという作用を得ることができる。
【0022】ここで、前記ガイドローラ及び麺切れ検出手段に加えて、前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段と、前記麺切れ検出手段により前記ガイドローラの回転停止が検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段とを設けると、麺切れにより停止する場合には必ず麺導管を左右いずれか一方のストロークエンドに停止させることができるこの場合、前記ガイドローラを麺導管から麺線供給経路に沿って所定の距離、即ち、例えば麺導管のストロークの2倍以上、好ましくは麺導管のストロークの4倍以上離れた位置など麺切れが検出されてから麺掛動作が中断されるまでに麺線が進む距離以上の距離を置いた位置に配置することにより、麺線の終端が麺導管に入る前に麺線が止まるから、麺導管の外側に出た麺線の終端部に次に麺線を絡み合わせ、指先で揉んで麺線の繋ぎ目の太さを所定の太さ以下に整えるという簡単な処理で、中断された麺線の巻掛けを再開することができるという作用を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係る麺線掛巻装置を図面に基づいて具体的に説明すると、以下の通りである。
【0024】図1は本発明の一実施例の係る麺線掛巻装置の構成を示す斜視図であり、この図1に一部分のみが示されているフレーム1に左右のガイドバー2を固定し、これらのガイドバー2に前後方向に摺動可能にサドル3を支持させる。
【0025】又、この麺線掛巻装置には、前記フレーム1に左右のガイドバー2と平行に、かつ前後軸心周りに回転可能に支持されると共に、前記サドル3に螺通されたネジ軸4が設けられ、逆転可能なモータMでこのネジ軸4を回転させることにより記サドル3を前後方向に移動させるようにしている。
【0026】前記サドル3には上下2段に並べたシーソーアーム5をそれぞれ前後軸心周りに回転自在に支持させ、これらシーソーアーム5を、互いに同期して所定の角度範囲内で動揺するように、クラッチを介在させた公知の伝動機構6により前記モータMに連動させている。
【0027】各シーソーアーム5の両端部には左右対をなす掛箸7の後端部が差込まれ、前記サドル3をストローク前端の初期位置からストローク後端まで後退させる間、該シーソーアーム5を動揺させることにより、これら掛箸7をこれらが互いに水平に並ぶ掛箸7の初期位置を中心にして所定のストロークの円弧軌道に沿って上下に動揺させる。
【0028】一方、前記フレーム1の前部には、上下1対のガイドバー8を介して左右に摺動するスライダ9が支持され、このスライダ9に各シーソーアーム5に対応させた上下2段の麺導管10を支持させている。
【0029】このスライダ9を別のクラッチとクランク機構とを備える別の伝動機構11を介して前記モータMに連動させて、前記サドル3をストローク前端の初期位置からストローク後端まで後退させる間、左右の掛箸7の左右両外側にわたる所定の範囲で左右に往復させる。
【0030】前記麺導管10の初期位置は、左右いずれか一方のストロークエンド、例えば右側のストロークエンドに設定され、麺導管10が初期位置から左右両掛箸7の中央に移動する間に右側の掛箸7が初期位置からストローク下端に移動して初期位置に戻り、麺導管10が左右両掛箸7の中央から左側のストロークエンドに移動する間に左側の掛箸7が初期位置からストローク下端に移動して初期位置に戻り、麺導管10が左側のストロークエンドから左右両掛箸7の中央に戻る間に左側の掛箸7が初期位置からストローク上端に移動して初期位置に戻り、麺導管7が左右両掛箸7の中央から初期位置、即ち、右側のストロークエンドに戻る間に右側の掛箸7が初期位置からストローク上端に移動して初期位置に戻るようにしている。
【0031】このようにシーソーアーム5及び掛箸7の上下動と麺導管10の左右動とを同調させながらサドル3及び掛箸7を所定の速度で後退させることにより、麺導管10の後端から麺線Nを引き出して両掛箸7に綾掛けするのである。
【0032】さて、この麺線掛巻装置には、前記サドル3の前後ストロークエンドの近傍に例えばリミットスィッチからなる変速位置検出手段12R、12Fが設けられると共に、前記サドル3にこれら変速位置検出手段12R、12Fを駆動するストライカ13が固定される。
【0033】又、前記電動機構11のクランク機構に設けられるクランクピンの移動軌跡に対向させて例えば磁力線センサからなる停止位置検出手段14が設けられ、前記スライダ9及び麺導管10が例えば右側のストロークエンドに位置する時に前記クランクピンからなる磁性体15がこの停止位置検出手段14により検出されるようにしている。
