| 【発明の名称】 |
バチルス・ポピリエ、それを用いるコガネムシ科昆虫の防除方法および防除剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 雅敏
【氏名】伊藤 佳代子
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、ドウガネブイブイ、セマダラコガネをはじめとするコガネムシ科昆虫に優れた防除活性を示す微生物、即ち、菌体、胞子、又は胞子嚢、及び該微生物を用いたコガネムシ科昆虫の防除方法、及び防除剤を提供すること。また、コガネムシ科昆虫、特に代表的かつ重大な植物害虫であるドウガネブイブイ、セマダラコガネ、ヒメコガネ、及びマメコガネに対し種類を問わず同程度の殺虫効果を示し、さらに施用適期幅が長い防除剤を提供すること。
【解決手段】セマダラコガネとドウガネブイブイに殺虫活性を示し、セマダラコガネに対して強い殺虫活性を示すバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株(bacillus popilliaevar.popillae DIC−2001)(FERM P−18250)。また、上記の微生物をコガネムシ科昆虫に作用させることを特徴とするコガネムシ科昆虫の防除方法。また、上記の微生物の胞子嚢を含むコガネムシ科昆虫の防除剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セマダラコガネとドウガネブイブイに殺虫活性を示し、セマダラコガネに対して強い殺虫活性を示すバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株(bacillus popilliae var.popillae DIC−2001)(FERM P−18250)。 【請求項2】 請求項1に記載の微生物をコガネムシ科昆虫に作用させることを特徴とするコガネムシ科昆虫の防除方法。 【請求項3】 請求項1に記載の微生物の胞子嚢をコガネムシ科昆虫に作用させるコガネムシ科昆虫の防除方法。 【請求項4】 コガネムシ科昆虫がセマダラコガネ昆虫、又はドウガネブイブイ昆虫であることを特徴とする請求項2又は3に記載の防除方法。 【請求項5】 請求項1に記載の微生物の胞子嚢を含むコガネムシ科昆虫の防除剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バチルス・ポピリエに属する微生物の菌体、胞子、又は胞子とパラスポラルボディとを有する胞子嚢、及びそれらを用いたコガネムシ科昆虫の防除方法及び防除剤に関する。該バチルス・ポピリエに属する微生物は植物害虫であるコガネムシ科昆虫の幼虫に対して乳化病を誘発することができるので、コガネムシ科昆虫に対する防除剤として利用できる。 【0002】 【従来の技術】従来、芝地、牧草地、農園、果樹園、庭園などにおいてコガネムシ科昆虫、特にセマダラコガネ、ドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネは重大な植物害虫となっているが、その防除には化学合成された農薬を用いることが一般的であった。これらの幼虫は地中に棲息することから、地上から散布する化学農薬が効きにくく、且つその棲息場所が特定しにくいことから、十分な殺虫効果を得る為には、広範囲に、多量の殺虫性農薬を散布して地中に浸透させる必要があり、その結果、環境汚染を引き起こし易い為に、事実上、その防除、駆除は殆ど困難であった。とくに、大型であるドウガネブイブイとセマダラコガネの防除、駆除はさらに困難であった。 【0003】しかし環境問題が重要視される時代背景下、自然環境や人体への悪影響が懸念される化学農薬に変わって、環境保全に貢献できる安全性の高い生物的防除法が切望されている。 【0004】上記の観点から、昆虫に対して殺虫性を示す微生物を用いた微生物農薬が開発されており、例えば鱗目や蚊の幼虫に対して病原性を有するバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の生菌またはその殺虫成分を農薬とするいわゆるBT剤は代表的なものとして知られている。 【0005】コガネムシ科昆虫については乳化病に冒されたマメコガネ(Popilliae japonica)幼虫から単離されたバチルス・ポピリエに属する微生物がマメコガネ幼虫に対して乳化病を誘発することが知られており、既に米国においては該微生物を用いた微生物製剤が市販されている。