| 【発明の名称】 |
殺虫剤および殺虫方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 嘉則
【氏名】山崎 裕子
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| 【要約】 |
【課題】新規な殺虫剤、および新規な殺虫方法を提供すること。
【解決手段】5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンが殺虫効力を有することを見出したことにより、5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを有効成分とすることを特徴とする殺虫剤を新規な殺虫剤として提供し、また5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする殺虫方法を新規な殺虫方法として提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。 【請求項2】5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする殺虫方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は殺虫剤および殺虫方法、詳しくは5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤および5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする殺虫方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンはテトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)41,2911−2914(2000)にその構造及びその製造法が開示されている化合物である。しかし、5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンが何らかの生理活性を有することはこれまでに一切知られていない。本発明は5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤及び5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンを害虫又は害虫の生息場所に施用することによる殺虫方法を提供することを課題とする。 【0003】 【課題を解決するための手段】本発明者等は優れた殺虫剤を見出すべく種々検討した結果、下記式(1)で示される5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンが優れた殺虫活性を有することを見出し、本発明を完成した。 【0004】すなわち、本発明は式(1) 【化1】
で示される5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテン(以下、本化合物と記す。)を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤(以下、本発明殺虫剤と記す。)及び本化合物を害虫又は害虫の生息場所に施用することを特徴とする殺虫方法を提供する。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明殺虫剤の有効成分である5−フェニル−4,4,5−トリシアノ−1−ペンテンはテトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)41,2911−2914(2000)に記載されている化合物であり、該文献に記載の方法で製造することができる。 【0006】本発明殺虫剤が防除効果を有する害虫としては、例えば下記のものが挙げられる。 双翅目害虫:蚊(例えばアカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類及びユスリカ類)、イエバエ類(イエバエ、オオイエバエ等)、クロバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類等【0007】網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ、トウヨウゴキブリ等総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、ハバチ類(カブラハバチ等)等隠翅目害虫:ヒトノミ、ネコノミ等等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等【0008】本発明殺虫剤は、本化合物そのものであっても良いが、通常はさらに固体坦体、液体坦体、ガス状担体等、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を含有し、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、粒剤、粉剤、エアゾール剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、加熱燻煙剤(自己燃焼型燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等)、煙霧剤(フォッキング等)、ULV剤および毒餌等に製剤化されたものである。これらの製剤は、本化合物を通常0.01〜95重量%含有する。 【0009】製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末あるいは粒状物等があげられ、液体担体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実油等の植物油等があげられ、ガス状担体、すなわち噴射剤としては、例えば、フロンガス、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。 【0010】界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類およびそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。 【0011】その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸またはそのエステル等があげられる。 【0012】殺虫線香の基材としては、例えば、木粉、粕粉等の植物性粉末とタブ粉、スターチ、グルテイン等の結合剤との混合物があげられる。電気殺虫マットの基材としては、例えば、コットンリンターを板状に固めたもの、コットンリンターとパルプとの混合物のフィブリルを板状に固めたもの等があげられる。自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉などの燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩などの熱分解刺激剤、硝酸カリウムなどの酸素供給剤、メラミン、小麦デンプンなどの支燃剤、硅藻土などの増量剤、及び合成糊料などの結合剤があげられる。 【0013】化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、含水塩、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土などの触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、及び天然繊維片、合成繊維片等の充填剤があげられる。毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアセレチック酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末などの子どもやペットによる誤食防止剤、及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイルなどの害虫誘引性香料があげられる。 【0014】本発明殺虫剤は他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、土壌害虫防除剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、忌避剤、共力剤、肥料、土壌改良材と混用または併用することもできる。 【0015】本発明の殺虫方法は、通常本発明殺虫剤を害虫又は害虫の生息場所に施用することにより行われる。 【0016】本発明殺虫剤を農業用に用いる場合、その施用量は、通常、1000m2あたりの本化合物量で0.1〜10000gである。本発明殺虫剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル製剤等に製剤化されたものである場合は、通常該製剤を本化合物の濃度が1〜10000ppmとなるように水で希釈して散布することにより施用し、本発明殺虫剤が粒剤、粉剤等に製剤化されたものである場合は、該製剤は通常何ら希釈することなくそのまま施用する。 【0017】また、本発明殺虫剤を防疫用に用いる場合には、本発明殺虫剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル製剤等に製剤化されたものである場合は、通常、該製剤を本化合物の濃度が0.1〜500ppmとなるように水で希釈して散布することにより施用し、本発明殺虫剤が油剤、エアゾール、煙霧剤、毒餌等に製剤化されたものである場合は、該製剤は通常何ら希釈することなくそのまま施用する。 【0018】 【実施例】以下、製剤例、試験例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 【0019】まず、製剤例を示す。 製剤例1本化合物10部を、キシレン35部およびジメチルホルムアミド35部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく攪拌混合して10%乳剤を得る。 製剤例2本化合物20部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで攪拌混合して20%水和剤を得る。 【0020】製剤例3本化合物5部に、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部およびクレー55部を加え充分攪拌混合する。ついで、これらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して5%粒剤を得る。 製剤例4本化合物1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP 0.3部およびクレー93.7部を加え、ジュースミキサーで攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して1%粉剤を得る。 【0021】製剤例5本化合物10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部、及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより10%製剤を得る。 製剤例6本化合物0.1部をトリクロロエタン10部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して0.1%油剤を得る。 【0022】製剤例7本化合物1部、ジクロロメタン5部および脱臭灯油34部を混合溶解し、エアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)60部を加圧充填して油性エアゾールを得る。 製剤例8本化合物0.6部、キシレン5部、脱臭灯油3.4部および乳化剤{アトモス300(アトラスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと純水50部とをエアゾール容器に充填し、該容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を加圧充填して水性エアゾールを得る。 【0023】製剤例9本化合物0.5gのアセトン溶液を、線香の基材(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合し、均一に攪拌混合した線香担体99.5gに水120mlを加え、充分練り合わせたものを成型乾燥したもの)に処理し、該基材を風乾し、殺虫線香を得る。 製剤例10本化合物0.8g、ピペロニルブトキサイド0.4gにアセトンを加えて溶解し、全体で10mlとする。この溶液0.5mlを2.5cm×1.5cm、厚さ0.3cmの電気マット用基材(コットンリンターとパルプの混合物のフィブリルを板状に固めたもの)に均一に含浸させて各々の電気殺虫マット剤を得る。 【0024】製剤例11本化合物3部を脱臭灯油97部に溶解して、塩化ビニル製容器に入れ、上部をヒーターで加熱できるようにした吸液芯(無機粉体をバインダーで固め、焼結したもの)を挿入することにより吸液芯型加熱蒸散剤を得る。 製剤例12本化合物100mgを適量のアセトンに溶解し、4.0cm×4.0cm、厚さ1.2cmの多孔セラミック板に含浸させて加熱燻煙剤を得る。 製剤例13本化合物10mgをアセトン0.5mlに溶解し、この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉夫CE−2、日本クレア株式会社商品名)5gに処理し均一に混合する。ついでアセトンを風乾し毒餌を得る。 【0025】次に、本発明殺虫剤が優れた効果を有することを試験例で示す。 【0026】試験例1製剤例5にしたがって得られた本化合物の製剤の水希釈液(500ppm)を濾紙上に0.7ml滴下し、ここに飼料と共にイエバエ成虫10頭を放った。1日後に生死を調査し致死率を求めた。その結果、致死率は100%であった。 【0027】試験例2製剤例5にしたがって得られた本化合物の製剤の水希釈液(500ppm)を濾紙上に0.7ml滴下した。この濾紙をカップの中に飼料とともに置き、さらにチャバネゴキブリ成虫2頭を放ち、カップに空気孔がある蓋をして放置した。6日後にチャバネゴキブリの生死を調査し、死虫率を求めた。その結果、死虫率は100%であった。 【0028】 【発明の効果】本発明殺虫剤は害虫に対して優れた防除効果を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−284608(P2002−284608A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月3日(2002.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−9889(P2002−9889) |
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