【0034】更に、前記麺導管10に麺線Nを供給する麺線供給装置は、麺線供給経路に沿った適当な位置にそれぞれ回転自在に配置される複数のガイドローラ16、17、18を備え、これらのガイドローラ16、17、18のうち、麺導管10までの麺線供給経路の長さが前記麺導管10のストロークの4倍以上になっているガイドローラ16の回転停止を検出する麺切れ検出手段19が設けられる。
【0035】この麺切れ検出手段19は、例えば前記ガイドローラ16の端面に固定された磁性体20の磁力線を検出する磁気センサで構成される。
【0036】加えて、この麺線掛巻装置には、これら変速位置検出手段12R、12F、停止位置検出手段14、及び麺切れ検出手段19の検出動作に基づいて前記モータMを制御する制御部21が設けられる。
【0037】ところで、この麺線掛巻装置においては、麺線供給手段から送り出される麺線Nを予め麺導管10に通し、シーソーアーム5に支持させた左右の掛箸7の一方、例えば右側の掛箸7の一端部に手作業で2〜3回巻き掛けた後、スタートスィッチをオンすることにより、麺線Nの巻掛が開始される。
【0038】即ち、図2のフロー図に示すように、電源オンの状態で、スタートスィッチをオンにすると(S1)、モータMが始動され、サドル3、シーソーアーム5及び麺導管10の加速麺掛運転が開始される(S2)。
【0039】モータMの回転数は始動後、例えば1.5秒のインバータ加速時間で0から最高回転数まで加速され、高速麺掛運転(S3)に移行する。そして、サドル3及び掛箸7が後側のストロークエンドに接近し、ストライカ13が後側の変速位置検出手段12Rを駆動すると、この変速位置検出手段12Rの出力が例えばオフからオンに切替えられることにより、サドル3及び掛箸7が後側の変速位置を通過したことが検出される(S4)。この変速位置の通過が検出されると、低速麺掛運転(S5)に切替えられ、モータMの回転数が最高回転数(例えば68Hz)の約5分の1(例えば13Hz)に減速される。
【0040】この低速麺掛運転(S5)で運転速度が減速された後、麺導管10及びスライダ9が初期位置に移動すると、磁性体15が停止位置検出手段14の出力を例えばオンからオフに切替えることにより麺導管10及びスライダ9が停止位置(これら麺導管10及びスライダ9の初期位置)に移動したことが検出され(S6)、これに基づいてモータMを停止させる(S7)。
【0041】ここで、停止位置への移動の検出(S6)に基づいてモータMを停止させると(S7)、通常はその検出とほぼ同時にモータMが停止するが、何らかの理由によりモータMが回転し続ける異常事態に備えて、モータMの停止を確認し(S8)、例えばモータ電流を停止した後、麺導管10の2回目の停止位置への移動が検出されるまでにモータMの停止が確認されない場合には、モータ電流停止後に麺導管10の2回目の停止位置への移動が検出された時に(S9)、例えばモータMを電気制動して強制停止させ(S10)、これにより、サドル3及び掛箸7が一定以上後退してフレーム1の後部に衝突することを防止している。
【0042】なお、このような電気的な強制停止手段に代えて、又はこのような電気的な強制停止手段と共に、例えばサドル3を所定の位置で後方から受止めて機械的に牽制する牽制手段を設けてもよい。
【0043】さて、モータMが停止し、又は強制停止されると、麺掛が終了し(S11)、この後、図3のフロー図に示すように、麺線Nを例えば左の掛箸7と麺導管10との間で切断し、掛箸7側の断線端部を左の掛箸7に巻付けた後、手作業で掛箸7を交換する(S12)。
【0044】掛箸交換(S12)、即ち、麺線Nを巻き掛けた掛箸7をシーソーアーム5から取外し、新しい左右の掛箸7の後端部をシーソーアーム5に差込むことが済んでから、シーソーアーム5及び掛箸7を前進させて、これらと麺導管10とを初期位置に復帰させる。もっとも、掛箸交換(S12)と初期位置への復帰との順は前後逆にしてもよい。
【0045】初期位置復帰は手作業で行ってもよいが、ここでは、前記モータMを逆転させることにより復帰させる。即ち、図3に示すように、掛箸を交換した後(S12)、スタートスィッチをオンにすると(S13)、モータMが所定のインバータ加速時間、例えば1.5秒で逆回転方向に0から最高回転数まで加速することによりサドル3、シーソーアーム5及び掛箸7を加速前進させ(S14)、引き続いて最高回転数でモータMを回転させることによりサドル3及び掛箸7を高速前進させる(S15)。
