| 【発明の名称】 |
抗菌剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】平本 忠浩
【氏名】竹内 亮
【氏名】花田 實
【氏名】野呂瀬 文孝
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| 【要約】 |
【課題】優れた抗菌活性効果を示し、環境やヒトに優しい抗菌剤を提供する。
【解決手段】シトラス系果実の果皮から得られるクマリン類縁体混合物、とくにシトラスコールドプレスオイルから得られるクマリン類縁体混合物を抗菌剤の有効成分とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シトラス系果実の果皮から得られるクマリン類縁体を含有することを特徴とする抗菌剤。 【請求項2】クマリン類縁体がシトラス系果実の果皮由来のシトラスコールドプレスオイルから得られたものである請求項1記載の抗菌剤。 【請求項3】クマリン類縁体がシトラスコールドプレスオイルの高沸点部から得られるクマリン類縁体である請求項1記載の抗菌剤。 【請求項4】クマリン類縁体がシトラスコールドプレスオイルの高沸点部を担体に担持させた後溶媒で溶出させた画分から得られるクマリン類縁体である請求項1記載の抗菌剤。 【請求項5】シトラス系果実の果皮から得られたクマリン類縁体を含有することを特徴とする耐熱性好酸性菌用抗菌剤。 【請求項6】請求項1ないし4記載の抗菌剤を含有することを特徴とするオーラルケア製品。 【請求項7】請求項1ないし4記載の抗菌剤を含有することを特徴とする食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シトラスコールドプレスオイルから得られたクマリン類縁体を含む抗菌剤に関する。この抗菌剤は数多くの菌に対して優れた抗菌能を有するうえに、人や環境に優しく、しかも添加したのちにも香りや味を変えることもないので、多くの使い道がある。 【0002】 【従来の技術】古くから各種の分野で合成殺菌剤が開発され、使用されてきた。例えば、飲食品分野や化粧品分野ではトリクロサンやパラベンなどの合成殺菌剤が知られている。これらの合成殺菌剤は一般的に言って安全性に問題があり、添加する対象や添加量が制限されているのが現状である。一方、天然由来の抗菌剤としては、リゾチームやプロタミン、茶抽出物や各種の香辛料抽出物、各種精油(成分)等が知られているが、これらは合成殺菌剤と比べて抗菌性能が決して優れているとはいえないばかりでなく、添加される対象の味や香りに影響を及ぼすなどの問題を抱えている。また、例えば耐熱性好酸性菌(Alicyclobacillus属)のように、高温(40〜70℃)、酸性(PH=2〜6)の条件で好んで生育する菌が知られている。清涼飲料水の通常の殺菌条件下(86〜96℃、2分間)では、これらの菌を殺すことができず、清涼飲料水の保存中にこれら菌が増殖し、不快な薬品臭を呈したり、風味を損なったり、濁りを生じさせるたりなど、商品価値を著しく損なう要因となっている。その点を回避するために、蔗糖脂肪酸エステルに抗菌効果が認められており、コーヒー乳飲料などの低酸度飲料に添加する方法が提案されているが、該エステルは酸性領域での分散性が悪く、結晶化しやすいなどの理由により酸性飲料中で濁りや沈殿物が生じてしまい、商品価値を損ねるという不都合さが指摘されている。 【0003】そこで、天然由来の抗菌剤であって、抗菌能に優れ、しかも味や香りに影響を与えない抗菌剤が求められていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の解決しようとする課題は天然由来の抗菌剤であって、抗菌能に優れ、ヒトや環境に優しく、しかも味や香りに影響を与えない抗菌剤を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から広く知られているシトラス系果実から調製されたコールドプレスオイルに着目し、より抗菌能に優れた抗菌剤を調製すべく鋭意努力を重ねた結果、シトラスコールドプレスオイルの高沸点部をシリカゲルカラム処理し、得られた溶媒溶出画分は抗菌能に優れていることを見出した。この知見に基づきさらに検討し、終に本発明に到達した。 【0006】即ち、本発明は、1) シトラス系果実から得られたクマリン類縁体を含有することを特徴とする抗菌剤、2) クマリン類縁体がシトラス系果実の果皮由来のシトラスコールドプレスオイルから得られたクマリン類縁体を含有することを特徴とする抗菌剤、3) クマリン類縁体がシトラスコールドプレスオイルの高沸点部から得られたクマリン類縁体である抗菌剤、4) クマリン類縁体がシトラスコールドプレスオイルの高沸点部を担体に担持させた後溶媒で溶出させた画分から得られたクマリン類縁体である抗菌剤、5) シトラス系果実から得られたクマリン類縁体を含有する耐熱性好酸性菌用抗菌剤、6) 上記抗菌剤を含有するオーラルケア製品、7) 上記抗菌剤を含有する食品である。