| 【発明の名称】 |
水面浮遊性農薬製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】稲田 光昭
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| 【要約】 |
【課題】農作業を効率よく、かつ楽にするために、手で握ってもつぶれず、かつ、投入撒布した後に効率よく拡散される農薬製剤を提供すること。
【解決手段】形状保持性を有し、自己拡散性の水面浮遊性農薬製剤によって上記課題が解決される。詳細には、上記形状保持性は、磁製ボールミル法で2000μmふるいを使用した場合に80%以上であることが好ましく、そのような形状保持性を有し、自己拡散性および水面浮遊性をも同時に有する農薬製剤が本発明によって提供される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 形状保持性を有し、自己拡散性の水面浮遊性農薬製剤。 【請求項2】 前記農薬製剤の球相当径が5mmより大きい、請求項1に記載の農薬製剤。 【請求項3】 前記農薬製剤の球相当径が10mm以上である、請求項1に記載の農薬製剤。 【請求項4】 農薬活性成分の製剤全重量に対する含有量の比が30%よりも高い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項5】 1粒あたりの重量が0.1g以上である、請求項1〜4に記載の農薬製剤。 【請求項6】 前記形状保持性が、磁製ボールミル法で2000μmふるいを使用した場合に80%以上である、請求項1〜5に記載の農薬製剤。 【請求項7】 前記形状保持体が磁製ボールミル法で2000μmふるいを使用した場合に、80%以上95%以下である、請求項1〜5に記載の農薬製剤。 【請求項8】 水溶性担体およびフィルム形成物質を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項9】 前記水溶性担体が製剤全重量に対して5〜95%で存在する、請求項8に記載の農薬製剤。 【請求項10】 前記フィルム形成物質が製剤全重量に対して0.1〜10%で存在する、請求項8または9に記載の農薬製剤。 【請求項11】 前記水溶性担体が塩化カリウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、尿素およびスクロースからなる群より選択される1以上を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項12】 前記フィルム形成物質がキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムおよびアラビアガムからなる群より選択される1以上を含む、請求項7〜11のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項13】 浮遊性付与剤を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項14】 前記浮遊性付与剤の密度が0.3未満である、請求項13に記載の農薬製剤。 【請求項15】 前記浮遊性付与剤が製剤全重量に対して1〜95%の比で存在する、請求項13または14のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項16】 前記浮遊性付与剤がガラス微小中空球体である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項17】 崩壊促進剤を含有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項18】 前記崩壊促進剤の分子量が10000未満である、請求項17に記載の農薬製剤。 【請求項19】 前記崩壊促進剤の分子量が1000以下である、請求項17に記載の農薬製剤。 【請求項20】 前記崩壊促進剤が製剤全重量に対して1〜15%の比で存在する、請求項17〜19のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項21】 前記崩壊促進剤がデキストリン、クロスカルメロースナトリウム、水溶性ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエーテルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される1以上を含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項22】 前記崩壊促進剤が分子量10000未満のデキストリンである、請求項21に記載の農薬製剤。 【請求項23】 分散剤機能を有する界面活性剤を含有する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項24】 前記分散剤機能を有する界面活性剤が製剤全重量に対して5〜30%の比で存在する、請求項23に記載の農薬製剤。 【請求項25】 前記分散剤機能を有する界面活性剤が、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、リグニンスルホン酸塩およびポリアクリル酸塩からなる群より選択される1以上を含む、請求項23または24に記載の農薬製剤。 