| 【発明の名称】 |
微生物コントロール剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】中井 卓也
【氏名】伊藤 賢一
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| 【要約】 |
【課題】次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を安定化させることにより、長期にわたり安定に殺微生物効果を維持することができる微生物コントロール剤を提供する。
【解決手段】(A)塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、臭素、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸など水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物と、(B)2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンなどのピロリドン類、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンなどのブチロラクトン類から選ばれる一種以上を有効成分として含有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分として含有することを特徴とする微生物コントロール剤。 【請求項2】 水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物が、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、臭素、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸およびトリクロロイソシアヌル酸およびその水溶性金属塩から選ばれる1種以上である請求項1記載の微生物コントロール剤。 【請求項3】 ピロリドン類が、2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の微生物コントロール剤。 【請求項4】 ブチロラクトン類が、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンから選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の微生物コントロール剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、紙パルプ工場の工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一般家屋の浴室、台所などに発生する微生物に起因する汚れやスライム障害を除く微生物コントロール剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】紙パルプ製造工場の工程水、工業用循環冷却水、産業排水等の水中で微生物が繁殖すると種々の障害を起こすことはよく知られている。例えば、冷却水系においては、系内の微生物に起因するスライムに種々の夾雑物が加わり配管の閉塞、熱伝導率の低下、装置壁面の腐食等の障害が生じている。紙パルプ工場の白水中においては、装置や配管内に付着したスライムの一部が剥離し、紙に斑点を生じ製品品質の低下、紙切れ、ワイヤーや毛布の目詰まり等の障害を起こしている。また、一般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所では、カビ類が生育して汚れとなり、外観上からも、衛生上からも好ましくない。 【0003】これらの微生物障害を抑制すベく多くの方法が提案されており、例えば、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等の有機ハロゲン系殺菌剤が一般的に用いられている。しかし、有機ハロゲン系殺菌剤は、毒性が高いために取り扱い性に難点があること、環境への影響が大きいことが指摘されている。さらに工業用に用いられる工程水では、水の節約から水の循環再使用が進められ、水の汚れが激しくなりスライムの発生抑制がますます難しくなって来たことなどから、従来の有機ハロゲン系殺菌剤では十分な効果を得ることができなくなってきている。 【0004】そこで、水中で酸化作用を持つ有効塩素を発生させる塩素剤、例えば、塩素ガス、次亜塩素酸(水中で次亜塩素酸を生じるものも含む。)、二酸化塩素などの使用及び有効臭素を発生させる臭素、次亜臭素酸(水中で次亜臭素酸を生じるものも含む。)の使用、さらには塩素剤と有機ハロゲン系殺菌剤との併用等が提案された。例えば、塩素剤として、次亜塩素酸及び次亜臭素酸(水中で次亜塩素酸、次亜臭素酸を生じるものも含む。以下、「次亜ハロゲン酸」とする)と有機臭素系殺菌剤の併用により殺菌効果が活性化されるという報告〔「Neutral/Alkaline−Papermaking」(Vanja M.King、p221−227、1990年)〕、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールと次亜ハロゲン酸の併用で相乗効果が得られること(USP4966775号公報)、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールと二酸化塩素を組み合わせて使用する方法(特公昭63−62486号公報)、有機臭素化合物と塩素剤を組み合わせて使用する方法(特開平7−171575号公報)が提示されている。同様に有効臭素を発生させる臭素剤においても塩素剤と同様の効果が得られる。しかし、二酸化塩素、塩素等の使用は、取扱上の危険性が高いため、次亜塩素酸及びその塩類や次亜臭素酸及びその塩類の水溶液の使用が行われている。 