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【発明の名称】 農業用水和性組成物、その製造方法及びその保存方法
【発明者】 【氏名】三角 裕治

【氏名】豊岡 克志

【氏名】渡辺 哲

【氏名】清水 力

【氏名】永山 孝三

【要約】 【課題】長期間にわたって高い生存率を維持し得ると共に、施用時の物理性の良好な微生物を有効成分とする農業用水和性組成物及び該農業用水和性組成物を長期間安定して保存する方法を提供する。

【解決手段】糸状菌胞子と界面活性剤とを含有する混合物に対し、吸水能を有する吸着剤を組成物全質量に基づき少なくとも10質量%配合した農業用水和性組成物とする。この組成物は、糸状菌胞子、界面活性剤、吸水能を有する吸着剤及びその他の添加成分を、それぞれ所要の割合で含む混合物を、衝撃式粉砕により粉砕及び混合し、かつ全体の水分が2.5質量%未満になるように調整することにより製造する。またこの組成物を水溶性フィルムで形成された袋状体により包装し、それをさらに気密性フィルムで形成された袋状体に窒素ガスとともに封入して保存する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糸状菌胞子と界面活性剤とを含有する混合物に対し、吸水能を有する吸着剤を組成物全質量に基づき少なくとも10質量%配合したことを特徴とする農業用水和性組成物。
【請求項2】 糸状菌胞子が平均粒径2〜10μmで、かつ体積90%径/体積10%径の比が5.62以下の乾燥粉末である請求項1記載の農業用水和性組成物。
【請求項3】 糸状菌がトリコデルマ属及びアスペルギルス属に属する糸状菌の中から選ばれたものである請求項1又は2記載の農業用水和性組成物。
【請求項4】 界面活性剤がリグニンスルホン酸塩系界面活性剤及びポリカルボン酸塩系界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1、2又は3記載の農業用水和性組成物。
【請求項5】 吸水能を有する吸着剤が、孔径0.5nm以下の細孔を有する多孔質無機物質である請求項1ないし4のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項6】 吸水能を有する吸着剤として、合成ゼオライトを組成物全量に基づき10〜25質量%の範囲で用いる請求項1ないし5のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項7】 吸水能を有する吸着剤として、シリカゲルを組成物全質量に基づき50〜95質量%の範囲で用いる請求項1ないし5のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項8】 吸水能を有する吸着剤として、アルミナを組成物全質量に基づき10〜95質量%の範囲で用いる請求項1ないし5のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項9】 糸状菌胞子と界面活性剤と吸水能を有する吸着剤に加えて、さらに担体を含有する請求項1ないし8のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項10】 担体がクレー類である請求項9記載の農業用水和性組成物。
【請求項11】 組成物全質量に基づく水分が2.5質量%未満である請求項1ないし10のいずれかに記載の農業用水和性組成物。
【請求項12】 糸状菌胞子、界面活性剤、吸水能を有する吸着剤及びその他の添加成分を、それぞれ所要の割合で含む混合物を、衝撃式粉砕により粉砕及び混合し、かつ全体の水分が2.5質量%未満になるように調整することを特徴とする農業用水和性組成物の製造方法。
【請求項13】 請求項1ないし11のいずれかに記載の農業用水和性組成物を、水溶性フィルムで形成された袋状体により包装し、それをさらに気密性フィルムで形成された袋状体に窒素ガスとともに封入することを特徴とする農業用水和性組成物の保存方法。
【請求項14】 水溶性フィルムが微細孔を有する請求項13記載の農業用水和性組成物の保存方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸状菌胞子を有効成分とし、かつ該糸状菌胞子を長期間安定に保存し得ると共に、施用時の物理性が良好な農業用水和性組成物、このものを効率よく製造する方法、及び該農業用水和性組成物を長期間安定して保存する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の病害虫防除は、効率よく農業生産を行う上で不可欠な作業であり、この目的のために合成農薬が使用され、大きな功績を挙げている。しかしながら、近年、合成農薬の多投与による抵抗性害虫の発生や環境破壊の問題が取り上げられるようになり、いかに環境負荷を低減させ効率よく、継続的に農業生産を行っていくかが農業分野での重要な課題となってきた。
【0003】その解決策の1つとして、微生物の機能を利用した微生物農薬が提案されており、その単独使用やこれと合成農薬を組み合わせて使用することにより、環境負荷の低減効果や、合成農薬では大きな問題となっている耐性病害虫の出現頻度の抑制効果が認められている。
【0004】現在、微生物農薬としての利用が期待される微生物としては、植物が本来保持している抵抗性を賦活化して病害を防除する非病原性フザリウム(ベイカー、ハンキー、ドッテラー;ファイトパソロジー(Baker,Hanchey,Dottara;Phytopathology)1978年;特公平7−96458号公報)、病原性に抗生作用を示すトリコデルマ(農林水産省登録第7023号)、害虫の病原菌である子状菌(柳沼勝彦,果実日本,50,1995年)、雑草に感染する細菌(特開平4−368306号公報)などが提案されている。
