| 【発明の名称】 |
殺菌消毒剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物及び食器用洗浄剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】牧野 公博
【氏名】石田 均司
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| 【要約】 |
【課題】殺菌消毒剤などによる皮膚障害に対して有効な保護作用を示す肌荒れ防止用添加物を含んでなる殺菌消毒剤組成物などを提供すること。
【解決手段】殺菌消毒剤と、タンニン酸、下記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに下記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とする殺菌消毒剤組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 殺菌消毒剤と、タンニン酸、下記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに下記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とする殺菌消毒剤組成物。 【化1】
(式(I)、(II)、(III)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、及び多価アルコール残基からなる群から選ばれるいずれかを表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。) 【化2】
(式(IV)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、及び一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]からなる群から選ばれるいずれかを表す。) 【請求項2】 毛髪用洗浄剤と、タンニン酸、下記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに下記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とする毛髪用洗浄剤組成物。 【化3】
(式(I)、(II)、(III)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、及び多価アルコール残基からなる群から選ばれるいずれかを表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。) 【化4】
(式(IV)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、及び一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]からなる群から選ばれるいずれかを表す。) 【請求項3】 食器用洗浄剤と、タンニン酸、下記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに下記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とする食器用洗浄剤組成物。 【化5】
(式(I)、(II)、(III)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、及び多価アルコール残基からなる群から選ばれるいずれかを表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。) 【化6】
(式(IV)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、及び一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]からなる群から選ばれるいずれかを表す。)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、肌荒れ防止用添加物を含んでなる殺菌消毒剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物及び食器用洗浄剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】殺菌消毒剤、毛髪用洗浄剤、食器用洗浄剤などは、水やアルコールで希釈した状態あるいはそのままの状態で、手指、顔、頭などの皮膚に適用されている。これらの殺菌消毒剤、毛髪用洗浄剤や食器用洗浄剤には、皮膚や粘膜に対する脱脂作用、タンパク変性作用、経皮吸収作用などがあり、それらの結果として皮膚刺激、皮膚炎、皮膚感作、アレルギー反応などの皮膚障害が誘発されることがあることが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、このような殺菌消毒剤、毛髪用洗浄剤や食器用洗浄剤による肌荒れ等の皮膚障害に対して有効な保護作用を示す肌荒れ防止用添加物を含んでなる殺菌消毒剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物及び食器用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、殺菌消毒剤や界面活性剤などによる皮膚障害の客観的な評価方法として経表皮性水分喪失(Trans epidermal water loss、以下「TEWL」と略す。)