| 【発明の名称】 |
自動製パン機 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮井 真千子
【氏名】渡邊 暦
【氏名】坂上 恵子
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| 【要約】 |
【課題】イーストの量や発酵温度に関係なく、常に発酵を適正に行うこと。
【解決手段】製パンを行うための焼成室1と、製パン材料を入れる練り羽根2つきのパンケース3と、練り羽根2を回転させ混練・ガス抜きを行う駆動源4と、焼成室1の温度を検知する温度検知手段6と、発酵工程で発生するガスを検知するガスセンサ9と、これらを制御する制御手段7とを備え、制御手段は発酵工程の初期段階の所定時間内に発生する炭酸ガス量により発酵工程を終了するための所定値を設定し、発生ガスがこの所定値に到達した時点で発酵工程を終了するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製パンを行うための焼成室と、製パン材料を入れる練り羽根つきのパンケースと、練り羽根を回転させ混練・ガス抜きを行う駆動源と、焼成室の温度を検知する温度検知手段と、発酵工程で発生するガスを検知するガスセンサと、これらを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記ガスセンサからの情報に基づいて、あらかじめ設定した所定値と比較して発酵工程を終了し、次の工程に移るように制御する構成とした自動製パン機。 【請求項2】 発酵工程の初期段階の所定時間内に発生するガス量により発酵工程を終了するための所定値を設定する構成とした請求項1に記載の自動製パン機。 【請求項3】 一定時間ごとのガスの発生量を求め、発生量が所定値以上となった時点で発酵工程を終了する構成とした請求項2に記載の自動製パン機。 【請求項4】 一定時間ごとのガスの発生量を求め、所定値以上の発生量を連続して測定した時点で発酵工程を終了する構成とした請求項2に記載の自動製パン機。 【請求項5】 一定時間ごとのガスの発生量を求め、前回測定の発生量と今回測定の発生量との比を求め、その比が所定値よりも小さくなった時点で発酵工程を終了する構成とした請求項2に記載の自動製パン機。 【請求項6】 制御手段は論理手段を有し、発酵工程における初期段階の複数の時間に発生する夫々のガス量により、ガス発生量と発酵経過時間との関係を示す二次曲線を推論する構成とした請求項1に記載の自動製パン機。 【請求項7】 発酵工程を終了するための所定値を二次曲線の最大値の70%以上、95%以下の値に設定する構成とした請求項5に記載の自動製パン機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭において用いられる自動製パン機に関し、特に発酵工程を自動的に行うものに関する。 【0002】 【従来の技術】従来から製パンには、混練・発酵・焼成の工程を要する。小麦粉・水・イースト等の製パン材料を用い、これらの工程を自動制御することにより、製パンを行う自動製パン機は実用化されている。また、パンの種類としては、食パン・ソフト食パン・ぶどう食パン・フランスパン等が挙げられ、これらのパンの種類は製パン材料および配合により製パン時間および製パン工程が異なることは一般的に知られている。 【0003】次に、製パンを行うための自動製パン機における一般的な自動製パン機の構成および食パンの製パン工程について説明する。 【0004】図6は、自動製パン機の断面図である。1は焼成室で、2は練り羽根、3はパンケース、4は羽根を回転させる駆動源であり、パンケース3に入れた製パン材料を練り羽根2が駆動することにより混練・ガス抜きを行う。5は加熱を行うための加熱手段であり、パン生地の発酵・熟成の工程を行う。6は焼成室内の温度を検知する温度検知手段である。そして、7は温度検知手段6、駆動源4、加熱手段5等を制御する制御手段である。また、8はこの制御手段の制御条件を設定する入力手段である。 【0005】このような構成で、パンケースに製パン材料を投入し、入力手段に焼きあがり時刻等を入力すると、駆動源が所定時刻に運転を開始し、焼成室が所定温度、あるいは所定時間になると、駆動源が停止し発酵工程に入る途中に、駆動源の回転によるガス抜き動作が数回行われながら進行し、そして所定時間経過後に焼成工程が行われ、所望時刻にパンが焼きあがるものである。 【0006】図7は、上記構成の自動製パン機による食パンの製パン工程図を示している。