【請求項26】 表面張力低下能の大きな界面活性剤を含有する、請求項1〜25のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項27】 前記表面張力低下能の大きな界面活性剤が製剤全重量に対して0.1〜10%の比で存在する、請求項26に記載の農薬製剤。 【請求項28】 前記表面張力低下能の大きな界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤およびジオクチルスルホスクシネート塩からなる群より選択される1つ以上を含む、請求項26または27に記載の農薬製剤。 【請求項29】 農薬活性成分がメトミノストロビンである、請求項1〜28のいずれか1項に記載の農薬製剤。 【請求項30】 前記農薬製剤の比重が0.4〜1.5の範囲内である、請求項1〜29に記載の農薬製剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、化学物質の剤型に関する。より詳細には、農薬製剤の剤型、特に粒剤に関する。 【0002】 【従来の技術】除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの農薬、または農業用肥料などは、粒剤などの種々の剤型で使用されている。 【0003】粒剤は主に、活性成分を含有しない空の粒を製作し、次いでその粒に活性成分を含浸させる方法、およびキャリア、界面活性剤、活性成分および水の混合組成物を調製し、次いでこの組成物を押出成型、これを同時または別個に造粒して、乾燥させる方法などによって製造されている。 【0004】近年、撒布する場合の作業の容易性または安全性などの点を考慮して、水田に入らずに畦畔から投げ込むだけで撒布可能な農薬製剤が注目されているが、局部的な土壌残留がないこと、および水中における農薬活性成分の良好な拡散性が要求される。これらの要求に対して種々の農薬製剤が検討されている。例えば、特開昭60−142901では、拡散性を有する農薬粒剤が開示されているが、この粒剤は、比重が大きく、撒布後に水中に沈むことから、農薬の集中は必至である。 【0005】また、特開平7−233002は、水面移動崩壊分散型の農薬粒および錠剤を開示する。しかし、この粒剤は、形状保持性がほとんどなく、PVAのような水溶性フィルムで包装して使用しなければならない。水溶性フィルムで包装した場合、もし農作業従事者が湿った手で握ってしまうと、そのフィルムが溶解し、手で投与・撒布する前に粒剤が崩壊することが頻繁に発生することから、手での投与・撒布にはあまり適切ではない。 【0006】特開平9−295903は、水面拡展性が優れた農薬粒剤組成物を開示する。しかし、特開平9−295903では、分子量50万〜600万のポリアクリル酸ナトリウムを含有させることによって、崩壊分散性が達成されたと記載されているが、高分子量であることから、特に200万以上のポリアクリル酸ナトリウムの含有率が高い場合などには、崩壊分散性は極めて劣ると考えられる。 【0007】これまでの水中拡散性を有する農薬製剤は、分散が充分でないか、分散が充分に達成されていても、手で握ると粒がつぶれる程度の強度でしか製造されておらず、充分な強度を有する粒剤も種々開発されているが、手で握って投入するには小さすぎることから、通常は、水溶性フィルムで包装したパック剤として製造される必要があった。しかし、生産コストおよび効率などの点から、さらに優れた農薬製剤の開発が求められていた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば、農作業など薬剤を到達させる場合に、特に水溶性フィルムで包装しなくても、手で握って投薬し、および/または機械で撒布し、その後目的とする場所に一様に目的とする薬剤を投入することができる粒剤を提供することが課題である。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の形状保持性を有し、自己拡散性の水面浮遊性農薬製剤によって達成された。 【0010】1つの実施態様において、本発明の農薬製剤の球相当径は、5mmより大きい。別の実施態様において、農薬製剤の球相当径は、10mm以上である。好ましくは、本発明の農薬製剤の球相当径は、13mm以上であり、より好ましくは15mm以上であり得る。本発明の農薬製剤の形状の例示としては、円柱状、フットボール状またはその間の形状(例えば、円柱状に造粒したものを、乾燥する前に軽く混合することによって角を丸めた製剤)が挙げられ、通常、これらの製剤は、直径が5mm以上、長さが10mm以上であり、より好ましくは、直径5〜10mm、長さ10〜30mmの円柱状の粒剤である。 【0011】他の実施態様において、本発明の農薬製剤では、農薬活性成分の製剤全重量に対する含有量の比は30%よりも高い。好ましくは、農薬活性成分の製剤全重量に対する含有量の比は、50%よりも高く、より好ましくは、60%以上、70%以上、80%以上であり得る。このように、本発明によって、形状保持性を有し、自己拡散性を保持しながら、30%より高い農薬活性成分を農薬製剤に含有することが達成されたことによって、従来よりも少ない量の農薬製剤を撒布することで、従来と同等の農薬撒布を効率的にかつ農業従事者にとって楽に行うことが可能となった。 