値の変化量を測定することにより被検物質の皮膚保護性を評価する方法を確立し(特許第3051119号)、そしてこの評価方法を用いて多種類の植物抽出物、同抽出物中の化合物並びにそれらの化合物の化学的に修飾された誘導体をスクリーニングした結果、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制して皮膚の水分含有量保持に有効であり、前記皮膚障害に対して有意な保護作用を示す肌荒れ防止用添加物を見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。 【0005】すなわち、本発明の殺菌消毒剤組成物は、(1)殺菌消毒剤と、(2)■タンニン酸、■下記一般式(I)、(II)、(III):【0006】 【化7】
【0007】(式(I)、(II)、(III)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、及び多価アルコール残基からなる群から選ばれるいずれかを表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに■下記一般式(IV):【0008】 【化8】
【0009】(式(IV)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、及び一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]からなる群から選ばれるいずれかを表す。)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とするものである。 【0010】また、本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、(1)毛髪用洗浄剤と、(2)■タンニン酸、■上記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに■上記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とするものである。 【0011】さらに、本発明の食器用洗浄剤組成物は、(1)食器用洗浄剤と、(2)■タンニン酸、■上記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、並びに■上記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体からなる群から選ばれる、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制する少なくとも1種の肌荒れ防止用添加物と、を含有することを特徴とするものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。 【0013】先ず、本発明の殺菌消毒剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物及び食器用洗浄剤組成物に使用される肌荒れ防止用添加物について説明する。本発明にかかる肌荒れ防止用添加物は、■タンニン酸、■下記一般式(I)、(II)、(III):【0014】 【化9】
【0015】(式(I)、(II)、(III)中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、及び多価アルコール残基からなる群から選ばれるいずれかを表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体、■下記一般式(IV):【0016】 【化10】
【0017】(式(IV)中、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、及び一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]からなる群から選ばれるいずれかを表す。)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体、からなる群から選ばれるものである。 【0018】■本発明にかかるタンニン酸は、第六改正日本薬局方収載の医薬品であり、ガロタンニン、ガロタンニン酸などとも言われており、ブナ科の樹皮、ウルシ科の葉、カリロクの実などに存在する多数のフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族化合物(五倍子タンニン、没食子タンニンなど)の総称である。 【0019】■本発明にかかる前記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸又は没食子酸誘導体において、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、単糖の残基、2〜7糖のオリゴ糖の残基、又は多価アルコール残基を表し、Gはガロイル基を表し、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数を表す。 