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【発明の名称】 抗菌剤組成物及び抗菌性付与方法
【発明者】 【氏名】鶴岡 理文

【氏名】村松 高広

【氏名】島田 祐紀

【要約】 【課題】高い活性の抗菌剤組成物及び該抗菌剤組成物を用いた樹脂製品、紙製品、繊維製品への抗菌性付与方法を提供すること。

【解決手段】(1)5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−g]キノリン−7−カルボン酸で示される化合物またはその塩及び(2)酸化亜鉛を含有することを特徴とする抗菌剤組成物、該抗菌剤組成物を用いる樹脂製品、紙製品、繊維製品への抗菌性付与方法及び該抗菌剤組成物が処理されてなる樹脂製品、紙製品、繊維製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を含有することを特徴とする抗菌剤組成物。
【請求項2】請求項1に記載の抗菌剤組成物を樹脂製品または成形前の樹脂に処理することを特徴とする樹脂製品の抗菌性付与方法。
【請求項3】請求項1に記載の抗菌剤組成物を紙製品または紙原料に処理することを特徴とする紙製品の抗菌性付与方法。
【請求項4】請求項1に記載の抗菌剤組成物を繊維製品、繊維または繊維原料に処理することを特徴とする繊維製品の抗菌性付与方法。
【請求項5】(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を樹脂製品または成形前の樹脂に処理することを特徴とする樹脂製品の抗菌性付与方法。
【請求項6】(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を紙製品または紙原料に処理することを特徴とする紙製品の抗菌性付与方法。
【請求項7】(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を繊維製品、繊維または繊維原料に処理することを特徴とする繊維製品の抗菌性付与方法。
【請求項8】請求項1に記載の抗菌剤組成物が処理されてなる樹脂製品、紙製品または繊維製品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】オキソリニック酸およびその塩は樹脂、繊維、塗料等の抗菌剤として知られている(特開平9−208408、特開平9−176966、特開平9−249827)が、使用場面によっては効力が充分でない場合があり、より効力が高い、抗菌剤の開発が求められている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはオキソリニック酸またはその塩を用いる抗菌剤について検討を重ねた結果、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を含有する組成物が抗菌剤として、より高い抗菌活性を発揮し得ることを見出し本発明に至った。
【0004】即ち、本発明は、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を有効成分(以下、本有効成分と記す。)として含有することを特徴とする抗菌剤組成物(以下、本発明組成物と記す。)、本発明組成物を樹脂製品または成形前の樹脂に処理することを特徴とする樹脂製品の抗菌性付与方法、本発明組成物を紙製品または紙原料に処理することを特徴とする紙製品の抗菌性付与方法、本発明組成物を繊維製品、繊維または繊維原料に処理することを特徴とする繊維製品の抗菌性付与方法、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を樹脂製品または成形前の樹脂に処理することを特徴とする樹脂製品の抗菌性付与方法、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を紙製品または紙原料に処理することを特徴とする紙製品の抗菌性付与方法、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛を繊維製品、繊維または繊維原料に処理することを特徴とする繊維製品の抗菌性付与方法および該抗菌剤組成物が処理されてなる樹脂製品、紙製品または繊維製品を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるオキソリニック酸は、化学名が5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−g]キノリン−7−カルボン酸であり、例えば、The Pesticide Manual第10版(British Crop ProtectionCouncil発行)、第760頁に記載の抗菌性化合物である。また、オキソリニック酸は塩の形態で本発明組成物に用いてもよく、具体的には例えば、オキソリニック酸カルシウム等のオキソリニック酸アルカリ土類金属塩、オキソリニック酸ナトリウム等のオキソリニック酸アルカリ金属塩等が挙げられる。本発明組成物においては、オキソリニック酸及びその塩は共存していてもよい。
