| 【発明の名称】 |
高い抗菌性、脱臭性、防カビ性およびダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックス、並びにこれを用いてなる複合材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 信秀
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| 【要約】 |
【課題】抗菌活性、脱臭性および防カビ性に優れ、かつ焼却などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類(さらには毒性の強いダイオキシン類の合成に不可欠の塩素系ガス)の発生を抑制することができる複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合材料を提供する。
【解決手段】リチウム化合物と、酸化チタンとを含有することを特徴とする高い抗菌性、脱臭性、防カビ性を有し、さらに熱化学反応により生成されるダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リチウム化合物と、酸化チタンとを含有することを特徴とする高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を有し、さらに熱化学反応により生成されるダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックス。 【請求項2】 前記リチウム化合物が、炭酸リチウム、珪酸リチウムおよび燐酸リチウムの少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス。 【請求項3】 前記リチウム化合物の平均粒度が、15μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合セラミックス。 【請求項4】 前記酸化チタンの平均粒度が、15μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合セラミックス。 【請求項5】 前記リチウム化合物の含有量が複合セラミックスの総質量を基準として85〜99質量%の範囲であり、前記酸化チタンの含有量が複合セラミックスの総質量を基準として1〜15質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のにいずれか1項に記載の複合セラミックス。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合セラミックスを含有してなることを特徴とする複合材料。 【請求項7】 前記複合セラミックスの含有量が、複合材料の総質量を基準として1〜15質量%であることを特徴とする請求項6に記載の複合材料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を有し、さらにダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックス、並びにこれを用いてなる複合材料に関するものである。より詳しくは、食品包装材など食品(生鮮食品、レトルト食品、飲料品などを含む)を長期間腐らないように保存する上で、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性が強く求められるプラスチック(広くは高分子化合物)などの各種材料(成形加工品などを含む)に使用可能であって、プラスチックの母材の樹脂等に添加混入しても極めて高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を保持でき、母材樹脂の黄変などの劣化の問題もない複合セラミックスであって、さらに都市ごみなどの一般廃棄物や廃油、廃プラスチック、汚泥などの工業廃材や農業用塩化ビニル樹脂材料、壁紙、クロス、建材、軟質レーザなどの農業・建築廃材等の産業廃棄物を焼却処理する過程で発生する有害なダイオキシン類を極めて効率よくかつ効果的に抑制することのできるダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックス、並びにこれを用いてなる複合材料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】高分子化合物(本明細書でいう高分子化合物は、最も広義に解釈されるべきものとし、具体的には、プラスチック、合成繊維、合成ゴムなどを含むものとする。)には、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、帯電防止剤等の配合剤や添加剤が必要不可欠である。抗菌剤、防かび剤、脱臭剤においてもまた、一部の高分子化合物にとっては必須の添加剤の1種であり、用途によっては、母材の樹脂等の種類に限らず必須成分となっている。例えば、高分子化合物を用いた製品(例えば、農業用塩化ビニル樹脂製の温室ハウスシートや建材など)の微生物による被害は今日では常識であり、軟質塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂など被害を受けやすい樹脂以外にも何らかの抗菌処理を必要とする場合が多い。同様に、防カビ処理、脱臭処理を必要とする場合も多い。 【0003】現在提供されている高分子化合物を用いた製品に使用される抗菌剤は、大きく分けて有機系と無機系に区別できる。 【0004】有機系抗菌剤には、従来から殺菌剤として知られた薬剤のなかで、高分子化合物の加工時の加熱に耐えることができ、高分子化合物の母材の樹脂等に練り込んだ状態で持続性を有する安定なものが用いられており、代表的な有機系抗菌剤には、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン、10,10′−オキシビスフェノキシアルシン、トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛等がある。 【0005】しかしながら、こうした有機系抗菌剤は、揮発・溶出により高分子化合物の加工製品より環境に拡散し即効効果を示すため、その有効期限が比較的短く、人体等への影響が比較的強いといえる。また、有機系抗菌剤の中には催奇性の疑いのあるものや、廃棄物が毒性を有するものもあるなど、その安全性の確保に難点がある。さらに、抗菌剤自体の潜在的毒性やガス化した場合の毒性、熱分解物の毒性など加工、使用、廃棄の全ての段階において安全であることが望まれる様な用途では特にその安全性の確保に難点があるといえる。また、有機系抗菌剤には、高分子化合物の加工温度(例えば、軟質塩化ビニル樹脂のように200℃以下のものもあるが、そのほとんどが200℃以上であり、300℃近くのものさえある。)において、単品での耐熱性はあるが、高分子化合物の母材の樹脂等に添加した場合には、それ以下の温度で分解して母材の樹脂等を黄変させたり、成型に悪影響を及ぼす場合もある。さらには、こうした有機系抗菌剤は、比較的高価である。 【0006】一方の無機系抗菌剤は、銀、銅、亜鉛などの抗菌性金属を、燐酸ジルコニウム、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、シリカ・アルミナ、シリカゲル等の無機イオン交換体ないし多孔質体の担体に担持した金属置換型の抗菌剤がほとんどで、なかでも効果が高く安全性の高い銀系無機抗菌剤が一般に多く使用されている。こうした無機系抗菌剤では、有機系抗菌剤のような上記諸問題は生じないものの、有効成分である金属イオンが触媒的に母材樹脂等を劣化させたり、銀系無機抗菌剤では、特に光(紫外線)により金属銀に変化し変色しやすいなど耐光性に難点があるものもある。また、こうした無機系抗菌剤も、無機イオン交換体や多孔質体に担持させる必要があり、所定の製造工数を要するため比較的高価でもある。こうした従来の無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤のような揮発・溶出はほとんど起こさず、高分子化合物の加工製品等の表面に分散したものが細菌、カビ類と接触することによって初めて効果を生じるため、母材の樹脂等(あるいは樹脂等の表面に抗菌性塗膜を形成する場合には、該塗膜原料である塗料の樹脂成分)に所定の比率で従来既知の無機系抗菌剤を添加混入して高分子化合物(あるいは高分子化合物の表面に抗菌性塗膜)を成形(加工)しても充分な抗菌性を有するものを製造することはできない。さらには、母材樹脂等に所定の比率で新規かつ極めて高い抗菌性を有する無機系抗菌剤を添加混入して樹脂等を加工したとしても、従来レベルを超える抗菌性を有するものを製造することができていないのが現状である。 【0007】一方、一般に環境汚染物質として注目されているダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs;化学構造式は下記式(a)である)のことで、置換している塩素分子の数と場所によって75種類の同族体・異性体が存在する。また通常このPCDDsと一緒に生成し、同じ様な化学構造と性質を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs;化学構造式は下記式(b)である)も135種類の同族体・異性体を持つ化合物群である。 【0008】 【化1】