まず、イースト以外の製パン材料を混練(第1混練工程)し、生地を作る。そして、生地の中へ、イーストを投入し、生地を休ませた(ねかし工程)後、生地とイーストを混練(第2混練工程)し、パン生地を作る。そして、パン生地を発酵・熟成(第1発酵工程:約100分、25℃〜32℃)させ、ガス抜き後、再びパン生地を発酵・熟成・膨化(整形発酵工程:約50分、35℃〜38℃)させる。整形発酵したパン生地を焼成(焼成工程)する。これにより、パンが焼きあがる。この一連の工程を制御手段に記憶された制御条件により制御するようにしてある。 【0007】次に、各工程の働きを説明する。混練工程において、混練により小麦粉の蛋白質が結合し、グルテンが生じる。また、発酵工程において、イースト・小麦粉および砂糖による炭酸ガスが発生しパン生地が膨化しパンの組織を形成する。かつ、小麦粉および砂糖・イーストによるアルコール生成および糖による乳酸等の有機酸を生成するものである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】製パン工程で発酵工程は最も重要な工程である。この工程で如何に適正に発酵させるかによってパンの風味、出来映えがまったく別のものとなってしまう。すなわち、発酵不足の場合、高さが低く、風味に乏しくかつ硬いものとなってしまう。また、過発酵の場合、キメが荒く舌触りの悪いものとなってしまう。 【0009】しかしながら、従来の自動製パン機では、パンケースに製パン材料を投入し、入力手段に焼きあがり時刻等を入力すると、自動的に製パン工程が行われてしまう。そのため、好みによりパンの出来映えを変えようとしてイーストの量を少なくしたりまたは多くしたりすると、発酵条件が変わったにもかかわらず一定条件の発酵工程で発酵が行われるために、発酵不足や、過発酵になってしまうという問題があった。また、発酵温度が異なった場合にも同様の問題が有った。 【0010】本発明は前記従来の課題を解決するもので、イーストの量や発酵温度が異なった場合でも、適正な発酵を行うことができる自動製パン機を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン機は発酵工程で発生するガスを検知するガスセンサを備え、このガスセンサからの情報に基づいて、制御手段は発酵工程を終了する構成とした。この構成では、発酵工程の終了を発酵工程で発生する発生ガスにより判断するので、イーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0012】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、 製パンを行うための焼成室と、製パン材料を入れる練り羽根つきのパンケースと、練り羽根を回転させ混練・ガス抜きを行う駆動源と、焼成室の温度を検知する温度検知手段と、発酵工程で発生するガスを検知するガスセンサと、これらを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記ガスセンサからの情報に基づいて、あらかじめ設定した所定値と比較して発酵工程を終了し、次の工程に移るように制御する構成とすることにより、発酵工程の終了を発酵工程で発生する発生ガスにより判断するので、イーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0013】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発酵工程を終了する判断として、発酵工程の初期段階の所定時間内に発生するガス量により発酵工程を終了するための所定値を設定する構成とすることにより、あらかじめ所定値を実験によりもとめておくことができる。 【0014】請求項3に記載の発明は、一定時間ごとのガスの発生量を求め、発生量が所定値以上となった時点で発酵工程を終了する構成とすることにより、発酵工程の終了をイーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0015】請求項4に記載の発明は、一定時間ごとのガスの発生量を求め、所定値以上の発生量を連続して測定した時点で発酵工程を終了する構成とすることにより、発酵工程の終了をイーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0016】請求項5に記載の発明は、一定時間ごとのガスの発生量を求め、前回測定の発生量と今回測定の発生量との比を求め、その比が所定値よりも小さくなった時点で発酵工程を終了する構成とすることにより、イーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0017】請求項6に記載の発明は、特に、請求項1に記載の発酵工程を終了する判断として、制御手段は論理手段を有し、発酵工程における初期段階の複数の時間ごとに発生するガス量により、ガス発生量と発酵経過時間との関係を示す二次曲線を推論する構成とすることにより、所定値を二次曲線上に求めることが出来る。 