【0006】本発明組成物としては例えば本有効成分自体、本有効成分を含有する製剤、本有効成分または該製剤を水等に希釈した希釈液等の種々の形態を挙げることができる。
【0007】本発明組成物中、本有効成分におけるオキソリニック酸またはその塩に対する酸化亜鉛の割合は重量比で通常1:1〜1:3000、好ましくは1:1〜1:2500の範囲である。なお、本明細書中においてオキソリニック酸塩を用いる場合、その基準量はオキソリニック酸塩自体の重量ではなく、オキソリニック酸の量に換算した重量である。
【0008】本有効成分を含有する製剤の形態としては水和剤、フロアブル剤、粉剤等の形態を挙げることができ、該製剤の水希釈液としては、水和剤、フロアブル剤等を水に希釈した希釈液が挙げられる。
【0009】本発明組成物の一形態である本有効成分を含有する製剤(以下、本製剤と記す。)は、通常、本有効成分を固体担体、界面活性剤等と混合し、必要により製剤用補助剤を添加する、一般的に知られた方法によって、適宜得られる。
【0010】通常、本有効成分である(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は混合された状態で製剤化され、本製剤が得られるが、それぞれを予め製剤化し、両者を混合することにより得ることもできる。
【0011】本製剤に用いられ得る固体担体としては、例えばカオリンクレ−、アッタパルジャイトクレ−、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物質、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物の微粉末あるいは粒状物等があげられる。界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキル(アリ−ル)スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ−テルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等があげられる。製剤用補助剤としては、分散剤、固着剤、防腐剤、着色剤、安定剤、増粘剤等があげられ、具体的には例えば、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸またはその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT、水等が挙げられる。
【0012】本製剤には本有効成分が通常0.1%から90%、好ましくは1%から80%含有される。
【0013】本有効成分を含有する希釈液(以下、本希釈液と記す。)は通常、水和剤、フロアブル剤等を水等に希釈する一般的な方法によって得られる。また、水に分散剤を混合し、次いで本有効成分を加える方法によって得ることもできる。
【0014】本発明組成物を樹脂製品または成形前の樹脂に処理することにより、樹脂製品に抗菌性を付与することができる。樹脂製品は、例えば、樹脂を成形して得られる樹脂成形体及び樹脂でコーティング処理された各種の一般製品を含む。樹脂製品の例としては具体的には食器類、文房具類等が挙げられる。本発明におけるコーティング処理とは、樹脂の成形処理の一形態であり、具体的には樹脂を、吹き付け、塗布等の方法により、一般製品の表面に被覆する処理である。また、一般製品としては、例えば、金属製品、繊維製品、紙製品、木材製品等、抗菌性が望まれる様々な製品が挙げられる。樹脂でコーティング処理された樹脂製品としては、具体的には、例えば洗濯槽や装丁紙などが挙げられる。樹脂の種類としては具体的には例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が挙げられる。
【0015】本発明組成物を処理することにより樹脂製品に抗菌性を付与する方法としては、■成形前の樹脂に本発明組成物を処理し、該本発明組成物を処理した樹脂を成形することにより樹脂製品とする方法、■樹脂製品に本発明組成物を処理する方法、■樹脂に本発明組成物を処理し、該本発明組成物を処理した樹脂を各種の一般製品にコーティング処理する方法、■本発明組成物を処理して得られる本発明組成物含有樹脂と、本発明組成物を含有しない樹脂とを混合し、該混合した樹脂を成形することにより樹脂製品とする方法等が挙げられる。
