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【発明の名称】 除草性2−アルキニル−ピリ(ミ)ジン類
【発明者】 【氏名】トーマス マイアー

【要約】 【課題】優れた除草剤ならびにその調製法および使用法を提供すること。

【解決手段】式(I)で表される少なくとも1種の化合物または作物栽培上許容されるその塩もしくはN-オキシドを有効量で現場に適用することを含んでなる、望ましくない植物の成長を現場で抑制する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の式(I)で表される少なくとも1種の化合物または作物栽培上許容されるその塩もしくはN-オキシドを有効量で現場に適用することを含んでなる、望ましくない植物の成長を現場で抑制する方法。
【化1】

〔式中、Xは、NもしくはCR2を表し;R1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、もしくはアルコキシアルコキシ基、またはハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、もしくはSF5基、またはS(O)p-R4基(ここで、pは0、1、もしくは2であり、R4はアルキルもしくはハロアルキル基を表す)、またはNR5R6基(ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アラルキル、もしくはアリール基を表す)、またはR7O-CY-基(ここで、R7はアルキル基を表し、YはOもしくはSを表す)を表し;R2は、水素原子を表すか、またはR1に与えられた意味を有し;R3は、水素原子もしくはホルミル基、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、トリヒドロカルビルシリル、もしくはアリール基、または場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基を表し;Aは、場合により置換されたアリール基、場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基、または場合により置換されたチエニル基を表し;Zは、酸素もしくは硫黄原子または単結合を表し;mは、0、1、もしくは2である。〕
【請求項2】 下記の式(I)で表される化合物または作物栽培上許容されるその塩もしくはN-オキシド。
【化2】

〔式中、Xは、NもしくはCR2を表し;R1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、もしくはアルコキシアルコキシ基、またはハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、もしくはSF5基、またはS(O)p-R4基(ここで、pは0、1、もしくは2であり、R4はアルキルもしくはハロアルキル基を表す)、または-NR5R6基(ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アラルキル、もしくはアリール基を表す)、またはR7O-CY-基(ここで、R7はアルキル基を表し、YはOもしくはSを表す)を表し;R2は、水素原子を表すか、またはR1に与えられた意味を有し;R3は、水素原子もしくはホルミル基、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、トリヒドロカルビルシリル、もしくはアリール基、または場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基を表し;Aは、場合により置換されたアリール基、場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基、または場合により置換されたチエニル基を表し;Zは、酸素もしくは硫黄原子または単結合を表し;mは、0、1、もしくは2である;ただし、1,3-ビス-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-トリメチルシリルエチニル)-ピリド-6-イルオキシ]-ベンゼン、1,3-ビス-[2-(3,3-ジメチル-3-ヒドロキシプロパ-1-イニル)-ピリド-6-イルオキシ]-ベンゼン、2,2-ビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル]-プロパン、2,2-ビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、およびビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル)-スルフィドを除外する。〕
【請求項3】 Zが酸素原子を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】 R3が、1個以上のハロゲン原子またはアルキルもしくはハロアルキル基によって場合により置換されたフェニル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】 R3が、1個以上のハロゲン原子および/またはC1〜4アルコキシ基によって場合により置換されたC1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】 Aが、場合により置換されたフェニル、ピリジル、チエニル、またはピラゾリル基を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】 Aが、下記の式(1)、(2)、(3)、および(4)から選択された基を表す、請求項6に記載の化合物。
【化3】

〔式中、R8は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、または場合により置換されたアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基を表し;R9は、アルキル基を表し;nは、1〜5の整数を表す。〕
【請求項8】 下記の式IAで表される化合物。
【化4】

〔式中、X、R1、およびR8は、請求項1〜7のいずれかで与えられた意味を有し;R3は、ホルミル基、またはアルキルもしくはアルケニル基、または場合により置換されたアリール基、または場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基を表し;W-Vは、N-CH、S-CH、N-CH-CH、CH-CH-CH、もしくはN-NR7(ここで、R7はアルキル基を表す)を表し;mは、0もしくは1である。〕
【請求項9】 下記の化合物:2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、4-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-メチル-2-(2-フェニルエチニル)-ピリミジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、4-メトキシ-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-トリメチルシリルエチニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-[2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-エチニル]-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-[2-(4-フルオロフェニル)-エチニル]-ピリジン、6-エチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチルピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(4-メチル-ペンタ-1-イン-3-エニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イニル)-ピリジン、および2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-ホルミルエチニル)-ピリジン、からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】 請求項2に記載の式Iで表される化合物を調製する方法であって、(a)式II【化5】

〔式中、R1、A、X、Z、およびmは、先に与えられた意味を有し、Lは、好適な脱離基を表す。〕で表される化合物を、一般式III【化6】

〔式中、R3は、先に与えられた意味を有し、Metは、水素もしくは金属原子またはアルキル金属基を表す。〕で表される化合物と反応させることを含んでなる、上記方法。
【請求項11】 請求項1に記載の一般式Iで表される少なくとも1種の化合物を除草上有効な量で担体と共に含んでなる除草性組成物。
【請求項12】 少なくとも2種の担体を含み、そのうちの少なくとも1種が界面活性剤である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】 請求項1に記載の一般式Iで表される化合物の除草剤としての使用。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の2-アルキニル-ピリ(ミ)ジン類を用いて望ましくない植物の成長を抑制する方法と、新規な2-アルキニル-ピリ(ミ)ジン類と、これらの化合物の調製法と、そのような化合物を含有する除草性組成物とに関する。
【0002】
【従来の技術】ピリジン類、ピリミジン類、およびそれらの誘導体は、製薬分野だけでなく、農業分野(除草剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、駆虫剤、鳥忌避剤)においても、また試薬、中間体、および化学薬品としてポリマーおよび繊維業界においても、多く使用されている。
【0003】ドイツ特許出願DE 40 29 654号には、殺真菌性2-フェニル-4-アルキニルオキシ-ピリミジン類が開示されている。しかしながら、そこには2-アルキニル-ピリミジン類に関する手がかりはなく、そのような化合物が除草活性を示しうることを示唆する記載はまったく見られない。
【0004】フランス特許出願FR 2 605 010号には、ビス-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-アレーンの熱重合により得られるポリマーが記載されている。それらのオリゴマーが少しでも除草活性を呈しうることを知る手がかりはまったく存在しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、下記の式(I)で表される化合物または作物栽培上許容されるその塩もしくはN-オキシドを利用して、望ましくない植物の成長を抑制する方法を提供することである。
【化7】