【0005】このように農薬としての可能性を有する種々の微生物が提案されているが、微生物製剤を開発する上では、有効成分である微生物をいかに生菌のまま安定に製剤できるかが鍵であり、保存期間中の微生物の死滅などが大きな障壁となっている。したがって、微生物を長期間安定に生存した状態で保存するための方法の開発が重要な課題となっている。
【0006】さらに微生物乾燥粉末を用いた農薬製剤では、効率のよい薬剤施用、処理のために均一な懸濁液、あるいは水和性、被覆性の良好な粉体あるいは粒状物を調製する必要がある。
【0007】合成農薬製剤における水和剤は、有効成分と、ケイソウ土や消石灰などの酸化物、リン灰などのリン酸塩、セッコウなどの硫酸塩、タルク、パイロフェライト、クレー、カオリン、ベントナイト、酸性白土、ホワイトカーボン、石英粉末、ケイ石粉などの鉱物質の微粉などの固体担体と、少量の界面活性剤を含有するものであり、微生物乾燥粉末を有効成分とする農薬製剤においては、このような水和剤の形態で用いることが好ましい。
【0008】ところで、微生物の保存法としては、一般に凍結乾燥法、流動パラフィン重層法、斜面培地法などが知られている。しかし、これらは、いずれも小規模量の微生物を取り扱う場合には有効であるが、大量の微生物を取扱い、かつ高い生存菌数が要求される微生物農薬の保存法としては不適当である。
【0009】一方、微生物農薬あるいは微生物資材の製剤としては、これまで非病原性フザリウム属微生物をゼオライト系基材に吸着させ、自然乾燥した製剤(特開昭63−227507号公報)、バシルス属細菌の胞子画分を利用した植物病害防除剤(特開平8−175919号公報)、植物病害に対して防除効果を有する微生物にアンモニア吸着能を有する吸着剤を混合した組成物(特開2000−264808号公報、特開2000−264807号公報)などが知られている。
【0010】しかしながら、前記のフザリウムの生菌体をゼオライト系基材に吸着させた製剤は、室温で保存すると生存菌数が急速に減少する傾向があるし、バシルス属細菌の胞子画分を利用する植物病害防除剤の場合、その保存性がどのようになるかは全く知られていない。しかも、微生物資材の場合は、培養基として使用した基材をそのまま投入しているため、栄養成分が存在し、保存中に病原菌の生育を助長するという問題がある。一方、前記のアンモニア吸着能を有する吸着剤を混合した組成物では、未吸着の担体、すなわちまだ吸着能を有する担体が未吸着の状態、すなわち吸着能を有する状態でのゼオライト、シリカゲルが強い疎水性を示すため、薬剤施用時に、特に種子の粉衣処理、あるいは水を使用して施用する場合に不都合を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情のもとで、長期間にわたって高い生存率を維持し得ると共に、施用時の物理性の良好な微生物を有効成分とする農業用水和性組成物及び該農業用水和性組成物を長期間安定して保存する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微生物農薬、特に農業用水和性組成物について種々研究を重ねた結果、糸状菌胞子と界面活性剤と特定の量の吸水能を有する吸着剤を含む水和性組成物が、生菌の保存性及び施用時の物理性が良好であること、そして、このものは各成分を所要の割合で含む混合物に衝撃式粉砕処理を施すことにより、効率よく得られること、さらに該水和性組成物を、窒素ガスと共に気体不透過性の袋状体に封入することにより、長期間安定に保存し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、糸状菌胞子と界面活性剤とを含有する混合物に対し、吸水能を有する吸着剤を組成物全質量に基づき少なくとも10質量%配合したことを特徴とする農業用水和性組成物、糸状菌胞子、界面活性剤、吸水能を有する吸着剤及びその他の添加成分を、それぞれ所要の割合で含む混合物を、衝撃式粉砕により粉砕及び混合し、かつ全体の水分が2.5質量%未満になるように調整することを特徴とする農業用水和性組成物の製造方法、及び上記農業用水和性組成物を、水溶性フィルムで形成された袋状体により包装し、それをさらに気密性フィルムで形成された袋状体に窒素ガスとともに封入することを特徴とする農業用水和性組成物の保存方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の農業用水和性組成物は、糸状菌胞子と界面活性剤と吸水能を有する吸着剤を必須成分として含有するものであって、上記糸状菌については、特に制限はなく、例えば、トリコデルマ属及びアスペルギルス属に属する糸状菌の中から選ばれる糸状菌などが用いられる。
【0015】本発明の水和性組成物においては、前記糸状菌の胞子が用いられるが、この糸状菌は、分生胞子や厚膜胞子を主体とする生菌体が好ましい。この生菌体には、菌糸体が含まれていても差し支えない。本発明ではこのような胞子を含む培養物全体をそのまま用いてもよく、また培養物から分離した胞子を水に懸濁させて使用してもよい。
【0016】この糸状菌の培養に用いる培地としては特に制限はなく、通常微生物の培養に用いられているものの中から任意に選択できる。胞子を形成させることが可能な培地である限り、液体培地、固体培地のいずれも使用できる。このような培地としては、例えばポテト・デキストロース培地、オートミール培地、普通寒天培地、酵母エキス・麦芽エキス寒天培地、ふすま培地などがある。これらの培地として至適条件のものを用い、滅菌後、糸状菌を接種し、生育至的温度で1〜30日間程度振盪あるいは静置培養することにより胞子濃度の高い培養物を得ることができる。