【0009】本明細書では、ダイオキシン対策法で法律上規定されるPCDDs、PCDFsおよびコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)をダイオキシン類とする。これらの化合物は環境中で極めて安定で、生物に対する毒性の強いものが多く、人類にとって全く有用性に欠ける物質群であり、商業的な生産は行われていない。 【0010】しかしながら、ダイオキシン類は、各種の化学物質、たとえば塩化フェノール等の防腐剤などの製造の際に微量ではあるが不純物として副生し、製品中に混入して市場に出回ったり、生産工場から環境へ直接排出物として放出される。また、産業廃棄物の埋め立て処理などでは、不純物としてのダイオキシンが浸水などで漏出して地下水等を汚染する場合がある。特に、発生源として特に重要なのは、都市ごみの焼却のような熱化学反応による生成である。すなわち、近代化学工業の発展とともに有機塩素化合物の使用が世界的に増加し、これらの物質が老朽化等により処分され都市ゴミなどの一般廃棄物として廃棄もしくは産業廃棄物として分別廃棄され、その焼却の際にダイオキシン類を生成することが問題とされるようになったからである。特に、国土が狭く埋め立て処理をする場所が少ない国では、一般廃棄物が焼却処理されており、ダイオキシン類の発生量の78〜88%が都市固形廃棄物の焼却によるものであるとの報告がある。例えば、1994年の調べでは、日本の都市ごみ焼却炉の数は約2000に近く、焼却される廃棄物の量も年間3700万トンと他の国と比べてかなり多く、年々増加傾向にある。 【0011】また、廃油、廃プラスチック、汚泥などの焼却処理も広く行われているが、これらも含めて、焼却処理はダイオキシン類の発生源として最も重要なものである。この他にも、医療関係の廃棄物はふつう医療施設に設けられた小規模な焼却施設で焼却されるが、運転管理が十分に行われているとはいえず、ダイオキシン類が都市固形廃棄物と同じレベルで発生する。なお、上記汚泥の焼却のうち、特にダイオキシン類の生成に関与するものとして下水汚泥と製紙汚泥の焼却がある。また、ペンタクロロフェノール(PCP)で処理した木材あるいは廃材などの焼却でもダイオキシン類が発生する。 【0012】次に、都市ごみの焼却のような熱化学反応によるダイオキシン類の生成のメカニズムについてはいろいろな研究報告があるが、現在のところ、下記に示す「ごみ焼却などによる有機物からのダイオキシンの生成機構模式図」(化2)にまとめたように、有機物の分解によって生じた塩化フェノールや塩化ベンゼンのような小分子の化合物が高温で縮合して生成する、および焼却によって生じた灰の表面の触媒作用下で、炭素骨格と塩素から合成される(de novo 合成)との考え方が一般的である。また、ダイオキシン類の生成メカニズムに不可欠な塩素に着目した場合、下記に示す「塩素および塩素使用製品の主な用途」(化3)にあるように塩素および塩素使用製品は、あらゆる用途に使われており、これらが廃棄物として廃棄され、焼却される際にダイオキシン類の合成に関与しているものと考えられている。さらに、一般家庭や飲食店などから出される生ゴミに含まれる食塩などもダイオキシン類の生成に関与しているものものと考えられている。 【0013】 【化2】
【0014】 【化3】
【0015】さらに、国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験により、都市ごみの焼却のような熱化学反応によるダイオキシン類の生成のメカニズムにつき塩素が関与することが実証された。これによれば、1日90kgを焼却できる小型焼却炉を使い、新聞紙や重油だけを燃やしただけだとダイオキシン類の発生量は、焼却物1g当たり1ng(=1ng/g)以下であるが、新聞紙とポリ塩化ビニルのシートを一緒に焼却するとダイオキシン類の発生量が150ng/gと急増し、同様に、新聞紙に食塩水を浸して燃やした場合もダイオキシン類の発生量が100ng/gと急増する結果が得られたというものである。さらに、食塩水を浸した新聞紙に塩素を含まないプラスチックのポリエチレンを加えて燃やしてもダイオキシン類の発生量も100ng/gと高くなることも実験で確認できたとするものである。以上の実験結果から、ダイオキシン類の発生量は、焼却物中に含まれる塩素の量と関係していると結論づけている。 【0016】一方、ダイオキシン対策法やPL法製造者責任が現在、ダイオキシン類を発生しない安全なプラスチックなどとして塩素を含まない樹脂及び添加剤だけを用いて製造したポリエチレン製などの容器や包装材あるいは建材や壁紙などが市販されている。これは、こうした市販品そのものに塩素が全く含まれていない以上、該市販品を単独で燃やしても有毒なダイオキシン類を発生しないことは当然といえる。しかしながら、現実的には、こうした容器や包装材、さらには壁紙や床材などの建築廃材などだけを分別回収し、焼却することは行われておらず事実上不可能であり、他の生ゴミなどの家庭ゴミと一緒に回収され、そのまま焼却処理されている。しかるに、我が国の生ゴミは塩分が多いとされ、これら生ゴミとダイオキシン類を発生しない安全なプラスチックとされるものとを一緒に燃やせば、上記実験結果にあるように大量のダイオキシン類が発生してしまう。そのため、たとえ製品(例えば、ポリ塩化ビニル等の塩素を含むプラスチック製の容器や包装材など)自身に塩素を含んでいたとしても、あるいはまわりに多くの塩素源(主に生ゴミに含まれる食塩やポリ塩化ビニル等の塩素を含むプラスチック製の容器や包装材など)があってもダイオキシン類を発生させない製品の開発が強く望まれており、各種の製品に適用可能なダイオキシン類の発生抑制剤の開発が待望されている。 【0017】廃棄物の焼却の際に発生するダイオキシン類の排出抑制のためには、焼却対象となる廃棄物を減量することが第一であるが、廃棄物焼却施設のダイオキシン排出抑制には、燃焼管理を含めた完全燃焼により炉やボイラからの生成を極力抑制し、さらに各種技術の組み合わせによる排ガス処理系で対応を図ることが重要である。 【0018】このうち、完全燃焼を達成するには、高い燃焼ガス温度、充分なガスの滞留時間と炉内での充分なガス攪拌・二次空気との混合が必要であり、このための炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動燃焼制御が実用化されている。しかしながら、高い燃焼ガス温度を保持する必要があるため、ランニングコストや維持管理費等が高くなる。また焼却炉の内壁の劣化がはやくなるため、より高温耐熱性に優れた耐火材を用いる必要がある。さらに炉体技術とファジィ制御を組み合わせた自動燃焼制御は、これらを要しない既存焼却炉ないし小規模な焼却施設では容易に対応できず、改修費用が高くり、既設の焼却施設にこうした設備を設けることは実際上困難である。 【0019】また、排ガス処理系では、処理温度の低温化、ダスト除去性能の向上、吸着作用の利用が図られており、バグフィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性炭系吸着塔による除去、チタン・バナジウム系、貴金属系等の触媒によるダイオキシン類の分解除去、さらにトリエタノールアミン、過酸化水素水等の化学抑制剤による低減化技術が開発されている。しかしながら、バグフィルタの低温化、粉末活性炭の噴霧、活性炭系吸着塔による除去方法は、ダイオキシン類の生成を抑制できるものではない。活性炭は選択的にダイオキシン類を吸着できず、ダイオキシン類以外の排気ガス中の他の成分も吸着するためその吸着寿命が短く、頻繁に取り替える必要がある。また、回収したダイオキシン類を吸着した活性炭を処分するには、別途分解し無害化する処理施設が必要となる為、最終処理段階に至るまでの工数が多くなり、またコスト高にもなる。また、前記触媒によるダイオキシン類の分解除去方法も、ダイオキシン類の生成を抑制できるものではない。例えば、活性炭素繊維に数オングストロームの金等の貴金属や酸化鉄の粒子を均一に分散しまたは担持した排ガスフィルターとする場合にダイオキシン類を分解することができるとの報告があるが、金等の貴金属触媒を使用するため必然的に高コスト化とならざるを得ない。また、既存焼却炉ないし小規模な焼却施設では容易に対応できず、改修費用が高くなり、既設の都市ごみ焼却炉その他の焼却施設にこうした設備を設けることは実際上困難である。加えて、耐久性の見極めが今後の課題となっているなど実用化に向けてクリアすべき課題もあり、実用化にはなお多くの時間を要するものである。 【0020】さらに前記化学抑制剤による低減化技術では、ダイオキシン類の生成の低減化が達成されるにとどまり、十分にその発生を抑制できるものではない。また、トリエタノールアミン、過酸化水素水等の化学抑制剤も比較的高価であり、またこれらの取り扱いや保管には相当の注意を要するため、こうした化学物質に対する十分な知識を有するものが当たらねばならない。多数の都市ごみ焼却炉その他の小規模な焼却施設を含む焼却施設にこうした設備や専門家を配備して対応することは実際上困難であるほか、多量の焼却廃棄物量の処理に必要な化学抑制剤を供給することも実際上困難なものである。 【0021】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、抗菌活性、脱臭性および防カビ性の全てにおいて優れ、かつ焼却などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類(さらには毒性の強いダイオキシン類の合成に不可欠の塩素系ガス)の発生を抑制することができる複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合材料を提供するものである。 