〔式中、Xは、NもしくはCR2を表し;R1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、もしくはアルコキシアルコキシ基、またはハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、もしくはSF5基、またはS(O)p-R4基(ここで、pは0、1、もしくは2であり、R4はアルキルもしくはハロアルキル基を表す)、またはNR5R6基(ここで、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、アルケニル、アラルキル、もしくはアリール基を表す)、またはR7O-CY-基(ここで、R7はアルキル基を表し、YはOもしくはSを表す)を表し;R2は、水素原子を表すか、またはR1に与えられた意味を有し;R3は、水素原子もしくはホルミル基、または場合により置換されたアルキル、アルケニル、トリアルキルシリル、もしくはフェニル基、または場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基を表し;Aは、場合により置換されたフェニル基、場合により置換された5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基、または場合により置換されたチエニル基を表し;Zは、酸素もしくは硫黄原子または単結合を表し;mは、0、1、もしくは2である。〕
【0006】本発明に係る化合物は、高い除草活性と、良好な選択性および土壌中での望ましい分解速度とを兼ね備えている。
【0007】上記の化合物は、トウモロコシやイネのような特定の作物において優れた選択的除草活性を示し、そして土壌中で良好に分解される。
【0008】本発明のさらなる課題は、1,3-ビス-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-トリメチルシリルエチニル)-ピリド-6-イルオキシ]-ベンゼン、1,3-ビス-[2-(3,3-ジメチル-3-ヒドロキシプロパ-1-イニル)-ピリド-6-イルオキシ]-ベンゼン、2,2-ビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル]-プロパン、2,2-ビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、およびビス-[4-(2-エチニル-ピリド-6-イルオキシ)-フェニル)-スルフィドを除外することを条件として、式Iで表される新規な除草性化合物を提供することである。
【0009】本発明の他の課題は、上記の新しい化合物を有効成分として含有する選択的除草性組成物を提供することである。
【0010】本発明の他の課題は、上記の新しい化合物を調製するための新しい方法を提供することである。
【0011】本発明の上記および他の課題は、以下に記載の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、式Iで表される化合物〔式中、R1〜R3、A、X、Z、およびmは、先に与えられた意味を有する。〕は広範にわたる雑草に対して優れた除草活性を示すことが見いだされた。
【0013】以上もしくは以下に記載の「ピリ(ミ)ジン」という表現には、ピリジン部分とピリミジン部分の両方が包含される。以上もしくは以下に記載の「アゾリル」という表現には、少なくとも1個の窒素原子を含有する5員のヘテロアリール基が包含される。
【0014】置換基としてのアリール基または他の置換基の一部分としてのアリール基またはAの定義に含まれるアリール基は、好適には、場合により置換されたフェニル基である。Aの定義内において、5員もしくは6員のヘテロアリール基には、1個以上の窒素原子および/または酸素原子および/または硫黄原子、好ましくは1〜3個の窒素原子を含有する場合により置換された5員もしくは6員の複素環式化合物が包含される。そのような基の例は、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チエニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、およびトリアジニル基である。Aに関する限り、「アリール」という定義にはまた、先に定義した5員もしくは6員の複素環と縮合されたベンゼン環からなる二環系が包含され、そしてこの5員もしくは6員の複素環式化合物はベンゼン環とさらに縮合されていてもよい。
【0015】本発明の好ましい一実施形態は、Aが下記の式で表されるジフルオロベンゾジオキソリル基である化合物である。
【化8】