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。本発明でいう抗菌剤はシトラス系果実の果皮から得られるクマリン類縁体混合物を有効成分とするものである。上記果皮から溶媒抽出してクマリン類縁体混合物を得ることができるが、シトラス系果実の果皮由来のシトラスコールドプレスオイルからクマリン類縁体混合物を得ることもできる。本発明でいうクマリン類縁体混合物はシトラス系果実の果皮から得られるものであって、クマリン骨格を有する化合物およびフロクマリン骨格を有する化合物から選ばれる複数の化合物を含有する混合物である。クマリン類縁体混合物としては数多く知られているが、その中ではオーラプテン、マルミン、リメチン、メランジン、5−ゲラノキシ−7−メトキシクマリン、シトロプテン、ベルガプテン、ベルガモチン、ベルガプトール、エポキシベルガモチン、ジヒドロキシベルガモチン、5−ゲラノキシ−プソラレンが代表的なものであるが、本発明ではそれら化合物に限定されるものではない。なお、上記クマリン類縁体の含有量が高ければ高いほど抗菌性能が高まり有利であり、添加・配合する際の操作性などの点からみて、本発明の抗菌剤では、上記クマリン類縁体が40重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上含まれる。 【0008】本願発明でいうシトラスコールドプレスオイルは従来から広く知られているものである。シトラスコールドプレスオイルは通常シトラス系果実とくにその果皮から調製されるものである。シトラスコールドプレスオイルは通常市販品を用いるが、シトラス系果実から調製してもよい。シトラス系果実としては、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ベルガモット等が知られている。そのなかでも、とくにレモン及びライムが好ましい。 【0009】次にシトラスコールドプレスオイルからクマリン類縁体を得る方法について説明する。上記シトラスコールドプレスオイルから常法により、高沸点画分と低沸点画分とに分ける。例えば、シトラスコールドプレスオイルを蒸留法により分ける場合、シトラスコールドプレスオイルを蒸留装置内に入れ、減圧下徐々に加熱した後、留出されたものを低沸点画分といい、装置内に残った残滓を高沸点画分という。本発明では高沸点画分とは、シトラスコールドプレスオイルを減圧下(例えば、約133kPa)90度ないし120度で加熱処理した後の残滓をいう。該高沸点画分は不揮発性成分からなる混合物である【0010】ついで、この高沸点画分をさらに分画する。分画方法にはいろいろな方法が知られているが、代表的な方法として、シリカゲルクロマトグラフ法により分画する方法を説明する。まず、上記該高沸点画分をあらかじめ前処理を施してもよい。例えば加熱し、高粘調物化しておいてもよいし、あるいはさらに溶媒を加え、低粘度化しておいてもよい。この場合、通常溶媒を抽出物1重量部に対して0.1ないし30容量部、好ましくは0.5ないし20容量部となるように添加することが好ましい。ついで、該高沸点画分を例えば、予め作製、調整したクロマトグラフィ用カラムに注ぎ込み、ついで、溶媒から構成される溶出液を注ぎ込んでカラム内に一時的に保持されたものを溶媒とともに流しさり、流出する溶媒を公知の手段で幾つかに分ける方法を採用すればよい。この発明では非極性溶媒として、n−ペンタン、n-ヘキサン、分岐ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類が使用可能である。また、極性溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、エチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類が使用可能である。しかしながら、これらの溶媒に限定されるものではない。通常のシリカゲルクロマトグラフィーを用いた場合、n-ヘキサン、酢酸エチルあるいはそれらの混合溶媒にて流出することが好ましい。混合溶媒を用いた場合、それら各溶媒の割合はとくに限定されるものではない。溶出温度は通常室温で行うが、とくに限定されるものではなく、低温下でも高温下で行ってもよい。 【0011】本発明においてはとくに最初にヘキサン単独で流出させ、ついでヘキサンと酢酸エチル混合溶媒を用い、ヘキサンの含有量を減らしていく。また、酢酸エチル単独で流出させてもよい。