【0016】成形前の樹脂に本発明組成物を処理し、該本発明組成物を処理した樹脂を成形し、樹脂製品とする方法としては、具体的には以下の方法が挙げられる。溶融状態のポリエチレン等の樹脂に本発明組成物を混合し、その後、押し出し成形、射出成形等の通常の方法を用いて樹脂を成形する。成形前の樹脂に本発明組成物を混合する場合には本発明組成物は本有効成分をそのまま用いてもよく、また本製剤の形態で用いてもよい。樹脂に本発明組成物を処理する際の本発明組成物の処理量は、本有効成分量に換算して、樹脂1kgにつき通常0.1gから100g、好ましくは1gから50gである。
【0017】樹脂製品に本発明組成物を処理する方法としては、具体的には次のような方法が挙げられる。樹脂製品の表面に、スプレー等を用いて本希釈液を吹きつけ、その後、乾燥させ、本発明組成物を付着させる。もしくは本希釈液の中に樹脂製品を浸漬し、その後、乾燥させ、該製品の表面に本発明組成物を付着させる。本発明組成物を樹脂製品に処理する場合には、通常本希釈液が用いられる。樹脂製品に本発明組成物を処理する際、該製品への本発明組成物の付着量は、樹脂製品の表面1m2あたり本有効成分量に換算して通常0.01gから1gである。その際、本希釈液中の本有効成分量は本希釈液1リットルあたり通常0.01gから10g、好ましくは0.1gから5gである。また、浸漬処理を行う場合、浸漬時間は通常1分から60分程度である。
【0018】樹脂に本発明組成物を処理し、該本発明組成物を処理した樹脂を各種の一般製品にコーティング処理する方法としては、具体的には次のような方法が挙げられる。溶融状態の樹脂に本発明組成物を加えて混合し、本発明組成物含有樹脂とする。該樹脂の中に金属製品、繊維製品、紙製品、木材製品等の一般製品を浸漬させ、その表面を該樹脂で被覆する。また、該樹脂をスプレー等で吹き付けることにより、一般製品の表面を該樹脂で被覆してもよい。本発明組成物含有樹脂を一般製品にコーティング処理する際、本発明組成物含有樹脂に含有される本発明組成物の量は、本有効成分量に換算して樹脂1Kgに対して通常0.01gから10g、好ましくは0.05gから5gである。
【0019】また、本有効成分である(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は別々に樹脂製品または成形前の樹脂に処理することもできる。その際、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は、化合物そのもの、各種製剤、あるいはこれらの水希釈液等、処理に応じた種々の形態であり得る。かかる処理方法もまた、本発明の抗菌性付与方法の処理の一態様である。
【0020】本発明組成物を紙製品または紙原料に処理することにより、紙製品に抗菌性を付与することができる。ここでいう紙製品とは、例えば天然パルプ、化学パルプ、半化学パルプ、メカニカルパルプ等の各種の紙原料から得られる紙成形体、または該成形体を加工して得られるものを意味する。紙製品の例としては具体的には壁紙などが挙げられる。
【0021】本発明組成物を処理することにより紙製品に抗菌性を付与する方法としては、■成形前の紙原料に本発明組成物を処理し、該原料を用いて紙成形体を製造する方法、■紙製品に本発明組成物を処理する方法が挙げられる。
【0022】成形前の紙原料に本発明組成物を処理し、該本発明組成物を処理した紙原料を用いて紙を成形する方法は、具体的には次のような方法が挙げられる。パルプに本発明組成物を混合した後、通常の抄造機等を用いる方法により紙成形体が得られる。本発明組成物を紙原料に混合する場合には本発明組成物は本有効成分をそのまま用いてもよく、また本製剤の形態で用いてもよい。本発明組成物を紙原料に処理する際の本発明組成物の処理量は、本有効成分量に換算して紙原料1Kgあたり通常0.05gから50g、好ましくは0.5gから20gである。
【0023】紙製品に本発明組成物を処理する方法は、例えば次のような方法で行うことができる。紙製品の表面に本希釈液をスプレー等を用いて吹きつけ、乾燥させ、本発明組成物を付着させる。本発明組成物を紙製品の表面に処理する場合には、通常本希釈液が用いられる。紙製品の表面に本発明組成物を処理する際、該製品への本発明組成物の付着量は、紙製品の表面1m2あたり、本有効成分量に換算して通常0.005gから0.5gである。またその際、本希釈液中に含まれる本有効成分量は、本希釈液1リットルあたり通常0.005gから10g、好ましくは0.5gから5gである。
【0024】また、本有効成分である(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は別々に紙製品または紙原料に処理することもできる。その際、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は、化合物そのもの、各種製剤、あるいはこれらの水希釈液等、処理に応じた種々の形態であり得る。かかる処理方法もまた、本発明の抗菌性付与方法の処理の一態様である。
