| 【発明の名称】 |
殺虫液剤及び殺虫エアゾール剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】皆川 文康
【氏名】佐々木 重幸
【氏名】田中 康順
|
| 【要約】 |
【課題】引火性や人畜に対する有害性が低く、メトキサジアゾンの溶解性が高いため、比較的高濃度の液剤とした場合にも結晶析出の問題がなく、安定した製剤で、かつ高い殺虫効力を有する殺虫液剤及び殺虫エアゾール剤を提供する。
【解決手段】(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾン及び(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする殺虫液剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾン及び(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする殺虫液剤。 【請求項2】液剤が油剤であり、(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾンの含有量が0.1〜5重量%であり、(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種の含有量が1〜99.9重量%であり、(b)/(a)が3〜999である請求項1に記載の殺虫液剤。 【請求項3】液剤が乳剤であり、(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾンの含有量が0.5〜10重量%であり、(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種の含有量が1.5〜99重量%であり、(b)/(a)が3〜198である請求項1に記載の殺虫液剤。 【請求項4】(1)(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾン及び(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する液剤及び(2)噴射剤からなることを特徴とする殺虫エアゾール剤。 【請求項5】(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾンの液剤中の含有量が0.1〜5重量%であり、(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種の液剤中の含有量が1〜99.9重量%であり、(b)/(a)が3〜999であり、噴射剤の殺虫エアゾール剤中の含有量が20〜80重量%である請求項4に記載の殺虫エアゾール剤。 【請求項6】(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾンの液剤中の含有量が1〜20重量%であり、(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種の液剤中の含有量が3〜99重量%であり、(b)/(a)が3〜99であり、噴射剤の殺虫エアゾール剤中の含有量が40〜85重量%である請求項4に記載の殺虫エアゾール剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫液剤に関する。詳しくは引火性、及び人畜に対する有害性が低減され、かつ溶解安定性の高い殺虫液剤に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】メトキサジアゾンはオキサジアゾール系殺虫剤の一種で、ゴキブリ類に対して高い殺虫活性を示し、特にピレスロイド系殺虫剤に対して抵抗性の発達したゴキブリ類に有効である。防疫用殺虫製剤として家屋内等において広く使用される油剤、乳剤等の殺虫液剤や、該殺虫液剤を原液として使用し、これにさらに噴射剤を含有する殺虫エアゾール剤等においては、殺虫有効成分の他に、殺虫有効成分を希釈溶解させるための溶剤が配合される。かかる溶剤としては、灯油、キシレン、エタノール等が広く使用されている。 【0003】しかしながらメトキサジアゾンはこれらの溶剤に対する溶解性が低いため、かかる溶剤のみを用いて殺虫液剤とするには困難を伴うことが多かった。また、ハエ、カ、ゴキブリ等の衛生害虫防除に使用される殺虫液剤あるいは該殺虫液剤を原体として使用する殺虫エアゾール剤は家屋内等の生活環境で使用される場合が多いため特に、低引火性、人畜に対する高い安全性のみならず、低臭気性のものが求められる。しかも殺虫液剤や殺虫エアゾール剤はより効力の高いものが求められている。本発明の目的は、製剤調整後に結晶析出等の問題がなくメトキサジアゾンを高濃度で安定して含有しえ、かつ、低引火性、高い安全性のみならず、低臭気性で、しかもより効力の高い殺虫液剤及び該殺虫液剤を用いた殺虫エアゾール剤を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】このような状況下、本発明者らは検討を重ねた結果、メトキサジアゾンを殺虫有効成分として含有し、溶剤としてトリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールを含有する殺虫液剤が上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、(a)殺虫有効成分としてのメトキサジアゾン及び(b)溶剤としてのトリアセチン、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする殺虫液剤(以下、本液剤と記す)及び本液剤を用いた殺虫エアゾール剤を提供するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本液剤におけるメトキサジアゾンの含有量は、油剤、乳剤、エアゾール剤用原液等その製剤形態、施用目的等により変わる。