【0016】特に好ましいAは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、ハロアルキルチオ基、およびSF5基から選択された、同一のもしくは異なる1個以上の置換基で置換されているフェニル、ピリジル、チエニル、もしくはピラゾリル基であり、好ましくは結合位置に対してメタ位に置換基を有し、より好ましくは、Aは、フッ素原子もしくは塩素原子、またはトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、もしくはジフルオロメトキシ基によってメタ置換されている。Aがチエニル基である場合は、硫黄原子に対して2位もしくは3位で結合され得る。3-チエニル基が好ましいものである。
【0017】一般的には、上記の基のいずれかがアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基を含む場合、そのような基は、別段の指示がないかぎり、線状であっても分枝状であってもよく、そして1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有しうる。そのような基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、およびt-ブチル基である。ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、アルキルチオ基、もしくはアルコキシ基のアルキル部分は、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜2個の炭素原子を有している。アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基、もしくはジアルコキシアルキル基に含まれる炭素原子の数は、6個まで、好ましくは4個までであり、具体的には、メトキシメチル基、メトキシメトキシ基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエトキシ基、ジメトキシメチル基が挙げられる。
【0018】「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、もしくはヨウ素原子を意味し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、また臭素原子を指す。本明細書で用いられる定義内の任意の基のハロアルキル部分は、それ自体に1個以上のハロゲン原子を含有することができる。ハロアルキル、ハロアルコキシ、およびハロアルキルチオは、好ましくはモノ-、ジ-、トリ-、もしくはペル-フルオロ-アルキル、-アルコキシ、および-アルキルチオであり、特に、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、もしくは2,2,2-トリフルオロエトキシ基である。
【0019】任意の基が場合により置換されたと称される場合、任意の置換基は、殺虫性化合物の改良および/または開発で慣用されている任意の置換基であってよく、特に、本発明の化合物に関係した除草活性を保持もしくは増強するか、または作用の持続性、土壌もしくは植物への浸透性、またはそのような除草性化合物のなんらかの他の望ましい特性に影響を与える置換基がよい。
【0020】分子の各部分には、1個以上の同一のもしくは異なる置換基が存在していてもよい。ハロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロアルコキシ基、アルキルアミノ基、およびジアルキルアミノ基に含まれるアルキル部分のように、場合により置換されたアルキル基を含むとして先に定義した基に関して、そのような置換基の特定の例としては、フェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C1〜4-アルコキシ基、C1〜4-ハロアルコキシ基、およびC1〜4-アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0021】場合により置換されたアリールもしくはヘテロアリール基を含むとして先に定義した基に関して、任意の置換基としては、ハロゲン、特に、フッ素原子、塩素原子、および臭素原子、ならびにニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、フェノキシ基、C1〜4-アルキル基、C1〜4-アルコキシ基、C1〜4-ハロアルキル基、C1〜4-ハロアルケニル基、C1〜4-ハロアルコキシ基、C1〜4-ハロアルキルチオ基、C1〜4-アルキルスルホニル基、およびSF5基のようなハロスルファニル基が挙げられる。フェニル基の場合には、1〜5個の置換基を適切に利用することが可能であり、チエニル基の場合には、1〜3個の置換基を適切に利用することが可能であり、好ましくは1もしくは2個の置換基が利用される。
【0022】複素環のN-オキシドを調製する合成法は、当業者に周知であり、たとえば、過酢酸やm-クロロ過安息香酸のような過酸、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド(MCPBA)による複素環の酸化が挙げられる。N-オキシドを調製するそのような方法については、たとえば、T.L. Gilchrist, Comprehensive Organic Synthesis, vol. 7, pp 748-750ならびにAdvances in Heterocyclic Chemistry, vol. 9, pp 285-291, vol. 22, pp 390-392およびvol. 43, pp 149-161, A.R. Katritzky編, Academic Pressなどの文献に論文および総説が発表されている。
【0023】本発明の化合物としては、式Iで表される化合物、その同位体化合物、その幾何異性体および立体異性体、そのN-オキシド、ならびに農業に適したその塩が挙げられる。本発明の化合物は、1種以上の立体異性体として存在することができる。種々の同位体化合物としては、水素原子もしくは12C炭素原子のような天然に存在する少なくとも1種の同位体が重水素もしくは13Cのようなそれらの他の同位体で置換された式Iで表される化合物が挙げられる。種々の立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、および幾何異性体が挙げられる。一方の立体異性体を他方の立体異性体に対して富化したり、他方の立体異性体から分離したりしたときに、一方の立体異性体がより活性になったり、かつ/また、有益な効果を呈したりする可能性があることは、当業者には理解されよう。さらに、そのような立体異性体の分離、富化、および/または選択的調製を如何に行うかについても当業者であれば熟知していよう。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個々の立体異性体、もしくは光学活性形態として存在していてもよい。
【0024】本発明の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、もしくは吉草酸のような無機酸や有機酸の酸付加塩が挙げられる。
【0025】より良好な活性および/または製造や取扱いの容易さの点で好ましい本発明の化合物は次のとおりである。
【0026】(a) Zが酸素原子である、式Iで表される化合物。
【0027】(b) R3が、1個以上、たとえば1〜3個のハロゲン原子および/またはアルキル基および/またはハロアルキル基で場合により置換されたフェニル基であるか、あるいはR3が、いずれも1個以上のハロゲン原子および/またはC1〜4-アルコキシ基で場合により置換されたC1〜6-アルキルもしくはC2〜6-アルケニル基であるか、あるいはR3が、トリアルキルシリル基または水素原子である、式Iで表される化合物。特に好ましいR3は、フェニル、4-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、C1〜C4-アルキル、トリメチルシリル、2-メチル-2-プロペン-1-イル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、もしくは水素である。
【0028】(c) Aが、場合により置換されたフェニル基、ピリジル基、チエニル基、もしくはピラゾリル基である、式Iで表される化合物、特に、Aが、以下の式(1)、(2)、(3)、および(4)から選択される基である、式Iで表される化合物。
【化9】

〔式中、R8は、それぞれ独立して、塩素などのハロゲン原子、または場合により置換されたアルキル基、アルコキシ基、もしくはチオアルキル基を表し、特に好ましくは、1個以上の塩素もしくはフッ素などのハロゲン原子で置換されたC1〜6-アルキルまたはC1〜6-アルキル、たとえば、トリフルオロメチルであり;R9は、アルキル基を表し;nは、3〜5の整数を表す。〕
【0029】(d) mが0もしくは1であり、Zが酸素であり、Aが下記の式(5)で表される複素環である、式Iで表される化合物。
【化10】

〔式中、W-Vは、N-CH、S-CH、N-CH-CH、CH-CH-CH、もしくはN-NR7を表す。〕
特に好ましいのは、下記の式IAで表される化合物である。
【化11】

