| 【発明の名称】 |
保存安定性の向上した農薬混合粒剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】西谷 健
【氏名】奥井 敬信
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| 【要約】 |
【課題】有機リン系化合物の1種または2種以上および/またはカーバメート系化合物の1種または2種以上の混合粒剤において、その製造直後より長期間にわたり農薬活性成分の保存安定性が向上した農薬混合粒剤の開発。
【解決手段】農薬活性成分として有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上を、安定化剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種または2種以上および/またはポリエチレングリコールの1種また又は2種以上を含有する、粉末担体および粒核とからなることを特徴とする保存安定性の向上した農薬混合粒剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】次の(a)〜(d)を含有する保存安定性の向上した農薬混合粒剤。 (a)有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上からなる農薬活性成分(b)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種または2種以上および/またはポリエチレングリコールの1種また又は2種以上からなる安定化剤(c)粉末担体(d)粒核【請求項2】農薬活性成分が、ダイアジノンと、ダイアジノン以外の有機リン系化合物の1種または2種以上および/またはカーバメート系化合物の1種または2種以上である請求項1記載の農薬混合粒剤。 【請求項3】農薬活性成分がダイアジノンとアセフェートである請求項1又は2記載の農薬混合粒剤。 【請求項4】安定化剤として更にエポキシ化植物油を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の農薬混合粒剤。 【請求項5】粉末担体が含水無晶形二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農薬混合粒剤。 【請求項6】粒核の鉱物が粒状石灰石である事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の農薬混合粒剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保存時の農薬活性成分の経時的な分解を防止して安定性を向上させた農薬混合粒剤に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来より農薬活性成分の保存安定性を向上させるには、農薬活性成分の性質を鑑み、安定化剤、補助剤、増量剤の種類や添加量を変えるなどして検討されてきた。特に2種類以上の農薬活性成分を含有する混合製剤では、含有する全ての農薬活性成分が同時に安定化する必要があった。特に、ダイアジノンとアセフェートの混合粒剤においては、保存中にどちらか一方または双方の活性成分が分解し、実用上問題があった。 【0003】このような2種の農薬活性成分の混合製剤の安定化をはかるための方法として、次の方法が提案されている。 【0004】(1)特開平9−315903号公報内核の農薬活性成分と外郭の農薬活性成分の間にフィルム形成層を設ける事を特徴とする農薬粒剤およびその製法。 (2)特開平3−181405号公報農薬活性成分としてニトロ化合物と有機リン系化合物の混合剤に乾式合成法による無水無晶形シリカを使用し、更に、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖または、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール・共重合鎖を含む化合物を添加する安定化された組成物。 【0005】しかし、(1)では、内核の農薬活性成分と外殻の農薬活性成分とが互いに接触しないようにする必要があり、製造が極めて煩雑であるという欠点を有する。また、(2)では、農薬製剤の分野においては無水無晶形シリカという特殊な担体を必須成分とするものであり、また、ニトロ化合物という限定された農薬活性成分と有機リン系化合物との安定化という、限られた2種の農薬活性成分同士の安定化を図ろうとしたものに過ぎなかった。したがって、前述のダイアジノンとアセフェートとの混合粒剤の如き、極めて一般的な農薬活性成分同士、特に広範に用いられている有機リン系化合物やカーバメート系化合物から選ばれる2種以上の農薬活性成分を用いた、保存安定性が向上し、しかも製造が簡便な混合粒剤の技術の開発が望まれていた。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意研究した結果、安定化剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種または2種以上および/またはポリエチレングリコールの1種また又は2種以上を採用することにより安定性の向上を果たせることを見出し、本発明に至ったものである。即ち、本発明は、(1)次の(a)〜(d)を含有する保存安定性の向上した農薬混合粒剤、(a)有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上からなる農薬活性成分(b)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種または2種以上および/またはポリエチレングリコールの1種また又は2種以上からなる安定化剤(c)粉末担体(d)粒核(2)農薬活性成分が、ダイアジノンと、ダイアジノン以外の有機リン系化合物の1種または2種以上および/またはカーバメート系化合物の1種または2種以上である請求項1記載の農薬混合粒剤、(3)農薬活性成分がダイアジノンとアセフェートである請求項(1)又は(2)記載の農薬混合粒剤、(4)安定化剤として更にエポキシ化植物油を含有する請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の農薬混合粒剤、(5)粉末担体が含水無晶形二酸化ケイ素であることを特