次に、上記方法により流出する溶媒を公知の手段で分取して画分を得る。クマリン類縁体を多く含む画分あるいは複数の画分を合一したものを、さらに減圧下にて溶媒を留去して濃縮物を得、抗菌剤を調整することができる。あるいは、溶媒が多少残っていてもよい。またさらに、濃縮物を高速液体クロマトグラフィーなどにより、精製操作を重ねる処理工程を付け加えてもよい。大事な点はクマリン類縁体混合物を多量に含ませるようにすることである。 【0012】かくして得られた抗菌剤は各種の菌に対して優れた抗菌能を示す。それらの菌としては、虫歯原因菌、歯周病菌、耐熱性好酸性菌、にきび菌、ワキガ菌、フケ菌、皮膚常在菌、膿瘍菌、食中毒菌などを挙げることができる。 【0013】それら各種の菌の具体例としては、例えば次ぎのものを示すことができる。 虫歯原因菌;Streptococcus mutans、 Actinomyces naeslundii、Actinomycesviscosus歯周病菌;Fusobacterium nuclestum、Prevotella intermedia、Porphyromonasgingivalis石灰化菌;Corynebacterium matruchotti、咽頭領域の病原菌;Streptococcus pyogenes、Haemophilus influenzae、【0014】耐熱性好酸性菌;Alicyclobacillus acidocaldarius、A. acidoterrestris、A. cycloheptanicus、フラットサワー菌;Bacillus coagulans乳酸菌;Sporolactobacillus inulinus、酪酸菌;Clostridium pasteurianum、Clostridium butyricum)、真菌類;Byssochlamys uflva、Neosartorya fischeri、にきび菌;Propionibacterium acnes、Propionibacterium acnesワキガ菌;Corynebacterium xerosisフケ菌;Malassezia furfur【0015】皮膚常在菌;Staphylococcus aureus、Staphyrococcus epidermides、Corynebacterium minutissimum膿瘍菌;Bacteriodes fragilis食中毒菌;Vibrio parahaemolyticus、 Campylobacter jejuni腐敗菌;Bacillus subtilisなど。 【0016】かくして得られた抗菌剤を食品などにそのまま直接添加することができる。また、本発明の抗菌剤を適当な液体担体に溶解するか若しくは分散させ、あるいは適当な粉体担体と混合するか若しくはこれに吸着させて使用に供することも可能である。場合によっては、乳化剤、分散剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤又は安定剤を添加し、乳剤、水和剤、粉剤又は錠剤等に製剤化することも可能であるが、好ましくは飲食物や化粧品、抗菌製剤として使用する。また、既に知られている抗菌剤あるいは抗菌活性を有すると考えられる化合物とを併用させることもできる。 【0017】本発明の抗菌剤を添加配合することができる対象としては、例えば食品、フレグランス製品、基礎化粧品、頭髪化粧品、トイレタリー製品、浴用剤、ボディケア製品、洗剤・仕上げ剤、芳香消臭剤、医薬品などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 【0018】上記食品としては、例えば無果汁飲料、果汁入り飲料、乳酸菌飲料、粉末飲料などの飲料類、アイスクリーム、シャーベッド、氷菓などの冷菓類、プリン、ゼリー、ババロア、ヨーグルトなどのデザート類、ガム、キャンディなどの製菓類、水産練り製品などを挙げることができる。上記フレグランス製品としては、香水、オードトワレ、オーデコロン、シャワーコロンなどを挙げることができる。上記基礎化粧品としては、スキンクリーム、クレンジングクリーム、化粧水、アフターシェイブローション、ファンデーション、口紅、タルカムパウダーなどを挙げることができる。 【0019】上記頭髪化粧品としては、シャンプー、リンス、コンディショナー、リンスインシャンプー、トリートメントなどの洗髪剤、ポマード、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアジェルなどの整髪剤、育毛剤、染毛剤、コールドウエーブ剤などを挙げることができる。上記トイレタリー製品としては、化粧石鹸、浴用石鹸、透明石鹸などを挙げることができる。上記浴用剤としては、粉末入浴剤、固形入浴剤、固形発泡入浴剤、バスオイル、バブルバスなどを挙げることができる。 