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【発明の名称】 農園芸用組成物
【発明者】 【氏名】木村 清

【氏名】山下 英雄

【氏名】林 琢也

【氏名】森田 哲郎

【要約】 【課題】低アミロ麦の発生を防止すること及び麦の穂枯性病害を防止すること。

【解決手段】亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する、低アミロ麦発生防止用農園芸用組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する、低アミロ麦発生防止用農園芸用組成物。
【請求項2】亜リン酸又はその塩が、亜リン酸又は亜リン酸カリである、請求項1に記載の低アミロ麦発生防止用農園芸用組成物。
【請求項3】請求項1又は2に記載の農園芸用組成物を施用することにより、低アミロ麦の発生を防止する方法。
【請求項4】請求項1又は2に記載の農園芸用組成物を、麦の栄養成長から生殖成長期にわたって葉面散布することにより、低アミロ麦の発生を防止する方法。
【請求項5】請求項1又は2に記載の農園芸用組成物を、麦の栄養成長から生殖成長期にわたって葉面散布することにより、麦の穂枯性病害を防止する方法。
【請求項6】穂枯性病害の病原菌が、ミクロドキウム属、フザリウム属、アルタナリア属、エピコツカム属又はクラドスポリウム属に属する糸状菌である、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する、低アミロ麦発生防止用農園芸用組成物、並びに、それを施用することにより、低アミロ麦の発生を防止する方法及び麦の穂枯性病害を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】麦類(子実)には、例えば、小麦、大麦、ライ麦、エン麦などの種類があるが、これらはいずれも、子実中の胚乳にでん粉を蓄積し、発芽するときに子実内で生成する酵素によってそのでん粉が分解されて糖になり、その糖が発芽エネルギーになる。
【0003】麦類の利用面から見た場合、この発芽が収穫時期に始まると不都合である。
【0004】すなわち、収穫時期の直前に麦類が降雨に遭遇すると、その子実内にでん粉分解酵素であるα−アミラーゼが生成し、でん粉の分解が始まる。更に、その分解の程度が進むと、麦類の穀粒が穂についたままで発芽してしまう。また、発芽状態に至らなくても、でん粉が分解されることにより子実内のでん粉の性質が変化してしまう(北農68巻1号27〜32頁2001年)。穀物の栽培においては、これらの状態を穂発芽(Pre-harvest Sprouting)と呼ぶ。穂発芽した穀粒は、種々の加工適正を損ねることから、麦類の栽培において問題視されており、穂発芽していない麦類を得る方法が求められてきた。
【0005】麦類の中でも、世界で最も生産量が多い穀物である小麦について、その穂発芽対策の研究が進められてきている。そして、世界各地で耐穂発芽性品種の小麦が開発されており、新しい品種ほど耐穂発芽性が向上している。しかし、このような品種改良による小麦の耐穂発芽性は十分とはいえず、いかなる気象条件下にあっても穂発芽しない品種は未だ開発されておらず、穂発芽対策は不十分である。
【0006】現状では、麦の子実中のα−アミラーゼ活性を測定することにより、健全な麦を穂発芽した麦と区別し、隔離して、管理及び流通させるといった栽培法上の対策がとられている。
【0007】麦は、米と異なってそのほとんどが製粉され、さらに、パン、麺、菓子などに加工されてから消費される。したがって、高品質の麦粉を得るためには高品質な麦が求められている。
【0008】麦の品質として、麦粉の糊化粘度が挙げられる。穂発芽した麦を原料にした粉の糊化粘度が極端に低下した麦を、低アミロ麦とよび、高品質の麦と区別している。
【0009】アミロ値は、でん粉の糊化粘度を表すアミログラム最高粘度を示す値であり、通常、ブラベンダー社のアミログラフを用いて測定される。例えば、正常な条件下で栽培、収穫された小麦のアミロ値はおよそ600B.U(ブラベンダー・ユニット)以上であるが、この値が300B.U以下に低下した小麦が低アミロ小麦として区別される。
【0010】低アミロ小麦を判別するには、アミログラフで測定する方法が正規の分析法であるが、非常に煩雑であるため、便法として、アミロ値とα−アミラーゼ活性に高い相関があることから、子実中のα−アミラーゼ活性を測定して判断する方法が採られている(北海道農政部指導参考事項「低アミロ小麦の迅速検定法の開発北海道農業試験会議資料」平成7年度(1995年)北海道立中央農業試験場、農産化学部穀物利用科)。
