| 【発明の名称】 |
害虫による繊維製品の食害を防止する方法及びそのための剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】千保 聡
【氏名】菅野 雅代
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| 【要約】 |
【課題】箪笥、衣装箱等の小閉空間での保管のみならず、大空間や開放系においても効率的に衣服、織物等を害虫から防護することが可能な方法を提供する。
【解決手段】1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンを繊維製品に処理することを特徴とする害虫による繊維製品の食害を防止する方法及び1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンを含有する繊維製品用虫食い防止剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンを繊維製品に処理することを特徴とする害虫による繊維製品の食害を防止する方法。 【請求項2】1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンの処理量が繊維製品1m2当たり1〜5000mgである請求項1に記載の方法。 【請求項3】1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジンを含有する繊維製品用虫食い防止剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は衣料害虫等の害虫による衣服、織物、絨毯等の繊維製品の食害を防止する方法及びそのための剤に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】洋・和箪笥等の閉空間において、エンペントリンなどの常温で比較的揮散性の高い殺虫成分を含有する剤を該閉空間内に配置することにより、該殺虫成分を持続的に揮散させて長期間にわたり殺虫、防虫効果を維持し、衣服、織物等を害虫から防護する方法が賞用されている。一方、生活様式の多様化により、従来の収納様式の他に、ウォークインクローゼットをはじめとする衣服の大空間収納設備による保管や、ハンガー等に掛けた衣服を直接部屋に吊るす、いわゆる開放系での保管等が普及してきている。大空間収納設備による保管においては、前記した防護方法では、薬剤を大量に使用したり、短期間のうちに薬剤を補充することが必要となり、開放系での保管においては前記防護方法が適用できない等の問題があり、大空間や開放系においても効率的に衣服、織物等を害虫から防護することが可能な方法が望まれていた。また、絨毯などの繊維製品についても生活調度品として開放系で用いられるものが種々あり、これらについても効率的に害虫から防護する方法が望まれていた。 【0003】 【課題を解決するための手段】かかる状況下、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物を繊維製品に処理する方法によって、箪笥、衣装箱等の比較的小さな閉空間での保管のみならず、ウォークインクロゼット等の大空間収納設備での保管や開放系での保管においても、該繊維製品に対する害虫による食害を極めて効率良く防止することが可能であり、かつその効果を長期間持続し得ることを見出し本発明に至った。即ち本発明は、1−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン(以下、本化合物と記す)を繊維製品に処理することを特徴とする害虫による繊維製品の食害を防止する方法(以下、本方法と記す)及び本化合物を含有する繊維製品用虫食い防止剤(以下、本剤と記す)を提供する。 【0004】 【発明の実施の形態】本化合物は農業分野における害虫に対する防除活性を有し、一般名がクロチアニジンとして知られた化合物である。本方法において、本化合物をそのまま処理することもできるが、通常は固体担体、液体担体、製剤補助剤等を適宜含有する製剤形態の本剤が使用される。かかる製剤形態としては、例えば、乳剤、油剤、懸濁剤等の液剤、水和剤、マイクロカプセル化製剤、泡沫剤、エアゾール製剤等を挙げることができ、処理に際して、適宜好ましい製剤形態が選択される。また、製剤中の本化合物の含有量はその製剤形態、施用方法等によって変わりうるが、通常0.005〜50重量%である。 【0005】これらの製剤は通常の手法、例えば、本化合物を、固体担体や液体担体等の担体から製剤形態に応じて適宜選択したものと混合し、必要によりその他の乳化剤、固着剤等の製剤補助剤を添加、混合することにより得ることができる。製剤化の際に用いられる担体や補助剤としては、例えば以下のものが挙げられる。 【0006】固体担体としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、珪藻土、軽石、方解石、海泡石、白雲石、シリカ、アルミナ、バーミキュライト、パーライト等の天然又は合成鉱物、おがくず、トウモロコシの穂軸、ココヤシの実殻、タバコの茎等の細粒体、ゼラチン、ワセリン、メチルセルロース、ラノリン、ラード、シクロデキストリンなどが挙げられる。液体担体としては、例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、大豆油、綿実油等の植物油、オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等の植物精油、水などが挙げられる。