【0022】そこで、本発明の目的は、安価に安定して大量に入手できるものであって、さらに簡便な手法により抗菌活性、脱臭性および防カビ性の全てにおいて優れてなり、かつ焼却などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類(さらには毒性の強いダイオキシン類の合成に不可欠の塩素系ガス)の発生を抑制することができる複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合材料を提供するものである。 【0023】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成すべく、抗菌活性、脱臭性および防カビ性の全てにおいて優れてなり、かつ焼却などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類(さらには毒性の強いダイオキシン類の合成に不可欠の塩素系ガス)の発生を抑制することのできる技術に関し、鋭意検討した結果、リチウム化合物と酸化チタンを適当に組み合わせることにより、抗菌活性、脱臭性および防カビ性の全てにおいて優れてなり、さらにはダイオキシン類の発生抑制効果を奏するという相乗的な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(7)に記載の複合セラミックスおよびこれを用いてなる複合材料により達成されるものである。 【0024】(1) リチウム化合物と、酸化チタンとを含有することを特徴とする高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を有し、さらに熱化学反応により生成されるダイオキシン類の発生抑制作用を有する複合セラミックス。 【0025】(2) 前記リチウム化合物が、炭酸リチウム、珪酸リチウムおよび燐酸リチウムの少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする上記(1)に記載の複合セラミックス。 【0026】(3) 前記リチウム化合物の平均粒度が、15μm以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の複合セラミックス。 【0027】(4) 前記酸化チタンの平均粒度が、15μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の複合セラミックス。 【0028】(5) 前記リチウム化合物の含有量が複合セラミックスの総質量を基準として85〜99質量%の範囲であり、前記酸化チタンの含有量が複合セラミックスの総質量を基準として1〜15質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のにいずれか1つに記載の複合セラミックス。 【0029】(6) 上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の複合セラミックスを含有してなることを特徴とする複合材料。 【0030】(7) 前記複合セラミックスの含有量が、複合材料の総質量を基準として1〜15質量%であることを特徴とする上記(6)に記載の複合材料。 【0031】 【発明の実施の形態】(1)複合セラミックス本発明の高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を有し、さらに熱化学反応により生成されるダイオキシン類の発生を抑制するダイオキシン発生抑制作用(以下、単にダイオキシン発生抑制作用ともいう)を有する複合セラミックスは、リチウム化合物と、酸化チタンとを含有することを特徴とするものである。これにより、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てについて厳しい要求基準が求められている各種製品に幅広く適用でき、さらにはこれらの製品を廃棄物として焼却した際に、周辺に塩素化合物が存在する一般的な都市ゴミ等の焼却処理の環境下においても、複合セラミックスを含有する各種製品と塩化物(食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン材など)との熱化学反応によりダイオキシン類ないしその前駆体が発生するのを効果的に抑制することができるものである。このことは、現在問題になっている塩化物(例えば、食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等)を焼却するような場合に、ダイオキシン類の発生を効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも本発明の複合セラミックスが関与することで、毒性の高いダイオキシン類ないしその前駆体の生成が妨げられるものと考える。本発明者は、複合セラミックスがダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。特に、ダイオキシン発生抑制作用を有する元素であると考えられるリチウムと、活性機能を有すると考えられる酸化チタンを組み合わせることが極めて有用かつ効果的であると考えるものである。 【0032】まず、本発明の複合セラミックスは、リチウム化合物を必須構成成分とするものである。リチウムは、地球上に広く分布しており、鉱物、岩石、土壌および自然水中に微量存在する。特に主要鉱石はリチア雲母、リチア輝石、ペンタライトなどである。現在、リチウム鉱の原鉱として用いられているものは、ウロコ雲母、リシア輝石、ペタル石、ユークリプタイト、ベニウンモ、チンワルドウンモ、マナンドナイト、トリフィル石、リシオフィライト、アンブリゴ石(LiAl(FePO4 ))、フレモンタイト、シックラー石、葉長石、南部石、リシウム電気石などである。こうしたリチウムを含有する鉱物は、燐酸、砒酸、バナジン酸ないし珪酸塩等を含む鉱物である。下記表1にリチウムを含有する鉱物をはじめとするリチウム化合物を示す。 【0033】 【表1】
【0034】さらに、本発明のリチウム化合物には、こうしたリチウムを含有する鉱物から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどのほか、天然の鹹水から製造(回収)された炭酸リチウムなどのリチウム化合物も含まれるものである。好ましくはリチウム化合物中に占めるリチウム含量比率が大きなものである。具体的にはリチウムを含有する鉱物ないし鹹水から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどである。上記リチウム化合物のなかでも、これら炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウムは抗菌性、脱臭性および防カビ性に優れたものであって、リチウム電池の大量生産に伴い原料資材も安価なものとなっており、リチウム化合物も安価に生産でき、また安全性に優れ、触媒的にプラスチック等に使用した場合でも母材の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れたものである。かかるリチウム化合物のうち代表的なものにつき、その特性を下記表2に示す。 【0035】 【表2】
【0036】上記表2中の塩素分解率は、容器内にHCl水溶液を入れ、容器上部に各リチウム化合物試料を充填したフィルターを設け、容器を加熱した際に該フィルターを通して出てくるガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフ分析計を用いて測定した。同様にフィルターを設けることなく同様にブランクガスのサンプリングを行い、ガスクロマトグラフ分析計を用いて測定した。ブランクガス中のHCl由来の塩素系ガス発生量Aを基準として、リチウム化合試料経由のHCl由来のガス発生量Bとし、塩素分解率(%)=(1−B/A)×100として算出した。 【0037】上記表2中の抗菌率、脱臭率、防カビ性に関しては、後述するので、ここでの説明は省略する。 【0038】これらよりリチウム化合物の特徴としては、まず主にリチウム成分が、塩素化合物等の分解特性を有するかあるいは塩素化合物等との熱化学反応特性に優れ、Li+イオンは溶媒和エネルギーが大きく、無水物は極めて吸湿性が大きい特性を有しており、各種高分子化合物の母材の樹脂等の成分中に均一に分散ないし溶解し易く、またダイオキシン類の発生抑制メカニズムに大きく関与している点にあるといえる。 【0039】また、リチウム化合物は、リチウム含有鉱物や鹹水を所定の加工工程を経て所望の産物に加工して産することができる。こうしたリチウム化合物の製造方法に関しては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造技術を適当に利用することで得ることができる。すなわち、炭酸リチウムを例にとれば、(1)採鉱、破砕(粗、中、細)、湿式粉砕(すいひ)、選鉱(重液および浮遊など)を経て得られたリチウム鉱石(リシア輝石、リシア雲母などのアルミノ珪酸塩;本発明のリチウム化合物にはこれらリチウム鉱物も含む。)の粉末を約1100℃でか焼したのち、硫酸を添加し250℃でばい焼して水溶性の硫酸リチウムを生成させる。これを水で浸出し、浸出液にpH調整、精製、濃縮などの操作を加えたのち、炭酸ナトリウム溶液を添加して炭酸リチウムの沈澱を析出させ、分離、洗浄、乾燥する方法、(2)濃縮、精製した鹹水に炭酸ナトリウム溶液を添加して炭酸リチウムを沈澱させ、これを回収する方法等が利用できる。 