【0011】このような低アミロ麦を避けるためには、いかにしてα−アミラーゼ活性を高めないような麦栽培を行うかが重要である。耐穂発芽性の品種育成がもっとも確実な技術であるが、前述のように、現在のところ耐穂発芽性が万全である品種は育成されていない。
【0012】また、穂発芽防止剤として、ポリエチレングリコールや植物ホルモン類(マレイン酸ヒドラジド、アブシジン酸)等を収穫前に散布処理する方法が提案されているものの(特公昭63-40401号公報及び北農61巻4号50-54ページ1994年)、その効力は十分ではなく、実用化されていない。
【0013】さらに、近年生産現場、流通段階を念頭においた低アミロ麦対策が提案されており、北海道の小麦を例にとると、収穫前にα−アミラーゼ活性発現を予測し、収穫時にα−アミラーゼ活性を迅速に測定し、低アミロ小麦を分別して扱う方策がようやく整いつつある。しかし、これも受動的な策であり、積極的に小麦に働きかけて低アミロ小麦を回避する実用技術は未完である。
【0014】小麦以外の麦類についても穂発芽問題は重要な課題であり、例えば、ビール醸造用の大麦では、穂発芽は麦芽製造に重大な影響を与える。
【0015】更に、穂発芽問題以外にも、出穂後に罹病する赤かび病等の穂枯性病害も品質の低下をもたらすことから、麦類全般において問題とされている。
【0016】穂枯性病害のうち、赤かび病はミクロドキウム属やフザリウム属によって引き起こされる小麦の主要病害である。また、ミクロドキウム属、フザリウム属、アルタナリア属、エピコツカム属及びクラドスポリウム属に属する糸状菌類も麦の穂に感染し、穂が黒ずむ症状(いわゆる汚れ穂)を引き起こし、問題である。これら穂枯性病害は、収量に大きな影響を与えるだけでなく、人畜に対し毒性の高い物質を産生したり、製粉白度を低下させるなど、麦類の品質を損なう原因となっている。
【0017】穂枯性病害の発生を防止する目的でトリフルミゾールなどのDMI剤、アゾキシストロビンなどのストロビルリン剤、チオファネートメチルなどのベンズイミダゾール剤、水和硫黄などの硫黄剤など各種の殺菌剤が使用されているが、殺菌剤に対して抵抗性を獲得した耐性菌が発生しやすく、既にいくつかの剤では耐性菌の発生が確認されていることや、これらの殺菌剤の基本活性が不十分であり多数回の薬剤散布が必要であるが、作物残留許容濃度の点から散布回数や使用時期が厳しく制限されていることなどの問題点があり、穂枯性病害対策は麦栽培上の重要な課題である。
【0018】以上のような背景から、安全でしかも効果のある低アミロ麦防止剤や栽培法の開発が生産、流通及び実需者から切望されていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、低濃度でもα−アミラーゼ活性の発現を抑制し、低アミロ麦化を抑制する薬剤を探索したところ、亜リン酸及びその塩が麦のα−アミラーゼ活性の発現を効果的に抑制することを見出し、更に、亜リン酸及びその塩が穂枯性病害を防止することを見出し、本発明を完成させた。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する、低アミロ麦発生防止用農園芸用組成物、並びに、それを施用することにより、低アミロ小麦の発生を防止する方法及び穂枯性病害を防止する方法である。
【0021】亜リン酸及びその塩は、水に対して易溶性であり、土壌及び作物の葉面に吸着及び固定されにくいことから、土壌かん注用肥料及び葉面散布肥料として注目されている(米国特許第5514200号公報)。リンは窒素、カリとともに三要素の一つであり、栄養成長期および生殖成長期の全期間にわたって要求度の高い元素である。これらの元素は茎葉から転流して子実タンパクの構成にあずかる。本発明は、生育中の麦に亜リン酸及びその塩を有効成分とする組成物を葉面散布することにより、栄養素としてのリンを補給するとともに成熟期の麦子実のα−アミラーゼ活性発現を抑制する効果を付与する新しい方法である。