本液剤が油剤である場合、メトキサジアゾンの含有量は、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。本液剤が乳剤である場合、メトキサジアゾンの含有量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。 【0006】本液剤がエアゾール剤用原液として使用される場合、たとえば該エアゾール剤が、ハエ、カ、ゴキブリ等の害虫またはその周辺に直接噴霧し害虫を駆除する用途(以下、通常エアゾール用途と記す)に使用されるときには、本液剤におけるメトキサジアゾンの含有量は、通常0.1〜5重量%であり、好ましくは0.2〜2重量%である。また、該エアゾール剤が、家屋の室内空間に比較的多量の剤(たとえばエアゾール剤一本全量など)を一度に噴霧し該室内全体に有効成分をゆきわたらせることにより室内の家具の隙間、じゅうたん等の中に潜むゴキブリやノミ等の害虫やダニ等の駆除する用途(以下、全量噴射型エアゾール用途と記す)に使用されるときには、本液剤におけるメトキサジアゾンの含有量は、通常1〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。 【0007】本液剤においては、溶剤としてトリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールが含有される。これらは2種以上の混合物であってもよく、その本液剤中の含有量は油剤、乳剤、エアゾール剤用原液等その製剤形態、施用目的等により変わる。本液剤が油剤である場合、トリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールの含有量は、通常1〜99.9重量%、好ましくは5〜99.8重量%である。本液剤が乳剤である場合、トリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールの含有量は、通常1.5〜99重量%、好ましくは5〜98重量%である。 【0008】本液剤が通常の通常エアゾール用途のエアゾール剤原液である場合、本液剤中のトリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールの含有量は、通常1〜99.9重量%、好ましくは5〜99.8重量%である。本液剤が全量噴射型エアゾール用途のエアゾール剤原液である場合、本液剤中のトリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールの含有量は、通常3〜99重量%、好ましくは15〜95重量%である。 【0009】また、(a)メトキサジアゾンに対する(b)トリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールの重量割合((b)/(a))は、本液剤が乳剤の場合には、通常3〜999であり、乳剤の場合には、通常3〜198であり、通常エアゾール用途のエアゾール剤原液である場合には、3〜999であり、全量噴射型エアゾール用途のエアゾール剤原液である場合には、通常3〜99である。 【0010】トリアセチンは、グリセロール トリアセテートの慣用名であり、無色のわずかに粘性のある液体で、においはなく引火性および人畜に対する毒性が低い液体である。また、サリチル酸エチレングリコール及びベンジルアルコールも同様ににおいはないかあるいは微香性の液体で、引火性および人畜に対する毒性が低い液体である。 【0011】本液剤は他の殺虫有効成分を適宜含有していてもよい。また、本発明の効果をそこなわない範囲でエタノール、イソプロパノール等のアルコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコール系溶剤、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン等の飽和炭化水素系溶剤等を含有することができる。さらに必要に応じて、界面活性剤、増粘剤、塗膜形成剤等の補助剤、添加剤等を適宜配合してもよい。特に本液剤が乳剤の場合には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレン植物油エーテル、アルキルベンゼンスルホネート等の界面活性剤を、本液剤中にたとえば0.5〜15重量%程度配合することが一般的である。 【0012】本殺虫液剤は、通常の油剤、乳剤等の液剤の製造法に従って製造することができる。例えば、トリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールとメトキサジアゾン、必要により他の殺虫有効成分、他の溶剤、補助剤、添加剤等を混合溶解することにより得ることができる。 【0013】また、本殺虫液剤を使用して殺虫エアゾール剤を製造する場合も、通常のエアゾール剤製造法に従って製造することができる。例えば耐圧容器に本殺虫液剤を充填した後、該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着する方法により、あるいはトリアセチン、サリチル酸エチレングリコールまたはベンジルアルコールとメトキサジアゾン、必要により他の殺虫有効成分、他の溶剤、補助剤、添加剤等をそれぞれ耐圧容器に注入後、該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着する方法により製造することができる。そして、通常エアゾール用途の場合には、通常の殺虫エアゾールに用いられる一般的なアクチュエーターを、全量噴射型エアゾール用途の場合には、全量噴射型アクチュエーターを使用する等により用途に応じたエアゾール剤とすることができる。 【0014】該噴射剤としては、例えばプロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチラール等を挙げることができ、これらは2種以上の混合物であってもよい。噴射剤含有量は、その用途により変わる。通常エアゾール用途の場合、通常20〜80重量%、好ましくは40〜70重量%であり、全量噴射型エアゾール用途の場合には、通常40〜85重量%であり、好ましくは55〜80重量%である。 