〔式中、X、R1、およびR8は、先に記載したとおりであり;R3は、ホルミル基、またはアルキルもしくはアルケニル基、または場合により置換されたアリールまたは5員もしくは6員の窒素含有ヘテロ芳香族基、特に、1個以上のハロゲン原子および/またはアルキルもしくはハロアルキル基によって場合により置換されたフェニル基を表し;W-Vは、N-CH、S-CH、N-CH-CH、CH-CH-CH、もしくはN-NR7を表し;mは、0もしくは1である。〕
【0030】好ましくは、mは1であり、そしてR1は、C1〜6-アルキル基もしくはC1〜6-アルコキシ基、特に、メチル基、エチル基、もしくはメトキシ基を表す。
【0031】本発明は、次の特定の化合物によって例証される。2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、4-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-メチル-2-(2-フェニルエチニル)-ピリミジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、4-メトキシ-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-6-(2-フェニルエチニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-トリメチルシリルエチニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-[2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-エチニル]-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-[2-(4-フルオロフェニル)-エチニル]-ピリジン、6-エチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチルピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(4-メチル-ペンタ-1-イン-3-エニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イニル)-ピリジン、2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(2-ホルミルエチニル)-ピリジン、および2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-4-メチル-6-(4-メチル-ペンタ-1-イン-4-エニル)-ピリジン。
【0032】本発明の化合物は、油、ガム、もしくは結晶性固体物質であってよい。それらは農業もしくは関連分野において、望ましくない植物を防除するために使用することができる。本発明に係る一般式Iで表される化合物は、広い濃度範囲内でかつ少ない用量で高い除草活性を有し、農業において、特に、発芽前もしくは発芽後の適用によって、Alopecurus myosuroides(スズメノテッポウ)、Echinochloa crus-galli(イヌビエ)、Setaria viridis(エノコログサ)、Galium aparine(ヤエムグラ)、Stellaria media(ハコベ)、Veronica persica(オオイヌノフグリ)、Lamium purpureum(ヒメオドリコソウ)、Viola arvensis(黄スミレ)、Abutilon theophrasti(イチビ)、Ipomoea purpurea(アサガオ)、およびAmaranthus retroflexus(アオビユ)のような望ましくない植物の選択的防除を行うために容易に使用することが可能であり、特に、トウモロコシやイネのような特定の作物の場合に有効である。
【0033】本発明に係る化合物は、特に以下のような従来法によって調製することができる。
【0034】(A) a) 一般式II【化12】

〔式中、A、R1、X、Z、およびmは、式I中のものと同じ意味を有し、そしてLは、好適な脱離基を表す。〕で表されるそれぞれの化合物を、一般式III【化13】

〔式中、R3は、先に与えられた意味を有し、そしてMetは、水素もしくは金属原子またはアルキル金属基を表す。〕で表される化合物と反応させるステップを含んでなる、式Iで表される化合物の好適な調製方法。
【0035】(B) 別法として、式IV【化14】

〔式中、A、R1、X、Z、およびmは、式I中のものと同じ意味を有する。〕で表される化合物を臭素と反応させ、続いて塩基と反応させることができる。
【0036】(C) 別法として、式Iで表される化合物〔式中、R3はホルミル基を表す。〕をウィッティヒ(Wittig)試薬と反応させることにより、式Iで表される化合物〔式中、R3はアルケニル基を表す。〕を調製することが可能である。
【0037】クロスカップリング反応(A)は、一般的には、遷移金属錯体の存在下で行うことが可能である。好ましくは、Metは、トリアルキルスタニル基もしくはトリアルキルシリル基である。これについては、Rudisill, D.E., Stille, J. K., J.Org. Chem., 54, (1989), 5856-5866、Castro, Stephens, J. Org. Chem., 28,(1963), 2163、もしくはStephens, Castro, J. Org. Chem., 28, (1963), 3313に記載されている。好ましい遷移金属は、PdもしくはNiである。一般式IIで表される化合物は、別に調製および単離してもよいし、またはin situで調製してもよい。
【0038】(A)〜(C)に記載の反応は、反応を促進するかもしくは少なくとも反応を妨害しない溶媒の不在下または存在下で行うことが可能である。好ましいのは、極性、非プロトン性、もしくはプロトン性の溶媒であり、好適には、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、もしくはテトラヒドロフランやジオキサンのようなエーテル、もしくはアルコール、もしくは水、またはそれらの混合物である。反応は、周囲温度と反応液の還流温度との間の温度で、好ましくは昇温で、特に還流温度で行われる。
【0039】反応は、アルカリの水酸化物、重炭酸塩、もしくは炭酸塩、たとえば、ナトリウムもしくはカルシウムの水酸化物、重炭酸塩、もしくは炭酸塩、アルカリアルコキシド、たとえば、ナトリウムエトキシドのような塩基、またはトリエチルアミンのような有機塩基の存在下で行うことが可能である。
【0040】上記の反応で使用されるヒドロキシ化合物もしくはチオ化合物は、塩の形態で、好ましくはアルカリ金属の塩として、特にナトリウムもしくはカリウムの塩として、存在させることが可能である。銅塩の存在が好適な場合もある。
【0041】好適な脱離基Lは、それぞれ独立して、たとえば、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ペルフルオロアルキルスルホニルオキシ基、およびハロゲン原子、特にメチルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、およびトリフルオロメチルスルホニル基、またはフッ素原子、塩素原子、および臭素原子である。
【0042】式I、II、もしくはIVで表される化合物に関して、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノ、もしくはハロのような特定の置換基R1およびR2は、アルキルスルホニルもしくはアリールスルホニル基、アルキルスルホニルオキシもしくはアリールスルホニルオキシ基、またはハロゲン原子、またはアリールオキシもしくはヘタリールオキシ基、たとえば、A-O基〔式中、Aは、先に与えられた意味を有する。〕の置換により、ピリジン環上もしくはピリミジン環上に導入することができる。ハロゲン原子は、アミノ基のジアゾ化によっても導入することが可能である。出発物質として使用される化合物は公知であるか、または公知方法と同じようにして調製することができる。
【0043】式IIで表される中間体は、下記の式Vで表される化合物から出発して、ピリジン化学で公知の従来法により適切に調製することができる。
【化15】