しかし該微生物は日本で重要害虫となっているドウガネブイブイに対しては効果がない(農業有用微生物−その利用と展望−梅谷献二、加藤肇 236頁 1990年)。 【0006】また、セマダラコガネとドウガネブイブイに対して乳化病を引き起こすバチルス・ポピリエ属の微生物としては特開平11−332556号公報に示されているが、その殺虫効果は充分ではなかった。さらに、コガネムシ科昆虫に殺虫活性を呈する該バチルス・ポピリエの微生物の工業的な生産方法も確立されておらず、その生産方法としては専らコガネムシ科昆虫の幼虫体内で培養するしか方法がなく極めて生産性が低いことから、より殺虫活性の高い微生物が望まれていた。 【0007】ドウガネブイブイに対して殺虫性を有するバチルス属細菌としてはバチルス・チューリンゲンシスに属する微生物(バチルス・チューリンゲンシス・ジャポネンシス141株、特開平8−228783号公報)が知られているが、バチルス・ポピリエに属する微生物ではない。またそれら微生物は紫外線に弱いといった特徴があり、製剤化した際に防除効果の維持が困難であり、より実用性の高い微生物防除剤が望まれている。 【0008】また、従来知られているバチルス・ポピリエに属する菌は、代表的かつ重大な植物害虫であるマメコガネ、ヒメコガネ、セマダラコガネ、ドウガネブイブイに対する効果に大きなバラツキがあり問題となっていた。すなわち、マメコガネやヒメコガネに対しては極めて高い殺虫活性を有しているものの、ドウガネブイブイやセマダラコガネに対しては殺虫活性が低く、その防除効果が選択的であった。このため微生物農薬として施用する際には昆虫の種類を確認した上で散布量を適宜調整しなければならず作業者にとって扱いづらく負担となっていた。 【0009】さらに、従来知られているバチルス・ポピリエに属する菌は、セマダラコガネ、ドウガネブイブイに対して防除効果が有効に作用する期間の幅、いわゆる、「施用適期幅」が比較的狭い。即ち、前記バチルス・ポピリエに属する菌は、セマダラコガネ、ドウガネブイブイに対して、2令期までの施用においては比較的除草活性を示すが、2令期を過ぎた時期、特に2〜3令期に適用した場合は、防除効果が著しく低い。この為、これらの昆虫が繁殖するゴルフ場の芝等では、繁忙なゴルフ場管理作業、天候不順により防除剤の有効な施用時期を過ぎてしまい、十分な防除活性が得られず芝生の景観を損なうことがある。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、コガネムシ科昆虫、特にドウガネブイブイ、セマダラコガネに対し優れた防除活性を示す微生物、及び該微生物を用いたコガネムシ科昆虫の防除方法、及び防除剤を提供することにある。また、コガネムシ科昆虫、特に代表的かつ重大な植物害虫であるドウガネブイブイ、セマダラコガネ、ヒメコガネ、及びマメコガネに対し種類を問わず同程度の殺虫効果を示し、さらに施用適期幅が長い防除剤を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ドウガネブイブイ、セマダラコガネの幼虫に対してこれまで知られているバチルス・ポピリエに属する微生物よりも、より強い殺虫活性を有する新規なバチルス・ポピリエに属する微生物を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0012】即ち本発明は、セマダラコガネとドウガネブイブイに殺虫活性を示し、セマダラコガネに対して強い殺虫活性を示すバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株(bacillus popilliae var.popillae DIC−2001)(FERM P−18250)を提供するものである。 【0013】また、本発明は上記の微生物をコガネムシ科昆虫に作用させることを特徴とするコガネムシ科昆虫の防除方法を提供するものである。また、本発明は上記の微生物の胞子嚢を含むコガネムシ科昆虫の防除剤を提供するものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 【0015】本発明のバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株(bacillus popilliae var.popillae DIC−2001)は、セマダラコガネ及びドウガネブイブイに殺虫性を示すことを特徴とするバチルス・ポピリエに属する微生物である。バチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株は静岡県田方郡韮山町において乳化病に冒されたセマダラコガネ幼虫から、後記実施例に示すようにして単離された株である。バチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株は、平成13年3月9日より経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目一番3号)に受託番号FREM P−18250の受託番号で寄託されている。 【0016】本発明のバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株の細菌学的性質を表1に示す。本微生物は後記する実施例で示すように、コガネムシ幼虫類に乳化病を誘発するという病原性及び乳化病に感染した幼虫から得られた胞子嚢は、胞子とパラスポラルボディを持つ胞子嚢を形成していることからバチルス・ポピリエに属することを認めた。また後記の実施例で示すように、従来、唯一、セマダラコガネ、ドウガネブイブイに殺虫活性を示すとして知られているバチルス・ポピリエ・セマダラ株(特開平11−332556号公報 FERM P−16818)とは、セマダラコガネ、ドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネに対する殺虫活性スペクトルが異なること、さらにセマダラコガネとドウガネブイブイ、特にセマダラコガネに対してより強い殺虫活性を示すことから、新規な微生物であることが判明した。そこで本菌株をバチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株と命名した。 【0017】本発明の微生物をコガネムシ科昆虫に作用させることにより、コガネムシ科昆虫、特にドウガネブイブイ及びセマダラコガネを防除することができる。このうち特に、セマダラコガネに対し強い防除活性を示す。例えば、本発明の微生物が産生する胞子嚢は従来知られていた微生物に対し、ドウガネブイブイでは150〜200%、また、セマダラコガネでは200〜500%の殺虫活性を示す。 【0018】本発明の微生物をコガネムシ科昆虫に作用させることは、本発明の微生物の菌体または胞子嚢、好ましくは胞子嚢を、コガネムシ科昆虫、好ましくは幼虫の体内に取り込ませることにより行われる。 【0019】本発明の方法は、コガネムシ科の昆虫に広く適用し得るが、特にセマダラコガネとドウガネブイブイに対して好適に適用することができる。コガネムシ科昆虫体内に取り込ませ得るのは、本発明の微生物の菌体であっても、胞子嚢であっても良いが、胞子嚢が好ましい。またそれら菌体、胞子嚢は乳化病に感染した幼虫から得たものでも、人工的に培養して得たものでも良い。 【0020】本発明の胞子嚢は例えば次のようにして調整することができる。コガネムシ科幼虫、好ましくはドウガネブイブイ幼虫に本発明の微生物取り込ませる。具体的には、本発明の微生物を前記幼虫の存在する飼育培土などに散布し、経口的に取り込ませるか、又は、体液中に注射することにより中に注入する。この幼虫を好ましくは三週間〜四週間飼育し、該幼虫体内で本発明の微生物を増殖させる。幼虫体内で増やした胞子嚢は、例えば、幼虫を切開あるいは穴をあけるなどして体液を採取し、得られた体液を例えば遠心分離又は濾過することによって得ることができる。 【0021】本発明の方法において、胞子嚢はそのまま用いてもよく、あるいは必要に応じて水あるいは、中性の緩衝液、例えばリン酸緩衝液(pH=7.5)、又はTris−Hcl緩衝液で洗浄しても良い。更に、胞子は、微生物農薬等の微生物製剤に通常用いられる担体、栄養剤の成分と混合し、得られる微生物を微生物製剤として使用することもできる。さらにこの組成物にバチルス・チューリンゲンシスの菌体、胞子又はその殺虫成分を混合することによって、本発明の微生物と併用してもよく、コガネムシ幼虫に対して相乗効果が期待される。 