【0046】この後、ストライカ13が前側の変速位置検出手段12Fを駆動すると(S16)、減速後退(S17)が開始される。この減速後退(S17)では、所定のインバータ減速時間にわたりモータMの電流を段階的に(又は連続的に)減少させてモータMの回転数を減速し、この減速後退(S17)を開始してから所定のインバータ減速時間が経過すると、モータMの電流を停止する(S18)。
【0047】通常の場合にはこのモータ電流停止(F18)によりモータMが停止し(S19)、サドル3、シーソーアーム5及び掛箸7、並びに麺導管10が所定の初期位置に位置する初期状態が復元される。
【0048】しかし、ここでは、モータ電流停止後に何らかの理由によりモータMが回転し続ける異常事態に備えて、モータMの停止を確認し(S19)、例えば減速後退開始後、麺導管10の2回目の停止位置への移動が検出される前にモータMの停止が確認できない場合には、減速後退開始後麺導管10の2回目の停止位置への移動が検出された時に(S20)、例えばモータMを電気制動などにより強制停止させる(S21)。これにより、サドル3、シーソーアーム5及び掛箸7が一定以上前進してフレーム1の前部に衝突することが防止される。
【0049】なお、このような電気的な強制停止手段に代えて、又はこのような電気的な強制停止手段と共に、例えばサドル3を所定の位置で前方から受止めて機械的に牽制する牽制手段を設けてもよい。
【0050】通常に停止されたサドル3及び掛箸7は初期位置に移動しているが、サドル3及び掛箸7はこの初期位置よりも前方まで位置することがあるので、サドル3及び掛箸7が停止した後、これによりサドル3、シーソーアーム5、及び掛箸7が初期位置に位置するか否かを確認し(S22)、必要に応じて手作業で初期状態を復元する(S23)。
【0051】なお、サドル3及び掛箸7が前進する間は、伝動機構6及び伝動旗鼓11のクラッチは遮断状態にされ、シーソーアーム5及び麺導管10はそれぞれの初期位置、即ち、シーソーアーム5は水平の位置に、麺導管10は右側のストロークエンドに保持されるようにしている。
【0052】又、この後、例えばストップスィッチなどにより終了が指令されていない限り(S24)、麺導管10から垂れ下がっている麺線Nの始端部を例えば右側の掛箸7の後端部に巻きつけ、スタートスィッチをもう一度オンすると(S1)、上述の麺掛作業が繰返される。
【0053】更に、図示はしていないが、緊急停止スィッチの操作により、上述した制御プログラム中の任意の時点でモータMを緊急停止させ、必要な安全処置をする緊急停止手段が設けられるが、この緊急停止手段は本発明に直接関係しないのでその詳細な説明は省略することにする。
【0054】ところで、前記ガイドローラ16は例えば麺線供給手段により麺導管10を介して掛箸7に供給されている一連の麺線Nの終端が前記ガイドローラ16に近づくと、麺線Nがガイドローラ16を回転させる力が弱くなり、回転数が遅くなる。又、麺線Nの終端が前記ガイドローラ16を通過した後にはこのガイドローラ16を回転させる駆動力が完全になくなるので、このガイドローラ16の回転が停止する。
【0055】そこで、この実施例では、前記ガイドローラ16の回転数が所定値よりも低くなったり、前記ガイドローラ16の回転が停止したりすることを回転停止として前記麺切れ検出手段19により検出することにより、麺切れを検出できるようにしている。
【0056】図4のフロー図に示すように、この麺切れ検出手段19により麺切れが検出されると(S25)、減速運転が開始される(S26)。この減速運転では、所定のインバータ減速時間、例えば1.5秒を掛けてモータMの電流が段階的に又は連続的に減量され、この電流値の減少に対応してモータMの回転数が最高回転数から0まで段階的に又は連続低に減速されるようにしている。従って、前記インバータ減速時間以内にモータMが停止され、麺掛が中断される(S27)。
【0057】この麺掛中断の後(S27)、手作業で麺線Nを継ぎ足し(S28)、更にこの後、スタートスィッチをオンにすると(S29)、再度加速麺掛運転が始められる(S30)。
【0058】この加速麺掛運転(S30)が開始されると、この後、インバータ加速時間が経過したか否かがチェックされ(S31)、インバータ加速時間内であれば、引き続いて後側の変速位置検出手段12Rがオンになるか否かを判定する(S32)。インバータ加速時間内に後側の変速位置検出手段12Rがオンになる場合には、減速麺掛運転(S5)に移行し、後側の変速位置検出手段12Rがオンになることなく前記インバータ加速時間が経過した時には、モータMの回転数は最高回転数に達しており、そのまま高速麺掛運転(S3)に移行する。