〔式中、R1、X、L、およびmは、先に与えられた意味を有し、L1は、Lに与えられた意味を有する。〕
従来法については、G.R. Newkome, “Pyridine and its Derivatives", The Chemistry of Heterocyclic Compounds, Vol.14, Part 5, A. WeissbergerおよびE.C. Taylor編, John Wiley & Sons, New York - Chichester - Brisbane - Toronto - Singapore 1984に記載されている。
【0044】本発明はまた、式Iで表される化合物の除草剤として使用を提供する。さらに、本発明によれば、本発明に係る組成物または式Iで表される有効量の化合物で現場を処理することにより、望ましくない植物の成長を現場で抑制する方法が提供される。有用な処置が葉面散布適用により行われる場合、現場の対象物は、最も好適には、作物栽培領域内の植物であり、典型的な作物としては、穀類、トウモロコシ、ダイズ、ヒマワリ、または綿が挙げられる。しかしながら、発芽前の除草作用を有する化合物の場合には土壌に適用したりあるいは水稲水田の水に適用したりすることも可能である。有効成分の使用量は、たとえば、0.005〜3kg/ha、好ましくは0.01〜1kg/haの範囲にある。
【0045】一般式Iで表される化合物は、除草剤として興味深い活性を呈することが判明した。したがって、本発明は、先に定義した式Iで表される化合物を少なくとも1種の担体と一緒に含んでなる除草性組成物、および式Iで表される化合物を少なくとも1種の担体と組み合わせることを含んでなる、そのような組成物の調製方法をさらに提供する。好ましくは、少なくとも2種の担体が存在し、そのうちの少なくとも1種は界面活性剤である。
【0046】本発明はまた、望ましくない植物の成長を現場で抑制する方法であって、上記の化合物または組成物の適用を含んでなる方法を提供する【0047】出芽前および出芽後においてイネ科植物および広葉雑草に対する特に興味深い活性が見いだされた。コムギ、オオムギ、トウモロコシ、米、および大豆のような重要な作物における選択性も見いだされた。この活性は、本発明のさらなる態様を提供する。
【0048】先に記載の方法では、有効成分である一般式Iで表される化合物の用量は、たとえば0.005〜10kg/ha、好適には0.01〜4kg/haにすることが可能である。現場は、たとえば、植物または土壌を含む農業または園芸の現場であってよい。好ましい方法では、望ましくない植物の成長が現場で観察され、処理は葉面散布適用により行われる。
【0049】本発明はまた、先に定義した化合物の除草剤として使用を提供する。一般式Iで表される化合物は、除草力を有することが判明した。したがって、本発明は、先に定義した式Iで表される少なくとも1種の化合物である有効成分と、1種以上の担体とを含んでなる除草性組成物をさらに提供する。そのような組成物を作製する方法も提供される。この方法には、先に定義した式Iで表される化合物を担体と組み合わせることが含まれる。そのような組成物は、本発明に係る単一の有効成分を含むものであってもよいし、本発明に係るいくつかの有効成分の混合物を含むものであってもよい。また、異なる異性体または異性体の混合物が異なる活性レベルまたは活性スペクトルを有している可能性があり、したがって、組成物には単独の異性体が含まれていてもよいし、異性体の混合物が含まれていてもよいと考えられる。
【0050】本発明に係る組成物には、好ましくは0.5〜95重量%(w/w)の有効成分が含まれている。
【0051】本発明に係る組成物中の担体は、処理される現場(例えば植物、種子、または土壌であってよい)の対象物への適用が容易になるかあるいは貯蔵、輸送、または取扱いが容易になるように有効成分と一緒に配合される任意の材料である。担体は、固体であってもよいし、あるいは通常は気体であるものが圧縮により液化された材料を含めて液体であってもよい。
【0052】組成物は、十分に確立された手順により、たとえば、エマルジョン濃縮物、溶液、水中油型エマルジョン、湿潤性粉末、可溶性粉末、サスペンジョン濃縮物、散粉、顆粒、水分散性顆粒、マイクロカプセル、ゲル、および他の種類の配合物へと加工することが可能である。これらの手順としては、有効成分と、他の物質、たとえば、充填剤、溶媒、固体担体、界面活性化合物(界面活性剤)、ならびに場合により固体および/または液体の助剤および/または補助剤との強力な混合および/または粉砕が挙げられる。所望の目的および所与の状況に応じて、スプレー、噴霧、散布、注入などの組成物に合った適用形態を選択することが可能である。
【0053】溶媒は、芳香族炭化水素類、たとえば、Solvesso(登録商標)200、置換ナフタレン類、フタル酸エステル類、たとえば、ジブチルフタレートまたはジオクチルフタレート、脂肪族炭化水素類、たとえば、シクロヘキサンまたはパラフィン、アルコール類およびグリコール類ならびにそれらのエーテルおよびエステル、たとえば、エタノール、エチレングリコールモノ-およびジ-メチルエーテル、ケトン類、たとえば、シクロヘキサノン、強い極性溶媒、たとえば、N-メチル-2-ピロリジノンまたはγ-ブチロラクトン、高級アルキルピロリドン類、たとえば、n-オクチルピロリジノンまたはシクロヘキシルピロリジノン、エポキシ化植物油エステル類、たとえば、メチル化ヤシ油エステルまたはメチル化ダイズ油エステル、ならびに水であってよい。異なる液体の混合物が好適である場合も多い。
【0054】散粉、湿潤性粉末、水分散性顆粒、または顆粒に使用しうる固体担体は、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイト、またはアタパルジャイトのような鉱物充填剤であってもよい。
【0055】高分散シリカゲルまたはポリマーを添加することによって物理的性質を改良することも可能である。顆粒用担体は、軽石、カオリン、海泡石、ベントナイトなどの多孔性材料であってもよい。また非収着性担体として方解石または砂を用いてもよい。このほか、多くの予め顆粒化された無機物質または有機物質、たとえば、ドロマイトまたは粉砕植物残査を使用してもよい。
【0056】殺虫性組成物は、多くの場合、濃縮された形態で配合および輸送が行われ、続いて適用前にユーザーによって希釈される。界面活性剤である少量の担体を存在させると、この稀釈プロセスが容易になる。したがって、好ましくは、本発明に係る組成物中の少なくとも1種の担体は、界面活性剤である。たとえば、組成物は2種以上の担体を含有していてもよく、そのうちの少なくとも1種は界面活性剤である。
【0057】界面活性剤は、配合される一般式Iで表される化合物の性質に応じて良好な分散性、乳化性、および湿潤性を有するノニオン、アニオン、カチオン、または双性イオンの物質であってよい。界面活性剤は、個々の界面活性剤の混合物を意味するものであってもよい。