【0040】上記リチウム化合物の形態は、特に制限されるべきものではないが、好ましくは粉体や粒体などの粒子状の形態である。この際のリチウム化合物の平均粒度は、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下、特に好ましくは2μm以下である。通常、一般的な製造方法により得られたリチウム化合物であれば、その製造過程で選鉱等に適した粒度まで微粉砕されているため、上記平均粒度を満足するものである。リチウム化合物の平均粒度が20μmを超える場合には、これらを含有する複合セラミックスをプラスチックフィルムなどの薄膜製品に使用する場合など、その粒度によってはフィルム性能に影響を及ぼす場合があるため好ましくない。従って、リチウム化合物の粒度についても、上記平均粒度と同様に大きな粒子は使用用途が制限されることから、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは5μm以下である。 【0041】また、こうしたリチウム化合物の純度に関しては、例えば、純度99.999%のような高純度でなくてもよく、例えば、炭酸リチウムを例にとれば、原産国である米国などから輸入される際の純度ないしその後の簡単な精製により得られる程度(純度95.0〜98.0%程度)であるほうがむしろ望ましいと言える。これは本発明者が炭酸リチウムにつき実験を行った結果、高純度のものよりも、むしろ若干不純物を含有しているものの方が抗菌性、脱臭性、防カビ性やダイオキシン発生抑制効果が高くなることがわかったためであり、さらにコスト的にも有利である。 【0042】上記リチウム化合物の含有量は、複合セラミックスの総質量を基準として、通常75〜99質量%、好ましくは85〜99質量%、より好ましくは90〜99質量%、さらに好ましくは95〜99質量%、特に好ましくは97〜99質量%の範囲である。複合セラミックス中に占めるリチウム化合物の含有量が75質量%未満の場合には、複合セラミックスを使用した高分子化合物(例えば、包装用フィルムや梱包用紙材、生鮮品用トレイ等)に高い抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てを有効かつ効果的に発揮させる上で、またこうした高分子化合物を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制する上でも、より多くの複合セラミックスが必要となることから、こうした高分子化合物の性能低下を招く恐れが生じる場合もある。また、他の有効成分である酸化チタンなどを併用する上で、相乗的な効果が十分に発揮されない場合がある。一方、複合セラミックス中に占めるリチウム化合物の含有量が99質量%を超える場合には、他の有効成分である酸化チタンなどの含有量が制限されるため、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てを有効かつ効果的に発揮し、かつ焼却時にダイオキシン類およびその前駆体(塩化水素等の塩素化合物や塩素系ガス)の発生抑制作用を発揮するのが困難な場合があり、該複合セラミックスを使用した高分子化合物(例えば、包装用フィルムや梱包用紙材、生鮮品用トレイ等)を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合があり得る。 【0043】次に、本発明の複合セラミックスにおいては、酸化チタン(TiO2 )を必須構成成分として含有するものである。これは、後述するように単独では高い抗菌性、脱臭性、防カビ性やダイオキシン類の発生抑制作用はないが、上記リチウム化合物と組み合わせることにより、これらの機能をより一層高める活性機能を有するものである。酸化チタンの結晶形には、アナタース、ブルーカイト、ルチルの3種があり、工業的に生産されているのはアナタース、ルチルであり、本発明でもこれらを利用するのが入手の容易さやコスト面から有利である。酸化チタンの特性を下記表3に示す。 【0044】 【表3】
【0045】上記表3中の活性率(%)は、酸化チタンの試料の反応において、気体・溶質に対し強い異相の能力を有し、エネルギーと時間との物質量(%)で表示したものである。 【0046】上記表3中の抗菌率、脱臭率および防カビ性に関しては、後述するので、ここでの説明は省略する。 【0047】上記酸化チタンの形態は、特に制限されるべきものではないが、好ましくは粉体や粒体などの粒子状の形態である。この際の酸化チタンの平均粒度は、20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。通常、一般的な製造方法(例えば、硫酸法や塩酸法など従来公知の製造方法)により得られた酸化チタンであれば、その製造過程で微粉砕されているため、上記平均粒度を満足するものである。酸化チタンの平均粒度が20μmを超える場合には、これらを含有する複合セラミックスをプラスチックフィルムなどの薄膜製品に使用する場合など、その粒度によってはフィルム性能に影響を及ぼす場合があるため好ましくない。従って、酸化チタンの粒度についても、上記平均粒度と同様に大きな粒子は使用用途が制限されることから、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは5μm以下である。 【0048】また、こうした酸化チタンの純度に関しては、例えば、純度99.999%のような高純度でなくてもよく、チタン系鉱物から簡単な精製により工業的に生産される程度(純度97〜99%程度)であれるほうがむしろ望ましいと言える。これは本発明者が酸化チタンについても、リチウム化合物と組み合わせて実験を行った結果、高純度のものよりも、むしろ若干不純物を含有しているものの方が抗菌性、脱臭性、防カビ性やダイオキシン発生抑制効果が高くなることがわかったためであり、さらにコスト的にも有利である。 【0049】上記酸化チタンの含有量は、複合セラミックスの総質量を基準として、通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは2〜5質量%の範囲である。酸化チタンの含有量が1質量%未満の場合には、併用するリチウム化合物との組み合わせによって、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てを有効かつ効果的に発揮し、かつ焼却時にダイオキシン類およびその前駆体(塩化水素等の塩素化合物や塩素系ガス)の発生抑制効果を発揮するのが困難な場合があり、該複合セラミックスを使用した高分子化合物(例えば、包装用フィルムや梱包用紙材、生鮮品用トレイ等)を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制する上で、より多くの複合セラミックスの使用が必要となることから、こうした高分子化合物の性能低下を招く恐れが生じる場合もある。一方、酸化チタンの含有量が20質量%を超える場合には、他の有効成分であるリチウム化合物等の含有量が制限されるため、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てを有効かつ効果的に発揮し、かつ焼却時にダイオキシン類およびその前駆体(塩化水素等の塩素化合物や塩素系ガス)の発生抑制効果を発揮するのが困難な場合があり、該複合セラミックスを使用した高分子化合物(例えば、包装用フィルムや梱包用紙材、生鮮品用トレイ等)を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合があり得るなど好ましくない。 【0050】また、本発明の複合セラミックスには、使用用途に応じて任意成分としての各種添加剤、例えば、従来公知の抗菌性を奏する成分、脱臭性を有する成分、防カビ性を有する成分、ダイオキシン発生抑制作用を奏する成分(例えば、ダイオキシン類の分解能や吸着能を有する従来公知の触媒等)、結合剤(特に、複合セラミックス単独で抗菌剤、脱臭剤または防カビ剤などとして使用する場合や、ダイオキシン類の発生抑制剤として使用するような場合に、所望の形態に成形加工でき、その形態保持性を持たせる上で極めて有用である。)などがさらに含まれていても良い。上記結合剤としては、特に制限されるものではなく、具体的にはシリカおよび/またはアルミナを主成分とする粘土鉱物を含むものが望ましい。ただし、これらの成分は、後述する複合材料の構成成分として使用しても良い。 【0051】上記任意成分であるそれぞれ添加剤の含有量は、各添加剤が有する機能が十分に発現し得る範囲内で適宜決定すればよく、特に制限されるべきものではない。上記結合剤を例にとれば、その含有量は、複合セラミックスの総質量を基準として通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜7質量%である。結合剤の含有量が、1質量%未満の場合には、結合剤の持つ本来の結合機能が十分に発現する事ができず、材料に求められる強度を十分確保させることができない場合があり好ましくない。一方、結合剤の含有量が、20質量%を超える場合には、既に十分な本来の結合機能が得られており、更なる添加に見合う新たな効果が得られない反面、該結合剤の含有量が過剰になることにより、本発明の特有の効果を発現させることのできるリチウム化合物などの含有率が相対的に減少するため好ましくない。 【0052】また、上記結合剤の粒度は、か焼して十分な強度に仕上げる事ができるように他の成分同士を結合する機能を果たすことができるように、所定の大きさのものを用いる事が望ましい。具体的には、結合剤の平均粒度は20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下のものが適している。結合剤の平均粒度が20μmを超える場合には、結合剤本来の機能を十分に発現する事ができ難くなるなど好ましくない。 【0053】なお、本発明の複合セラミックスの構成成分等の含有量を示したが、如何なる組み合わせであれ、複合セラミックスの構成成分の総和は、100質量%である。 【0054】また、本発明の複合セラミックスの形態としては、特に制限されるものではなく、通常、無定形状、特にリチウム化合物、酸化チタン等の構成成分の粉末からなる粉末状のものであればよいが、例えば、球状、棒状(角柱状、円柱状)、円錐状、板状、円筒状、楕円体状、ペレット状(直径または一辺が1〜30mm、好ましくは2〜15mmぐらいの球形、円柱形または角柱形に造粒した成形材料)等の形態を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。 【0055】下記表4に代表的な複合セラミックスの組成成分の配合比率を変えた例を示す。また、表5には、表4に示す代表的な複合セラミックスの諸特性を示す。 【0056】 【表4】