【0020】 上記洗剤としては、衣類用粉末洗剤、衣類用液体洗剤、柔軟仕上げ剤、台所用洗剤、トイレ用洗浄剤、浴室用洗浄剤、ガラスクリーナー、カビ取り剤などを挙げることができる。上記芳香消臭剤としては、ゲル状芳香消臭剤、液体芳香消臭剤、含浸型エアゾール芳香消臭剤、ミストタイプ芳香消臭剤などを挙げることができる。上記医薬品としては、錠剤、液状の薬、カプセルタイプの薬、顆粒状の薬などを挙げることができる。 【0021】上記抗菌剤を対象物に添加配合する量は、対象物や菌などにより大幅に異なるものであるが、通常対象物に対して0.1μg/mlないし50重量%とすることが好適である。0.1μg/ml以下では抗菌活性能が十分ではなく、50重量%以上添加しても抗菌活性能は十分であるが経済的な点で不都合である。 【0022】 【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 【0023】 【実施例1】 レモン果皮由来の抗菌剤の調製レモン果皮由来のシトラスコールドプレスオイル1kgを蒸留装置内の加熱容器内に収め、減圧下徐々に加熱していく。揮発性の化合物は蒸発し、冷却装置内にて液化され受容部内に蓄えられる。減圧下加熱容器内のシトラスコールドプレスオイルの温度が120度に達したら加熱を止める。加熱容器内に残ったもの(高沸点画分)は67gであった。 【0024】この高沸点画分200gにごく少量の酢酸エチルを加えた後、シリカゲル4kg充填したシリカゲルクロマトカラムに室温下注ぎ込み、高沸点画分をシリカゲルに担持させる。ついで、n-ヘキサン30Lで溶出させて画分1を得る。引き続き、酢酸エチル-ヘキサン混合溶媒(容積比10:90)、酢酸エチル-ヘキサン混合溶媒(容積比20:80)、酢酸エチル-ヘキサン混合溶媒(容積比30:70)、酢酸エチル-ヘキサン混合溶媒(容積比50:50)、酢酸エチルそれぞれ30Lにて溶出し、画分2、画分3、画分4、画分5、画分6を得る。 【0025】各画分をエバポレーターに入れ、溶媒を揮散させ、乾固物を得る。各画分のの量およびクマリン類縁体含有量を表1に示す。なお、クマリン類縁体含有量の測定法は、乾固物4mgを50mlのエタノールに溶かした後、紫外光(波長:311nm)を照射させたときの吸収値より求める。 【0026】表1 各画分の収率とクマリン類縁体含量 (重量%) *;X(Y) X=不揮発性画分に対する収率 (Y)=画分中のクマリン類縁体含量【0027】画分3,4,5,6それぞれから得られた乾固物を合わせたものをクマリン類縁体高濃度画分といい、画分1、2から得られた乾固物を合わせたものをクマリン類縁体低濃度画分という。また、画分3、4から得られた乾固物を合わせたものをクマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分という。上記クマリン類縁体高濃度画分をエタノールに溶解し、20重量%の濃度の溶液に調製しクマリン類縁体高濃度画分溶液(CCF溶液)を得た。また、上記クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分をエタノールに溶解し、20重量%の濃度の溶液に調製し、クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分溶液(CCMF溶液)を得た。 【0028】 【実施例2】 ライム果皮由来の抗菌剤の調製レモン果皮由来のシトラスコールドプレスオイルの代わりに、ライム果皮由来のシトラスコールドプレスオイルを用いる以外は実施例1と同様な操作を行い、クマリン類縁体高濃度画分、クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分およびクマリン類縁体低濃度画分を得た。さらに、実施例1と同様な操作を行い、クマリン類縁体高濃度画分溶液(CCF溶液)およびクマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分溶液(CCMF溶液)を得た。 【0029】 【試験例1】抗菌性能の試験(寒天培地希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の測定) 下記サンプルをエタノールに溶解して系列2倍希釈段階を作り、その100uLを10mLの滅菌寒天培地(Trypticase Soy Agar (BBL))に加え、良く撹拌した後直径9cmのシャーレに移し室温で固化させた。このシャーレに希釈した試験菌(下記)液5uLを接種し37℃、72時間培養した。培養終了後サンプルを入れていないシャーレ(ブランク)と菌の生育状態を比較し、菌の生育の見られないサンプルの濃度をMICとした。