【0058】本発明の組成物は、たとえば、湿潤性粉末、水分散性顆粒、散粉、顆粒、溶液、乳化性濃縮物、エマルジョン、サスペンジョン濃縮物、およびエアロゾルとして配合することが可能である。湿潤性粉末は、通常、5〜90% w/wの有効成分を含有しており、固体不活性担体に加えて、3〜10% w/wの分散剤および湿潤剤、ならびに所要により0〜10% w/wの安定剤および/または浸透剤もしくは展着剤のような他の添加剤を含有している。通常、散粉は、分散剤を含有していないが湿潤性粉末の場合と同じような組成を有する散粉濃縮物として配合され、そして通常0.5〜10% w/wの有効成分を含有する組成物を与えるように、現地においてさらなる固体担体で希釈可能である。水分散性顆粒および顆粒は、通常、0.15mm〜2.0mmのサイズになるように調製され、そしてさまざまな方法で製造可能である。一般的に、これらのタイプの顆粒には、0.5〜90% w/wの有効成分ならびに0〜20% w/wの添加剤、たとえば、安定剤、界面活性剤、遅延放出調節剤、および結合剤が含まれるであろう。いわゆる「乾燥流動物」は、比較的高濃度の有効成分を有する比較的小さな顆粒からなる。乳化性濃縮物は、通常、溶媒または溶媒混合物に加えて、1〜80% w/vの有効成分、2〜20% w/vの乳化剤、および0〜20% w/vの他の添加剤、たとえば、安定剤、浸透剤、および腐食抑制剤を含有している。サスペンジョン濃縮物は、通常、安定で沈降しない流動性生成物が得られるように粉砕され、そして通常5〜75% w/vの有効成分、0.5〜15% w/vの分散剤、0〜10% w/vの懸濁剤、たとえば保護コロイドおよび腰切剤、0〜10% w/vの他の添加剤、たとえば、消泡剤、腐食抑制剤、安定剤、浸透剤、および展着剤、ならびに有効成分が実質的に不溶である水または有機液体を含有している。沈降や結晶化の防止に役立てるべく、または水に対する不凍剤として、特定の有機固体または無機塩類が配合物中に溶解されて存在していてもよい。
【0059】水性のディスパージョンおよびエマルジョン、たとえば、本発明に係る配合生成物を水で希釈することによって得られる組成物もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0060】本発明の化合物の保護活性の持続性を増強するうえで特定に興味深いことは、米国特許第5,705,174号などに開示されるように保護対象である植物の環境へ殺虫性化合物を徐々に放出させる担体の使用である。
【0061】スプレー用稀釈物中に補助剤を組み入れることにより、有効成分の生物活性を増大させることもできる。補助剤とは、本明細書中では、有効成分の生物活性を増大させることはできるがそれ自体は有意な生物活性をもたない物質として定義される。補助剤は、共配合剤または担体として配合物中に組み込むかまたは有効成分を含有する配合物と一緒にスプレータンクに添加することができる。
【0062】商品としての組成物は、濃縮形態をとることが好ましいと思われるが、エンドユーザーは一般的には希釈された組成物を利用する。有効成分が0.001%までの濃度になるように組成物を希釈することが可能である。用量は、通常、0.01〜10kg有効成分/haの範囲にある。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明に係る配合物の例は以下のとおりである。
エマルジョン濃縮物(EC)有効成分:実施例2の化合物 30%(w/v)乳化剤:Atlox(登録商標)4856 B / Atlox(登録商標)4858 B1) 5%(w/v)(カルシウムアルキルアリールスルホネート、脂肪アルコールエトキシレート、および軽質芳香族化合物を含有する混合物 / カルシウムアルキルアリールスルホネート、脂肪アルコールエトキシレート、および軽質芳香族化合物を含有する混合物)溶媒:Shellsol(登録商標) A2) ad 1000ml(C9〜C10芳香族炭化水素の混合物)【0064】サスペンジョン濃縮物(SC)有効成分:実施例2の化合物 50%(w/v)分散剤:Soprophor(登録商標)FL3) 3%(w/v)(ポリオキシエチレンポリアリールフェニルエーテルホスフェートアミン塩)消泡剤:Rhodorsil(登録商標)4223) 0.2%(w/v)(ポリジメチルシロキサンのノニオン型水性エマルジョン)構造化剤:Kelzan(登録商標)S4) 0.2%(w/v)(キサンタンガム)不凍剤:プロピレングリコール 5%(w/v)殺生物剤:Proxel(登録商標)5) 0.1%(w/v)(20%の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンを含有する水性ジプロピレングリコール溶液)水: ad 1000ml【0065】湿潤性粉末(WP)有効成分:実施例2の化合物 60%(w/w)湿潤剤:Atlox(登録商標)49951) 2%(w/w)(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)分散剤:Witcosperse(登録商標)D-606) 3%(w/w)(縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩およびアルキルアリールポリオキシアセテートの混合物)担体/充填剤:カオリン 35%(w/w)【0066】水分散性顆粒(WG)有効成分:実施例2の化合物 50%(w/w)分散剤/結合剤:Witcosperse(登録商標)D-4506) 8%(w/w)(縮合ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩およびアルキルスルホネートの混合物)湿潤剤:Morwet(登録商標)EFW6) 2%(w/w)(ホルムアルデヒド縮合生成物)消泡剤:Rhodorsil(登録商標)EP 67033) 1%(w/w)(カプセル化シリコーン)崩壊剤:Agrimer(登録商標)ATF7) 2%(w/w)(N-ビニル-2-ピロリドンの架橋ホモポリマー)担体/充填剤:カオリン 35%(w/w)【0067】1) ICI Surfactantsから入手可能。
2) Deutsche Shell AGから入手可能。
3) Rhone-Poulencから入手可能。
4) Kelco Co.から入手可能。
5) Zenecaから入手可能。
6) Witcoから入手可能。
7) International Speciality Productsから入手可能。
【0068】本発明の組成物は、他の活性物質と同時にまたは逐次的に植物または植物の環境に適用することができる。これらの他の活性物質は、肥料、微量元素を供与する薬剤、または植物の成長に影響を及ぼす他の調製物のいずれであってよい。しかしながら、それらはまた、選択性除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫薬、殺藻薬、軟体動物駆除剤、殺鼠剤、殺ウイルス剤、植物に耐性をもたらす化合物、ウイルス、細菌、線虫、真菌、および他の微生物のような生物学的制御因子、鳥や動物の忌避剤、ならびに植物成長調節剤、あるいはこれらの調製物のいくつかの混合物であってもよく、所要により、製剤技術分野で慣用される他の担体物質、界面活性剤、または適用を促進する他の添加剤と組み合わせたものであってもよい。
【0069】本発明に係る有効成分は、単独で使用するかまたは従来の除草剤と組み合わせた配合物として利用することができる。少なくとも2種の除草剤のそのような組み合わせは、配合物中に組み入れることによってまたはタンクミックスの調製物と一緒に好適な形態で添加することによって行うことができる。そのような混合物では、次のような既知の除草剤のうちの少なくとも1種を使用することができる。