【0057】 【表5】
【0058】上記表5中の塩素分解率に関しては、上記表2で説明した通り、また活性率に関しては、上記表3で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。 【0059】上記表5中の抗菌率、脱臭性、防カビ性に関しては、後述するので、ここでの説明は省略する。 【0060】(2)複合セラミックスの製造方法上述してなる複合セラミックスの製造方法としては、特に制限されるものではなく、各組成成分を適当に添加混合しただけでもよい。さらに、上記に示すような所定の形状を有する成形体を製造するような場合には、例えば、リチウム化合物と酸化チタンを含む原料組成物に、さらに必要に応じて所定の比率で適当な結合剤や揮散成分(水を含む)を加えて混合し、所定の形状に成形(造粒を含む)後、乾燥し、さらには必要に応じてか焼して製造しても良い。 【0061】複合セラミックスの製造方法に用いることのできる原料組成物のうち、上記揮散成分や水を除く他の原料組成物、すなわち、リチウム化合物、酸化チタン、結合剤および他の添加剤等に関しては、得られる複合セラミックスの組成成分となるため、これらの種類については、既に説明した複合セラミックスの各組成成分と同様であり、上述した内容と重複することとなるため、ここではその説明を省略する。また、これらの含有量についても、得られる複合セラミックス中の含有量となるように調整すればよい。ただし、ここで揮散成分や水を用いる場合には、原料組成物中には揮散成分や水が含まれるが、得られる複合セラミックスには揮発成分が含有されていないので、原料組成物の各成分の配合量を決定する際にはこの点に十分留意する必要がある。 【0062】上記揮散成分としては、特に制限されるものではなく、か焼する際に蒸発ないし熱分解により揮散する成分として分離されるものであれば適宜利用する事ができる。具体的には、か焼する際に蒸発ないし熱分解により揮散される、置換基を有していても良い芳香族化合物などの低分子量の炭化水素化合物等を使用することができるが、好ましくは、常温で固体の昇華性を有するものであり、さらに好ましくは、不快臭がなく人体に無害なものが設計上および取り扱い上、さらには環境上有利である。こうした揮散成分としては、例えば、ナフタリン、アントラセン、アントラキノン等が挙げられる。なお、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。 【0063】上記揮散成分の含有量は、原料組成物の総質量の100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部添加する。揮散成分の含有量が0.1質量部未満の場合には、揮発成分の含有目的である複合セラミックスの多孔質化が十分でなくなる場合がある。一方、揮散成分の含有量が20質量部を超える場合には、気孔が多くなりすぎるため、必要な強度を保持することが困難であるばかりか、か焼時に大量のガスが発生するため、このガス圧により材料が変形したり、クラックが生じ、ひどい場合には破損する事があるなど好ましくない。 【0064】また、水を加える場合には、水の使用量は、結合剤の使用の有無によっても異なるが、原料組成物の総質量を100質量部とした場合に5〜25質量部、好ましくは8〜20質量部、より好ましくは8〜15質量部、特に好ましくは8〜10質量部の範囲である。水の配合量が、5質量部未満の場合には、十分なスラリー化ができず、いわば、ぱさぱさの状態に留まるため、取り扱い上、成形加工性が十分に得られず、乾燥中やか焼中に型くずれを起こす場合があるなど好ましくなく、一方、25質量部を超える場合には、粘性が低く流動性が高く成りすぎるため、成形加工性が得られず、所望の形状に造粒することができず好ましくない。 【0065】次に、所定の形状を有する成形体を製造する場合には、上記原料組成物を上記に規定する比率にて混合し、所定の形状に成形後、か焼するものである。 【0066】混合条件および混合装置に関しては、特に制限されるものではなく、従来公知の撹拌ないし混合装置、例えば、水平円筒形混合機(内設羽根付き)、V型混合機(撹拌羽根付き)、二重円錐型混合機、リボン型混合機、単軸ロッドまたはピン付きローター型混合機、複軸パドル型混合機(パグミル)、円錐型スクリュー混合機、高速流動型混合機、回転円板型混合機、マラー型混合機、気流撹拌型混合機、無撹拌型混合機、双腕型捏和機、インターナルミキサー、3本ロールミキサー、連続式マラー捏和機、コニーダー、ボテーター型捏和機、セルフクリーニング型捏和機等を適当に利用して行うことができるものであるが、これらの代表的な例示装置に限定されるものでないことは言うまでもない。原料の混合により、原料成分が均一に混合されていればよい。 【0067】次に、所定の形状に成形するための形成条件および成形装置に関しても、特に制限されるものではなく、目的の複合セラミックスの形態等に応じて、従来公知のセラミック加工等に使われる成形装置、例えば、押出プレスなどにより材料を型から押し出す押出成形法、材料を型に付着させる浸シ成型法、プレス成形機、ホットプレスなどにより材料を型に入れ型打ち成形やプレス成形(圧縮成形)を行う型打ち成型法、スリップ鋳込等により材料を型に入れる鋳込成形法等を適当に利用して行うことができるものであるが、粒状物形態のものを成型しまたは造粒等する場合には、捏和装置を利用して、上記混合操作と当該成形操作を連続かつ一体的に処理することが望ましい。本発明の複合セラミックスの製造方法では、上記成形過程で十分に加圧成形する事が可能となる点で有利である。すなわち、所望の強度になるように加圧成形しても、該成形体中に存在する揮散成分(水を含む)が、乾燥ないしか焼時に蒸発ないし揮散することで、多孔質化が容易になされるためである。 【0068】次に、水を用いる場合では、乾燥条件として、成形加工により得られた成形体中の水分がほぼ完全に取り除かれた状態になる温度でか焼前に乾燥を行うことが望ましい。具体的には、乾燥温度は、60〜95℃、好ましくは65〜85℃、より好ましくは70〜80℃の範囲であり、乾燥時間は、1〜3時間、好ましくは1.5〜2時間である。乾燥温度が60℃未満の場合またはか焼時間が1時間未満の場合には、十分な乾燥が行えず好ましくない。一方、乾燥温度が95℃を超える場合または乾燥時間が3時間を超える場合には、既に十分な乾燥が行え手織、更なる乾燥に見合う効果が得られないため不経済である。なお、乾燥後の水分含有量は、2質量%以下、好ましくは1質量%未満とされている事が望ましい。 【0069】次に、か焼条件としては、成形加工により得られた成形体中の揮散成分(水を含む)が完全に取り除かれ、また結合剤が十分に融着可能な状態になる温度であればよい。具体的には、か焼温度は、500〜750℃、好ましくは500〜650℃の範囲であり、か焼時間は、1〜3時間、好ましくは1〜2時間である。か焼温度が500℃未満の場合またはか焼時間が1時間未満の場合には、十分な強度が得られなかったり、多孔質化が図れず好ましくない。一方、か焼温度が750℃を超える場合またはか焼時間が3時間を超える場合には、十分な強度及び多孔質化は図れるが、原料の一部が分解されて、活性点が減少するなど、好ましくない。 【0070】また、か焼装置としては、特に制限されるものではなく、従来公知の加熱装置の他に、加熱手段を有する成形装置や混練装置等を適宜利用して行うことができる。 【0071】(3)複合セラミックスの用途本発明の複合セラミックスは、その優れた抗菌性、脱臭性、防カビ性およびダイオキシン類の発生抑制作用の双方を有効に利用すべく、抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てに厳しい要求基準が求められているプラスチック(広くは高分子化合物)などの各種複合材料製品(包装・梱包材を含む)などに幅広く使用することが望ましい。そして使用済みとなったこれらの複合材料製品(包装・梱包材を含む)が廃棄され、ごく一般的な家庭ゴミに多く含まれる塩化物(主に食塩)と一緒に焼却処理されることが通例であるが、こうした場合であってもこれら塩化物と複合セラミックスを使用した製品(複合材料)との熱化学反応により有害なダイオキシン類を発生するのを極めて効率よくかつ効果的に抑制することのできるものである。かかる複合セラミックスを使用した複合材料については、後で詳しく説明する。 