【0005】次亜ハロゲン酸類水溶液は安定性が悪く、水中で分解して酸化力が低下するために、次亜ハロゲン酸を使用する場合、殺菌効果が不充分となってしまうことがある。さらに刺激臭が強いので、作業上、扱い難いものである。そこで、次亜ハロゲン酸類水溶液を安定化する方法がいくつか提案されている。例えば、α−アミノ酸を使用する方法〔特開昭56−26587号公報〕、ヒダントイン化合物を使用する方法〔特開昭56−31492号公報〕、アミド硫酸(スルファミン酸)、コハク酸イミド、カプロラクタムなどのアミド類を使用する方法〔特開昭54−154523号公報〕、臭化物及びグリシンを使用する方法〔特開昭57−119981号公報〕、カルボン酸塩系ポリマーを使用する方法〔特開平6−220496号公報〕、サッカリンやサッカリンナトリウムを使用する方法〔USP6123870号公報〕などが提案されている。しかし、依然、充分満足しうる次亜ハロゲン酸安定化効果は得られておらず、改善が強く望まれている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、次亜塩素酸、次亜臭素酸を安定化させることにより、長期にわたり安定に殺微生物効果を維持することができる微生物コントロール剤を提供する。 【0007】 【課題を解決する手段】本発明者らは、次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸の安定化について鋭意検討を行った結果、次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸とある特定の含窒素化合物を組み合わせることにより次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸の安定性が著しく向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、請求項1に係る発明は、(A)水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分として含有することを特徴とする微生物コントロール剤である。 【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の微生物コントロール剤であり、水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物が塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、臭素、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸およびトリクロロイソシアヌル酸およびその水溶性金属塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0010】請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の微生物コントロール剤であり、ピロリドン類が2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0011】請求項4に係る発明は、請求項1又は2記載の微生物コントロール剤であり、ブチロラクトン類がγ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。 【0013】本発明の(A)成分は、水中で次亜塩素酸(HOCl)および/あるいは次亜臭素酸(HOBr)を発生する化合物であり、具体的には、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、臭素、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸(およびナトリウム塩、カリウム塩などの水溶性金属塩)、トリクロロイソシアヌル酸(およびナトリウム塩、カリウム塩などの水溶性金属塩)などが挙げられる。これら2種以上を組み合わせて用いても何ら差し支えない。 【0014】本発明の(B)成分は、ピロリドン類、ブチロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上である。ここで、ピロリドン類としては、例えば2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンが挙げられ、ブチロラクトン類としては、例えばγ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンが挙げられる。 【0015】本発明の微生物コントロール剤における(A)成分は、殺微生物作用をもつものであり、(B)成分は、(A)成分の水中で次亜塩素酸(HOCl)および/あるいは次亜臭素酸(HOBr)を発生する化合物の水中での安定化に寄与するものである。(A)成分と(B)成分の組成比は、(A)成分、(B)成分それぞれの種類により異なるが、代表的には、(A)成分から生じる次亜ハロゲン酸の塩素原子および/あるいは臭素原子に対し、(B)成分の分子をモル比で20:1〜1:5、好ましくは10:1〜1:2、より好ましくは5:1〜1:1となるように配合する。また、(B)成分が重合体の場合には重合体を構成する単量体、例えば、重合体がポリビニルピロリドンの場合にはビニルピロリドンをモル比で20:1〜1:5、好ましくは10:1〜1:2、より好ましくは5:1〜1:1となるように配合する。 【0016】本発明の微生物コントロール剤は、(A)成分と(B)成分を含む組成物であり、その形態は特に限定するものでないが、水、あるいは水と水溶性有機溶剤の混合溶液に溶解して液体状とするのが好ましい。溶解に用いる水は、市水、イオン交換水、工業用水などが用いられる。