【0017】本発明組成物においては、その中に含まれる糸状菌胞子数は、分生胞子又は厚膜胞子が、組成物1g当り、通常10〜1010個、好ましくは103〜109個、より好ましくは105〜108個の割合で含まれているのが望ましいが、これに限られるものではない。
【0018】本発明組成物に用いられる糸状菌胞子は乾燥粉末状のものが好ましく、その粒径は、一般的には1〜45μm程度、特に平均粒径が2〜10μmであって、かつ体積90%径/体積10%径の比が5.62以下の粒度分布を有するものが好適である。ここで、体積90%径/体積10%径の比とは、通常用いられる累積体積径(粒径が小さい方から大きい方への累積)の体積90%径を体積10%径で除して得られる数値を意味する。
【0019】本発明組成物において用いられる界面活性剤としては、該組成物に水和性及び分散性を付与し得る含有量の範囲で、使用する糸状菌胞子に対して無害であるか、あるいはほとんど影響を及ぼさないものであればよく、特に制限はない。このような界面活性剤の中で、糸状菌胞子として、平均粒径が2〜10μmであり、かつ体積90%径/体積10%径の比が5.62以下の粒度分布を有する乾燥粉末を用いる場合、得られる組成物が疎水性となるおそれがあるので、該組成物に水和性を付与するために、湿潤力に優れた界面活性剤が好ましい。
【0020】このような界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレートなどのノニオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤などのアニオン性界面活性剤、さらにはシリコーン系、フッ素系、セッケン類界面活性剤などを挙げることができる。これらの界面活性剤の中で、リグニンスルホン酸塩系界面活性剤及びポリカルボン酸塩系界面活性剤が特に好適である。
【0021】これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、組成物全質量に基づき、通常0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%の範囲で選ばれる。なお、シリコーン系、フッ素系、セッケン類界面活性剤は、消泡剤として用いることもできる。
【0022】次に、本発明組成物において用いられる吸水能を有する吸着剤としては、吸水能を有し、かつ固体状のものであればよく、特に制限はないが、孔径0.5nm以下の細孔を有する多孔質無機物質が好ましい。このような吸着剤としては、孔径0.5nm以下の合成ゼオライトや、シリカゲル、活性アルミナが好適である。これらの吸着剤は、一般的には粒径が0.01〜100μmの範囲にあるものが好ましく、特に粒径75μm以下のものが90質量%以上の粒度分布を有するものが好適である。
【0023】本発明組成物においては、前記吸水能を有する吸着剤の含有量は、組成物全質量に基づき10質量%以上であるのが好ましい。この含有量が10質量%未満では糸状菌胞子の十分な安定効果が得られない。糸状菌胞子の安定効果及び施用時の物理性などを考慮すると、吸水能を有する吸着剤として、組成物全質量に基づき、合成ゼオライトを10〜25質量%又はシリカゲルを50〜95質量%又は活性アルミナを10〜95質量%の範囲で用いることが好ましい。なお、上記合成ゼオライト、シリカゲル及び活性アルミナの中から選ばれた少なくとも2種を併用することができるが、この場合、吸着剤の合計量は、組成物全質量に基づき10〜95質量%の範囲で選ぶのが好ましい。また、吸水のために活性化が必要な吸着剤を用いる場合には、予め活性化処理を施し、吸水能が十分に発揮できる状態で用いるのがよい。
【0024】本発明組成物においては、前記の糸状菌胞子と界面活性剤と吸水能を有する吸着剤に加え、必要に応じ、さらに担体を含有させることができる。この場合、担体としては、使用する糸状菌に対して無害であるか、あるいはほとんど影響を及ぼさないものが好ましい。
【0025】このような担体としては、水溶性担体、非水溶性担体のいずれも用いることができる。水溶性担体としては、例えば硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの有機又は無機酸塩類、クエン酸、コハク酸などの有機酸類、ショ糖、ラクトースなどの糖類、尿素などを挙げることができる。一方、非水溶性担体としては、例えばクレー類、炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、ベントナイトなどの鉱物質微粉末、ホワイトカーボンなどの非鉱物質微粉末を挙げることができる。これらの担体の中で、特にクレー類が好適である。また、この担体の含有量は、組成物全質量に基づき10〜85質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
【0026】また、本発明組成物を粒状の水和性組成物とする場合には、結合剤を配合するのが有利である。この結合剤としては、特に制限はなく、従来農薬粒状組成物の製剤において慣用されているもので、水溶性のものを好ましく用いることができる。このような結合剤の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、デキストリン、水溶性デンプン、キサンタンガム、グアシードガム、ショ糖、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。これらの結合剤の配合割合は、組成物全質量に基づき、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で選ばれる。