得られた結果を表2に示した。 【0030】サンプルS-1:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-2:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分S-3:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分対照区C-1:トリクロサンC-2:ブチルパラベンC-3:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分C-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分【0031】 供試菌 (虫歯原因菌) Streptococcus mutans JCM 5175 Actinomyces naeslundii JCM 8350 Actinomyces viscosus JCM 8352 (歯周病菌) Fusobacterium nuclestum JCM 6328 Prevotella intermedia JCM 6322 Porphyromonas gingivalis JCM 8525【0032】表2活性検定(MIC:ppm)
本発明の抗菌剤はトリクロサンに匹敵する強い抗菌活性が認められた。 【0033】 【試験例2】抗菌性能の試験(寒天培地希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の測定) 検定法1:寒天培地希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の測定下記サンプルをエタノールに溶解して系列2倍希釈段階を作り、その100uLを10mLの滅菌寒天培地(Mueller Hinton 培地 (Difco))に加え、良く撹拌した後、直径9cmのシャーレに移し、室温で固化させた。このシャーレに希釈した試験菌液5uLを接種し、37℃、72時間培養した。培養終了後サンプルを入れていないシャーレ(ブランク)と菌の生育状態を比較し、菌の生育の見られないサンプルの濃度を最小発育阻止濃度(MIC)とした。結果を表3に示した。 【0034】 供試菌 (食中毒菌) Staphylococcus aureus 209P IMA 12082 Staphylococcus aureus ATCC 6538 (腐敗菌) Bacillus subtilis PCI 219 IFO 3134 【0035】検定法2:液体培地希釈法によるMIC、最小殺菌濃度(MBC)の測定寒天培地希釈法と同様にサンプルの系列2倍希釈液を用意する。液体培地(NYG培地)3mLに各濃度のサンプル溶液30uLを加え、さらに60uLの試験菌液を加え、30℃、48時間培養する。培地の濁りの変化を660nmの波長で測定し、MICを求める。MIC測定により、菌の生育の見られない試験管より各60uLを取り出し、新しい培地3mLに移植し、さらに48時間培養して、それでも菌の生育の見られない最小濃度をMBCとする。結果を表4に示した。 【0036】サンプルS-1:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-2:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分S-3:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分対照区C-1:トリクロサンC-2:ブチルパラベンC-3:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分C-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分【0037】 供試菌(食中毒菌) Staphylococcus aureus 209P IMA 12082 Staphylococcus aureus ATCC 6538 (腐敗菌) Bacillus subtilis PCI 219 IFO 3134【0038】表3検定法1による活性検定(MIC): ppmサンプルS-1〜S-4に上記試験菌に対してより効果的な抗菌活性が認められた。 【0039】表4検定法2による活性検定(MIC、MBC:ppm) MIC MBC 【0040】MBC測定の結果から、トリクロサンは殺菌性が強いのに対して、サンプルS-1、S-3は静菌性であり、それらの抗菌効果は静菌作用によるということができる。したがって、サンプルS-1、S-3は人体や環境に優しいものということができる。 