水溶性有機溶剤は、具体例にはアセトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルアセテート、ジエチルカーボネート等のエステル類、ジオキサン、テトラヒドフラン等のエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられる。 【0017】本発明の微生物コントロール剤のpHは、安定性の面から好ましくは、pH7以上、さらに好ましくはpH8以上である。 【0018】本発明の微生物コントロール剤の調製方法は、一般的な方法で行われ、例えば、室温下、水あるいは水と水溶性有機溶剤の混合物を撹拌しながら(B)成分を入れ均一溶液とした後、(A)成分を入れて均一溶液とし、水酸化カリウム水溶液あるいは水酸化ナトリウム水溶液でpHを7以上に調整する。 【0019】本発明の微生物コントロール剤の水系への添加量は、水質、pH、温度など該水系の工程条件、生存微生物の種類、微生物数、スライムの発生の程度、添加頻度などによって大きく異なるので―律に定められるものではないが、通常、対象とする水系の残留ハロゲン濃度が0.01〜50ppm、好ましくは0.1〜20ppm、さらに好ましくは0.5〜10ppmを維持するように添加される。残留ハロゲン濃度が0.1ppmより少ないと本発明の効果が得られない場合があり、また、50ppmより多いと、効果は充分にあるが、添加量の割には効果が大きくなく、経済的にみて不利になることがある。 【0020】本発明の微生物コントロール剤の水系への添加方法は、高濃度を一定間隔で添加する衝撃添加あるいは間欠的に添加する方法、または連続的に添加して水中の残留ハロゲン濃度を特定の値に保つ方法等があり、特に限定するものではない。通常は、微生物生存数を適宜測定し、スライム障害が起きないように微生物数を設定された基準数以下に保つように添加する。 【0021】本発明の微生物コントロール剤は、必要により、その他の安定化剤、界面活性剤等を添加することがあるが、本発明はこれらの添加を制限するものではない。例えば、安定化剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム等の臭化物、グリシン,α−アラニン,グルタミン酸ナトリウム,アスパラギン酸ナトリウム,メチオニンおよびリジン塩酸塩等のアミノ酸類、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチルヒダントイン、5,5−ジブチルヒダントイン等のヒダントイン類、スルファミン酸、コハク酸イミド、カプロラクタム、マレインイミド、ピロールイミド等のアミド類、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化銅、臭化亜鉛、臭化銅、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛等の金属塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸マレイン酸のコポリマー塩等のカルボン酸系ポリマー、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、立体障害を有する環状の第2級アミン等が挙げられる。 【0022】界面活性剤は、任意に選ばれるが、製剤の微生物安定性及び洗浄性の点から、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。 【0023】アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、N−アシルメチルタウリン、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、アルキルホスホン酸エステル塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル等が挙げられる。 【0024】 【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。 〔A成分〕 A−1:次亜塩素酸ナトリウム〔有効塩素濃度12%、旭電化工業(株)製〕 A−2:次亜臭素酸ナトリウム〔有効臭素濃度9%、試薬、関東化学(株)〕 A−3:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 〔B成分〕 B−1:2−ピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 B−2:ビニルピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 B−3:ポリビニルピロリドン〔試薬、分子量40,000、和光純薬工業(株)製〕 B−4:γ−ブチロラクトン〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 〔C成分〕 C−1:スルファミン酸〔試薬、関東化学(株)製〕 C―2:グリシン〔試薬、関東化学(株)製〕 C−3:コハク酸イミド〔試薬、和光純薬工業(株)製〕 [微生物コントロ−ル剤−1の調製]水496.4gを撹拌しつつ、2−ピロリドン(B−1)3.6gを入れ、均一に溶解した後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)(A−1)500gを加えた。0.1モル/L塩酸あるいは0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、微生物コントロ−ル剤−1とした。 【0025】同様にして、A−1〜A−2、B−1〜B−4、C−1〜C−3を用いて、表1に記載下配合の微生物コントロ−ル剤−1〜18、25〜30を調製した。 [微生物コントロ−ル剤−19の調製]水792.2gを撹拌しつつ、2−ピロリドン(B−1)7.8gを加え均一に溶解した後、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(A−3)200g入れ、均一に溶解した。0.1モル/L塩酸あるいは0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、微生物コントロ−ル剤−19とした。 【0026】同様にして、A−3、B−1〜B−4、C−1を用いて表1に記載下配合の微生物コントロ−ル剤−19〜24、31〜32を調製した。 【0027】 【表1】