【0012】他の実施態様において、本発明の農薬製剤の1粒あたりの重量は、0.1g以上であり得る。この重量は、好ましくは、1粒あたり0.5g以上、1.0g以上、1.5g以上、2g以上、3g以上であり得る。特に好ましくは、この重量は、0.5〜1gであり得る。 【0013】別の実施態様において、本発明の農薬製剤の形状保持性は、磁製ボールミル法での指数が80%以上であり得る。好ましくは、本発明の農薬製剤の形状保持性は、磁製ボールミル法での形状保持性指数が90%以上である。ただし水中拡散性を考慮した場合には、上限として95%以下が好ましい。従って、別の実施態様において、上記形状保持体は、磁製ボールミル法で2000μmふるいを使用した場合に、80%以上95%以下であり得る。 【0014】他の実施態様において、本発明の農薬製剤は、水溶性担体およびフィルム形成物質を含有し得る。 【0015】1つの実施態様において、上記水溶性担体は、製剤全重量に対して5〜95%で存在し得る。別の実施態様において、上記フィルム形成物質は、製剤全重量に対して0.1〜10%で存在し得る。 【0016】別の実施態様において、上記水溶性担体は、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、尿素およびスクロースからなる群より選択される1以上を含み得る。 【0017】別の実施態様において、上記フィルム形成物質は、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムおよびアラビアガムからなる群より選択される1以上を含み得る。 【0018】他の実施態様において、本発明の農薬製剤は、浮遊性付与剤を含有し得る。好ましくは、この浮遊性付与剤の密度は、0.5未満であり得、より好ましくは0.3未満であり得る。 【0019】他の実施態様において、本発明の農薬製剤では、上記浮遊性付与剤は、製剤全重量に対して1〜95%の比で存在し得る。 【0020】さらなる実施態様において、上記浮遊性付与剤は、ガラス微小中空球体であり得る。 【0021】1つの実施態様において、本発明の農薬製剤は、崩壊促進剤を含有し得る。好ましくは、この崩壊促進剤の分子量は、10,000未満であり得る。より好ましくは、この崩壊促進剤の分子量は、1000以下であり得る。 【0022】別の実施態様において、上記崩壊促進剤は、製剤全重量に対して1〜15%の比で存在し得る。1つの実施態様において、この崩壊促進剤は、デキストリン、クロスカルメロースナトリウム、水溶性ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエーテルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される1以上を含み得る。 【0023】別の実施態様において、上記崩壊促進剤は、分子量10000未満のデキストリンであり得る。 【0024】別の実施態様において、本発明の農薬製剤は、分散剤機能を有する界面活性剤を含有し得る。好ましくは、この分散剤機能を有する界面活性剤は、製剤全重量に対して5〜30%の比で存在し得る。 【0025】別の実施態様において、上記分散剤機能を有する界面活性剤は、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、リグニンスルホン酸塩およびポリアクリル酸塩からなる群より選択される1以上を含み得る。 【0026】別の実施態様において、本発明の農薬製剤は、表面張力低下能の大きな界面活性剤を含有し得る。 【0027】別の実施態様において、上記表面張力低下能の大きな界面活性剤は、製剤全重量に対して0.1〜10%の比で存在し得る。 【0028】別の実施態様において、上記表面張力低下能の大きな界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤およびジオクチルスルホスクシネート塩からなる群より選択される1つ以上を含み得る。 【0029】好ましい実施態様において、本発明の農薬製剤は、農薬活性成分としてメトミノストロビンを含む。 【0030】本発明の農薬製剤の比重は、本発明の特徴を維持する限り、どのような比重でもよいが、ある実施態様において、本発明の農薬製剤の比重は、0.4〜1.5の範囲内であり得る。また、他の実施態様では、本発明の農薬製剤の比重は、0.5〜1.0の範囲内であり得る。 【0031】 【発明の実施の形態】本発明において使用される用語は、以下のように、特に言及しない限り、当該分野において通常使用される用語と同様の定義を有する。 【0032】「形状保持性」とは、農作業従事者が投薬する際に手で握ってもつぶれない程度に粒の形状が保持される強さまたは固さをいう。ここで、形状が保持されるとは、その形状が完全に保持される必要はなく、実質的に粒が破壊されないことをいう。例えば、手で握った際に多少の変形が生じても、人手により投薬されて水田に到達するまでに粒剤が破壊しなければ、形状保持性があると評価することができる。本明細書において、形状保持性は、磁製ボールミル法によって測定された指数を用いて評価され得る。例えば、本発明の粒剤は、磁製ボールミル法において2000μmふるいを使用した場合、形状保持性の指数は、好ましくは80%であり、より好ましくは、90%以上である。