【0041】 【試験例3】抗菌性能の試験試験方法1) 滅菌精製水に保存した標準菌株液0.5mLを、5mLの滅菌燐酸緩衝生理食塩液に希釈して、80℃、10分間加熱後、AAM液体培地5mLに対して100uL(100uL中の芽胞数=約100万個)ずつ添加する。 2) 標準菌を入れたAAM液体培地に、各濃度になるようにサンプルを添加する。 3) 50℃、10日間培養する。 4) 顕微鏡により活動を始めた菌の有無を観察する(芽胞を形成し休眠期に入っている場合には球状であるが、活動を始めた菌は桿菌となり両者は顕微鏡で容易に区別される)。 顕微鏡を用いて観察した結果を表5に示す。活動を始めた菌が全くいない場合を(−)、確認できた場合を(+)とする。 【0042】 AAM(Alicyclobacillus Acidoterrestris Medium)液体培地: (溶液A) CaCl2・2H2O 0.25g MgSO4・7H2O 0.50g (NH4)2SO4 0.20g Yeast extract 2.00g Glucose 5.00g KH2PO4 3.00g Water 1000.00mL 1M HCl溶液を用いてpH4.0に調製する。 【0043】(溶液B) Trace element solution SL-6 1.00mLSL-6ZnSO4・7H2O 0.10gMnCl2・4H2O 0.03gH3BO3 0.30gCoCl2・6H2O 0.20gCuCl2・2H2O 0.01gNiCl2・6H2O 0.02gNa2MoO4・2H2O 0.03gWater 1000.00mL溶液Aと溶液Bを混ぜ合わせてAAM液体培地を得る。 【0044】サンプルS-1:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-2:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分S-3:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分【0045】供試菌 (Alicyclobacillus 属) Alicyclobacillus acidocaldariusA. acidoterrestrisA. cycloheptanicus(フラットサワー菌) Bacillus coagulans【0046】表5 表中の記号の説明「−」は「活動を始めた菌が全く認められない」場合「±」は「ごく僅かではあるが(数個程度)活動を始めた菌が認められた」場合【0047】 【試験例4】抗菌性能の試験(寒天培地希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の測定) 方法サンプルをエタノールに溶解して系列2倍希釈段階を作り、その100uLを10mLの滅菌寒天培地に加え、良く撹拌した後直径9cmのシャーレに移し室温で固化させた。このシャーレに希釈した試験菌液5uLを接種し37℃、72時間培養した。培養終了後サンプルを入れていないシャーレ(ブランク)と菌の生育状態を比較し、菌の生育の見られないサンプルの濃度を最小発育阻止濃度(MIC)とした。得られた結果を表6に示す。 【0048】滅菌寒天培地:・Propionibacterium acnes JCM 6473Propionibacterium acnes ATCC 6919Bacteriodes fragilis GAI 5560 の場合Trypticase Soy Agar (BBL)・Corynebacterium xerosis JCM 1324Malassezia furfur IFO 0656Staphyrococcus epidermides JCM 2414Corynebacterium minutissimum IFO 15361 の場合Mueller Hinton培地(Difco) 【0049】サンプルS-1:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-2:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分S-3:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分S-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体高濃度画分の濃縮画分対照区C-2:ブチルパラベンC-3:レモンコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分C-4:ライムコールドプレスオイル由来クマリン類縁体低濃度画分【0050】 供試菌(にきび菌) Propionibacterium acnes JCM 6473 Propionibacterium acnes ATCC 6919 (ワキガ菌) Corynebacterium xerosis JCM 1324 (フケ菌) Malassezia furfur IFO 0656 (皮膚常在菌) Staphyrococcus epidermides JCM 2414 Corynebacterium minutissimum IFO 15361 (膿瘍菌) Bacteriodes fragilis GAI 5560【0051】表6最小発育阻止濃度(MIC):ppm 表中、「-」は実験していないことを示す。 