【0022】本発明における亜リン酸又はその塩は、通常の肥料として使用できるものであれば特に限定はなく、亜リン酸の他に、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩が挙げられ、好適には、亜リン酸又は亜リン酸のアルカリ金属塩であり、より好適には、亜リン酸又は亜リン酸カリである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明における農園芸用組成物は、農業に通常使用される、展着剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤その他の農薬や、正リン酸塩系、ポリリン酸塩系その他の肥料等と混合して同時に、又は、混合せずにそれぞれ単独で施用することができる。
【0024】本発明における農園芸用組成物の施用量は、気象条件、施用時期、施用方法、施用機材によっても異なるが、通常P2O5換算で、10アール当たり10g〜300gであり、好ましくは、20〜120gである。
【0025】本発明における農園芸用組成物の施用方法は、葉面散布が好ましい。
【0026】本発明における農園芸用組成物の散布液の施用濃度は、P2O5換算で、通常、0.01〜0.3質量%であり、好適には、0.02〜0.12質量%である。
【0027】本発明における農園芸用組成物の散布液の施用量は、通常、100〜200Lである。
【0028】本発明における農園芸用組成物の施用可能な時期は全生育期間であるが、麦の栄養成長期から生殖成長期にわたって施用することが好ましい。
【0029】以下に、実施例及び試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られない。
【0030】
【実施例】
【0031】
【実施例1】小麦(品種:ハルユタカ)を平成12年5月11日に播種し、慣行の栽培基準(平成7年、北海道農務部)にしたがって栽培し、1区17.5m2の試験区を設けた。P2O5換算で0.112%の亜リン酸カリ水溶液を調整し、10アール当たり200Lを以下の生育時期に合計6回の葉面散布を行った。すなわち、散布は、第1回目(播種後35日、6葉期)、第2回目(同44日、止葉展開期)、第3回目(同54日、出穂揃)、第4回目(同65日、乳熟期)、第5回目(同75日、糊熟期)及び第6回目(同83日、黄熟期)であった。収穫は8月12日(出穂後42日)に行い、試験区内4カ所から2.4m2分を刈り取り、試験区の一部を立毛のまま残した。さらに、2週間後に晩刈りを行った。なお、先の刈り取りと後の刈り取りの間に数回の降雨に遭遇した。
【0032】先に刈り取った小麦の、収量、α−アミラーゼ活性値及びアミログラフ値、並びに、後に刈り取った小麦のα−アミラーゼ活性値を測定した。その結果を、亜リン酸カリ水溶液無散布区の結果と共に、表1〜4に示す。
【0033】なお、α−アミラーゼ活性値の測定は、北海道農政部指導参考事項「低アミロ小麦の迅速検定法の開発 北海道農業試験会議資料」(平成7年度(1995年)北海道立中央農業試験場、農産化学部穀物利用科)に記載のブルースターチ法にしたがって、乾麦の全粒粉について測定を行い、3反復測定の平均値を求めた。また、アミラーゼ活性値2未満は健全麦、3.0以上は低アミロ小麦、2以上3未満は低アミロ小麦の危険性ありと判定した。また、アミログラフ値は「小麦のアミロをめぐる諸問題」(農水省食糧庁管理部検査課アミロ問題検討会、1988年)に則り測定した。
【0034】収量の測定のうち、穂長及び1穂当たりの粒数(総粒数、完全粒数、不完全粒数及び不稔粒数)は、30本の穂を調査してその平均を求めた。また、重量は、先の刈り取りでの収穫分を天日で乾燥した後測定し、次いで脱穀、風選(とうみ)後、全子実の子実重を測定し、さらに篩別後に、粒径2.0mm以上の子実について千粒重及び1L重を測定した。
【0035】
【表1】
小麦のα−アミラーゼ活性の推移───────────────────────────────────試験区 α−アミラーゼ活性値(かっこ内はアミログラフ実測値)
─────────────────────────── 先に刈り取った小麦 後に刈り取った小麦 判定───────────────────────────────────亜リン酸カリ 1.45 (495B.U) 1.89 健全麦水溶液散布区─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 3.39 (240B.U) 3.77 低アミロ小麦───────────────────────────────────無散布区では、ほぼ適期(先の刈り取り)に収穫を行ったにもかかわらず、アミログラフ値は基準の300ブラベンダーユニット(B.U)以下となって、低アミロ小麦状態になっていた。亜リン酸カリ水溶液散布区では、495B.Uで正常な小麦であった。また、常識をはずれた時期の晩刈り(8月24日。後の刈り取り)にもかかわらず、α−アミラーゼ活性は2.0以下で健全麦の基準値内にあった。一方、無散布区の活性値は、どちらの刈り取り時期においても、アミラーゼ活性は高く、低アミロ小麦の範疇に入っていた。従って、亜リン酸カリによる小麦のα−アミラーゼ活性発現の抑制効果は明らかであった。