ただし、水中拡散性を考慮した場合には、上限として95%以下が好ましい。特に好ましくは、80%〜95%であり得る。 【0033】ここで、磁製ボールミル法では、所定のサイズ(例えば、2000μm、8000μm)のふるいによる残分を所定量(本明細書の形状保持性測定の場合、100g)測定し、ボールミル用磁性ポット(本明細書の形状保持性測定の場合、内径約100mm×内深約100mm)に入れ、磁製玉(本明細書の形状保持性測定の場合、直径30±2mm、重量35±5g)を所定数(本明細書の形状保持性測定の場合、3個)入れ、所定時間(本明細書の形状保持性測定の場合、15分間)回転させる(本明細書の形状保持性測定の場合、毎分75±1回転)。 【0034】次に、ボールミル内の試料を2000μmまたは8000μmのふるいに移す。このふるいを受器にはめ込み、蓋をする。次いで、3分間水平に揺り動かしながらときおり軽くたたいてふるう。その後、蓋およびふるいを取り外し、受器を少しずつ傾けて、ハケで受器の中の試料を集め、上皿直示はかりで0.01gの桁まで量る。ふるい上に試料が残っていないときには測定を完了する。ふるい上に試料が残っているときは、再びふるいを受器にはめ込み、蓋をしてさらに1分間篩過を行う。その通過量が0.05g未満の場合、測定を終了する。通過量が0.05g以上の場合、通過量が0.05g未満となるまでさらに1分間篩過を繰り返す。受器の中の試料を量り、全通過量を加算する。このふるい通分(W(g))を測定し、100%からこの通分が全体に占める割合を減じた数字を本明細書における「形状保持性」の%と規定する。ここで、この通分は一般に硬度の指標である。これを式で表すと以下のとおりである。 【0035】 形状保持性(%)=100−W/100×1008000μmふるいでは粒表面が擦られたあと、割れたものがふるい通として混合するので、2000μmふるいでも試験し、本発明においては、双方を形状保持性の指数として利用する。なお、このような形状保持性測定についての詳細は、「最新造粒技術の実際(総合技術資料集)」(神奈川経営開発センター編、神奈川経営開発センター出版部発行)中の212頁などを参照のこと。 【0036】本発明の製剤が押出し造粒によって製造される場合には、本発明の製剤の成形性を評価することができる。成形性は、押出し成形機のモーターの電流量および軋み音の発生の有無を参照することで、評価することができる。本発明において、成形性は、1.0mm径のスクリーンを装着したスクリュー型押出し成形機(不二パウダル製、DG−L1)において、モーターのインバーター周波数20Hz、シャフトの回転数を32rpmの条件で押出し成形した場合の電流量と軋み音で評価する。この場合、好ましい成形性とは、モーターの電流量が平均して1.6〜2.0アンペアで安定しており、軋み音が殆どないかまたは全くない場合をいう。電流量が平均2.4アンペアを超えた場合は高負荷運転であることから、造粒には好ましくない。 【0037】「自己拡散性」とは、製剤の性質についていい、その製剤を投与または撒布したときに、投与などをした後に何らの外的な追加措置を行わなくても、その製剤の有効成分(例えば、農薬活性成分)が一定領域以上の領域に拡散される性質をいう。田んぼ一面において、所定時間内(例えば、30分以内)に、均一に有効成分が拡散されることが好ましい。 【0038】「水面浮遊性」とは、製剤の性質についていい、その製剤を投与または撒布したときに、田んぼなどの水面に浮遊する性質をいう。この場合、その製剤の一部が水面から出ていてもよく、出ずにすべてが水没しているが、なおも水中に浮遊していてもよい。また、投薬された後に、一度沈降する場合であっても、その後浮上する場合には、水面浮遊性があるといえる。 【0039】製剤のサイズを表現する方法は種々存在する。例えば、粉体工学の基礎編集委員会編「粉体工学の基礎」(日刊工業新聞社)第2章、31〜33頁を参照のこと。粒子が球状である場合は、サイズは直径で表すことで、一意に規定することができるが、そうではない場合、その製剤の短軸径、長軸径、厚さ(または高さ)(代表径とよぶ)をもとに、三軸平均径、三軸調和平均径、三軸幾何平均径を算出することができる。また、粒子の投影図の面積をもとに、円相当径を算出することもできる。この場合、種々の向きから投影して求めた平均の円相当径を直径とすることもでき、この場合は、実際の粒子の表面積と近似する。同様に、粒子の体積をもとに、球相当径を算出することもできる。 【0040】また、一定方向の幅または長さを測定し、これを定方向径とすることもできる。これを、Green径またはFeret径と呼ぶ。一定方向で面積を等分する径を定方向面積等分径と呼び、これはMartin径と呼ばれる。 【0041】本明細書においては、測定の簡便さに鑑み、通常、球相当径を用いて、製剤の径を表す。 【0042】「農薬活性成分」とは、農薬としての活性を有する物質をいう。ここで、農薬としては、除草剤、殺虫剤、殺菌剤などが挙げられる。本発明の製剤に含有される農薬活性成分は、一般に農薬として用いられるものであれば何れのものでも用いることができる。農薬活性成分は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 【0043】本発明の製剤に使用される例示的な農薬活性成分としては、以下が挙げられる。 