【0070】アメトリジオン、メタベンズチアズロン、メタミトロン、メトリブジン、2,4-D、2,4-DB、2,4-DP、アラクロール、アロキシジム、アスラム、アトラジン、ベンスルフロン、ベンタゾン、ビフェノックス、ブロモキシニル、ブタクロール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルトルロン、シンメチリン、クロピラリド、シアナジン、シクロエート、シクロキシジム、ジクロベニル、ジクロホップ、エプタメ、エチオジン、フェノキサプロップ、フルアジホップ、フルオメツロン、フルリドン、フルロキシピル、フォメサフェン、グリホサート、ハロキシホップ、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イオキシニル、イソプロツロン、ラクトフェン、MCPA、MCPP、メフェナセット、メタザクロール、メトラクロール、メトスルフロン、モリネート、ノルフルラゾン、オリザリン、オキシフルオルフェン、ペンジメタリン、ピクロラム、プレチラクロール、プロパクロール、ピリデート、キザロホップエチル、セトキシジム、シメトリン、テルブトリン、チオベンカルブ、トリアレート,トリフラリン、ジフルフェニカン、プロパニル、トリクロピル、ジカンバ、デスメディファム、アセトクロール、フルオログリコフェン、ハロサフェン、トラルコキシジム、アミドスルフロン、シノスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロン、チアメツロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、オキサスルフロン、アジムスルフロン、トリベヌロン、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、テルブチラジン、ベンフレサート、クロマゾン、ジ-メタゾン、ジチオピル、イソキサベン、キンクロラック、キンメラック、スルホサート、シクロスルファムロン、イマザモックス、イマザメタピル、フラムプロップ-M-メチル、フラムプロップ-M-イソプロピル、ピコリナフェン、フルチアミド、イソキサフルトール、フルルタモン、ダイムロン、ブロモブチド、メチルジムロン、ジメテナミド、スルコトリオン、スルフェントラゾン、オキサジアルギル、アシフルオルフェン、カフェンストロール、カフェントラゾン、ジウロン、グルホシネート。
【0071】殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、および殺線虫剤のような他の有効成分との混合も可能である。
【0072】本発明に係る化合物を含有する好適な濃縮配合物は、たとえば、100gの有効成分(式Iで表される化合物)、30gの分散剤、3gの消泡剤、2gの構造化剤、50gの不凍剤、0.5gの殺生物剤、および全量が1000mlとなる量の水からなる。有効成分の所望の濃度を得るために、使用前、水で希釈される。
【0073】本発明をより明確に理解するために、特定の実施例を以下に記載する。これらの実施例は、単なる例示にすぎず、本発明の範囲および基本原理を限定するものとしてなんら解釈されるべきものではない。本明細書に明示および説明されている以外の本発明の種々の変更態様は、以下の実施例および以上の説明から当業者には明白なものになるであろう。そのような変更態様もまた、添付の特許請求の範囲内に包含されるものとみなされる。
【0074】
【実施例】以下の実施例で調製した化合物の構造は、NMRおよびマススペクトロメトリーによってさらに確認した。
【0075】実施例1: 4-メチル-6-フェニルエチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジンの調製2-ブロモ-4-メチル-6-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジン(3.0g、7.1mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.2g、1.8mmol)、および2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(3種の結晶)を窒素雰囲気下でトルエン(40ml)に溶解させた溶液に、トリブチルフェニルエチニルスタナン(2.9ml、7.8mmol)を滴下し、得られた混合物を還流下で2時間加熱した。冷却後、反応混合物をエチルアセテートで希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、そして乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより43%の生成物(1.1g、mp.56℃)を得た。
【0076】実施例2: 4-メチル-6-(4-フルオロフェニルエチニル)-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)-ピリジンの調製4-メチル-6-エチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジン(1g、3.55mmol)を窒素雰囲気下でジイソプロピルアミン(20ml)に溶解させた溶液に、4-トリフルオロメチルヨードベンゼン(1.11g、5mmol)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(0.12g、0.177mmol)およびヨウ化銅(0.02g、0.1mmol)を添加し、混合物を70℃で30分間加熱した。冷却後、反応混合物をペンタン:エチルアセテート1:1で希釈し、有機相を、水、希塩酸、および重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、そして乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより81%の生成物(1.1g、mp.86〜87℃)を得た。
【0077】実施例3: 4-メチル-6-ホルミルエチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジンの調製4-メチル-6-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イニル)-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジン(2.2g、5.7mmol)をトリクロロメタン(100ml)、水(5ml)、およびトリクロロ酢酸(3g)中に懸濁させたサスペンジョンを、還流下で一晩加熱した。冷却後、反応混合物をペンタン:エチルアセテート1:1で希釈し、有機相を水および重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、そして乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーにより融点73℃のほとんど無色の結晶として40%の生成物(0.7g)を得た。
【0078】実施例4: 4-メチル-6-(4-メチルペント-1-イン-3-エニル)-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジンの調製無水THF(15ml)中にイソプロピルトリフェニルホスフィンヨージド(0.43g、1mmol)を含有した混合物を、不活性ガス雰囲気下で-70℃に冷却した。ブチルリチウムの2.5M溶液(0.44ml)を添加し、-70℃で45分間攪拌した後、混合物を0℃で1時間加熱した。次に、混合物を-70℃に冷却して、4-メチル-6-ホルミルエチニル-2-(1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-5-イルオキシ)ピリジン(0.3g、1mmol)を添加した。-70℃で30分間攪拌した後、反応混合物を周囲温度で2日間攪拌した。混合物を水でクエンチし、蒸発させ、そして残留物を含有している水にエチルアセテートを添加した。混合物を希塩酸および水で洗浄した。乾燥および蒸発を行った後、フラッシュクロマトグラフィーによりほとんど無色の結晶として融点85℃の生成物(0.15g)を得た。
【0079】実施例5〜197実施例1〜4の一般的な方法に従って、さらなる実施例の調製を行った。これらの実施例を表1〜5に列挙する。
【0080】
【表1】