【0027】本発明組成物においては、組成物全質量に基づく水分が2.5質量%未満、好ましくは1.75質量%以下であることが望ましい。この水分が2.5質量%以上では糸状菌胞子の保存安定性が不十分となるおそれがある。
【0028】本発明の農業用水和性組成物の製造は、通常の農薬水和剤の調製方法、例えば糸状菌胞子、界面活性剤、吸水能を有する吸着剤及びその他の添加成分を、それぞれ所要の割合で含む混合物を粉砕及び混合することにより行うことができる。この場合、各成分全てが粉砕の必要がない粒度のものであれば、単純混合のみでも十分実用的な農業用水和性組成物を得ることができる。該組成物施用時の物性を考慮すると、粉砕機を用いて粉砕及び混合するのが有利である。この場合、糸状菌胞子の生存に悪影響を及ぼす粉砕方法は好ましくなく、ハンマーあるいは粉砕輪による、通常の衝撃式粉砕機を用いて、衝撃式粉砕により粉砕及び混合するのが好ましい。また、糸状菌胞子以外の各成分を予め衝撃式粉砕、高速気流中粉砕などにより微粉末化したのち、これに糸状菌胞子乾燥粉末を配合して均一に混合することにより調製することもできる。
【0029】このようにして得られた本発明の農業用水和性組成物は、粒径45μm以下のものを90質量%以上含有する粉末が好ましく、より好ましくは平均粒径が1〜25μm、さらに好ましくは平均粒径が2〜15μmの範囲にある微粉末として形成するのが望ましい。
【0030】また、顆粒状水和性組成物の製剤は、糸状菌胞子、界面活性剤、吸水能を有する吸着剤及びその他結合剤などの添加成分をそれぞれ所要の割合で混合し、必要に応じて粉砕したのち、押出造粒法、流動層造粒法、噴霧乾燥造粒法、転動造粒法、ドライコンパクションなどの一般的な造粒法により行われるが、それ以外の方法によってもよい。このようにして得られた本発明の農業用水和性組成物製剤は、粒径45〜1000μmのものを90質量%以上含有する顆粒が、特に粒径100〜850μmのものを90質量%以上含有する顆粒が好ましい。
【0031】本発明の農業用水和性組成物は、通常の副原料を用い、通常の雰囲気下で製造、包装可能であるが、高温多湿下に長期保存され、吸湿により高水分量となった原料や、高温多湿下での製造、包装は好ましくなく、組成物全質量に基づく水分が、好ましくは2.5質量%未満、より好ましくは1.75質量%以下となるように原料を選択し、製造するのが有利である。
【0032】本発明の農業用水和性組成物を保存する場合は、水溶性フィルム袋に包装して使用することができる。その際水溶性フィルム袋個装への充填量は、用途に応じて1g〜20kgの範囲で選ばれる。本発明において用いられる水溶性フィルムとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリオキシポリアルキレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸、ゼラチン、プルラン、可溶化デンプンなどのフィルムなどがあるが、これに限定されるものではない。また、この水溶性フィルムの厚さとしては特に制限はないが、一般的には20〜100μmの範囲であり、この水溶性フィルムは微細孔を有するのが好ましい。そして、本発明においては、これらの水溶性フィルムに包装したものを、さらに気体を透過しない材質の包装袋、例えばアルミニウム袋に窒素ガスとともに封入して保存するのが好ましい。
【0033】本発明の農業用水和性組成物は、使用時には、通常そのまま水に希釈して、あるいは水和性粉粒体のまま用いられるが、特に、粉体として使用する場合は、使用時の粉立ち防止や、使用者と該組成物の接触を避けるため、必要に応じ、前記の水溶性フィルムから形成された袋状体に包装して使用することができる。
【0034】本発明の農業用水和性組成物は、使用に当って一般に農薬散布に用いられる方法で使用できる。すなわち、本発明の農業用水和性組成物を、例えば約50〜20000倍程度に水に希釈して使用する。また、少量の水とともに、あるいは水のない状態での種子粉衣処理にも使用できる。
【0035】本発明の農業用水和性組成物は、固体状であって、室温で製造でき、また長期間保存し、流通させることが可能であり、保存流通後においても初期の効能を維持する。また、一般合成農薬と同等の使用性を有しており、広く一般農家においても取り扱いが簡便にできるものである。また、上記のように調製された農業用水和性組成物中の糸状菌胞子は、吸水能を有する吸着剤と共存しているだけで、吸着剤への吸着、担持がされていないため、速やかに効果を発現する。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例及び試験例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0037】実施例及び比較例では、トリコデルマ・アトロビリデSKT−1(通商産業省工業技術院微生物工業研究所にFERM P−16510として寄託)、財団法人発酵研究所保存菌株で標準菌株であるアスペルギルス オリゼ(Aspergillus oryzae)IFO−5375を試験菌として用いた。菌乾燥粉末の平均粒径及び粒度分布は、適量を0.5質量%ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム水溶液に懸濁させ、レーザー粒度分布測定装置LMS−24(セイシン企業製)により測定した。組成物中の水分含量は、平沼微量水分測定装置AQ−7(平沼産業株式会社製)によるカール・フィッシャー電量滴定法で測定した。