【0036】
【表2】
小麦の収量(その1)
───────────────────────────────────試験区 穂長 1穂当たりの粒数 (cm) ─────────────────────── 総粒数 完全粒数 不完全粒数 不稔粒数───────────────────────────────────亜リン酸カリ 8.2 40.1 26.4 2.5 11.2水溶液散布区─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 7.8 31.1 23.5 3.7 3.9───────────────────────────────────【0037】
【表3】
小麦の収量(その2)
───────────────────────────────────試験区 重量(kg/10a) m2当たり ────────────────── の穂数 総重 茎葉重 穂重 穂/茎葉比───────────────────────────────────亜リン酸カリ 970.8 450.0 520.8 1.16 327水溶液散布区─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 854.2 412.5 441.7 1.07 311───────────────────────────────────【0038】
【表4】
小麦の収量(その3)
───────────────────────────────────試験区 千粒重 1L重 子実重(kg/10a) (g) (g) (かっこ内は無処理100に対する比率) ───────────────── 全子実 粒径2.0mm以上の子実───────────────────────────────────亜リン酸カリ 37.6 778.1 361.1 (117) 351.7 (119)水溶液散布区─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 36.2 761.9 308.9 (100) 294.6 (100)───────────────────────────────────亜リン酸カリを小麦に施用したところ、穂数が若干増加するとともに穂重が顕著に増加した。粒数の増大、粒厚の肥大にも効果があり、無散布区に対して119%の収量比を示した。このように亜リン酸カリの肥料効果は明らかであった。
【0039】
【実施例2】小麦(品種:ホクシン)を平成10年9月10日に播種し、慣行の栽培基準(平成7年、北海道農務部)にしたがって栽培し、1区10m2の試験区を設けた。P2O5換算で0.15%の亜リン酸カリ水溶液を調整し、節間伸長始期(平成11年5月30日)に10アール当たり100Lを葉面散布した。収穫は7月21日に行い、試験区内から1m2分を刈り取った。刈り取った小麦の、収量及びα−アミラーゼ活性値を、実施例1と同様にして測定した。その結果を表5及び6に示す。
【0040】
【表5】
小麦のα−アミラーゼ活性───────────────────────────────────試験区 α−アミラーゼ活性値───────────────────────────────────亜リン酸カリ水溶液散布区 0.93─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 1.54───────────────────────────────────【0041】
【表6】
