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【発明の名称】 乳剤組成物
【発明者】 【氏名】高林 一郎

【氏名】前川 祐一

【氏名】勝浦 喜代志

【要約】 【課題】安全に使用できる安価な乳剤組成物を提供することを課題とする。

【解決手段】3種以上の有機溶媒を組合わせることにより、乳化剤を添加することなく希釈時に良好な乳化性を有する乳剤組成物であり、有機溶剤が、(1)ポリアルキルベンゼン類、ポリアルキルナフタレン類、またはこれらの混合溶媒、(2)N−メチル−2−ピロリドン、および(3)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンから選ばれる1種または2種以上である乳剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】3種以上の有機溶剤を含有し、乳化剤を含まない乳剤組成物。
【請求項2】有機溶剤が、(1)トルエン、キシレン、メチルナフタレン、その他のポリアルキルベンゼン類、ポリアルキルナフタレン類、またはこれらの混合溶媒、(2)N−メチル−2−ピロリドン、および(3)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンから選ばれる1種または2種以上である溶媒からなる請求項1記載の乳剤組成物。
【請求項3】1種または2種以上の農薬活性成分を含有することを特徴とする請求項1記載の乳剤組成物。
【請求項4】農薬活性成分として、ピレスロイド系化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の乳剤組成物。
【請求項5】農薬活性成分として、20℃における水溶解度が60ppm以上である化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の乳剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な乳剤組成物、特に農園芸分野で有用な薬剤の製剤技術に関する。
【0002】
【従来の技術】殺菌、殺虫、殺ダニ、除草活性等を有する農薬有効成分化合物を液体の剤型で使用する目的で乳剤化する場合、農薬有効成分化合物を溶解しうる有機溶媒に乳化剤として界面活性剤を添加することにより、希釈時の乳化性に優れた乳剤組成物が製造されてきた。しかしながら有機溶媒を使用する乳剤は、使用する溶媒により、臭気、引火、その他安全上の問題がありその選択は容易ではない。また、乳剤は使用の簡便さから開発途上国で好まれる剤型であり、そのため安価な乳剤組成物が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全に使用できる安価な乳剤組成物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3種以上の有機溶媒を組合わせることにより、乳化剤を添加することなく希釈時に良好な乳化性が得られることを見出した。本発明は、1.3種以上の有機溶媒を組合わせることを特徴とする、乳化剤を含まない乳剤組成物であり、2.有機溶剤が、(1)トルエン、キシレン、メチルナフタレン、その他のポリアルキルベンゼン類、ポリアルキルナフタレン類、またはこれらの混合溶媒、(2)N−メチル−2−ピロリドン、および(3)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンから選ばれる1種または2種以上である溶媒前記1.記載の乳剤組成物であり、3.1種または2種以上の農薬活性成分を含有する前記1記載の乳剤組成物であり、4.農薬活性成分として、ピレスロイド系化合物を含有する前記1.記載の乳剤組成物であり、5.農薬活性成分として、20℃における水溶解度が60ppm以上である化合物を含有する前記1.記載の乳剤組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の乳剤組成物においては、通常3から10%添加される乳化剤を添加しなくても良好な乳化性が得られる。
【0006】本発明の乳剤において使用される有機溶媒としては、(1)トルエン、キシレン、メチルナフタレン、その他のポリアルキルベンゼン類、ポリアルキルナフタレン類、またはこれらの混合溶媒、(2)N−メチル−2−ピロリドン、(3)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセリンから選ばれる1種または2種以上が使用できる。
【0007】本発明の農薬組成物において使用できる農薬活性成分としては、使用する溶媒に溶解する農薬活性成分であれば本発明の乳剤とすることができる。農薬活性成分として、ピレスロイド系化合物を含有する乳剤において特にその乳化安定性の優れた乳剤が得られる。
【0008】使用できる有効成分としては、トラロメトリン、シベルメトリン、ペルメトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、フェニソブロモレート等のピレスロイド剤が挙げられる。
【0009】更に、20℃における水溶解度が60ppm以上である農薬有効成分との混合剤とすることもできる。そのような農薬有効成分としては、イミダクロプリド、アセタミプリド等のクロルニコチノイル系剤、ピリダフェンチオン等の有機リン剤、エチオフェンカルブ等のカーバメート剤、フルフェノクスロン等のベンゾイルウレア剤、イプコナゾール、トリフルミゾール等のEBI剤等が挙げられる。
【0010】本発明の乳剤組成物は、これらの農薬有効成分、ポリアルキルベンゼン類および/またはポリアルキルナフタレン類、N−メチル−2−ピロリドンおよびグリコール類を混合して製造することができる。添加量は、ポリアルキルベンゼン類および/またはポリアルキルナフタレン類としては農薬有効成分を所望量溶解する量として通常3〜10%、N−メチル−2−ピロリドン20〜40%、グリコール類50〜70%が好ましく、特に、ポリアルキルベンゼン類および/またはポリアルキルナフタレン類は5%程度が好ましい。
【0011】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は特にこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1トラロメトリン溶液(25.5重量%のトラロメトリンをソルベッソ100に溶解したもの)4.5重量%、N―メチル―2−ピロリドン30重量%、およびジエチレングリコール65.5重量%を混合、溶解して目的の乳剤組成物を得た。
【0012】実施例2トラロメトリン溶液(25.5重量%のトラロメトリンをソルベッソ100に溶解したもの)4.5重量%、アセタミプリド原体0.8重量%、N―メチル―2−ピロリドン30重量%、およびジエチレングリコール64.7重量%を混合、溶解して目的の乳剤組成物を得た。
【0013】乳化性試験次に上記実施例の各乳剤組成物について乳化性試験を行った。100mlの共栓付沈降管に20℃のWHO標準水(CaCO3として342ppm)90mlを入れ、ここにサンプル10ml(10倍希釈)を入れた後、栓をして2秒間に1回の割合で30回倒立して初期乳化性を観察した。沈降管を室温(20〜25℃)に静置して30分後に分離の有無等の乳化安定性を観察した。本発明の乳剤組成物はすべてWHO標準水に対して良好な初期乳化性と乳化安定性を示した。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の乳剤組成物は、溶媒臭気が少なく、非水溶性有機溶媒の使用量が多いため安全性の高いものであるのみならず、乳化剤を使用する必要がなく経済的であり、発展途上国においても広範に使用可能な乳剤組成物である。
【出願人】 【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
【出願日】 平成13年4月11日(2001.4.11)
【代理人】 【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作 (外1名)
【公開番号】 特開2002−308702(P2002−308702A)
【公開日】 平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願番号】 特願2001−112673(P2001−112673)