【0072】また、本発明の複合セラミックスは、そのままダイオキシン発生抑制材として使用してもよい。この場合、焼却炉に用いることができるものであればいかなる形態であっても良い。例えば、■焼却炉内の排気ガス成分と接触可能な位置に設置することができるようにプレート等の成型品として、■焼却炉の内壁等を構成する耐火レンガの代替え品として利用することができるレンガ等の成型品として、■焼却炉にて焼却する被焼却物(廃棄物)と混焼するのに便利なように所定粒度の粒状物等の成型品として、■焼却炉の煙突などに設ける排気ガス中の有害物質除去用のフィルター材料に適した形状の成型品として利用することなどができる。特に、上記■や■のように、簡便に取り替えるができ、かつ長期間使用することができる形態にすることが、経済的に見て有利である。また、上記■の場合、複合セラミックスの使用方法としては、廃棄物を焼却する際の熱化学反応により発生するダイオキシン類を抑制することができるように、焼却ないし加熱処理時に複合セラミックスを存在させればよく、あらかじめ複合セラミックスを廃棄物中に加えた後に焼却ないし加熱処理してもよいし、あるいは廃棄物を焼却ないし加熱処理する際に複合セラミックスを適量ずつ適宜加えていってもよい。もちろんこの双方を組み合わせて行ってもよい。さらに、焼却炉内部に予め設置しておいて焼却ないし加熱処理してもよい。ここで、加熱処理を含めたのは、従来より焼却処理されている有機塩素化合物を含有する廃棄物のうち、PCB等の有機塩素化合物を含有の廃油等の液状廃棄物においては、当該廃棄物に適合する焼却炉によって焼却処理する以外に、複合セラミックスの存在下で低温加熱処理することによっても、PCB等の有機塩素化合物を無害化できることを見出したことによる。すなわち、50〜200℃、より好ましくは50〜100℃、特には50〜60℃程度の低温での加熱処理によって有害なダイオキシン類の合成に不可欠な塩素分を除去(作用機序は明らかでないが、ダイオキシン類の合成反応に関与し得ないような反応が起こっているものと考える。)できる。また、低温加熱処理された処理油は、その後、再利用可能な場合には精製してリサイクル製品とすることができ、また再利用できない場合であっても、ダイオキシン対策をとることなく焼却処理することができる。ただし、極微量のPCB等の有機塩素化合物が残っていることがありうるため、焼却処理時にも本発明法を更に適用することがより望ましい。 【0073】本発明の複合セラミックスが適用できる廃棄物としては、通常の家庭ゴミなど多くの食塩を含む都市ゴミなどの一般廃棄物、廃軟質レザー、廃紙壁、PCP等の有機塩素化合物を含有する建材や木材等の建築廃材、廃農業用の硬質ないし軟質の塩化ビニル樹脂材等の農業廃材、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物を含有する汚染土壌や廃プラスチック等の固形廃棄物やPCBなどの有機塩素化合物を含有する廃油や下水汚泥、製紙汚泥等などの液状廃棄物などの工業廃材、さらには医療関係の廃棄物などを含めた産業廃棄物など、ダイオキシン類を発生する塩化物(食塩を含む)を含有する廃棄物すべてがその対象となる。なお、有機塩素化合物としては、例えば、ポリ塩化ビニルを例にとれば、下記表6に示す用途に用いられその後都市廃棄物中に混入されるものや、産業廃棄物として別途回収されたもの全てがその対象となる。 【0074】 【表6】
【0075】なお、ダイオキシン類の発生を抑制するのに必要な複合セラミックスの量は、予め小規模実験を行い、塩化物量の分かっているゴミを焼却し、これに対し必要な複合セラミックスを測定し、経験則に従って、一般ゴミ中の塩化物量を特定し、これに見合う複合セラミックスに一定のマージンを加味した量を加えるようにすることが望ましい。特に、実際の都市ゴミ中の塩化物の量は特定が難しく、実際の運用に当たっては、上記実際の都市ゴミを使った予備実験を行い、またマージン量を多めに取ることが望ましい。特に本発明の複合セラミックスでは、焼却灰中のダイオキシン類の発生をも抑制できているので、該焼却灰の埋め立て処分が簡便であり、もともと無害な鉱物資源を使用したものであるので、埋め立てた際に環境問題が生じることもない。 【0076】(4)複合材料次に、本発明の複合材料は、上記の複合セラミックスを含有してなることを特徴とするものである。これにより、優れた抗菌性、脱臭性および防カビ性の全てを発現、保持でき、かつ使用済みのものを塩化物と一緒に燃やしても該複合材料に起因するダイオキシン類の発生を抑制することができるものである。本発明の複合材料は、複合セラミックス単体が有する抗菌力、脱臭力および防カビ力を大幅に損なうことなく保持できており、紫外線照射、ガス殺菌などの一時的な効果ではなく、複合セラミックスを添加配合することにより、複合材料自体に高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を発揮し保持することができるものである。 【0077】なお、本発明での抗菌率(表2、3、5、7に表示するもの)は、日本防菌防黴学会で認定されている測定法を用いるものとする。すなわち、菌類に対する抗菌率に関しては、■粉末形態の無機系の複合セラミックス(粉末形態)についてはシェーク法により測定し、■プラスチック等の各種加工品(フィルム等の一定の形状を有するもの)については、加圧法により測定するものとする。これらの測定法の概要を以下に簡単に説明する。 【0078】シェーク法;粉末形態の加工製品等に適用し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサンプル(粉末の無機系の複合セラミックス)と、供試菌とを共存させ、一定の時間振とう後に生残菌数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散させたサンプルと供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方法である。 【0079】加圧法;一定の形状の加工製品(プラスチック等の各種加工製品の多くがこれに該当する)に好適に適用し得る抗菌力評価方法であって、所定の大きさ(例えば、25×25mm)のサンプルであるプラスチックフィルムを1%ペプトン水溶液に供試菌を懸濁したものを適量(例えば、0.050ml)塗布する(サンプル1枚当たり1.0×106 CFU接種)。次に、殺菌したポリエチレンフィルム(30×30mm)を密着させ適当な温度(例えば、30℃)と湿度(加湿状態)を保ち24時間後、適量のSCDLP培地(例えば、10ml)で菌液を洗い出し適宜希釈を行い平板混釈法(SCDLP寒天培地 培養32℃48時間)により生菌数を測定するものである。 【0080】本発明では、複合セラミックス自体の抗菌率(X)およびこの複合セラミックスを用いた複合材料の抗菌率(Y)との相間関係が、Y≧0.6X、好ましくはY≧0.75X、より好ましくはY≧0.90Xを満足するものが望ましい。Y<0.6Xの場合には、複合セラミックス単体が有する高い抗菌力を大幅に損なうため、従来の無機系抗菌剤を用いた複合材料等が達成することができた抗菌力と同程度の抗菌効果しか発現できず、従来の抗菌性プラスチックなどに比して優れた抗菌効果の発現が期待できない。また、Y≧0.75X、さらにはY≧0.90Xの関係を満足するものにあっては、複合セラミックス自体が有する高い抗菌力をほとんど損なう事なく極めて優れた抗菌性を有する複合材料を実現できるものであり、一定レベル以上の抗菌性を長期間にわたって持続できるため、抗菌性が強く望まれる食品分野(生鮮食料品などの食品包装等に適したフィルム材、食品容器、包装材、まな板、台所用品など)、繊維分野(衣類、寝具、カーペットなど)、衛生分野(紙おむつ、マスク、幼児用スプーン等の食器類など)、医療分野(院内の寝具、白衣、食器など)、長期使用が課せられる壁紙、床材等の家庭内装材、シーリング剤等の建材など幅広い分野において、有用に活用できる。 【0081】本発明での脱臭率(%)(表2、3、5、7に表示するもの)は、テドラーバッグ内試料1g(複合セラミックス、複合材料)及び臭いガス600mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、下記式により脱臭率を求めた。なお、ガス種には、アンモニア(アルカリ性)、硫化水素(酸性)を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは、吸光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素は、ガスクロマトグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。表中の値は、アンモニア(アルカリ性)と硫化水素(酸性)のそれぞれの脱臭率である。 【0082】脱臭率(%)=(ブランクガス濃度−試料ガス濃度)/ブランクガス濃度×100本発明での防カビ性(表2、3、5、7に表示するもの)は、JIS Z−2911に従って行った。 【0083】本発明の複合セラミックスを用いてなる複合材料としては、例えば、複合樹脂、複合ゴム、複合紙、複合繊維、複合木材、複合皮革、複合固形化燃料、複合塗料などが挙げられる。本発明の複合セラミックスを用いてなる複合材料では、任意の期間使用後、処分、例えば、焼却処分、埋め立て処分(焼却後の灰分を含む)しても公害(ダイオキシン類を含む)にならない。また、本発明の複合セラミックスは、天然鉱物やその焼成物などからなるものであってその有効期間は永久的である。 