【0038】実施例1トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)79質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.5質量%であった。
【0039】実施例2トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)25質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)69質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.3質量%であった。
【0040】実施例3トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、シリカゲル粉末94質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.2質量%であった。
【0041】実施例4トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、シリカゲル粉末50質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)44質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.5質量%であった。
【0042】実施例5トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)79質量部を衝撃式粉砕機(ハンマーミル)で混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.5質量%であった。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦20cm、横15cm、厚さ30μmのポリビニルアルコール製水溶性フィルム袋に入れてヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の水溶性フィルム包装袋を得た。
【0043】実施例6実施例5で得た微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて窒素ガスを静かに吹き入れながらヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の窒素ガス封入包装袋を得た。
【0044】実施例7実施例3で得た微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れてヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の窒素ガス封入包装袋を得た。
【0045】実施例8アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)79質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.6質量%であった。
【0046】実施例9アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)25質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)69質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.4質量%であった。
【0047】実施例10アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、シリカゲル粉末94質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.4質量%であった。
【0048】実施例11アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、シリカゲル粉末50質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)44質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.3質量%であった。
【0049】実施例12アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm東ソー株式会社製)15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)79質量部を衝撃式粉砕機(ハンマーミル)で混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.6質量%であった。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦20cm、横15cm、厚さ30μmのポリビニルアルコール製水溶性フィルム袋に入れてヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の水溶性フィルム包装袋を得た。
【0050】実施例13実施例12で得た微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて窒素ガスを静かに吹き入れながらヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の窒素ガス封入包装袋を得た。
