| 【発明の名称】 |
動物外部寄生虫防除方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川口 忍
【氏名】白石 基三
【氏名】寺前 朋浩
【氏名】川田 均
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| 【要約】 |
【課題】比較的長期間にわたり有効性を持続させることを可能とした動物の外部寄生虫防除方法を提供する。
【解決手段】幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質、エクダイソン様物質、キチン形成阻害物質等の昆虫成長制御物質、殺虫性抗生物質、ネオニコチノイド系化合物、フェニルピラゾール系化合物等の殺虫剤を含有する坐剤を宿主動物の肛門へ投与することにより該宿主動物の外部寄生虫を防除する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質、エクダイソン様物質、キチン形成阻害物質等から選ばれる1種以上の昆虫成長制御物質を有効成分として含有する坐剤を宿主動物の肛門へ投与することにより、該宿主動物の外部寄生虫を防除する方法。 【請求項2】幼若ホルモン様物質が4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテルである請求項1に記載の動物外部寄生虫防除方法。 【請求項3】キチン形成阻害物質がベンゾイル尿素系化合物である請求項1に記載の動物外部寄生虫防除方法。 【請求項4】ベンゾイル尿素系化合物が1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロキシ)フェニル]ウレア、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−[2,5−ジクロロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレアである請求項3に記載の動物外部寄生虫防除方法。 【請求項5】殺虫性抗生物質、ネオニコチノイド系化合物、フェニルピラゾール系化合物等から選ばれる1種以上の殺虫剤を有効成分として含有する坐剤を宿主動物の肛門へ投与することにより、該宿主動物の外部寄生虫を防除する方法。 【請求項6】請求項1に記載の昆虫成長制御物質と請求項5に記載の殺虫剤を同時に含有する坐剤を宿主動物の肛門へ投与することにより、該宿主動物の外部寄生虫を防除する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、動物の外部寄生虫を防除する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ノミ等の動物外部寄生虫を防除する為に、有機燐系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物等の、成虫を駆除する効果を有する有効成分を用いた殺虫方法が用いられていた。 【0003】しかし、これらの方法では、環境下の卵、幼虫の駆除効果が不十分な為、十分な防除効果は得られなかった。 【0004】幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質、キチン形成阻害物質等の昆虫成長制御物質を宿主動物に投与し、該宿主動物の血液を介して外部寄生虫を防除する方法は、特開昭63−72631、特開平2−88557、特開平6−211792等にて知られており、これらの方法によりノミ等の動物外部寄生虫を効率的に防除することが可能となった。 【0005】しかし、これらに記載されている宿主動物への好ましい投与方法である経口投与は有効成分の多くが宿主動物体内で代謝を受けて分解あるいは排泄されるため、長期間にわたり安定的に該宿主動物の血液を介してノミ等の外部寄生虫を防除することは困難であった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的長期間にわたり有効性を持続させることを可能とした動物の外部寄生虫防除方法を提供することを目的としてなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質、エクダイソン様物質、キチン形成阻害物質等から選ばれる1種以上の昆虫成長制御物質を有効成分として含有する坐剤を宿主動物の肛門から投与することにより、該宿主動物の外部寄生虫を比較的長期間にわたり防除することができるというものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明において有効成分として用いられる昆虫成長制御物質は、例えば以下に示されるような幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質、エクダイソン様物質、キチン形成阻害物質等を挙げることができる。 【0009】幼若ホルモン、幼若ホルモン様物質としては、例えば以下のものが挙げられる。 (1)メチル−10,11−エポキシ−7−エチル−3,11−ジメチル−2,6−トリデカジエノエート(2)4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(一般名:ピリプロキシフェン) (3)エチル 2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル カーバメート(一般名:フェノキシカルブ) (4)イソプロピル (2E,4E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート(一般名:メトプレン) (5)エチル (2E,4E)−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート(一般名:ヒドロプレン) 【0010】エクダイソン様物質としては、例えば以下のものが挙げられる。 (6)N−tert−ブチル−N'−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(一般名:テブフェノジド) 【0011】キチン形成阻害物質としては、例えば以下のものが挙げられる。 (7)1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロキシ)フェニル]ウレア(8)1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレア(9)1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(10)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:クロルフルアズロン) (11)1−[2,5−ジクロロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:ルフェヌロン) (12)1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:ジフルベンズロン) (13)1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:テフルベンズロン) (14)1−(2−クロロベンゾイル)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレア(一般名:トリフルムロン) (15)1−[4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフエノキシ)−2−フルオロフエニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:フルフェノクスロン) (16)1−[α−(4−クロロ−α−シクロプロピルベンジリデンアミノオキシ)−p−トリル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:フルシクロクスロン) (17)1−[3,5−ジクロロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(一般名:ヘキサフルムロン) (18)N−シクロプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン(一般名:シロマジン) 【0012】本発明において有効成分として用いられる殺虫剤は、例えば、ミルベマイシン、アバメクチン、セラメクチン、イベルメクチン等の殺虫性抗生物質、N1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン(一般名:アセタミプリド)、N−[(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N'−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(一般名:ニテンピラム)等のネオニコチノイド系化合物、フェニルピラゾール系化合物等を挙げることができる。 【0013】また、本発明において有効成分として用いられる昆虫成長制御物質と殺虫剤とを同時に使用することもできる。 【0014】宿主動物に対しては坐剤の形態にて肛門へ投与される。本発明の坐剤は、予め溶融しておいた適当な基剤に、本化合物を、必要に応じて腸溶性高分子からなる固体分散体とともに混合して攪拌し、均一に分散させ、常法に従って成型することによって製造される。 【0015】本発明坐剤に用いられる基剤としては、通常用いられる基剤が使用でき、動植物性油脂類(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、綿実油、小麦胚芽油、カカオ油、牛脂、豚脂、羊毛脂、タートル脂、スクワレン、硬化油等)、鉱物性油脂(ワセリン、白色ワセリン、固形パラフィン、流動パラフィン、脱水ラノリン、シリコン油等)、ロウ類(ホホバ油、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリン等)の他に、部分合成もしくは全合成グリセリン脂肪酸エステル(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪酸もしくはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の直鎖不飽和脂肪酸等の、中級または高級脂肪酸のモノ、ジまたはトリグリセライド)が用いられる。 【0016】これらグリセリン脂肪酸エステルの市販品の例としては、ウイテップゾール(ダイナミットノーベル社製)及びホスコ(丸石製薬社製)等の炭素数12から18までの飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセライト混合物、ファーマゾール(日本油脂社製)、イソカカオ(花王社製)、SB(鐘淵化学社製)、ノパタ(ヘンケル社製)等の炭素数10から18までの飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセリド混合物、ミグリオール(ダイナミットノーベル社製)等の炭素数8から12までの飽和脂肪酸のトリグリセリド混合物等が挙げられる。必要に応じて、これらを一種または混合して用いる。 【0017】これらの基剤の配合量は、全体の50から99重量%である。 【0018】また本発明に用いる坐剤には、必要に応じて、賦形剤、保存剤、界面活性剤、芳香剤、着色剤、pH調整剤、精製水等を添加することも可能である。 【0019】本坐剤で用いられる剤型としては、常温で固形、体温で溶融する肛門坐剤、液状の基剤に分散させた軟膏状あるいはかん腸液状のもの、例えば直腸投与ソフトカプセル、直腸投与注入器等を用いる剤型が用いられる。尚、本坐剤は冷蔵庫保存することが好ましい。 