【0059】ところで、上述したように、麺掛が中断される際には、モータMが減速運転されて(S26)、インバータ減速時間、例えば1.5秒以内に停止され、又、前記ガイドローラ16を麺線供給経路に沿って前記麺導管10からインバータ減速時間に進む麺線Nの長さよりも遠くで麺線を案内する位置に配置してある。
【0060】従って、供給元の麺線Nが全て引き出された場合の麺線Nの終端部や、供給元とこのガイドローラ16の間で断線した麺線Nのガイドローラ16側の断線端部がこのガイドローラ16に接近し、あるいは、このガイドローラ16を通過してガイドローラ16の回転が停止した後、麺導管10や掛箸7の動作が停止すると、麺線Nの断線端部や、麺線Nの終端部はこのガイドローラ16と麺導管10との間で停止する。
【0061】この麺導管10とガイドローラ16との間にある麺線Nの端部に供給元から供給する新しい麺線Nの始端部あるいは切断されてガイドローラ16よりも供給元側に残っている麺線Nの断線端部を絡ませ、指などで揉んで太さを整えることにより、簡単に麺線Nを継ぎ足すことができる。
【0062】又、前記ガイドローラ16と掛箸7との間で麺線Nが断線した場合には、たいていの場合には、掛箸7側の断線端部は麺導管10を通り抜けているので、手作業でガイドローラ16側の断線端部を麺導管10の先に引出し、掛箸7側の断線端部のところまで引寄せて、麺線Nの断線端部どうしを絡ませ、指などで揉んで太さを整えることにより、簡単に麺線Nを継ぎ足すことができる。
【0063】いずれの場合にも、サドル3、掛箸7、及び麺導管10を動かすことなく麺線Nの継ぎ足しができるので、従来よりも簡単に麺線Nの継ぎ足しができることになる。
【0064】又、この実施例は、変速位置検出手段12Rにより前記サドル3、シーソーアーム5及び掛箸7が終り側の変速位置に後退したことが検出された時から低速に減速し、麺導管10が右側のストロークエンドに移動した時にサドル3、掛箸7及び掛箸麺導管10を停止させるようにしているので、麺導管10を正確に右側のストロークエンドに停止させることができると共に、巻き終わりの低速巻掛運転の運転時間を最短時間に短縮して、麺掛の開始から掛箸の交換までの作業時間を大幅に短縮することができるという効果を得ることができた。
【0065】又、麺導管10が右側のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段14の位置は、サドル3及びシーソーアーム5の回転軸心方向への位置とは関係なく、麺導管10を右側のストロークエンドに移動させた時のクランクピンからなる磁性体15の位置に合うように調整すればよいので、短時間で、簡単に、かつ正確に停止位置検出手段15の位置合わせができるという効果も得られる。
【0066】更に、この麺線掛巻装置によれば、前記麺切れ検出手段19で前記ガイドローラ16を麺線Nの終端が通過したことを検出した後、運転速度を減速して麺導管10の動作を停止させるので、麺線Nが麺導管10から余分に繰り出されることなく、しかも、麺線Nの終端が麺導管10に入る前に、麺線の巻掛けが自動的に中断される。
【0067】これにより、麺導管10の外側に出た麺線Nの終端部に次の麺線Nを絡み合わせ、指先で揉んで麺線Nの繋ぎ目の太さを所定の太さ以下に整えるという簡単な処理で、中断された麺線Nの巻掛けを再開することができるので、麺線継ぎ足しの作業性が各段に高められるという効果を得ることができる。
【0068】なお、この実施例において、前記麺導管10は前記スライダ9にそれぞれの軸心周りに回転可能に支持され、往行時と復行時とで互いに逆方向に回転するように仕組まれているが、このための構成は本発明の本質には関係ないのでその詳細な説明は省略する。
【0069】又、前記変速位置検出手段12F、12Rはサドル3が変速位置を通過することを検出するように構成されていればよく、近接スィッチなどのリミットスィッチ以外の有接点スィッチを用いたり、ホトセンサ、ホトインタラプタなどの無接点スィッチを用いたりしてもよい。この他にネジ軸4の回転を検出するエンコーダを用いて変速位置の通過を検出することが可能である。もちろん、このリミットスィッチからなる変速位置検出手段12F、12Rがサドル3に固定されたストライカ13により駆動されることは本発明に必須のことではなく、直接サドル3で駆動するようにしてもよい。