【0020】このような炭素数1〜22の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基などが挙げられ、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、オレイル基、リシノレイル基、リノイル基、リノレイル基などが挙げられる。R1、R2、R3がそれぞれ炭素数1〜22の飽和炭化水素基又は炭素数2〜22の不飽和炭化水素基の場合には、前記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸誘導体は、没食子酸と前記の飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を有するアルコールとのエステル化合物であり、p、q、rはそれぞれ1である。 【0021】また、R1、R2、R3がそれぞれ単糖の残基又は2〜7糖のオリゴ糖の残基の場合には、前記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸誘導体は、没食子酸と単糖又は2〜7糖のオリゴ糖とのエステル化合物である。この時用いられる単糖又は2〜7糖のオリゴ糖としては、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、イノシトール、マルトース、乳糖、ショ糖、ゲンチオビオース、セロビオース、ラフィノース、ケストース、スタキオースなどが挙げられる。そして、没食子酸誘導体のR1、R2、R3が単糖の残基又は2〜7糖のオリゴ糖の残基の場合には、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数であり、好ましくは1又は2であるモノエステル化合物又はジエステル化合物である。 【0022】さらに、R1、R2、R3がそれぞれ多価アルコール残基の場合には、前記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸誘導体は、没食子酸と多価アルコールとのエステル化合物である。この時用いられる多価アルコールとしては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、エピヒドロキシヒドリンなどから誘導されるエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールや、グリセリン、ジグリセリン、エリトリトール、ペンタエリトリトールなどが挙げられる。そして、没食子酸誘導体のR1、R2、R3が多価アルコール残基の場合には、p、q、rはそれぞれ1〜4の整数であり、好ましくは1又は2であるモノエステル化合物又はジエステル化合物である。 【0023】このような本発明にかかる前記一般式(I)、(II)、(III)で表される没食子酸及び没食子酸誘導体の具体例としては、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸イソプロピル、没食子酸ブチル、没食子酸オクチル、没食子酸ミリスチル、没食子酸ステアリル、没食子酸オレイル、エチレンジ(没食子酸エステル)、ガロイルガリックアシッド、メチルガロイルガレート、ラウリルガロイルガレート、ミリスチルガロイルガレート、セチルガロイルガレート、ステアリルガロイルガレート、オレイルガロイルガレート、ヒドロキシエチルガロイルガレート、ヒドロキシプロピルガロイルガレート、1,2−ジヒドロキシプロピルガロイルガレート、エチレンビスガロイルガレートなどが挙げられ、中でも没食子酸メチル、エチレンジ(没食子酸エステル)、メチルガロイルガレート、ラウリルガロイルガレート、オレイルガロイルガレート、1,2−ジヒドロキシプロピルガロイルガレートが好ましい。 【0024】■本発明にかかる前記一般式(IV)で表されるエラグ酸又はエラグ酸誘導体において、R4、R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜22の飽和炭化水素基、炭素数2〜22の不飽和炭化水素基、又は一般式:−(AO)n−Hで表される基[Aは炭素数2〜3のアルキレン基を表し、nは1〜20の整数を表す]を表す。このような炭素数1〜22の飽和炭化水素基及び炭素数2〜22の不飽和炭化水素基としては、前記一般式(I)、(II)、(III)における炭素数1〜22の飽和炭化水素基及び炭素数2〜22の不飽和炭化水素基と同様のものが挙げられ、また、一般式:−(AO)n−Hで表される基としては、ポリオキシエチレン基又はポリオキシプロピレン基が挙げられる。 【0025】このような本発明にかかる前記一般式(IV)で表されるエラグ酸及びエラグ酸誘導体の具体例としては、エラグ酸、エラグ酸モノメチルエーテル、エラグ酸ジメチルエーテル、エラグ酸モノラウリルエーテル、エラグ酸モノミリスチルエーテル、エラグ酸モノセチルエーテル、エラグ酸モノオレイルエーテル、エラグ酸モノヒドロキシエチルエーテル、エラグ酸モノヒドロキシプロピルエーテル、エラグ酸モノ(1,2−ジヒドロキシプロピル)エーテル、エラグ酸ジ(1,2−ジヒドロキシプロピル)エーテル、エラグ酸ジ(ヒドロキシプロピル)エーテルなどが挙げられ、中でもエラグ酸モノメチルエーテル、エラグ酸ジメチルエーテル、エラグ酸モノラウリルエーテル、エラグ酸モノ(1,2−ジヒドロキシプロピル)エーテル、エラグ酸モノオレイルエーテルが好ましい。 