また、泡沫剤、エアゾール製剤等における噴射剤としては、例えばプロパンガス、ブタンガス、フロンガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル等を挙げることができる。 【0007】また、製剤用の補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル等の非イオン性乳化剤、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等のイオン性乳化剤、リグニンスルホン酸塩、メチルセルロース等の分散剤、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート等の固着剤、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、アリザリン染料、アゾ染料、フタロシアニン染料等の着色料、酢酸塩、クエン酸ナトリウム等の緩衝液、クエン酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルコン酸、酢酸等のpH調節剤、防錆剤、防黴剤、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェノール、γ−オリザノール等の酸化防止剤、パラベン(パラヒドロキシ安息香酸)、PCMX(4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール)、チモール(6−イソプロピル−m−クレゾール)、ヒノキチオール等の抗菌剤、消臭剤などが挙げられる。 【0008】本方法において、害虫の食害を防止する対象となる繊維製品としては、衣服、織物等の衣料や、絨毯、カーペット、マット等の他、繊維部分を有するソファ、ベッド、クッション、椅子などを挙げることができる。例えば、前記した本化合物を含有する製剤形態の本剤を、繊維製品に処理することにより、害虫からの繊維製品への食害を極めて効率よく防止できる。 【0009】本方法における本化合物の繊維製品への処理は、大気中や対象とする繊維製品以外のものへ本化合物が散逸しない或いは散逸を少量に止めて、対象とする繊維製品に本化合物を施用することが可能な方法により行うことが好ましい。そしてこの処理により、繊維製品に本化合物が保持され、繊維製品の本化合物が保持された部分において本方法の効果が発揮される。従って繊維製品全体において本方法の効果を発揮させるには通常、該繊維製品全体に該処理が付される。該処理としては、例えば繊維製品への噴霧処理、塗布処理、滴下処理、繊維製品の溶液への浸漬処理等を挙げることができる。該処理において本化合物は通常、前記した製剤の形態で、あるいは製剤を例えば水などで希釈して調製される希釈液などの形態で使用される。 【0010】噴霧処理は、例えば本化合物を含むエアゾール製剤を、対象とする繊維製品の表面に通常の方法で噴霧し、必要により乾燥することにより行うことができる。また、油剤、乳剤、懸濁剤等の液剤や、水和剤、マイクロカプセル化製剤等を水で所定濃度に希釈した希釈液を容器に入れた後、手動あるいは電動にて容器内の空気を圧縮させ、その圧力にて繊維製品の表面にポンプスプレーし、必要により乾燥することにより行うこともできる。塗布処理は、例えば本化合物を含む液剤、泡沫製剤や、水和剤を水で所定濃度に希釈した希釈液を、刷毛、ブラシ、ローラー等に含ませ、これを用いて繊維製品の表面に塗布し、必要により乾燥することにより行うことができる。滴下処理は、例えば本化合物を含む液剤や、水和剤を水で所定濃度に希釈した希釈液を、スポイト、ピペット等の滴下用器具を用いて繊維製品に滴下し、必要により乾燥することにより行うことができる。浸漬処理は、例えば本化合物を含む液剤や、水和剤、マイクロカプセル化製剤を水で所定濃度に希釈した希釈液に、繊維製品を浸漬し、必要により乾燥することにより行うことができる。 【0011】繊維製品に処理する量は、本化合物の重量に換算して、繊維製品1m2当たり、通常1〜5000mgの範囲であり、実用上は5〜1000mgの範囲で十分である。これにより害虫による衣服、織物、絨毯等の繊維製品への食害を充分に長期間防止できる。 【0012】繊維製品へ食害する害虫としては、例えば、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)、ヒメカツオブシムシ(Attagenus unicolor)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、ハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculatus)、ニセマルヒョウホンムシ(Gibbium aequinoctiale)等が挙げられる。 【0013】本剤には、本有効成分以外の殺虫活性成分を適宜含有させることも可能である。かかる殺虫活性成分としては、例えば、ペルメトリン、フェノトリン、アレスリン、ピレトリン、プラレトリン、シフェノトリン、シフルトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、トランスフルスリン、ビフェントリン、エンペントリン、エトフェンプロクス、シラフルオフェン等のピレスロイド化合物、フェニトロチオン、マラチオン、ジクロルボス、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機燐化合物、プロポキスル、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、シロマジン等のキチン形成阻害物質、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、N−フェニルピラゾール系化合物、N,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール等の害虫忌避剤等を挙げることができる。