【0081】
【表2】


【0082】
【表3】


【0083】
【表4】


【0084】
【表5】

【0085】除草活性本発明に係る化合物の除草活性を評価するために、代表的な範囲の植物を用いて試験を行った。
ABUTH:Abutilon theophrasti (イチビ)AMBEL:Ambrosia artemisifolia (ブタクサ)CASOB:Cassia obtusifolia (エビスグサ)GALAP:Galium aparine (ヤエムグラ)IPOHE:Ipomoea hederacea (アサガオ)LAMPU:Lamium purpureum (ヒメオドリコソウ)MATIN:Matricaria inodora (イヌカミツレ)STEME:Stellaria media (ハコベ)ALOMY:Alopecurus myosuroides (ブラックグラス)DIGSA:Digitaria sanguinalis (メヒシバ)ECHCG:Echinochloa crusgalli (イヌビエ)LOLMU:Lolium multiflorum (ライグラス)SETVI:Setaria viridis (エノコログサ)GLXMA:Glycine max (ダイズ)ORYSA:Oryza sativa (イネ)TRZAW:Triticum aestivum (コムギ)ZEAMX:Zea mays (トウモロコシ)【0086】1. 発芽前試験発芽前試験には、上記の植物の種子が播種されて間もない土壌に化合物の液剤を散布することが含まれる。
【0087】試験で使用した土壌は、整地された園芸用壌土であった。試験で使用した配合物は、商標TRITON X-155の下で入手可能な0.4重量%のアルキルフェノール/エチレンオキシド濃縮物を含有するアセトンを溶媒とした試験化合物の溶液から調製した。これらのアセトン溶液を水で希釈して、得られた配合物を1ヘクタールあたり0.013kg、0.025kg、0.100kg、または0.400kgの活性物質に対応する用量レベルで、1ヘクタールあたり900リットルに相当する容積で適用した。これらの試験で、未処理の播種済み土壌を対照として使用した。処理後2〜4週で試験を終了し、各ポットを調べて、以下に記載の評価体系に従って評価した。
【0088】
評価体系 未処理の対照に対する生長差% 0 − 効力なし 0 1 − わずかな効力 1〜5 2 − 少しの効力 6〜15 3 − 中程度の効力 16〜29 4 − 損傷あり 30〜44 5 − はっきりした損傷 45〜64 6 − 除草作用あり 65〜79 7 − 良好な除草作用 80〜90 8 − 完全な死滅に近い 91〜99 9 − 完全な死滅 100評価の結果は、表6に記載されている。
【0089】
【表6】

【0090】2. 発芽後試験本発明の化合物の発芽後除草活性は、以下の試験によって実証される。この試験では、商標TRITON X-155の下で入手可能な0.4重量%のアルキルフェノール/エチレンオキシド濃縮物を含有するアセトンを溶媒とした試験化合物の溶液から調製された配合物で、さまざまな単子葉植物および双子葉植物を処理した。これらのアセトン溶液を水で希釈して、得られた配合物を、各ポットに対して1ヘクタールあたり約0.025〜0.4kgの試験化合物に対応する用量レベルで適用した。散布後、植物を温室作業台に配置して通常の管理を行った。処理後2〜4週間で、実生苗を検査し、先に記載の評価体系に従って評価した。試験の結果は、表7に記載されている。
【0091】
【表7】

【出願人】 【識別番号】595123069
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成14年3月5日(2002.3.5)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外2名)
【公開番号】 特開2002−322006(P2002−322006A)
【公開日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願番号】 特願2002−59386(P2002−59386)