【0026】次に、本発明の殺菌消毒剤組成物について説明する。本発明の殺菌消毒剤組成物は、殺菌消毒剤と上記肌荒れ防止用添加物とを含有するものである。このような殺菌消毒剤としては、カチオン型(第4級アンモニウム塩型など)や両性型の殺菌消毒剤、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、アルキルアミノエチルグリシン(テゴ51タイプ)、グルコン酸クロルヘキシジンなどが挙げられ、中でも塩化ベンザルコニウム、アルキルアミノエチルグリシン(テゴ51タイプ)が好ましい。 【0027】また、本発明の殺菌消毒剤組成物においては、上記の殺菌消毒剤と肌荒れ防止用添加物とが、水、アルコール(エタノール、プロピレングリコールなど)などの媒体に溶解及び/又は分散されていることが好ましく、組成物中の殺菌消毒剤及び肌荒れ防止用添加物の含有量は特に制限されないが、殺菌消毒剤の含有量は0.01〜1重量%程度、肌荒れ防止用添加物の含有量は0.001〜2重量%程度が一般的である。さらに、本発明の殺菌消毒剤組成物は、殺菌消毒剤に一般的に添加される諸成分、例えば医薬品添加物、色素、香料などを適宜含有していてもよい。 【0028】次に、本発明の毛髪用洗浄剤組成物について説明する。本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、毛髪用洗浄剤と上記肌荒れ防止用添加物とを含有するものである。このような毛髪用洗浄剤としては、アニオン型や両性型の界面活性剤、例えばポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、アシル化アミノ酸ナトリウム塩、アルキル(C12〜C18)アミノエチルグリシン塩、アルキル(C12〜C18)アミノプロピオン酸ナトリウム塩などが挙げられ、中でもポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキル(C12〜C18)アミノエチルグリシン塩、アルキル(C12〜C18)アミノプロピオン酸ナトリウム塩が好ましい。 【0029】また、本発明の毛髪用洗浄剤組成物においては、上記の毛髪用洗浄剤と肌荒れ防止用添加物とが、水、アルコール(エタノール、プロピレングリコールなど)などの媒体に溶解及び/又は分散されていることが好ましく、組成物中の毛髪用洗浄剤及び肌荒れ防止用添加物の含有量は特に制限されないが、毛髪用洗浄剤の含有量は1〜20重量%程度、肌荒れ防止用添加物の含有量は0.01〜2重量%程度が一般的である。さらに、本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、毛髪用洗浄剤に一般的に添加される諸成分、例えばアルキルジエタノールアミド、プロピレングリコール、エチレングリコールモノステアレート、色素、香料などを適宜含有していてもよい。 【0030】次に、本発明の食器用洗浄剤組成物について説明する。本発明の食器用洗浄剤組成物は、食器用洗浄剤と上記肌荒れ防止用添加物とを含有するものである。このような食器用洗浄剤としては、アニオン型や両性型の界面活性剤、例えばポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、アシル化アミノ酸ナトリウム塩、アルキル(C12〜C18)アミノエチルグリシン塩、アルキル(C12〜C18)アミノプロピオン酸ナトリウム塩などが挙げられ、中でもポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩が好ましい。 【0031】また、本発明の食器用洗浄剤組成物においては、上記の食器用洗浄剤と肌荒れ防止用添加物とが、水、アルコール(エタノール、プロピレングリコールなど)などの媒体に溶解及び/又は分散されていることが好ましく、組成物中の食器用洗浄剤及び肌荒れ防止用添加物の含有量は特に制限されないが、食器用洗浄剤の含有量は0.5〜20重量%程度、肌荒れ防止用添加物の含有量は0.01〜2重量%程度が一般的である。さらに、本発明の食器用洗浄剤組成物は、食器用洗浄剤に一般的に添加される諸成分、例えば無機塩、有機酸塩、キレート剤、尿素、色素、香料などを適宜含有していてもよい。 【0032】次に、本発明において採用した皮膚障害モデルについて説明する。 【0033】皮膚障害モデルの作成皮膚の炎症などに対する化合物の肌荒れ防止効果を議論する場合、適当な薬剤を使用してヘアレスマウスなどの皮膚に障害を発生させた後に、被検物質を含んだ薬剤を供してその効果を観察するのが一般的である。そこで、塩化ベンザルコニウムを用いて皮膚障害モデルを以下のように作成した。すなわち、塩化ベンザルコニウムは、優れた殺菌作用を有するカチオン(陽イオン)性界面活性剤であり、エタノール溶液として院内感染起因菌(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含むグラム陽性菌(6株)やグラム陰性菌(8株))に対して優れた殺菌効果を示すことから、医療施設で医師、看護婦などの医療従事者の手指消毒薬として頻用されている。