【0084】また、本発明の複合材料の母材原料としては、特に制限されるものではなく、その用途、例えば、複合プラスチック(樹脂)、複合ゴム、複合紙、複合繊維、複合木材、複合皮革、複合固形化燃料、複合塗料などにより異なるものであり一義的に規定することはできないものであり、あらゆる種類の樹脂、ゴム(エラストマーを含む)、紙・パルプ、木材、皮革等を単独若しくは適当に組み合わせて母材原料とすることができるものである。さらにアルミニウム等の金属材料、ガラスなどの無機材料などの不燃性の母材原料(基材)等と組み合わせることもできる。すなわち、本発明の複合材料としては、該母材原料に複合セラミックスおよび他の添加剤(副資材)を配合し成形加工して得られる高分子化合物(プラスチック、ゴム、エラストマー)や紙・パルプなどの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうした複合材料において、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。さらに、木材や皮革、さらに繊維やその加工品(繊維生地)などに後述する注入法により加えた加工品があり、こうした複合材料においも、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。さらに、使用用途によっては、適当な基材(特に制限されるべきものではなく、金属、ガラスなどの無機系基材であってもよいし、樹脂製のフィルムや成形品、木材・紙類などの有機系基材であってもよい。)表面に複合セラミックスを担持(固定、含浸、付着、吸着、結合、接着、接合、被覆、充填、添着などの諸形態を含む)させてもよいし、複合セラミックス含有の複合塗料をコーティングなどしてもよい。特に、汎用性のある高分子化合物を母材原料とするプラスチックの成形加工品(複合材料)が幅広い分野に適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有する。 【0085】また、本発明の複合材料に用いることのできる樹脂やゴム等の母材原料としては、特に制限されるものではなく、従来既知の母材原料として用いられている樹脂、ゴムのほか、紙・パルプなどを使用することができる。こうした母材原料の一部(代表的な例)を示すならば、例えば、ポリテトラクロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチルヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリサルファイド、ポリスチレンジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリメチルアクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリビニルクロルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、フェノール樹脂、ポリビニルデンクロライド(サラン)、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12などのポリアミド(ナイロン類)、ポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマーなど)、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、トリアジン系樹脂、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラスチック等の天然プラスチック、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成品)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アイオノマー、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル酸メチルなどのエチレン共重合体、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタンエラストマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−アセテート共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、チオコールゴム、ネオプレン、各種紙・パルプ、木材等が挙げられる。これらの複合材料の母材原料は、単独(共重合体を含む)で用いてもよいし、2種以上を複合化したものであってもよい。さらに、吸水性である織布、不織布およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによって、それぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすことができるので、多くの分野で用いることができる。 【0086】本発明の複合材料における複合セラミックスの含有量としては、複合材料の性能(機械的強度や加工性など)を損なうことなく、新たに複合セラミックスの持つ高い抗菌性、脱臭性、防カビ性およびダイオキシン類の発生抑制作用の全ての特性を有効かつ効果的に付与できる量であればよく、母材原料などによっても異なるが、複合材料の総質量を基準として通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは2〜5質量%の範囲である。該複合セラミックスの含有量が1質量%未満の場合には、複合材料に複合セラミックスの持つ抗菌性、脱臭性、防カビ性およびダイオキシン類の発生抑制作用の両特性を有効かつ効果的に発現させることが困難となる場合があり好ましくない。一方、複合セラミックスの含有量が20質量%を超える場合には、複合材料の性能(機械的強度や加工性など)を損なう場合が生じるなど好ましくない。 【0087】また、本発明の複合材料には、必要に応じて、それぞれの用途に適した従来既知の各種添加剤を用いる事ができる。例えば、従来公知の可塑剤、安定剤(酸化防止剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、滑剤、硬化剤、触媒、充填剤、帯電防止剤、着色剤(顔料等)、増量剤、結晶調節剤、補強材、難燃化剤、架橋剤、発泡剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、オゾン劣化防止剤などがそれぞれの性能(機能)が十分に発現し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。なお、本発明では、添加剤として従来の抗菌剤、脱臭剤、防カビ剤を併用する実施形態を排除するものではない。 【0088】本発明の複合材料の使用形態としては、特に制限されるものではなく、その用途に応じたあらゆる形態に適用することができるものであり、1例を示せば、■フィルム形態;食品包装等、各種包装材などに適する、■成形加工形態;食品容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコンなどの電化製品の抗菌性、脱臭性、防カビ性が求められる部分に使われる部品等に適するもので、具体的には、板状、棒状など用途に適した形状を持つ、■複合形態;壁紙、床材などの家庭内装材、シーリング材等の建材、各種タンク、パイプ等の水処理材料などのように本発明の複合材料と他の材料との貼り合わせや、積層(ラミネート)などの組み合わせに適するもので、具体的には、ラミネートフィルム、積層板等の形状を持つ、■繊維形態;衣類、靴下、カーペット、寝具などの繊維製品に適する、■紙・パルプ形態、■塗料・塗膜形態など、あらゆる形態にすることができる。 【0089】次に、本発明の複合セラミックスを含有してなる複合材料の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来既知のプラスチック、ゴム、紙などの製造技術を適用する事ができるものであり、上記に例示したような母材原料の樹脂やゴム、パルプなどに、複合セラミックス、さらには上記に説明した各種添加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形加工するものである。(1)かかる配合操作は、目的とする複合材料の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、■母材原料、複合セラミックス及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなどの形態の配合材料を形成しても良いし、■母材原料、複合セラミックス及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良い。これらに配合の際、複合セラミックス及び他の添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを作製し、その後、用途に応じて所望の濃度になるように均一に混合ないし混練処理しても良い。(2)また、その後の、成形・加工方法も、目的とする複合材料の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用することができる。