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の農薬混合粒剤、(6)粒核の鉱物が粒状石灰石である事を特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の農薬混合粒剤、に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の農薬混合粒剤は、農薬活性成分として有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上を含有すると安定化の難しい混合粒剤に於いて、安定化剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種または2種以上および/またはポリエチレングリコールの1種又は2種以上を使用するか、所望によりこれらとエポキシ化植物油を併用することにより保存安定性が向上したものである。 【0008】本発明に使用できる農薬活性成分としては、例えば次のものが挙げられる。 【0009】有機リン系化合物としては、ダイアジノン、アセフェート、プロパホス、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン、テトラクロルビンホス、マラソン、ホスチアゼート、EPN等。カーバメート系化合物としては、NAC、XMC、BPMC、MTMC、MIPC、PHC、カルボスルファン、ベンフラカルブ等。 【0010】また、農薬活性成分として、混合しても安定な2種又は3種以上の農薬活性成分を採用しても、本発明の混合粒剤は一般の混合粒剤よりも極めて優れた安定性を示すが、一般の製剤処方では混合粒剤化が困難な、混合することにより安定性が減少するような2種又は3種以上を採用しても、安定な混合粒剤とすることができ、本発明の効果がより顕著に表れるという意味において本発明における好ましい農薬活性成分である。 【0011】これらの農薬活性成分の製剤中の含有量は粒剤中に通常0.1〜25重量%、好ましくは1〜15重量%である。 【0012】本発明に使用される安定化剤のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、例えば、三洋化成のニューポールPEシリーズ(ニューポールPE−61,ニューポールPE−62,ニューポールPE−64,ニューポールPE−68,ニューポールPE−71,ニューポールPE−74,ニューポールPE−75,ニューポールPE−78,ニューポールPE−108,ニューポールPE−128,ニューポールNPE−2700)や竹本油脂のニューカルゲンPBシリーズ(ニューカルゲン1028PB,ニューカルゲン3429PB,ニューカルゲン5050PB,ニューカルゲン70100PB)が挙げられるが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、ニューポールPE−61,ニューポールPE−62,ニューポールPE−71,ニューポールPE−75,ニューポールPE−76,ニューポールNPE−2700,ニューカルゲン1028PB,ニューカルゲン3429PB,ニューカルゲン5050PBの様な液状もしくはペースト状のものが好ましい。 【0013】本発明に使用される安定化剤のポリエチレングリコールとしては、例えばPEG200,PEG300,PEG400,PEG600,PEG1000,PEG1500,PEG1540,PEG4000,PEG6000,PEG20000などが挙げられるが、ポリエチレングリコールとしては、PEG200,300,400,600等の液状のものが好ましい。 【0014】本発明において所望により使用される安定化剤のエポキシ化植物油としては、エポキシ化大豆油,エポキシ化アマニ油,エポキシ化ナタネ油が挙げられる。具体的にエポキシ化大豆油としては、日本油脂のニューサイザー510Rや竹本油脂のニューカルゲン800が挙げられ、エポキシ化アマニ油としてはニューサイザー512が挙げられる。 【0015】本発明の粒剤における安定化剤の総使用量は通常0.1〜15重量%で、好ましくは1〜10重量%である。 【0016】本発明に用いられる粉末担体としては、鉱物質粉末、植物質粉末および無機、有機塩類等の粉末などが挙げられる。 【0017】鉱物質粉末坦体としては、含水無晶形二酸化ケイ素、クレー、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウムおよびケイソウ土等、植物質粉末としては、各種澱粉、ふすま粉、小麦粉等、無機、有機塩類としては、硫安,尿素,塩安,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,リン酸カリウム,硝安等の粉末等がそれぞれ例示でき、特に含水無晶形二酸化ケイ素等を用いることが好ましい。また、これらを1種又は2種以上で併用することができる。また、その使用量は、農薬活性成分や安定化剤が十分吸着することができる量であれば特に限定はないが、通常混合粒剤中に0.05〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。 【0018】また、粒核には、鉱物質粒核、植物質粒核および無機、有機塩類の粒核などが挙げられる。 【0019】鉱物質粒核としては、バーミキュライト,粒状珪石,粒状石灰石、海砂,ガラスビーズ,カオリナイト,アタパルジャイド,ろう石,酸性白土,活性白土,パイロフィライト,セリサイト,珪藻土,軽石,タルク,ゼオライト,ひる石等、植物質粒核としては、コ−ンコブ,ふすま等、無機、有機塩の粒核としては、硫安,尿素,塩安,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,リン酸カリウム,硝安等がそれぞれ例示でき、特に粒状石灰石が好ましい。 【0020】本発明の粒剤における粒核の総使用量は通常40〜99重量%で、好ましくは60〜98重量%である。 【0021】また、本発明の農薬混合粒剤は、本発明の目的と効果を損なわない範囲内で、各種の物理性改良剤を用いることもできる。 【0022】本発明の農薬混合粒剤は、粒径、形状について特に限定されず、粒核に農薬活性成分として有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上と、安定化剤を粉末担体を用い被覆させて粒剤を調製すればよい。 