【0052】 【実施例3】 歯磨 リン酸二カルシウム 10.0重量% ラウリル硫酸ナトリウム 2.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 サッカリンナトリウム 0.02 薄荷香味剤 1.0 CCF溶液 5.0 グリセリン 適量 100.0重量%【0053】 【実施例4】 洗口剤 エチルアルコール 10.0重量% ポリオキシエチレン水素化ひまし油 2.0 薄荷香味剤 0.5 サッカリンナトリウム 0.02 グリセリン 10.0 FD&Cカラー CCF溶液 0.25 精製水 適量 100.0重量%【0054】 【実施例5】 キャンデイ 砂糖粉末 50.0重量% 水飴 33.0 クエン酸 1.0 CCF溶液 0.25 精製水 適量 100.0重量%【0055】 【実施例6】 チューインガム ガム素地 21.0重量% 砂糖粉末 63.9 トウモロコシデンプン 12.5 レモン型香味剤 1.0 酸性化剤 0.6 CCF溶剤 1.0 100.0重量%【0056】 【実施例7】 トローチ デンプン 98.45重量% 薄荷型粉末香味剤 0.8 スクロース脂肪酸エステル 0.5 CCMF溶液 0.25 100.0重量%【0057】 【実施例8】 除菌剤 エタノール 20.0重量% CCMF溶液 5.0 精製水 適量 100.0重量%【0058】 【実施例9】果汁入り飲料 オレンジエード(Brix:10.8, 酸度:0.38) 果糖ブドウ糖液糖 107.0g クエン酸 1.0 クエン酸ナトリウム 0.3 オレンジ濃縮果汁 51.8 水溶性オレンジフレーバー 1.0 CCF溶液 0.1 水 適量 1000g【0059】 【実施例10】 スポーツ飲料 砂糖 31.0g ブドウ糖 15.7 クエン酸 1.0 乳酸カルシウム 0.679 クエン酸ナトリウム 0.3 塩化ナトリウム 0.28 塩化カリウム 0.22 ビタミンC 0.864 L−グルタミン酸ナトリウム 0.03 ナイアシン 0.013 パントテン酸カルシウム 0.007 ビタミンB6 0.0022 ビタミンB12 0.000006 レモンフレーバー 1.0 CCMF溶液 0.1 精製水 適量 1000g【0060】 【実施例11】 コーヒー乳飲料 レギュラーコーヒー 50.0g グラニュー糖 50.0 牛乳 150.0 乳化剤(脂肪酸エステル) 0.5 コーヒーフレーバー 1.0 ミルクフレーバー 0.8 CCMF溶液 0.1 精製水 適量 1000.0g【0061】 【実施例12】 炭酸飲料 果糖ブドウ糖液糖 127.0g クエン酸 1.24 精製水 200.0 レモンフレーバー 0.12 CCMF溶液 0.05 炭酸水 適量 1000.0g【0062】 【実施例13】果汁入りゼリー アップル果汁 6.0g 水飴 3.5 グラニュー糖 13.0 リンゴ酸 0.21 ゲル化剤 0.9 クエン酸ナトリウム 0.05 カラメル色素 0.08 アップルフレーバー 0.2 CCMF溶液 0.01 精製水 適量 100.0g 殺菌80℃、20分間【0063】 【実施例14】 レモンテイー 紅茶葉抽出液(Bx. 1.0) 200.0g グラニュー糖 60.0 レモン濃縮果汁 1.56 ビタミンC 0.1 CCMF溶液 0.05 精製水 適量 1000.0g 殺菌80℃、10分間【0064】 【実施例15】 粉末洗剤 C-12?C-18パレイ硫酸ナトリウム 15.0g 炭酸ナトリウム 15.0 メタ珪酸ナトリウム 13.0 クエン酸ナトリウム 15.0 カルボキシメチルセルロース 2.0 硫酸ナトリウム 38.0 麝香樹木系芳香剤 1.0 CCF溶液 1.0 100.0g【0065】 【実施例16】 シャンプー Sodium Laureth Sulfate 40.0g Sodium Cocoamphoacetate 10.0 Cocamide DEA 2.0 Butylene Glycol 2.0 Citric Acid 0.35 Sodium Chloride 0.1 Paraben 0.3 Tetrasodium EDTA 0.1 芳香剤 0.5 