【0018】請求項7に記載の発明は、発酵工程を終了するための所定値を二次曲線の最大値の70%以上、95%以下の値に設定する構成とすることにより、イーストの量や発酵温度に関係なく決定でき、発酵の失敗をなくすことができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。【0020】(実施例1)図1は本発明の実施例1における自動製パン機の断面図であり、図2は同自動製パン機の構成を示すブロック図である。なお、本発明の自動製パン機の構成は、従来の自動製パン機の構成と基本的にはほぼ同じであり、同一機能要素には同じ符号を付した。 【0021】図1において、1は焼成室で、2は練り羽根、3はパンケース、4は羽根を回転させる駆動源であり、パンケース3にいれた製パン材料を練り羽根2が駆動することにより混練・ガス抜きを行う。5は加熱を行うための加熱手段であり、パン生地の発酵・熟成の工程を行う。6は焼成室内の温度を検知する温度検知手段であり、9は発酵時に発生するガスを測定するガスセンサである。ここでは炭酸ガスセンサを用いる。そして、7は温度検知手段6、またはガスセンサ9からの信号により、駆動源4、および加熱手段5等を制御する制御手段である。また、8はこの制御手段の制御条件を設定する入力手段である。 【0022】このような構成で、パンケースに製パン材料を投入し、入力手段に焼きあがり希望時刻または開始時刻等を入力すると、駆動源が所定時刻に運転を開始し、焼成室が所定温度、あるいは所定時間になると、駆動源が停止し発酵工程に入る。発酵工程では炭酸ガスセンサ9により発生する炭酸ガスを検出し、発生量が所定値に達すると発酵工程を終了する。運転開始から発酵工程終了までの間の途中に、駆動源の回転によるガス抜き動作を適宜行ないながら進行する。次いで、焼成工程が行われ、ほぼ所望時刻にパンが焼きあがる。本実施例では、発酵工程が自動的に行われるので、出来上がり時間は必ずしも所望時間と一致しない。したがって本発明においては使用者が経験により終了時間を予測する必要がある。しかし一般的には設定時間に対し30分以内の誤差となる。 【0023】以下、本実施例の発酵工程を終了する炭酸ガスの所定値の設定についてのべる。図3は、発酵工程における経過時間と単位時間(例えば5分)あたりに発生する炭酸ガスとの関係を示した図である。図に示すように、炭酸ガスの発生量は時間の経過にしたがい増大し、最大値を経て減少に向かう。一般的に発酵条件としては、炭酸ガスの最大発生量の50以上、95%以下、好ましくは70%以上、85%以下の炭酸ガスが発生したときに発酵工程を終了するのがよいとされている。これは、炭酸ガスの発生量が70パーセント未満の場合はいわゆる発酵不足となり高さが低く硬いパンとなり、95パーセントを超えるといわゆる過発酵となり、発酵工程終了後、ガス抜きをし、整形発酵をしたとき炭酸ガスの発生が少なく充分に膨化せず硬く舌ざわりの悪いパンとなってしまうからである。 【0024】経過時間tと単位時間に発生する炭酸ガス量vとの関係を示す発酵形態の図形は、イーストの量や発酵温度によって異なるが、発酵開始から炭酸ガスの最大発生量までの発酵形態は概ね二次曲線となる。本発明はこの曲線関係を利用して炭酸ガスの最大発生量の70%以上、85%以下の発生量のときに発酵工程を終了するように所定値を設定するものである。 【0025】図3において、発酵工程の初期段階の所定時間t0 内に発生する炭酸ガス量v0 を測定する。この値により被発酵物の発酵形態を推定できるので、あらかじめ実験により求めた値より発酵工程を終了する時点での一定時間内のガス発生量v1 を推定できる。したがって、一定時間t1 毎に炭酸ガス発生量を測定し、その測定値vが推定値v1 以上になった最初の時点Tで発酵工程を終了する。図3の場合は、炭酸ガスの発生量は最大値の約80パーセントである。