【0023】本発明の粒剤を製造する方法は特に限定されないが、例えば、コンクリートミキサー、コーティングパン、リボンミキサー、転動造粒機を用いて、粒核に農薬活性成分および安定化剤を粉末担体と一緒に被覆せしめ粒剤を製造すればよい。 【0024】製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0025】(1)コーティングパンを可動させながら、粒核に2種類以上の農薬活性成分と安定化剤の混合物を被覆後、粉末担体を被覆して、本発明の農薬混合粒剤を得る。尚、2種類以上の農薬活性成分と安定化剤の混合物および粉末担体は、2回以上に分割して被覆してもかまわない。 (2)コーティングパンを可動させながら、粒核に1種または2種類以上の農薬活性成分と安定化剤の混合物を被覆後、粉末担体を被覆する。更に、1種または2種類以上の農薬活性成分を被覆後、粉末担体を被覆して本発明の農薬混合粒剤を得る。尚、農薬活性成分と安定化剤の混合物、農薬活性成分および粉末担体は、2回以上に分割して被覆してもかまわない。 (3)コーティングパンを可動させながら、粒核に1種または2種類以上の農薬活性成分を被覆後、粉末担体を被覆する。更に、1種または2種類以上の農薬活性成分と安定化剤の混合物を被覆後、粉末担体を被覆して本発明の農薬混合粒剤を得る。尚、農薬活性成分、農薬活性成分と安定化剤の混合物および粉末担体は、2回以上に分割して被覆してもかまわない。 (4)コーティングパンを可動させながら、粒核に1種または2種類以上の農薬活性成分を被覆後、粉末担体を被覆する。次に、1種または2種類以上の農薬活性成分を被覆後、粉末担体を被覆する。更に、安定化剤を被覆後、粉末担体を被覆して本発明の農薬混合粒剤を得る。尚、農薬活性成分と安定化剤の被覆順序は順不同でもかまわないし、農薬活性成分、安定化剤および粉末担体は、2回以上に分割して被覆してもかまわない。 【0026】 【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下に「部」とあるのはすべて重量部を意味する。 【0027】実施例1粒状石灰石90.5 部を撹拌しながらダイアジノン原体1.5部を被覆させた後、アセフェート原体3.0部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックス#80 塩野義製薬社製)1.0部,ダイアジノン原体1.5部,ポリエチレングリコール(PEG400 三洋化成製)1.5部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックスン#80 塩野義製薬製)1.0部,を順次被覆して、ダイアジノン3%およびアセフェート3%含む粒剤を得た。 【0028】実施例2粒状石灰石90.5 部を撹拌しながらダイアジノン原体1.5部を被覆させた後、アセフェート原体3.0部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックスン#80 塩野義製薬製)1.0部,ダイアジノン原体1.5部,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(ニューポールPE−61 三洋化成製)1.5部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックスン#80 塩野義製薬製)1.0部を順次被覆して、ダイアジノン3%およびアセフェート3%含む粒剤を得た。 【0029】実施例3粒状石灰石90.4 部を撹拌しながらダイアジノン原体1.5部を被覆した後、アセフェート原体3.0部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックス#80 塩野義製薬製)1.0部,ダイアジノン原体1.5部,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(ニューポールPE−61 三洋化成製)0.8部,ポリエチレングリコール(PEG400 三洋化成製)0.8部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックスン#80 塩野義製薬製)1.0部,を順番に被覆して、ダイアジノン3%およびアセフェート3%含む粒剤を得た。 【0030】比較例粒状石灰石92.0部を撹拌しながらダイアジノン原体1.5部を被覆させた後、アセフェート原体3.0部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックス#80 塩野義製薬製)1.0部,ダイアジノン原体1.5部,含水無晶形二酸化ケイ素(カープレックスン#80 塩野義製薬製)1.0部を順次被覆して、ダイアジノン3%およびアセフェート3%含む粒剤を得た。 【0031】試験例 保存安定性試験実施例1〜3および比較例の粒剤を40±1℃の恒温槽に保存し、30日後、60日後、90日後に粒剤中の農薬活性成分量を分析し、初期含量に基づく残存率(%)を算出した。 【0032】得られた試験結果を表1に示す。 【0033】 表1 40℃保管後の活性成分の安定性(活性成分残存率%) ダイアジノン アセフェート 30日後 60日後 90日後 30日後 60日後 90日後実施例1 99 97 95 99 97 95実施例2 98 97 96 100 99 98実施例3 99 97 96 100 99 99比較例 93 88 70 88 77 40【0034】 【発明の効果】本発明の有機リン系化合物及びカーバメート系化合物からなる群より選ばれる2種又は3種以上を含有する混合粒剤は、農薬活性成分の長期保存安定性が大幅に向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004086 【氏名又は名称】日本化薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月23日(2001.4.23) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−322002(P2002−322002A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−124404(P2001−124404) |
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