一方、塩化ベンザルコニウムには副作用的な極めて弱い皮膚、粘膜刺激性があり、その性質によると考えられる過敏症に関する報告もなされている(例えば、日本大衆薬工業協会編;1996〜1997大衆薬辞典一般用医薬品集添付文書要約 第5版;薬業時報社、日本医薬情報センター編;1996.10医療薬日本医薬品集;薬業時報社、小澤光、丹野慶紀、池田實、菅原和伸;薬物療法の実際 第3版第2編 薬のまとめ;アサヒメディカルなど)ため、使用に際しては注意を要するとされている。また、塩化ベンザルコニウムによる過敏症状は、その「角質溶解作用」による角質細胞間脂質の破壊のため、すなわち角質細胞の積み重なりがこの化合物によって乱れ、物質透過性が上昇し、バリア機能が低下するために生ずると考えられていることから、塩化ベンザルコニウムによる皮膚障害モデルが好ましい。 【0034】尚、モデル作成は以下のことを前提とする。すなわち、既に述べたように医療機関では塩化ベンザルコニウムの0.01〜0.2重量%エタノール溶液が頻用され、この際に肌荒れなどの副作用が起きていることを前提に、皮膚への適用濃度を決定する。 【0035】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)による肌荒れモデルにおいて、皮膚の状態は角質層のバリア機能の指標として汗腺を通らずに直接角質層から蒸発する水分量を表す経表皮性水分喪失(TEWL)で評価され(例えば、田上八朗;皮膚のバリアとしての角質;日皮会誌108(5)713〜727(1998)、Journal of Lipid Reseach Volume28(1987)、Experimental Denmatology(1997)3,36−40、石橋康正;皮膚の健康科学;南山堂、西岡清;アトピー性皮膚炎、病態と治療;医薬ジャーナル社など)、さらに洗剤のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)塗布により誘発された皮膚炎の炎症部の角質層も水分保持機能に欠け、角質層表層の水分含有量が減少することから(例えば、田上八朗;皮膚のバリアとしての角質;日皮会誌108(5)713〜727(1998)など)、殺菌消毒剤や界面活性剤などによる皮膚障害の客観的な評価方法として、経表皮性水分喪失(TEWL)値の変化量を測定することにより被検物質の皮膚保護性(肌荒れ防止性)が評価できる。従って、本発明では経表皮性水分喪失(TEWL)値を指標にして、皮膚障害に対する抑制効果で評価した。 【0036】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。 【0037】[肌荒れ防止性試験評価方法]以下、肌荒れ防止性試験の評価方法について具体的に説明する。 (1)測定機器及び試料TEWL値測定機器:Tewameter(Courage+Kharazaka社) 試料:「濃塩化ベンザルコニウム液50」:日華化学(株)製タンニン酸:日本薬局方品没食子酸及びエラグ酸:和光純薬工業(株)製試薬没食子酸及びエラグ酸の誘導体:上記試薬を用いて各誘導体を調製した。 (2)飼育条件12〜18週令の雌性Skh−1ヘアレスマウス(日本エスエルシー(株))を実験に用いた。また、実験期間中、空調(温度26.5±1℃、湿度55.4±3%)管理下、12時間間隔の明暗スケジュールで維持された動物室内で、各動物を1ケージ(225×338×140mm)当たり5匹飼で、普通飼料(MF、オリエンタル酵母)と水を自由摂取させた。 (3)塗布方法表1及び表2に示す肌荒れ防止用添加物を、それぞれの一日の塗布量が表1及び表2に示す量となるように添加した0.8重量%塩化ベンザルコニウム含有エタノール溶液100μLをマイクロピペット(200μL)にとり、チップの先を使ってマウスの背部に実験期間中一日一回、7日間にわたり、均一に塗布した。 【0038】なお、標準群(Normal)としては、同一容量の100%エタノールのみを塗布し、対照群(Control)としては、同一容量の0.8重量%塩化ベンザルコニウム含有エタノール溶液のみを塗布した。 (4)TEWL値の測定マウスを固定後、Tewameterを用い、1分30秒間TEWL値を測定した。得られた値は、有意差検定をStudent’s t−testにより統計処理した。 (5)抑制効果塩化ベンザルコニウムによる皮膚障害に対する各検体(各群)の抑制効果を次式:皮膚障害率(SD)(%)=[(N日後のTEWL値/初期のTEWL値)−1]×100(ここでNは1又は7) 皮膚障害抑制率(P)(%)=[1−{投与群の皮膚障害率(%)−標準群の皮膚障害率(%)}/{対照群の皮膚障害率(%)−標準群の皮膚障害率(%)}]×100により求めた。 【0039】なお、この評価方法においては、各群の検体の平均値で、皮膚障害抑制率が50%以上若しくは皮膚障害率が対照群と比較して有意に低かった場合には確かな効果があり、皮膚障害抑制率が100%以上の場合には顕著な効果があると判定した。 【0040】[肌荒れ防止用添加物としての評価]表1及び表2に示す化合物(添加物)について、上記評価方法にしたがって肌荒れ防止用添加物としての有効性、すなわち皮膚障害に対する保護作用について評価し、得られた結果を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2においてSDは皮膚障害率(%)、Pは皮膚障害抑制率(%)を示す。 【0041】 【表1】