【0044】[除草剤]ピラゾレート、ダイムロン、ブロモブチド、メフェナセット、MCP、MCPB、トリクロピル、ナプロアニリド、CNP、クロメトキシニル、ビフェノックス、MCC、ピリブチカルブ、DCPA、ナプロパミド、ジフェナミド、ピロピザミド、アシュラム、DCMU、リニュロン、メチルダイムロン、テブチウロン、ベンスルフロンメチル、シマジン、アトラジン、シメトリン、アメトリン、プロメトリン、ジメタメトリン、メトリブジン、ベンタゾン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、グリホサート、ビアラホス、アロキシジム、イマゾスルフロン、アジムスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、シノスルフロン。 【0045】[殺虫・殺ダニ剤]ダイアジノン、フェンチオン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン、ジメトエート、PMP、ジメチルビンホス、アセフェート、DEP、NAC、MTMC、MIPC、PHC、MPMC、XMC、BPMC、ベンダイオカルブ、ピリミカルブ、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、シペルメトリン、カルタップ塩酸塩、チオシクラム、ベンスルタップ、ピリプロキシフェン、フェノキシカルブ、メトプレン、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン、ヘキシチアゾクス、ピリダベン、クロフェンテジン、ニテンピラム。 【0046】[殺菌剤]プロベナゾール、イソプロチオラン、ピロキロン、フルトラニル、メトミノストロビン、ジラム、チウラム、キャプタン、TPN、フサライド、トルクロホスメチル、ホセチル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンタゾール、チアベンタゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、トリホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、ダゾメット、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、トリシクラゾール、オキソリニックなどが例示されるが、好ましくはメトミノストロビンなどのストロビルリン系化合物である。 【0047】本発明の農薬製剤には、例えば、殺ダニ剤(例、クロルベンジレートなど)、植物成長調整剤(例、パクロブトラゾールなど)、殺線虫剤(例、ベノミルなど)、共力剤(例、ピペロニルブトキサイドなど)、誘引剤(例、オイゲノールなど)、忌避剤(例、クレオソートなど)、色素(例、食用青色1号など)、肥料(例、尿素など)などもまた必要に応じて混合され得る。 【0048】農薬活性成分は、任意の含量で製剤に含まれるが、好ましくは30%以上、より好ましくは、50%以上もしくは50%を超えて、さらに好ましくは70%以上、80%以上、またはそれよりも多く、含まれ得る。 【0049】「水溶性担体」とは、水溶性の担体をいい、製剤の増量などを目的として使用される。本発明における水溶性担体としては、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、尿素、スクロースなどが挙げられるがそれらに限定されない。水溶性担体は、造粒性がよく、潮解性が少ないものが好ましい。1つの実施態様において、本発明の製剤において、水溶性担体は、製剤前重量に対して、5〜95%で存在する。より好ましくは、水溶性担体は、製剤前重量に対して、5%〜50%、5%〜30%、5〜20%で存在する。 【0050】「フィルム形成物質」とは、その水溶解速度が水溶性担体の水溶解速度より遅く、水に投入すると、水を含んで膨潤し、フィルムを形成した後に溶解する水溶性高分子をいう。水溶解速度が速い水溶性担体と水溶解速度の遅いフィルム形成物質との組合せを使用して溶解速度の差を利用することによって、本発明の製剤の崩壊物の殆どが比重1以下となることから、崩壊物は、その製剤の直下に沈むことなく水面に浮上するか、または水中を漂う。フィルム形成物質としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムおよびアラビアガムなどが挙げられるがそれらに限定されない。好ましくは、キサンタンガムが使用される。例示的なキサンタンガムとしては、分子量が約100万であり、1%水溶液の粘度が1,000mPa・s(60rpm、25℃水溶液)であるものが挙げられるがそれに限定されない。フィルム形成物質として使用されるポリアクリル酸ナトリウムとしては、高重合品(好ましくは、分子量100万〜600万)が好ましい。1つの実施態様において、フィルム形成物質は、製剤全重量に対して0.1〜10%で存在し得る。好ましくは、フィルム形成物質は、製剤前重量に対して、0.1〜5%、0.l〜3%、0.1〜2%で存在する。 【0051】「浮遊性付与剤」とは、水面浮遊性を付与するために、製剤に含有される場合に、その製剤が水の密度(1.0g/cm3)より低い密度を有する結果をもたらす物質をいう。