【0020】本発明の坐剤における本化合物の含有量は、用いられる活性成分の薬効や投与する動物種により異なるが、通常坐剤1個中に、0.1mgから10000mg、好ましくは1mgから1000mgの範囲である。 【0021】また坐剤を肛門へ投与する宿主動物の体重1kgあたり、本化合物は通常0.01mgから1000mg、好ましくは0.1mgから100mgの用量にて投与する。 【0022】本発明の駆除方法により防除される外部寄生虫としては、特にウシ、ヒツジ等の家畜やイヌ、ネコ等のペットの外部寄生虫であるノイエバエ(Musca hervei)、クロイエバエ(Musca bezzii)、ノサシバエ(Haematobia irritans)、ツメトゲブユ(Simulium iwatens)、ウシヌカカ(Culicoides oxystoma)、ウシアブ(Tabanus chrysurus)、アカイエカ(Culex pipiens)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等の双翅目害虫、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ヒツジジラミ(Damalinia ovis)等のシラミ目害虫、フタトゲチマダニ(Haemaphyxalis longicornis)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のダニ目害虫、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)等のノミ目害虫等が挙げられる。 【0023】また、対象とする動物としては、家畜やペット等が含まれ、例えばウシ、ヒツジ等の家畜、ペットとしては例えばマウス、ラット、ハムスター、リス等のげっ歯目、ウサギ等のウサギ目、イヌ、ネコ、フェレット等の食肉目、アヒル、ニワトリ、ハト等の鳥類等が含まれる。 【0024】 【実施例】次に、実施例にて本発明を更に詳細に説明する。 【0025】 【製剤例1】4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(一般名:ピリプロキシフェン)90mgと、ホスコS−55(丸石製薬社製、炭素数12から18までの飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセライド混合物)1160mgを100℃下で溶融混和し、坐剤型に注ぎ、冷却固化し、1個の重量が1250mgの坐剤を得る。 【0026】 【試験例1】(ネコ肛門投与試験)予めネコノミ(Ctenocephalides felis)成虫80頭を寄生させたネコ(生体重3kg、雌)に製剤例1の坐剤を1個、肛門へ投与(ピリプロキシフェンとして30mg/kg体重)した。ネコは金属製のケージ(幅760mm、奥行540mm、高さ610mm、底部は可動式トレーが装着)に入れて飼育し、水および餌(固形飼料)を与えた。投与1週後に、ケージ下部に取り付けたトレー内に産下されたネコノミ卵60個を採取し、樹脂シャーレ内に移した後、温度26℃、湿度90%下にて保管し、7日後に孵化状況を調査した。投与1週後に全寄生ノミ成虫をノミ取り櫛を用いてネコから除去した。投与8週後に新たにネコノミ成虫80頭をネコに寄生させ、産下されたネコノミ卵について同様に孵化状況を調査した。また、有効成分無添加のプラセボ坐剤をネコの肛門へ投与し、上記と同様の調査を行った。得られた各群の孵化率から次式により製剤例1の孵化阻害率(%)を求めた。 孵化阻害率(%)={(C−T)÷C}×100C:プラセボ投与群の孵化率(%) T:製剤例1投与群の孵化率(%) 結果を表1に示す。 【0027】 【表1】
【0028】 【比較試験例1】(ネコ経口投与試験)予めネコノミ(Ctenocephalides felis)成虫100頭を寄生させたネコ(生体重3kg、雌)に、ネコの生体重に基づいて所定量(30mg/kg体重)の4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(一般名:ピリプロキシフェン)を添加、混合した餌を全量摂取させた。試験例1と同様に、投与1週後および投与8週後におけるノミ産下卵の孵化状況を調査した。また、ピリプロキシフェン無添加の餌を摂取させたネコを無添加群とし、上記と同様の調査を行った。得られた各群の孵化率から試験例1と同様に孵化阻害率(%)を求めた。結果を表2に示す。 【0029】 【表2】
【0030】上記の試験例1および比較試験例1の試験結果に示されるように、昆虫成長制御物質である4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピル エーテル(一般名:ピリプロキシフェン)を宿主動物に経口的に投与した際の寄生ノミ成虫の産下卵の孵化阻害効果は長期間持続しないが、坐剤を肛門へ投与した場合には、顕著に該効果の持続が認められた。 【0031】 【発明の効果】本発明の動物外部寄生虫防除方法によれば、長期間にわたり効果的に動物の外部寄生虫を防除することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390000527 【氏名又は名称】住化ライフテク株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年6月7日(2001.6.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−363008(P2002−363008A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月18日(2002.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−172617(P2001−172617) |
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