【0025】本発明組成物を繊維製品、繊維または繊維原料に処理することにより、繊維製品に抗菌性を付与することができる。ここでいう繊維製品とは、合成繊維や天然繊維を紡織して得られた各種の製品を意味する。また、繊維を製織加工して得られる布、不織布等も繊維製品に含まれる。また、抗菌性付与対象となる繊維製品の具体的な例としては、例えば、手袋や学生服、カーペットなどが挙げられる。ここで繊維原料としては、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの合成繊維原料があげられる。また、繊維としては該原料を紡績して得られる各種の合成繊維及び綿、麻、絹などの天然繊維が挙げられる。
【0026】本発明組成物を処理することにより繊維製品に抗菌性を付与する方法としては、例えば、■繊維原料に本発明組成物を処理し、該原料を紡績して得られた繊維を製織し、繊維製品を得る方法、■繊維に本発明組成物を処理し、乾燥させた後に製織して繊維製品を得る方法、■繊維製品に本発明組成物を処理する方法が挙げられる。
【0027】繊維原料に本発明組成物を処理し、該原料を紡績し、得られた繊維を製織して繊維製品を得る方法としては、具体的には以下のような方法が挙げられる。繊維原料に本発明組成物を加え、混合する。その後、通常の紡績、製織方法を用いて、繊維製品を得る。本発明組成物を繊維原料に混合する場合には本発明組成物は本有効成分をそのまま用いてもよく、また本製剤の形態で用いてもよい。繊維原料に本発明組成物を処理する際、繊維原料に対する本発明組成物の処理量は、本有効成分量に換算して繊維原料1Kgあたり通常0.1gから100g、好ましくは1gから50gである。
【0028】繊維または繊維製品に本発明組成物を処理する方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。本希釈液に繊維または繊維製品を浸漬することにより、本発明組成物を繊維または繊維製品の表面に付着させる。あるいは、繊維または繊維製品の表面にスプレー等を用いて本希釈液を吹き付け、乾燥させることにより本発明組成物を付着させる。前記のいずれの方法においても、本発明組成物を繊維に処理した場合には、該繊維は通常の製織方法により、繊維製品とされる。本発明組成物を繊維または繊維製品に処理する場合には、通常本希釈液が用いられる。繊維または繊維製品に本発明組成物を処理する際、繊維または繊維製品への本発明組成物の付着量としては、繊維又は繊維製品1Kgあたり本有効成分量に換算して、通常0.01gから5g、好ましくは0.1gから5gである。また、その際本希釈液中に含まれる本有効成分量は本希釈液1リットルあたり通常0.01gから10g、好ましくは0.1gから5gである。また、繊維または繊維製品を浸漬する場合、浸漬時間は通常1分から60分程度である。
【0029】また、本有効成分である(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は別々に繊維製品、繊維または繊維原料に処理することもできる。その際、(1)オキソリニック酸またはその塩及び(2)酸化亜鉛は、化合物そのもの、各種製剤、あるいはこれらの水希釈液等、処理に応じた種々の形態であり得る。かかる処理方法もまた、本発明抗菌性付与方法の処理の一態様である。
【0030】本発明組成物はStaphylococcus aureus等のStaphylococcus属、Escherichiacoli等のEscherichia属、Klebsiella pneumoniae 等のKlebsiella属、Pseudomonas aeruginosa等のPseudomonas属などの細菌に対して高い抗菌作用を発揮し得るものである。
【0031】また、オキソリニック酸またはその塩で抗菌処理された製品は紫外線に常にさらされるような過酷な条件においては該製品が黄変することがあったが、本発明組成物で処理された製品はかかる変色が抑えられる効果をも有する。
【0032】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、%は全て重量%を表す。
【0033】実施例1オキソリニック酸2部、酸化亜鉛20部及びソルビタントリオレエート1.5部と、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部とを混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液38部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合しフロアブル製剤を得る。