好ましくは、浮遊性付与剤は、1.0g/cm3未満の密度を有し、より好ましくは0.5g/cm3未満の密度、さらに好ましくは0.3g/cm3未満の密度を有する。浮遊性付与剤の密度は、他の成分、特に主薬である農薬有効成分などの密度との関係で変動し得、他の成分が製剤に充分な浮遊性を付与する場合には、浮遊性付与剤は含有されなくてもよい。浮遊性付与剤としては、ガラス微小中空球体などが挙げられる。1つの実施態様において、本発明の浮遊性付与剤は、製剤全重量に対して、1〜95%の比で存在する。好ましくは、浮遊性付与剤は、製剤全重量に対して、1〜50%、1〜30%、1〜20%の比で存在する。本発明において使用される浮遊性付与剤は、別の実施態様において、0.24〜0.30g/cm3の密度を有する。この場合、本発明の1つの実施態様においては、15%含有させることで、製剤全体が浮遊する。 【0052】本発明において、水溶性担体とフィルム形成物質との組合せ、および浮遊性付与剤が同時に存在することによって、製剤を投与または撒布した後に、その製剤が沈むことなく、また浮きっぱなしとなることもないことから、効率的に農薬有効成分の拡散が行われる。このような組合せは従来の農薬製剤では行われておらず、投与が楽で、かつ、効率的に農薬有効成分の拡散を行うことが達成されたことは従来予測され得ない驚くべき効果である。 【0053】「崩壊促進剤」とは、水などの溶媒に触れた場合に、膨潤し、その後溶解する性質を有する物質をいう。崩壊促進剤を製剤に含有させることによって、膨潤して溶解した場所において、水などの溶媒がさらに侵入する結果、崩壊が促進される。一般の水溶性バインダは通常膨潤した後に溶解することから、同様の性質を有するようにみえるが、低分子量で水溶性が高く、水溶液が低粘度になるものを崩壊促進剤とよぶべきである(例えば、佐藤恵一(K.Sato)「水溶性高分子の開発技術」(Research and Development ofWater Soluble Polymer)、シーエムシー発行(1996)、「(3)崩壊剤」3〜4頁を参照のこと)。 【0054】本発明において使用される崩壊促進剤としては、好ましくは分子量が10,000未満であり、より好ましくは分子量が5000以下、さらに好ましくは分子量が3000以下、なおさらに好ましくは分子量が1000以下、500以下、300以下のものが使用される。 【0055】本明細書において使用される崩壊促進剤は、以下に限定されないが、水溶解度が10%以上のものが使用され得る。本明細書において使用される崩壊促進剤は、以下に限定されないが、その水溶液の粘度が5%水溶液をB型粘度計でローターNo.2を使用して1分間回転させるとき(ローターの回転数は30rpm、および水溶液の温度は20℃)の粘度値が200mPa・s以下のものが使用され得る。 【0056】本発明において使用される崩壊促進剤としては、デキストリン、クロスカルメロースナトリウム、水溶性ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースエーテルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられるがそれらに限定されない。ゼラチンおよびクロスカルメロースナトリウムが農薬製剤または顆粒水和剤の崩壊を促進させるということは従来知られておらず、本発明において初めて見出された知見である。 【0057】「界面活性剤」とは、水のような溶媒に溶解したとき、すばやく溶媒表面に広がってその表面の張力を著しく低下させ、同時に他の液体または固体との界面に吸着して、界面張力を大きく低下させる物質をいう。本明細書における界面活性剤は、以下のように、別の観点からさらなる性質を有する界面活性剤として規定される。 【0058】「分散剤機能を有する界面活性剤」とは、固体微粒子を液体中に分散させる機能を有する界面活性剤をいう。分散剤機能を有する界面活性剤を含有させることによって、その製剤が崩壊したときに農薬活性成分が速やかに分散する性質が強化される。 【0059】分散剤機能を有する界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、リグニンスルホン酸塩およびポリアクリル酸塩などが挙げられるがそれらに限定されない。アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物などが挙げられる。リグニンスルホン酸塩としては、例えば、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウムなどが挙げられる。ポリアクリル酸塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カルシウム、ポリアクリル酸アンモニウムなどが挙げられる。ポリアクリル酸塩は、好ましくは分子量200万未満、より好ましくは、分子量50万未満である。分散剤機能を有する界面活性剤として、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、リグニンスルホン酸塩およびポリアクリル酸塩からなる群より選択される1以上のものが、単独でまたは組み合わせて本発明の製剤に含有され得る。最適な組合せは、その製剤の配合によって変動し得る。 