また、本剤には、PBO、S421,MGK264、IBTA、サイネピリン500等の共力剤を適宜含有させることも可能である。 【0014】 【実施例】以下、実施例にて本発明をより詳細に説明する。 製剤例11−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン0.1gをベンジルアルコール2gに溶解しエアゾール缶に入れ、アイソパーG(エクソン化学)を加えて全体を20gとする。エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル80gを充填し、内容物100gのエアゾールを得る。 【0015】製剤例21−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン0.05gおよび(E)−1−エチニル−2−メチル―ペント―2−エニル(1R)−シス、トランス−クリサンテメート0.05gをエチルアルコール3gに溶解しエアゾール缶に入れ、アイソパーG(エクソン化学)を加えて全体を20gとする。エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル80gを充填し、内容物100gのエアゾールを得る。 【0016】製剤例31−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン0.1gおよびクエン酸ナトリウム1gに、脱イオン水を加えて全体を100gとし、水性液剤を得る。 【0017】製剤例41−(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル−3−メチル−2−ニトログアニジン0.1g、クエン酸1g、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.1g、エタノール50gに脱イオン水を加えて全体を100gとし、水性液剤を得る。 【0018】試験例1本化合物0.01%w/vおよび0.03%w/vを含有するアセトン溶液0.1mlを、縦2cm、横2cmのウールモスリン布にピペットを用いて均一に滴下処理し、風乾した(ウールモスリン1m2当たり、各々本化合物25mgおよび75mg処理に相当する)。該ウールモスリン布を容量950cm3の上面が開放されたプラスチック製容器内の底部に置き、更にこの容器内にコイガ中令幼虫10頭を入れ、該容器上面をナイロンネットにて覆った。温度25±2℃下にて7日間放置後、該ウールモスリン布の食害度を調べた。食害度の判定基準は、「+++:著しく食害あり、++:食害あり、+:やや食害あり、±:わずかに食害あり、−:食害なし」とした。各5反復実施した。また、対照として、薬剤無処理のウールモスリン布を使用した同様の試験を2反復実施した。結果を表1に示す。 【0019】比較試験例1本化合物に代えて、(E)−1−エチニル−2−メチル―ペント―2−エニル(1R)−シス、トランス−クリサンテメート(以下、比較化合物1と記す)を用い、試験例1と同様に実験を行った。各5反復実施した。結果を表1に示す。 【0020】 【表1】
【0021】試験例2試験例1と同様の方法にて化合物Aを処理したウールモスリン布を、温度25±2℃の実験室内に2週間保存した。2週間経過後に該ウールモスリン布を、試験例1と同様に容量950cm3のプラスチック製容器内の底部に置き、更にこの容器内にコイガ中令幼虫10頭を入れ、該容器上部をナイロンネットにて蓋をした。温度25±2℃下にて7日間放置後、該ウールモスリン布の食害度を調べた。食害度の判定基準は、「+++:著しく食害あり、++:食害あり、+:やや食害あり、±:わずかに食害あり、−:食害なし」とした。各5反復実施した。また、対照として、薬剤無処理のウールモスリン布を使用した同様の試験を2反復実施した。結果を表2に示す。 【0022】比較試験例2化合物Aに代えて比較化合物1を用い、試験例2と同様の方法にて、比較化合物1を処理したウールモスリン布を2週間保存し、該ウールモスリン布を用いた実験を行った。各5反復実施した。結果を表2に示す。 【0023】 【表2】
【0024】 【発明の効果】本発明によれば、箪笥、衣装箱等の小閉空間での保管のみならず、ウォークインクロゼット等の大空間収納設備での保管や開放系での保管においても、繊維製品に対する害虫による食害を極めて効率良く防止することができ、かつその効果を長期間持続し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月16日(2001.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−338415(P2002−338415A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−146260(P2001−146260) |
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