また、これら樹脂加工品である容器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、塗料、接着剤、木材および木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。さらに、木材や皮革等については、後述する複合木材の製造方法を適用することが望ましい。すなわち、真空装置内部に対象となる木材や皮革原料を入れておき、減圧させることで、これらの原料内も減圧されるので、この時点ないし常圧に戻す際に複合セラミックスを適当な溶液に均一に分散させたものを噴霧することで、こうした減圧された原料表面に複合セラミックスを注入するとした技術などが例示できる。また、複合固形化燃料に関しても、複合セラミックスを含有、好ましく複合セラミックスを固形化燃料を基準として5〜15質量%の範囲で含有してなるものが好ましく、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。すなわち、本発明の複合固形化燃料の製造方法は、複合セラミックスを配合してなる配合材料を用いて成形すればよく、好ましくは、原料廃棄物を粉砕し、選別し、乾燥した後に、複合セラミックスを配合し、成形することが望ましい。さらに原料廃棄物を粉砕し、選別した後に、複合セラミックスを配合し、成形し、乾燥するようししてもよいし、原料廃棄物を粉砕し、選別した後に複合セラミックスを配合し、乾燥し、成形するようにしてもよい。こられの複合固形化燃料は、抗菌性、脱臭性、防カビ性などのほかに、ダイオキシン類の発生抑制効果があるため、これを燃焼させ、発生する熱を利用して発電を行うこと発電システム等に有効に適用できる。 【0090】 【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明する。 【0091】実施例1〜4および比較例1〜3上記表4に示す各種複合セラミックス1〜6を所定の比率(5質量%)で各種の母材樹脂(ポリ塩化ビニル)に添加混入して複合材料(フィルム、シート、クロス、壁紙)を製造した。より詳しくは、各種の母材樹脂につき、それぞれの複合セラミックスを高濃度(添加混入率20〜30質量%)に配合してマスターバッチを作製し、その後、該マスターバッチを各種の母材樹脂に加えて希釈し、複合セラミックスが所定の比率になるようにし、加工機で混ぜ合わせて均一に分散させて(適当な分散剤が加えられていてもよい)加工し、従来公知の成形加工法にて所望の形態に成形・加工することで、所望の複合材料(フィルム、シート、クロス、壁紙)を製造した。特にマスターバッチ法では、無機物である複合セラミックスの微粒子を母材樹脂中に均一に配合させるのに有効な手段である。得られた複合材料(フィルム)の特性を下記表7に示す。 【0092】 【表7】
【0093】上記表7中の複合セラミックスの種類は、上記表4、5のものと同じである。 【0094】上記表7中の抗菌率、脱臭性、防カビ性に関しては、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。 【0095】次に、上記表4に示す複合セラミックス1〜6のうち、複合セラミックス1、3を用いて製造した複合材料シート、複合セラミックス2を用いて製造したクロスおよび複合セラミックス5を用いて製造した壁紙につき、それぞれを焼却し、焼却時のダイオキシン抑制効果を測定した。また、比較実験として、汎用樹脂である上記母材樹脂(ポリ塩化ビニル)製のシート、クロス、壁紙についても同様にそれぞれ焼却し、焼却時の特性効果を測定した。これらの焼却実験は、国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験に即したかたちで行った。すなわち、市販の小型焼却炉を使い、新聞紙5kgと上記で得られた複合材料(シート、クロス、壁紙)5kgを一緒に炉内温度650℃で焼却し、燃焼開始時から適当な間隔毎に排気ガスを収集して、排気ガス中のダイオキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性等価濃度)をそれぞれ測定したものである。また、上記被焼却物を完全に焼却した後に、炉内の焼却灰についても、ダイオキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性等価濃度)を測定したものである。これら排ガスおよび灰(焼却灰)中のダイオキシン類の濃度(毒性等価濃度)は、財団法人高分子研究所にそれぞれのサンプルガス及び灰分を持ち込み、分析した結果である(以下同様)。得られた結果を下記表8〜9に示す。 【0096】 【表8】
【0097】 【表9】
【0098】これら実施例及び比較例の結果から、本実施例の複合材料では、比較例の汎用樹脂製品に比して、いずれの場合も、リチウム化合物と酸化チタンを含有する複合セラミックスに基づく抗菌性、脱臭性、防カビ性およびダイオキシン類の発生抑制作用のいずれもが非常高い値を示していることがわかる。 【0099】 【発明の効果】本発明の複合セラミックスは、高い抗菌性、脱臭性および防カビ性を有し、さらにダイオキシン類の発生を抑制し得るなどの諸特性を有効に発現することができる。 【0100】また、本発明の複合セラミックスでは、従来の高価な担体に銀等の高価な抗菌性金属材料を置換させる操作を行うことなく、年々コスト低減され安価に供給される天然鉱物原料を微粉化し、適当な化学的処理による簡単な操作で製造し得るものである。よって、複雑な加工処理を施すことなく比較的安価に製造することができる。 【0101】さらに、本発明の複合セラミックスを用いてなる複合材料、例えば、複合樹脂、複合塗料、複合接着剤、複合ゴム・エラストマーや複合繊維などでは、加工時の加熱及び加圧、使用の際に置かれる環境(光、水等)に耐え、しかも樹脂や繊維製品の基本性能を損なう事なく、従来の無機充填材料など(例えば、広く使用されている炭酸カルシウムなど)と同様にして母材原料の樹脂成分などに対して所定の比率で添加混合(マスターバッチ法や紡糸時に配合)する操作を行うだけでよく、既存の製造技術をそのまま適用できるので、新たに製造装置を揃えなくともよく、比較的安価に製造することができる。また、従来と同様にあらゆる形態(繊維、フィルム、塗膜、成型品等の諸形態)に加工でき、かつ安全性(加工、使用、廃棄の全ての段階における安全性)の極めて高いものとでき、また食中毒の原因ともなる毒素をだすブドウ状球菌、O−157細菌等に対する抗菌効果、脱臭効果、防カビ効果およびダイオキシン類の発生抑制効果(塩素系ガス発生抑制効果を含む)等が極めて高く維持できるため、特に食品包装・容器、まな板、台所用品、冷蔵庫などのほか、2次感染しやすいトイレや風呂場用品等の日用品等に幅広く使用することができるなど、本発明の複合セラミックスを用いた複合材料である複合樹脂、複合塗料、複合接着剤、複合ゴム・エラストマーや複合繊維及びその製品、複合紙、複合木材、複合皮革などは、多方面で利用できる。この様な複合材料である複合樹脂、複合塗料、複合接着剤、複合ゴム・エラストマーや複合繊維、複合紙、複合木材、複合皮革、複合固形化燃料などとしては、例えば、食品包装、食品用容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用・家庭用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコン等の電化製品、壁紙(樹脂製)、床材などの家庭内装材、シーリング剤等の建材、靴下、カーペット、寝具等の繊維製品、建設機械、農業資材、工業用品など抗菌性、脱臭性、防カビ性の諸特性が要求されているものであれば如何なるものであれ使用できる画期的な発明であり、極めて長期にわたって細菌・カビ類により劣化・変色させられ商品価値を失うことを防ぐことができるものである。さらに、本発明の複合材料では、上記複合樹脂、複合塗料、複合接着剤、複合ゴム・エラストマーや複合繊維の他にも、木材、皮革など様々な基材に複合セラミックスを添加ないし注入することにより、複合紙、複合木材、複合皮革、複合固形化燃料などを得ることができ、上記複合樹脂と同様に作用効果を得ることができるものである。さらに、本発明の複合セラミックスおよび複合材料では、使用中に殺菌、脱臭および防カビ効果の全てを発揮できるほかに、さらに使用後に焼却処理する際に、ダイオキシン類や塩素系ガスの発生を抑制する効果を極めて高くできるため、現在、我が国で法制化がなされたダイオキシン類の排出基準に十分に適合できる極めて画期的な技術である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591084137 【氏名又は名称】前田 信秀 【識別番号】000175021 【氏名又は名称】三井化学産資株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月9日(2001.5.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072349 【弁理士】 【氏名又は名称】八田 幹雄 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−332203(P2002−332203A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月22日(2002.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−139026(P2001−139026) |
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