【0060】本発明の1つの実施態様において、分散剤機能を有する界面活性剤としてアルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物のみが含まれ得る。また、別の実施態様において、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン重縮合物に加えて、分子量200万未満、より好ましくは分子量50万未満のポリアクリル酸塩を含有させることができる。さらに、別の実施態様において、これら2種の分散剤機能を有する界面活性剤に加えて、リグニンスルホン酸塩を含有させることもできる。さらに、崩壊性、造粒性などを改善するために、好ましくは、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムを含有させてもよい。 【0061】「表面張力低下能の大きな界面活性剤」とは、水などに溶解した場合、表面張力を著しく下げる機能を有する界面活性剤をいう。本発明における表面張力低下能の大きな界面活性剤は、通常、表面張力を25℃の0.01%水溶液の場合で、60dyne/cm以下に、好ましくは、表面張力を50dyne/cm以下に下げる機能を有する。表面張力低下能の大きな界面活性剤を製剤に含有させることによって、その製剤が崩壊したときに農薬活性成分などが水面に急速に広がる効果が増強される。この結果、崩壊物は、水面を走るように拡展する。表面張力低下能の大きな界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、ジオクチルスルホスクシネート塩などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、アセチレンジオール、その50%エチレングリコール溶液などが挙げられる。 【0062】本発明の農薬製剤は、塩化カリウムのような水溶性担体とキサンタンガムのようなフィルム形成物質との組合せ、および浮遊性付与剤を含有することによって、投与または撒布された後に、水中に沈まず、また浮きっぱなしになることなく、農薬有効成分が拡散されることが達成された。フィルム形成物質としてキサンタンガムなどのバインダ機能を有する物質を使用することによって、本発明の農薬製剤に一定の形状保持性が付与されることが達成された。これは、従来の農薬製剤(例えば、特開平7−233002、特開平9−295903および特開昭60−142901)では達成も示唆もされなかった予想外の格別の効果である。 【0063】以上のように、本発明について、その詳細を種々の形態で記載したが、本明細書における具体的な実施形態および実施例は、単なる例示であって、本発明の範囲は、例示される特定の実施態様または実施例には決して限定されないことが理解される。 【0064】 【実施例】(実施例1:配合実施例) (プレミックスの調製)各種調製例を製造する前に、以下の表のような66%プレミックスを製造した。 【0065】 【表1】 66%プレミックスの調製 まず、表に記載の実仕込量を用意し、各成分をスーパーミキサー(川田製作所製、SMJ−20、容量20L)中で混合した。まず、ポリアクリル酸ナトリウム(液状)以外の原料を仕込み、5分間混合した。次に、液状原料であるポリアクリル酸ナトリウムを滴下し、さらに1分間混合を続けた。その後、混合物を取り出した。 【0066】次に、このプレミックスを用いて、以下の表に記載するような配合で各種配合実施例を調製した。 【0067】 【表2】
(錬合・造粒方法)ニーダー(kneader)(不二電気工業(現不二パウダル)製、KDHJ−3)を用いて固体状物質(アセチレンジオールの50%エチレングリコール溶液以外)(配合実施例2においては、硫酸アンモニウムは水に溶かしてから使用する)を30秒間混合し、その後、アセチレンジオールの50%エチレングリコール溶液を滴下した。 【0068】上水を(配合実施例2においては、硫酸アンモニウムを上水に溶解した後)、造粒するに際し適量滴下し、錬合を約10分間行った後、取り出した。造粒器(Pelleter)(不二電気工業(現不二パウダル)製、EXDS−60)で直径10mmに造粒した。安全オーブン(safety oven)(タバイエスペック製、SPH−100)を用いて、55℃で約4時間棚乾燥した。 【0069】(比較例1)実施例1における塩化カリウムまたはキサンタンガムをクレーに置き換えた配合実施例を調製した。配合比率を以下の表3に示す。 【0070】 【表3】
錬合および造粒は、実施例1と同様に行った。 【0071】(比較例2:従来の処方)従来の処方と比較するために、メトミノストロピンと主薬とした場合の、特開平7−233002の実施例1の表2(比較例4)および表4(比較例3)、ならびに特開平9−295903の実施例3(比較例5)に記載される処方例に基づいて調製した。具体的な処方は以下の表4に記載のとおりである。 【0072】 【表4】