CCF溶液 1.0 精製水 適量 100.0g【0066】 【実施例17】 エモリエントクリーム セチルアルコール 5.0g ステアリン酸 3.0 ワセリン 5.0 スクワラン 10.0 グリセロールトリ2-エチルヘキサン酸エステル 7.0 ジプロピレングリコール 5.0 グリセリン 5.0 プロピレングリコールモノステアリン酸エステル 3.0 POE(20)セチルアルコールエーテル 3.0 トリエタノールアミン 1.0 パラベン 0.3 香料 1.0 CCF溶液 1.0 精製水 適量 100.0g【0067】 【実施例18】 制汗剤 PEG-7 glyceryl cocoate 2.0g Hydrogenated oil 5.0 Myristyl Myristate 15.0 シクロメチコーン 35.0 Stearyl alcohol 20.0 Stearyl Isononenoate 3.0 Al-chlorohydrate 20.0 香料 0.5 CCF溶液 1.0 100.0g【0068】 【発明の効果】本発明で得られた天然植物由来のクマリン類縁体混合物からなる抗菌剤は抗菌能に優れている。即ち、虫歯菌、歯周病菌といったオーラルケア関連の菌、食品業界で問題となっている耐熱性好酸性菌、食中毒菌、腐敗菌、化粧品分野で問題となるニキビ菌、フケ菌、皮膚常在菌というように様々な菌に対して、合成殺菌剤に比べてほぼ同程度の優れた抗菌活性を示す。しかも食品の風味への影響が少なく、ヒトや環境に優しいものである。そのうえ安定性も高いので極めて有用である。 この抗菌剤は広く使用されえるが、特に香粧品や飲食品に適用することができる。上記菌のなかで、腐敗菌は例えば食品の腐敗劣化を導き、食品の商業的価値を大きく損ねる。さらに、食中毒菌は食品の腐敗劣化を導くと同時に、毒素を生成して、それを食したものに対して重大な悪影響をもたらす。したがって、本発明の抗菌剤を食品に含有させることにより、食品に対する日持ち向上効果や食中毒防止効果等が達成される。 【0069】また、耐熱性好酸性細菌(Alicyclobacillus属)は高温(40〜70℃)、酸性(pH2〜6)の条件で好んで生育し、また、耐熱性好酸性糸状菌(Byssochlamys属)も前記同様高温酸性条件を好んで生育する。これら菌は耐熱性を有しており、例えば清涼飲料水の通常の殺菌条件(96〜86℃、2分間)では殺菌することはできない。従って、上記耐熱性好酸性菌はpH3.7未満の高酸性食品(例えば果実、果汁等の入った容器詰食品や酸性飲料)中で増殖し得ることとなり、不快な薬品臭を呈したり、風味を損なったり、濁りを生じさせたりと、商品価値を著しく損なう要因となっている。本発明の抗菌剤の使用により耐熱性好酸性菌の増殖を阻止し、上記問題点が解決され、濁りや沈殿物を生じることなく、飲食品の変敗を防止できる。さらに、本発明の抗菌剤は虫歯菌の増殖を阻止する能力も有するので、虫歯の促進を防ぎ、さらには歯垢の形成を防止することもできる。また、歯周病菌の増殖を阻止する能力も有するので、歯周病の予防のみならず口臭発生源となる菌の増殖を抑制することになり、間接的に消臭効果が期待できる。また、咽頭領域の病原菌、真菌類の抑制によりカゼの予防が期待できる。さらに、本発明の抗菌剤はワキガ菌、フケ菌、膿瘍菌の抑制効果もあるので、本発明の抗菌剤を各種化粧品等に含有させることにより、体臭防止効果、フケ防止効果、ニキビ防止効果等が期待される。また、梅雨時分などでよく経験する洗濯物の生乾き時に生じる洗濯物の不快臭は、菌の増殖が大きな要因とされているが、本発明品を洗濯用洗剤に含有させることにより、これをより軽減できる。本発明品は他の抗菌剤あるいは抗菌活性を有する素材とともに用いることも可能である。さらに、本発明によりその多くは廃棄されていたコールドプレスオイルの高沸点部を有効利用できることになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000169466 【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月19日(2001.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100734 【弁理士】 【氏名又は名称】江幡 敏夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−275007(P2002−275007A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−79489(P2001−79489) |
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