[安定性試験]表1記載の微生物コントロール剤をそれぞれ無色のガラスビンに入れ、40℃の恒温器内で静置した。静置14日後、30日後、60日後にそれぞれから一部を取り、「JIS K 0102−1991:残留塩素」に記載のヨウ素滴定法にて残留塩素濃度を測定し、有効塩素濃度とした。本方法の有効塩素濃度測定値は、有効塩素濃度と有効臭素濃度の合計値であり、これを有効ハロゲン濃度として次式により微生物コントロール剤の分解率を求めた。 分解率(%)={(X−Y)/X}×100X:初期有効ハロゲン濃度、Y:静置後の有効ハロゲン濃度得られたこの結果を表2に示した。 【0028】 【表2】
この結果から、本発明の微生物コントロール剤は、スルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドを使用した微生物コントロール剤よりも次亜塩素酸、次亜臭素酸の安定性が大きく向上していることがわかる。 【0029】[カビ除去効果試験]表1記載の微生物コントロール剤をそれぞれ無色のガラスビンに入れ、室温下に60日静置した後、浴室内のタイル壁面に発生した黒カビの除去試験を行った。除去試験は、調製直後の微生物コントロール剤と60日間40℃で静置した微生物コントロール剤をそれぞれについて、20cm平方のタイル壁面を覆う程度にスプレーし、30分後にタイル壁面の黒カビ残留の程度を目視評価した。 【0030】カビ除去効果の評価は、以下のようにした。 ○:タイル壁面の80%以上、黒カビを除去できた。 △:タイル壁面の50%以上〜80%未満、黒カビを除去できた。 ×:タイル壁面の50%未満しか黒カビを除去できなかった。 結果を表3に示した。 【0031】 【表3】
本発明の微生物コントロール剤は、調製直後、調製後60日経過後の製剤の両方ともにカビ除去効果に優れており、安定性に優れていることを認めた。しかし、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウムとスルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドのそれぞれと混合した微生物コントロール剤は、調製直後ではカビ除去効果に優れていたものの、調製後60日経過するとカビ除去効果をほとんど失っていた。 【0032】[殺微生物試験]工業用水系に生育する代表的な細菌であるシュードモナス属(四日市工業用水から単離培養)をTGY液体培地を用いて24時間、32℃で振とう培養を行い活性化させた。この液を滅菌水で1000倍(重量)に希釈し、希塩酸液または希水酸化ナトリウム液にてpHを7に調整した液を試験液とした。この試験液を300ml三角フラスコに100mlづつ採取し、調製直後および室温下で60日静置した微生物コントロール剤を10mg/L加え、振とう器にて振とうした。試験液と微生物コントロール剤を接触させて1時間後及び1日後にTGY平板培地に接種し、32℃で3日間培養し、試験液1ml当たりの生存微生物数を測定した。「接触時間1時間の微生物数」と無添加の場合の微生物数を比べることにより「短時間接触による殺微生物効果」がわかり、「接触時間1日の微生物数」と無添加の場合の微生物数を比べることにより「長期にわたる微生物の増殖の抑制効果」がわかる。結果を表4に示した。 【0033】 【表4】
本発明の微生物コントロール剤は、調製直後、調製後60日経過後の製剤の両方ともに殺菌効果に優れており、安定性に優れていた。しかし、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムあるいはジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと、スルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドの1種を使用した微生物コントロール剤は、調製直後では殺菌効果は、本発明の微生物コントロール剤と同等であるが、調製60日経過すると殺菌効果が著しく低下した。 【0034】 【発明の効果】本発明により、次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を安定化させることにより、長期にわたり安定に殺微生物効果を維持することができる微生物コントロール剤が得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000234166 【氏名又は名称】伯東株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月31日(2001.5.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−363016(P2002−363016A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月18日(2002.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−164306(P2001−164306) |
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