【0022】本発明の微生物、胞子嚢または防除剤は、コガネムシ科幼虫を防除しようとする芝地、果樹園、農地などに土壌1m2当たり胞子嚢数が1×108から1×1014個、好ましくは1×109個から1×1013個となるように散布して行う。その後、必要に応じて1m2当たり1〜2Lの水を散水し、及び/あるいは土壌を鋤こみ混和してもよい。懸濁液を用いる場合は、水あるいは前記中性緩衝液で1×106個/Lから1×1014個/L、好ましくは1×109個/Lから1×1013個/Lとなるように懸濁したものを用いることが好ましい。 【0023】本発明の微生物、特に胞子嚢を有効成分として含む防除剤は、コガネムシ科昆虫、特に、代表的かつ重大な植物害虫であるドウガネブイブイ、セマダラコガネ、ヒメコガネ、及びマメコガネに対し種類を問わず、同程度の殺虫効果を示すことから、施用に際し作業者はコガネムシ科昆虫の種類を確認することなく散布することができるため防除剤として好ましい。例えば、後述の実施例3で示すように、一定の胞子濃度に対する種類の異なる該幼虫への殺虫活性の差を比で表すと0.03以内、好ましくは0.03〜0.01以内に収まる傾向にある。 【0024】また、本発明の微生物、特に胞子嚢を有効成分として含む防除剤は2令期を過ぎ、特に2〜3令期のセマダラコガネに対しても著しく高い防除活性を発現される。また、その他のドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネに対しても、2〜3令期まで著しく高い優れた防除活性を発現させる。このように本発明の微生物、特に胞子嚢を有効成分として含む防除剤は防除活性が長期に維持されるため、施用適期幅の広いコガネムシ科昆虫を防除する防除剤、特にセマダラコガネを防除する防除剤として有用なものである。 【0025】本発明において、「コガネムシ科昆虫の防除」とは、コガネムシ科昆虫、特にコガネムシ科昆虫の駆除、及びコガネムシ科幼虫による植物虫害の予防及び改善をいう。 【0026】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。 【0027】(実施例1)静岡県田方郡韮山町に所在する富士箱根カントリークラブにおいて2000年の4月セマダラコガネ幼虫が大発生した。そこから幼虫を採取して腐葉土中で飼育を続けたところそのほとんどが死亡し、その中に体が乳白色に変色している幼虫が見出された。この幼虫から以下に示す方法で乳化病を引き起こす病原菌株を単離した。 【0028】乳白色になり死亡した幼虫に注射針で穴をあけ、血体腔から乳白色の体液を回収した。その体液から遠心分離により沈殿画分を採取した。顕微鏡観察により、この画分には、細菌の胞子嚢が含まれていることが確認された。 【0029】この沈殿画分に蒸留水を添加して、胞子嚢濃度が1×106個/mlとなるように調整した。(胞子嚢数は血球計測盤を用いて顕微鏡により測定した。) 【0030】調整した液1mlをエッペンチューブに取り、ヒートブロックにて70℃で20分の加熱処理をした後、以下に示す組成の平板培地に50マイクロリットルを塗布した。 【0031】 培地組成 ポリペプトンS 0.5重量%(日本製薬社製) イーストエクストラクト 0.5重量%(オキゾイド社) リン酸水素二カリウム 0.3重量%(和光純薬社製) 活性炭 0.1重量%(和光純薬社製) 寒天 2.0重量%(和光純薬社製) 【0032】平板は30℃のインキューベータ内にて好気条件下で10日間培養した。 【0033】培地上に形成したコロニーを分離し、前記と同様にして培養する操作を繰り返して純粋培養菌株を分離した。上記のようにして分離された菌株の細菌学的性質を調べた結果を表1に示す。 【0034】 【表1】
【0035】1):栄養細胞をMYPGP培地場で30℃、5日間培養2):栄養細胞をMYPGP培地場で30℃、7日間培養3):栄養細胞をMYPGP培地場で30℃、10日間培養【0036】表1に示す細菌学的性質から、本菌株はバチルス・ポピリエ属に属することを認めた。バージェイズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリオロジー(Bergey's Manual of Determinative Bacteriology)に記載されている、バチルス・ポピリエの菌学的性質によれば、形態的性質は長さ:1.3〜5.2m、幅0.5〜0.8 mの桿菌であり、運動性があり、生育温度が20℃〜35℃である点以外は、表1と一致する。