以上のように、発酵工程を最適な状態で終了できるので、発酵不足や、過発酵を防ぐことができる。 【0026】なお、測定値vが推定値v1 以上になった最初の時点Tに必ずしも限定されるものでなく、一定時間t1 の時間にもよるが、2〜5回ぐらい連続して測定値が推定値v1 以上になった時点を発酵工程の終了時点としても良い。ただし、このことは実験により過発酵にならないことを確認しておく必要がある。また、所定時間t0 および一定時間t1 を単位時間と同じにしても良い。ただ時間が短すぎると誤差の原因になるので注意する必要がある。また、初期段階の発生ガス量の測定は発酵開始後、約10分経過してから行うのが好ましい。これは、発酵開始直後は色々の要因が重なり不安定になるからである。 【0027】ここで、所定時間t0および一定時間t1並びに所定値は特に限定されたものではなく、設計にあったって機種ごとに適正な条件を実験によりもとめるものである。以下の実施例でも同様である。 【0028】(実施例2)本実施例は実施例1と基本構成は同じであり、異なる点は発酵工程を終了する設定値の設け方であるのでその点のみを説明する。 【0029】図4は、実施例2における自動製パン機の発酵時の特性図で、発酵工程における経過時間と単位時間(例えば5分)あたりに発生する炭酸ガスとの関係を示した図である。実施例1と同様に、制御手段は発酵工程の初期段階の所定時間t0内に発生する炭酸ガス量v0 を測定することにより被発酵物の発酵形態を推定できる。したがって、あらかじめいろいろの発酵形態に対応して実験により求めた値より発酵工程を終了する時点前後における一定時間内のガス発生量の比を推定できる。本実施例では一定時間毎に炭酸ガスの発生量を求め、前回測定の発生量Δv2 と、今回測定の発生量Δv3 との比(Δv3/Δv2)を求め、この比が所定値よりも小さくなった時点で発酵工程を終了するようにした。これにより発酵工程を最適な時間時間で終了できるので、発酵不足や、過発酵を防ぐことができる。 【0030】(実施例3)本実施例は実施例1および2と基本構成は同じであり、異なる点は発酵工程を終了する設定値の設け方であるのでその点のみを説明する。 【0031】図5は、実施例3における自動製パン機の発酵時の特性図で、発酵工程における経過時間と単位時間(例えば5分)あたりに発生する炭酸ガスとの関係を示した図である。以下図面に基づいて説明する。 【0032】前述したように、発酵工程における経過時間と単位時間(例えば5分)あたりに発生する炭酸ガスとの関係は概ね二次曲線で表すことができる。そこで、本実施例では、制御手段は論理手段を有し、発酵工程の初期段階のT1 、T2 およびT3 時点での発生炭酸ガス量V1 、V2 およびV3 を測定し、前記論理手段によって二次曲線V=a(T−b)2+cを推定する。なお、T1時点の選定にあたっては発酵開始直後の約10分はさけるようにする。これは、開始直後は色々な要因により不安定であるからである。 【0033】二次曲線V=a(T−b)2+cにより、T=Tbで発生ガス量は最大のcになる。本実施例では適正な発酵となる最大発生ガス量の70%以上、85%以下の値で、発酵工程が終了するように所定値を設定する。例えば、図5において、最大発生ガス量の80%、すなわち、0.8cのガス量が発生する時点Tb で発酵工程を終了する。これにより発酵工程を最適な時間時間で終了できるので、未発酵や、過発酵を防ぐことができる。 【0034】尚、本発明の実施例にはガスセンサとして炭酸ガスセンサを用いたが、発酵時に生じるガスであれば炭酸ガスに限定することはなく、アルコールセンサやエステルを検出するセンサでもかまわない。 【0035】 【発明の効果】以上のように、請求項1ないし7に記載した発明によれば、イーストの量や発酵温度に関係なく、常に発酵を適正に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月26日(2001.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−281887(P2002−281887A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月2日(2002.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−86999(P2001−86999) |
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