【0034】実施例2オキソリニック酸0.5部、酸化亜鉛5部、カオリンクレー84.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0035】実施例3オキソリニック酸5部、酸化亜鉛50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部及び合成含水酸化珪素40部をよく粉砕混合することにより水和剤を得る。
【0036】実施例4次に示す方法にしたがい、樹脂プレートを作製した。ABS樹脂1Kgと本発明組成物(オキソリニック酸/酸化亜鉛=1g/9g)10gとをビニール袋に入れ、よく振って混合した。該混合物を押出し機のホッパーに投入し、コンパウンド化を行った。該コンパウンド化物を80℃で3時間乾燥させ、その後、射出成形機を用いてプレート化した。
押出し機;PCM30((株)磯貝社製)
加工温度;220〜240℃射出成型機;SVH−30−50−p((株)山城精機製作所社製)
加工温度 ;220〜230℃【0037】試験例1オキソリニック酸、酸化亜鉛、オキソリニック酸および酸化亜鉛のそれぞれを、表1に記載の濃度になるように寒天培地に添加し、培地を作成した。同時に比較として培地に何も添加しない無処理の培地も用意した。これらの培地にStaphylococcus aureusを画線接種し、27℃にて2日間培養した。2日後の菌の生育度合いを観察し、下記に示す基準により、生育阻害率(%)を求めた。本試験は3反復行い、それらの生育阻害率を平均して最終的な生育阻害率とした。その結果を表1に示す。
・生育阻害率(%)の算定方法培地上に生育した細菌のコロニーの大きさを、下記の基準にしたがって評価した。各評価段階で定められた生育阻害率を試験例1及び2における菌の生育阻害率として用いた。
細菌の生育を全く認めない場合:生育阻害率100%、細菌の増殖が接種部位の極一部に認められる場合:生育阻害率95%、細菌の増殖が接種部位のみに明確に認められる場合:生育阻害率80%、細菌の増殖が無処理と比較して顕著に抑えられているものの、接種部位よりコロニーが拡大している場合:生育阻害率50%、無処理と同程度に増殖している場合:生育阻害率0%。
【表1】

試験例2Staphylococcus aureusでの試験と同様に、表2に記載の濃度になるようにオキソリニック酸、酸化亜鉛、オキソリニック酸および酸化亜鉛のそれぞれを添加した培地と、無処理の培地を用意し、Escherichia coliを用いて同様の試験を行った。上記に示す基準により、生育阻害率を求めた。本試験は3反復行い、それらの生育阻害率を平均して、最終的な生育阻害率とした。その結果を表2に示す。
【表2】

【0038】試験例3実施例4で作製した樹脂プレートに、サンシャインウェザーメーター(スーパーUVテスターSUV−F1 大日本プラスチック(株)製)を用いて、63℃にて2時間または4時間の紫外線照射を行い、紫外線による変色の度合いを調べた。その結果、2時間照射を行った樹脂プレートにおいても、4時間照射を行った樹脂プレートにおいても、変色は認められなかった。紫外線照射の条件は次に示す。
照射条件;63℃×2〜4時間紫外線強度;100±5mW/cm2 al 23cm波長;300〜450nm(エネルギー分布・・360〜380nmが最大)
【0039】試験例4フィルム密着法(抗菌製品技術協議会試験方法、抗菌製品の抗菌力評価試験法I)に準じて、以下の試験を行った。実施例4で作成した樹脂プレート(50mm×60mm)、及び本発明組成物を添加しない以外は実施例4と同様の方法で作成した本発明組成物無添加樹脂プレートのそれぞれの表面に、Escherichia coli IFO 3972を培養した菌液を0.4ml(菌数:約1.0〜105個/ml)滴下し、該プレート上に感染させた。該プレート表面上をフィルム(40mm×40mm)で被覆し、温度36℃、湿度90%以上の条件下にて1日間培養した。その後、該プレート上の生菌数を測定した。また、Staphylococcus aureus ATCC 6538Pにおいても同様の試験を行った。結果をまとめて表3に示す。
【表3】

【0040】
【発明の効果】本発明によれば、優れた抗菌効力を発揮し得る抗菌剤組成物を提供でき、また、該組成物を樹脂製品、紙製品、繊維製品、あるいはこれらの製造原料に処理することにより、該製品への有効な抗菌性付与が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【出願日】 平成13年9月3日(2001.9.3)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2002−284601(P2002−284601A)
【公開日】 平成14年10月3日(2002.10.3)
【出願番号】 特願2001−265497(P2001−265497)