【0042】 【表2】
【0043】表1及び表2に示した結果から、以下のような知見が確認された。 (1)エタノールを塗布した標準群(Normal)のTEWL値は実験期間中ほぼ一定であった。一方、0.8%塩化ベンザルコニウム含有エタノール溶液を塗布した対照群(Control)のTEWL値は有意に上昇しており、皮膚障害が有意に認められた。 (2)没食子酸又はその誘導体であるガロイルガリックアシッド(Galloyl gallic acid)を用いた場合、1日目の皮膚障害抑制率は全ての濃度でマイナスであり、抑制効果は認められなかったが、7日目では皮膚障害率が対照群に比べて小さい値となり、抑制効果が認められた。 (3)没食子酸メチルを用いた場合、1日目の皮膚障害抑制率は一つの濃度を除いて確かな抑制効果が認められ、7日目では全ての濃度で確かな抑制効果が認められた。 (4)エチレンジ(没食子酸エステル)(Ethylene digallate)を用いた場合、1日目及び7日目の皮膚障害抑制率は、共に顕著な抑制効果が認められた。 (5)メチルガロイルガレート(Methyl galloyl gallate)を用いた場合、1日目の皮膚障害抑制率は全ての濃度で顕著な抑制効果が認められ、7日目では確かな抑制効果が認められた。 (6)ラウリルガロイルガレート(Lauryl galloyl gallate)を用いた場合、1日目の皮膚障害抑制率は全ての濃度で顕著な抑制効果が認められ、7日目では確かな抑制効果が認められた。 (7)エラグ酸を用いた場合、1日目の皮膚障害抑制率は5μg/日の濃度で確かな抑制効果が認められたが、それより高い濃度では確かな抑制効果は認められなかった。7日目の皮膚障害抑制率は、5μg/日及び10μg/日の濃度で確かな抑制効果が認められたが、それより高い濃度では確かな抑制効果は認められなかった。本化合物については濃度が低いほど効果が顕著に表れた。 (8)エラグ酸モノメチルエーテルを用いた場合、1日目及び7日目の皮膚障害抑制率は5μg/日及び10μg/日の濃度で確かな抑制効果が認められたが、50μg/日の濃度では確かな抑制効果が認められなかった。 (9)エラグ酸ジメチルエーテルを用いた場合、1日目及び7日目の皮膚障害抑制率は全ての濃度で確かな抑制効果が認められた。 (10)エラグ酸モノラウリルエーテルを用いた場合、1日目及び7日目の皮膚障害抑制率は全ての濃度で確かな抑制効果が認められた。 (11)タンニン酸を用いた場合、1日目及び7日目の皮膚障害抑制率は10μg/日及び50μg/日の濃度で確かな抑制効果が認められ、100μg/日の濃度で顕著な抑制効果が認められた。 【0044】[処方例]本発明の殺菌消毒剤組成物は上記の肌荒れ防止用添加物と殺菌消毒剤、本発明の毛髪用洗浄剤組成物は上記の肌荒れ防止用添加物と毛髪用洗浄剤、本発明の食器用洗浄剤組成物は上記の肌荒れ防止用添加物と食器用洗浄剤を含んでなるものである。以下にそれらの好適な処方例を示す。なお、下記の数値は特に断らない限り「重量%」を表す。
各成分を均一に混合して得ることができる。 (2)毛髪用洗浄剤組成物(透明) ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム16.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 4.0 プロピレングリコール 2.0 色素、香料 微量 肌荒れ防止用添加物 0.5 精製水 残余 100.0各成分を均一に混合して得ることができる。
各成分を均一に混合して得ることができる。 (4)食器用洗浄剤組成物 ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム12.0 ヤシ脂肪酸酸ジエタノールアミド 8.0 エタノール 5.0 尿素 5.0 香料 微量 肌荒れ防止用添加物 0.5 精製水 残余 100.0各成分を均一に混合して得ることができる。 【0045】 【発明の効果】本発明によれば、経表皮性水分喪失(TEWL)を抑制して皮膚の水分含有量保持に有効であり、殺菌消毒剤、毛髪用洗浄剤や食器用洗浄剤に起因する肌荒れ等の皮膚障害に対して有意な保護作用を示す殺菌消毒剤組成物、毛髪用洗浄剤組成物及び食器用洗浄剤組成物を得ることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226161 【氏名又は名称】日華化学株式会社 【識別番号】594163109 【氏名又は名称】石田 均司
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−293704(P2002−293704A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−100860(P2001−100860) |
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