小麦の収量───────────────────────────────────試験区 粒径2.0mm m2当た 1穂当 m2当た 粒径2.0mm 以上の子実の りの たりの りの 以上の子実の 子実重(kg/10a) 穂数 粒数 総粒数 千粒重(g)───────────────────────────────────亜リン酸カリ 516 446 30.0 13380 38.6水溶液散布区─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─無散布区 505 465 28.5 13259 37.9───────────────────────────────────収穫が適期に行われたため、亜リン酸カリ水溶液散布区及び無散布区とも低アミロ小麦状態になっていなかったが、亜リン酸カリ水溶液散布区は無散布区に比べてα−アミラーゼ活性が低く、α−アミラーゼ活性発現の抑制効果は明らかであった。
【0042】
【実施例3】小麦(品種名:ハルユタカ)を平成13年4月23日に播種し、慣行の栽培基準(平成7年、北海道農政部)にしたがって栽培し、1区10m2の試験区を設けた。P2O5換算で0.28%、0.14%、0.07%、0.035%及び0.028%の亜リン酸カリ水溶液を調整し、開花期(平成13年7月10日)、乳熟期(7月18日)、糊熟期(7月27日)及び黄熟期(8月2日)のそれぞれの時期に合計4回、10アール当たり100Lを葉面散布した。比較として、亜リン酸カリ水溶液(0.14%)及びポリリン酸カリ水溶液(0.14%)をそれぞれ4回ずつ葉面散布した区を設けた。
【0043】全ての区に対して、6月8日にシルバキュア乳剤(テブコナゾール)2000倍散布液を散布し、6月23日、7月7日及び7月25日にアミスターフロアブル(アゾキンストロビン)1000倍散布液を散布した。
【0044】収穫は8月30日に行い、赤かび病については、1区あたり100穂についての発病穂率及び発病小穂数を調査し、汚れ穂については、1区あたり20穂についての穂の汚染程度を調査した。その結果を表8に示す。なお、穂の汚染程度は、下記表7に記載の発病指数により求め、発病度を下記式により算出した。
【0045】
【表7】
穂の汚染程度───────────────────────────────────発病指数 穂の汚染程度───────────────────────────────────0 小穂汚れなし1 小穂の汚染2%以下2 小穂の汚染10%以下3 小穂の汚染30%以下4 小穂の汚染60%以下5 小穂の汚染61%以上───────────────────────────────────【0046】
【数1】発病度(%)=〔Σ(当該指数×当該穂数)/(最大指数×調査穂数)〕×100【0047】
【表8】
───────────────────────────────────試験区 赤かび病 汚れ穂 ────────── ─────── 発病穂率 発病小穂数 発病度 防除価───────────────────────────────────亜リン酸カリ水溶液散布区(0.28%) 1 2 34 72亜リン酸カリ水溶液散布区(0.14%) 5 10 47 47亜リン酸カリ水溶液散布区(0.07%) 8 14 52 42亜リン酸カリ水溶液散布区(0.035%) 5 10 72 19亜リン酸カリ水溶液散布区(0.028%) 5 12 73 18─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─リン酸カリ水溶液散布区(0.14%) 23 61 77 13ポリリン酸カリ水溶液散布区(0.14%) 25 58 86 3無散布区 25 60 89 −───────────────────────────────────【0048】
【発明の効果】本発明により、亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する農園芸用組成物を施用して、低アミロ麦の発生を防止することができる。また、亜リン酸又はその塩を有効成分として含有する農園芸用組成物を施用して、麦の穂枯性病害を防止することができる。更に、農園芸用組成物は、粒厚肥大に効果があり、麦の増収効果が期待できる。
【出願人】 【識別番号】000001856
【氏名又は名称】三共株式会社
【識別番号】391011076
【氏名又は名称】北海三共株式会社
【出願日】 平成14年3月18日(2002.3.18)
【代理人】 【識別番号】100081400
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 彰夫
【公開番号】 特開2002−348203(P2002−348203A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2002−73403(P2002−73403)