【0015】 【実施例】以下、製剤例および試験例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 製剤例1メトキサジアゾン1gにトリアセチン5gとエタノール7gを加えよく撹拌して澄明な油剤1を得た。 【0016】製剤例2メトキサジアゾン1gにサリチル酸エチレングリコール10gとエタノール2gを加えよく撹拌して澄明な油剤2を得た。 【0017】製剤例3メトキサジアゾン1gにベンジルアルコール9gを加えよく撹拌して澄明な油剤3を得た。 【0018】製剤例4100mlエアゾール缶にメトキサジアゾン1.0g、フェノトリン0.5g、トリアセチン6.0g及び変性エタノール3.0gを注入し、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル36.0gを封入した。全量噴射型アクチュエーターを装着することで全量噴射型エアゾール剤であるエアゾール剤1を得た。エアゾール剤1を用いて全量噴射テストを行なった結果、噴射には異常はなかった。 【0019】製剤例5100mlエアゾール缶にメトキサジアゾン0.1g、フェノトリン0.5g、サリチル酸エチレングリコール6.0g及び変性エタノール3.0gを注入し、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル36.0gを封入した。全量噴射型アクチュエーターを装着することで全量噴射型エアゾール剤であるエアゾール剤2を得た。エアゾール剤2を用いて全量噴射テストを行なった結果、噴射には異常はなかった。 【0020】試験例1メトキサジアゾンを表1に記載の溶剤に溶解し、メトキサジアゾン含有量を15重量%とした液剤をそれぞれ調製し、各液剤の溶解状態を調べた。溶解試験(温度:25℃)の結果を第1表に示す。第1表における評価基準は次のとおりである。 (評価基準) 溶解性; ○:十分溶解し、残存固形分なし。 ×:完全に溶解せず、残存固形分あり。 臭気; ○:臭気なし。またはほとんどなし。 ×:臭気有り。 −:評価せず。 【0021】 【表1】
【0022】製剤例6メトキサジアゾン0.05gにベンジルアルコール9.95gとよく撹拌して澄明な油剤を得た。該油剤10gを180ml容エアゾール缶に注入し、さらに40gの飽和炭化水素系溶剤(アイソパーM、エクソンモービル有限会社)を加え、エアゾールバルブを装着した後、液化石油ガス/ジメチルエーテル1:1混合噴射剤50gを封入した。直撃噴射用アクチュエーターを装着することでエアゾール剤3を得た。 【0023】製剤例7ベンジルアルコールに代えてサリチル酸エチレングリコールを用いた以外は製剤6と同様にしてエアゾール剤4を得た。 【0024】比較製剤例1ベンジルアルコールに代えて炭酸プロピレンを用いた以外は製剤6と同様にして比較エアゾール剤1を得た。 【0025】比較製剤例2メトキサジアゾン0.05gと飽和炭化水素系溶剤(アイソパーM)49.95gとを180ml容エアゾール缶に注入し、エアゾールバルブを装着した後、液化石油ガス/ジメチルエーテル1:1混合噴射剤50gを封入した。直撃噴射用アクチュエーターを装着することで比較エアゾール剤2を得た。 【0026】試験例2チャバネゴキブリ雌雄各5頭を入れた直径15cmの円形容器に、直径20cm、高さ60cmのガラス製円筒を被せ、該ガラス製円筒の上方からエアゾール剤3、4または比較エアゾール剤1、2を0.4g噴射した。噴射直後に該ガラス製円筒に上蓋を被せ、30秒後に円形容器を取り出し、昆虫をカップに回収し、水と餌を与え、3日後の死虫率を観察した。試験は3反復で行い、その平均値を求めた結果を表2に示す。 【0027】 【表2】
【0028】製剤例8メトキサジアゾン2.5重量部にトリアセチン97.5重量部とをよく撹拌して澄明な油剤4を得た。 【0029】製剤例9メトキサジアゾン2.5重量部にベンジルアルコール97.5重量部とをよく撹拌して澄明な油剤5を得た。 【0030】比較製剤例3メトキサジアゾン2.5重量部に炭酸プロピレン97.5重量部とをよく撹拌して澄明な比較油剤1を得た。 【0031】試験例3製剤例8,9および比較製剤例3で得られた各油剤を、15cm平方のベニヤ板および化粧版に単位面積あたりのエレミック処理量が0.25g/m2になるように均一に処理した。油剤処理した各板に直径約13cm、高さ5cmの円筒状プラスティック(内側には逃亡防止のために植物性マーガリンが塗布されている)を置き、中にチャバネゴキブリ雌雄各5頭を放ち、強制接触させた。2時間後にチャバネゴキブリをカップに回収し、水と餌を与え、3日後の死虫率を観察した(1回目)。試験後、処理板を暗室に保管し、1週間後同様の試験を行った(2回目)。試験は3反復で行い、その平均値を求めた。結果を表3に示す。 【0032】 【表3】
【0033】 【発明の効果】本発明によれば、引火性や人畜に対する有害性が低く、メトキサジアゾンの溶解性が高いため、比較的高濃度の液剤とした場合にも結晶析出の問題がなく、安定した製剤で、かつ高い殺虫効力を有する殺虫液剤及び殺虫エアゾール剤を提供できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390000527 【氏名又は名称】住化ライフテク株式会社 【識別番号】000250018 【氏名又は名称】有恒薬品工業株式会社 【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年9月26日(2001.9.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−316905(P2002−316905A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月31日(2002.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−293410(P2001−293410) |
|