(錬合・造粒方法)錬合工程において、各成分実仕込量を乳鉢に入れ、上水を徐々に入れながら連合して造粒に適切な状態とした。造粒および棚乾燥は、実施例1と同様に行った。 【0073】(実施例2:各製剤の有効成分量、分散状態などの評価)上記各配合実施例および比較例について、有効成分含量比、一粒あたりの重量、寸法、分散状態を評価した。 【0074】寸法について、粒径は、粉体工学の基礎編集委員会編「粉体工学の基礎」(日刊工業新聞社)第2章、31〜33頁に記載され、本明細書において上記に説明されるように評価した。 【0075】水中拡散性については、図1に記載のようなバットでの拡散性を観察することで評価した。まず、このバットに31kg(水深5cm)の上水を入れた。次に、図1において中心点(1)に一粒(1.10±0.06g)を投入した。投入後、1時間、2時間、3時間、6時間、10時間および24時間後に、図1の(1)〜(5)の各測定点において、水深2.5cmから検体をサンプリングして濃度を測定した。 【0076】拡散性は以下の式拡散性(%)=(各サンプリング点での有効成分濃度)/(製剤全量が均一拡散したときの有効成分濃度)×100で算出した。以下にそれぞれの値についての結果を記す。 【0077】 【表5】
各調製例について、種々の尺度での粒径を以下の表6に示す。各粒径の算出は、粉体工学(前出)の記載に従って行った。 【0078】 【表6】
拡散性試験の結果の詳細を以下に示す。各サンプリング点での拡散性を各経過時間ごとに示し、各サンプリング点での変動係数を算出した。変動係数の算出は、変動係数(%)=100×標準偏差/平均値との式に従って行った。 【0079】なお、比較例3および4は造粒不可能であったことから、拡散性試験は実施し得なかった。 【0080】 【表7】 (配合実施例1、図2にも示す)
【0081】 【表8】 (配合実施例2、図3にも示す)
【0082】 【表9】 (配合実施例3、図4にも示す)
【0083】 【表10】 (比較例1、図5にも示す)
【0084】 【表11】 (比較例2、図6にも示す)
【0085】 【表12】 (比較例5、図7にも示す)
各調製例、時間および変動係数の関係を示す(表13)。特に投入初期で配合実施例と比較例との間に顕著な差があることがわかる。 【0086】 【表13】 (各調製例、時間および変動係数のまとめ、図8にも示す)
本発明の製剤は、オリブライト(登録商標)1kg粒剤と比較しても遜色無いと言える。なお、いずれの調製例でも24時間での変動係数が小さくなるのは、原体が溶解して拡散するからだと考えられる。しかし、現場では今回試験した1.1gの製剤がカバーすべき面積は、今回の5倍以上であり、そして撒布ムラ、イネの存在、土壌吸着および風などを考慮すると、原体溶解による均一拡散は多くは期待できない。したがって、今回の試験形式での拡散評価は、投入から2〜3時間までの拡散性が有意であると考えられる。この点に鑑みて、上記結果を評価すると、本発明の拡散性は、従来の配合例に比較して格段に優れていることが分かる。 【0087】(実施例3:形状保持性の評価)上記調製例の形状保持性を、磁製ボールミル法で評価した。8000μmのふるい残分100gを秤量し、内径約100mm×内径約100mmのボールミル用磁製ポットに入れ、直径約30±2mm、重量約35±5gの磁製玉3個を入れて、15分間回転させた(毎分75±1回転)。 【0088】ボールミル内の試料を8000μmまたは2000μmのサイズのふるいに移し、このふるいを受器にはめ込み、蓋をする。次いで、3分間水平に揺り動かしながらときおり軽くたたいてふるう。その後、蓋およびふるいを取り外し、受器を少しずつ傾けて、ハケで受器の中の試料を集め、上皿直示はかりで0.01gの桁まで量る。ふるい上に試料が残っていないときには測定を完了する。ふるい上に試料が残っているときは、再びふるいを受器にはめ込み、蓋をしてさらに1分間篩過を行う。その通過量が0.05g未満の場合、測定を終了する。通過量が0.05g以上の場合、通過量が0.05g未満となるまでさらに1分間篩過を繰り返す。受器の中の試料を量り、全通過量を加算する。これを所定のふるい通分とし測定を行った。 【0089】100%からこの通分を減じた数字を本明細書における「形状保持性」の%と規定した。8000μmのふるいでは、粒表面が擦られた後、割れたものがふるい通として混ざることから、2000μmのふるいでも試験した。従って、本明細書においては、形状保持性の指標として、8000μmふるいでの残分のほかに、この2000μmふるいでの残分を使用し得る。以下の表に結果を示す。 【0090】 【表14】
【0091】 【発明の効果】本発明によって、手で握っても容易にはつぶれず、かつ、投入撒布した後に効率よく拡散される農薬製剤を提供され、その結果、農作業を効率よく、かつ、楽に行うことができるようになった。本農薬製剤は、特に、水溶性フィルムでパック詰しなくても、手投げまたは市販の撒布機を用いて、水田などに投入することができる。特に、手投げでも、例えば、畦畔から5〜10m位の距離まで容易に投入することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001926 【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2002−338403(P2002−338403A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−148368(P2001−148368) |
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