【0051】実施例14実施例10で得た微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れてヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の窒素ガス封入包装袋を得た。
【0052】実施例15トリコデルマ・アトロビリデ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が3.85)2質量部、リグニンスルホン酸カルシウム(パールレックスCP、日本製紙株式会社製)4質量部、活性アルミナ粉末15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)79質量部を卓上ミルで混合したのち、ドライコンパクションで顆粒に成形し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.5質量%であった。
【0053】実施例16アスペルギルス・オリゼ菌を液体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が2.81)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、活性アルミナ粉末50質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)44質量部を卓上ミルで混合したのち、ドライコンパクションで顆粒に成形し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、1.6質量%であった。
【0054】比較例1トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)25質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)73質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0055】比較例2トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、シリカゲル粉末98質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0056】比較例3トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)94質量部、水2質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、2.7質量%であった。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0057】比較例4トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)94質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。得られた微生物農薬水和性組成物100gを縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0058】比較例5トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、シリカゲル粉末2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)96質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0059】比較例6トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.8μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、シリカゲル粉末2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)96質量部を高速気流中で、粉砕混合(ジェット・オー・マイザー)し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0060】比較例7アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)25質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)73質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0061】比較例8アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、シリカゲル粉末98質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0062】比較例9アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、ゼオライト粉末(合成ゼオライトA−3、孔径0.3nm、東ソー株式会社製)2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)94質量部、水2質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。組成物全質量に対する水分含量は、2.9質量%であった。