尚、バージェイズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリオロジー(Bergey's Manual of DeterminativeBacteriology)には3%NaCl存在下での生育については記載されていない。 【0037】一方、実施例3に示すように、上記菌株はドウガネブイブイやセマダラコガネ等のコガネムシ科昆虫の幼虫に殺虫効果を示すこと、さらにそれは従来公知のバチルスポピリエより殺虫活性が高く新規な微生物であり、バチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株と命名した。 【0038】(実施例2)バチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株の胞子嚢の製造腐葉土を直径6cmのプラスチックカップに20g入れ、乳化病に感染していた幼虫から採取した胞子を1×107個程度散布した。ドウガネブイブイ2令幼虫をカップに入れ25℃で飼育した。幼虫の体が乳白色を帯びてきた時点で体表面を70%エチルアルコール液で殺菌し、注射針で穴をあけ体液を採取した。該体液から1000rpm、5分間の遠心分離により胞子を回収した。胞子を蒸留水で2回洗浄し、1×109個/mlとなるように調整し胞子画分とした。 【0039】上記方法と同様の方法にて、バチルス・ポピリエ・セマダラ株の胞子嚢画分を得た。 【0040】(実施例3)本発明の微生物のコガネムシ科昆虫の幼虫に対する殺虫活性腐葉土を直径6cmのプラスチックカップ60個に各20gづつ入れ、バチルス・ポピリエ・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株の胞子数が2×108個となるように実施例2で調整した胞子画分を散布した。60個のカップうちの15個にセマダラコガネ3令幼虫を、15個にドウガネブイブイ2令幼虫を、15個マメコガネ2令幼虫を、15個にヒメコガネ2令幼虫を、各1頭づつ入れ、20℃で40日間飼育して死亡個体数を調べた。また同様の方法でバチルス・ポピリエ・セマダラ株の胞子嚢を散布したカップを用意して試験し、各幼虫の死亡個体数を調べた。 【0041】結果を表2に示した。本発明の微生物バチルス・ポピリエ・ポピリエ DIC−2001株は公知微生物であるバチルス・ポピリエ・セマダラ株よりもセマダラコガネ及びドウガネブイブイに対する死亡率が高かった。 【0042】 【表2】
【0043】本発明の微生物は、従来知られていた微生物に比べてセマダラコガネに対し500%、また、ドウガネブイブイに対し165%の殺虫活性を示すことがわかった。本発明の微生物は、セマダラコガネ、ドウガネブイブイ、マメコガネ、ヒメコガネに対し種類を選ばず安定して同程度の殺虫活性を呈することがわかった。すなわち、最も高いヒメコガネに対する殺虫活性(40%)と最も低いドウガネブイブイに対する殺虫活性(33%)の差(7%)の比は0.175であった。 【0044】また、セマダラコガネの3令期の幼虫に対しても優れた防除効果を示した。 【発明の効果】本発明の微生物は、コガネムシ科幼虫に対し致死性の乳化病を誘発するため、菌体、特に胞子嚢を幼虫に作用させることによってコガネムシ科幼虫を防除し、芝、草地、果樹、農園芸植物などを該害虫の被害から保護することができる。特に本微生物はバチルス・ポピリエに属する微生物としては、日本で重要害虫となっているセマダラコガネとドウガネブイブイの幼虫に対しても殺虫活性を有しており、その使用効果は非常に大きい。その上、自然環境や人体への毒性はほとんどなく、本発明の防除方法は地球環境保全にも貢献する優れた防除方法である。また、コガネムシ科昆虫、特に代表的かつ重大な植物害虫であるドウガネブイブイ、セマダラコガネ、ヒメコガネ、及びマメコガネに対し種類を問わず、非選択的に同程度の殺虫効果を示す防除剤を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2002−293708(P2002−293708A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−99686(P2001−99686) |
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