【0070】更に、前記停止位置検出手段14は麺導管10及びスライダ9が右側のストロークエンドに移動したことを検出できるように構成してあればよく、ホトセンサなどのホトインタラプタ以外の無接点スイッチを用いたり、リミットスイッチ、近接スィッチなどの有接点スィッチを用いたりしてもよい。又、更に、この停止位置検出手段14は、麺導管10及びスライダ9とモータMとを連動させる伝動機構11の一部分、例えば該伝動機構11に介在させたクランク機構のクランクピンの位置を検出することにより間接的に麺導管10及びスライダ9が右側のストロークエンドに移動したことを検出するようにしてもよい。
【0071】図5は本発明の他の実施例に係る麺線掛巻装置の制御プログラムのフロー図であり、この実施例では、麺切れを検出した後(S25)、低速麺掛運転に移行し(S26´)、この後、麺導管10が停止位置に移動したことが検出されると(S26″)、モータMを停止させて麺掛を中断するようにしている(S27)。その後の制御プログラムは図4に示す前例と同様である。
【0072】この実施例によれば、麺切れにより装置を中断するときには麺導管10が初期位置に復帰するので、麺導管10に麺線を通すのが容易になる。
【0073】この実施例のその他の構成、作用ないし効果は前例のそれらと同様である。
【0074】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の麺線掛巻装置は、前記シーソーアームが回転軸心方向の変速位置に移動したことを検出する変速位置検出手段と、前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段と、前記変速位置検出手段により前記シーソーアームがストローク中央側から変速位置に移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段とが設けられることを特徴とするので、以下の作用ないし効果を得ることができる。
【0075】即ち、変速位置検出手段により前記シーソーアームがストローク中央側から巻終り側の変速位置に移動したことが検出された時から麺導管が1〜2往復する間に、麺導管を正確に右側のストロークエンドに停止させて、巻き終わりの低速巻掛運転の運転時間を最短時間に短縮することができ、麺掛の開始から掛箸の交換までの作業時間を大幅に短縮することができるという効果を得ることができる。
【0076】又、麺導管が右側のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段の位置は、シーソーアームの回転軸心方向への位置とは関係なく、右側のストロークエンドに移動させた麺導管に合うように調整すればよいので、短時間で、簡単に、かつ正確に停止位置検出手段の位置合わせができるという効果も得ることができる。
【0077】更に、本発明の麺線掛巻装置は、前記麺導管から麺線供給経路に沿って所定の距離を隔てた位置で麺線を案内するガイドローラと、このガイドローラの回転停止を検出する麺切れ検出手段と、前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことを検出する停止位置検出手段と、前記麺切れ検出手段により前記ガイドローラの回転停止が検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管の動作速度を減速させ、この後、前記停止位置検出手段により前記麺導管が左右いずれか一方のストロークエンドに移動したことが検出された時に前記シーソーアーム及び麺導管を停止させる制御手段とが設けられることを特徴とするので、次の作用ないし効果を得ることができる。
【0078】即ち、この麺線掛巻装置によれば、前記麺切れ検出手段で前記ガイドローラを麺線の終端が通過したことを検出した後、運転速度を減速して麺導管の動作を停止させるので、麺線Nが麺導管から余分に繰り出されることなく、しかも、麺線の終端が麺導管に入る前に、麺線の巻掛けが自動的に中断される上、麺導管の外側に出た麺線の終端部に次の麺線を絡み合わせ、指先で揉んで麺線の繋ぎ目の太さを所定の太さ以下に整えるという簡単な処理で、中断された麺線の巻掛けを再開することができるので、麺線継ぎ足しの作業性を著しく高めることができるという効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】593124152
【氏名又は名称】福島 繁博
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
【公開番号】 特開2002−320439(P2002−320439A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2002−137025(P2002−137025)