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0063】比較例10アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、ポリカルボン酸塩系界面活性剤(ニューカルゲンWG5、竹本油脂株式会社製)4質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)94質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0064】比較例11アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、シリカゲル粉末2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)96質量部を卓上ミルで混合し、微生物農薬水和性組成物を得た。得られた微生物農薬水和性組成物100gを、縦22cm、横16cmのアルミ一層袋に入れて、ヒートシールにより密封し、微生物農薬水和性組成物の包装袋を得た。
【0065】比較例12アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径9.7μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、シリカゲル粉末2質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)96質量部を高速気流中で、粉砕混合(ジェット・オー・マイザー)し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0066】比較例13トリコデルマ・アトロビリデ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径3.7μm、体積90%径/体積10%径の比が5.99)2質量部、活性アルミナ粉末15質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)83質量部を卓上ミルで混合したのち、ドライコンパクションで顆粒に成形し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0067】比較例14アスペルギルス・オリゼ菌を固体静置培養して得られた分生胞子乾燥粉末(平均粒径6.6μm、体積90%径/体積10%径の比が15.82)2質量部、活性アルミナ粉末50質量部、クレー(微粉クレー、昭和ケミカル工業株式会社製)48質量部を卓上ミルで混合したのち、ドライコンパクションで顆粒に成形し、微生物農薬水和性組成物を得た。
【0068】試験例1微生物農薬組成物0.1gを、水道水100mlを入れた100ml容ビーカー中に投入し、投入後から組成物全量が水没するまでの時間を測定した。水没後、微生物農薬組成物を投入した水道水をビーカーの縁に沿って、1秒に1回転の速度で、30回撹拌し、微生物農薬組成物の懸濁状態を撹拌終了15分後に肉眼観察した。なお、実施例1、実施例4、比較例1、比較例2で得られた組成物については、20ml容ガラス製スクリュー管びんに5gを入れ、40℃で60日間保存後、室温で2時間放置したのち、実施例6、実施例7、比較例5では得られた包装袋を、40℃で60日間保存後、室温で2時間放置したのち、上記試験方法で水没時間側定、懸濁状態観察を実施した。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】試験例250gの種籾を水道水に浸し、水からあげて、ザルにとり、15分間静置して、水を切ったのち、500ml容三角フラスコに入れ、微生物農薬組成物0.25gを加え、3分間手で振り混ぜたのち、被覆状態を肉眼観察した。なお、実施例1、実施例4、比較例1、比較例2で得られた組成物については、20ml容ガラス製スクリュー管びんに5gを入れ、40℃で60日間保存後、室温で2時間放置したのち、上記試験方法で被覆状態観察を実施した。
【0071】
【表2】

【0072】試験例3実施例6、実施例7、実施例13、実施例14、比較例3、比較例4、比較例5、比較例9、比較例10、比較例11の包装袋を40℃に60日間放置した。包装前の初期菌数と、40℃に60日間放置後の菌数を以下に示す方法で計数した。なお、比較例6及び比較例12では、初期菌数のみを求めた。KH2PO40.1質量%、MgSO4・7H2O0.05質量%、ペプトン0.5質量%、グルコース1質量%、ローズベンガル0.003質量%、アガロース2質量%を含むpH6.8の組成のものを培地とし、希釈平板法にて生菌数を測定した。寒天平板培地は27℃で48時間培養を行い、コロニーを形成させ、コロニー形成数から生菌数を推定した。これをコロニー形成ユニット(cfu)とし、製剤1g当りの生菌数とし、cfu/gとして表わした。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】

注)表における菌数で、例えば4.00E+08は4.00×108を意味する。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、糸状菌胞子を有効成分とし、かつ該糸状菌胞子を長期間安定に保存し得ると共に、施用時の物理性が良好な農業用水和性組成物を、特別な製造装置や処理方法を用いることなく、提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】 【識別番号】100071825
【弁理士】
【氏名又は名称】阿形 明 (外1名)
【公開番号】 特開2002−322010(P2002−322010A)
【公開日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願番号】 特願2001−128800(P2001−128800)