| 【発明の名称】 |
スクミリンゴガイ及びナメクジ類の麻痺剤及び防加害法 |
| 【発明者】 |
【氏名】池本 毅
【氏名】渡辺 修治
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| 【要約】 |
【課題】イネの幼苗等に対するスクミリンゴガイや、野菜、花卉及び果物類等に対するナメクジ類の効果的な麻痺剤及び防加害法を提供する。
【解決手段】3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを有効成分とすることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類の麻痺剤、並びに3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを用いることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類からのイネ、野菜、花卉及び果物類の防加害法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを有効成分とすることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類の麻痺剤。 【請求項2】 3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを用いることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類からのイネ、野菜、花卉及び果物類の防加害法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スクミリンゴガイやナメクジ類の麻痺剤及び防加害法を提供することにある。 【0002】 【従来の技術】スクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata 俗称ジャンボタニシ)は南米産の淡水性巻き貝であり、食用目的で日本や東南アジアに導入されたが放棄された貝が水田で繁殖しイネの幼苗を食すために大きな脅威となっている。また、コウラナメクジ(Limax fluvus)やチャコウラナメクジ(Limax marginayus)などのナメクジ類は腹面より粘液を出してとくに夜間に這い回り、野菜、果物や花卉などを食害することで大きな被害を出している。そこでスクミリンゴガイやナメクジ類からの加害を防止する目的でウレアーゼ酵素やトロポン骨格を有する化合物を用いる駆除剤や駆除法が提案されているが(特開平1−135706号公報、特開平9−59118号公報)、十分な効果がないことや効果の持続性に欠けるなどの問題があった。 【0003】スクミリンゴガイはイネの幼苗を食するものの成長した苗を食することはないためにイネの苗が成長に要する一定期間のみ活動を抑制することで十分な防加害効果を得ることが知られている。ところで、l−メントールには海洋生物や軟体動物に対して麻痺作用を有していることが知られているが、その効果の持続性に欠けることが大きな問題である。 【0004】一方、本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールは揮発性が低く、無臭の冷感作用を有する物質として開発され(特許1382716号)、化粧料や医薬品などへの応用が提案されている(特開昭60−2508号公報、特表平6−506682号公報、特開2000−290169号公報)。しかしながら、本物質がスクミリンゴガイやナメクジ類に対して効果的な麻痺作用を有することについては何等記載がなされていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イネの幼苗に対するスクミリンゴガイや、野菜、花卉及び果物類等に対するナメクジ類の効果的な麻痺剤及び防加害法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、イネの幼苗に対するスクミリンゴガイや、野菜、花卉及び果物類に対するナメクジ類からの加害を防止する方法を開発すべく鋭意研究した結果、多数のメントール誘導体の中でも3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールが特にスクミリンゴガイやナメクジ類に対して強い麻痺作用を有することを見出した。 【0007】即ち、上記の目的を達成する本発明は、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを有効成分とすることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類の麻痺剤である。また、本発明は、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを用いることを特徴とする、スクミリンゴガイ及びナメクジ類からのイネ、野菜、花卉及び果物類の防加害法である。 【0008】本発明で用いられる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールは2位の水酸基部に不斉炭素があるために2種類の光学異性体が存在するが、それらの混合物、またR体、S体をそれぞれ単独で用いることもできる。 【0009】本発明でいう防加害法としては、3−l−メントキシプルパン−1,2−ジオールを他の溶解補助剤や賦形剤等と混合して液状、粉末状、顆粒状、団塊状等の製剤にして、塗布、噴霧、散布等する方法の他に、予めシート状、フィルム状、網目状などの基材に本物質を塗布、含浸、混練等の処理したものを加害を防止しようとする所に配置することも出来る。 【0010】本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールの製剤等中への含有量は製剤形態、使用量、使用方法、その他の条件によって異なるが、一般にはその配合量は0.001〜90質量%である。そして、使用時には、製剤等をそのまま使用する以外に適当な倍率で希釈しても使用できる。本物質の有効濃度としては、最終の使用状態では、例えば0.0001〜50質量%である。 【0011】本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールはスクミリンゴガイやナメクジ類に対して麻痺性が強く、揮発性がないために持続性にも優れている。更にl−メントールが固体であるのに対し本物質はオイル状であるために製剤化や使用方法も簡便であるなどその効果の特性は著しい。 【0012】 【実施例】以下、本発明の構成を示す実施例についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0013】実施例1本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールのスクミリンゴガイに対する麻痺効果の試験方法を以下に示した。 <スクミリンゴガイに対する麻痺作用試験法1(アビセル板試験法)>直径6cmの円形に切ったセルロースプレートそれぞれにl−メントール又は3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールをそれぞれ所定濃度で溶解したエタノール20μlを均一に含浸させた。また、l−メントール及び3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを含有しないものをブランクとした。これらを蒸留水1mlがはいった同径のシャーレ底面に敷き、2日間絶食させたスクミリンゴガイ3匹を置き、1時間後及び5時間後にセルロース(商品名:旭化成工業社の商品名であるアビセル)を摂食した面積を測定した。 【0014】また、上記試験の評価基準を以下に示した。 − ・・・・ブランクと同様量を摂食± ・・・・ブランクに比較してやや少ない量を摂食+ ・・・・ブランクに比較して顕著に少ない量を摂食++・・・・ほとんど未摂食【0015】 【表1】
【0016】表1に示したように本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールはl−メントールに比較して強い麻痺効果及び優れた持続性を有していることが確認された。 【0017】実施例2<スクミリンゴガイに対する麻痺作用試験法2(摂餌誘因活性物資検索法)>図1に示すように、56cm×30cmの水層の中央を0地点とし2.5cmごとに+10〜−10に分割線を引いた。+10地点にスクミリンゴガイに対して摂餌誘因活性のある茄子(図1でSampleと表示)10gを置き、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを所定濃度で溶解した水を水深1.5cmになるように水層に注ぎいれた。殻高10〜30mmのスクミリンゴガイ15匹を水層の0地点に配置し、所定時間経過時におけるスクミリンゴガイの位置を観察した結果を表2に示した。尚、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを含有しない水を使用したものをブランクとした。 【0018】 【表2】
【0019】表2に示したように本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールはスクミリンゴガイに対して強い麻痺効果を有していることが確認された。 【0020】実施例33−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを1質量%の配合量で生分解性ポリマーであるポリ乳酸に混練りした植木鉢の下敷き用プレートを作製した。本発明で用いるプレートと、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを含まない市販のプレートの上に通常の鉢植え(東洋蘭)を置き、庭に3週間放置した。それぞれの植木鉢から植物体を除去し、鉢の中に侵入したナメクジ数を観察したところ、市販のプレートに置いた植木鉢には多数のナメクジが観察されたが、本発明で用いる3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオールを混練りしたプレートに置いた植木鉢にはナメクジは観察されなかった。 【0021】 【発明の効果】本発明は、イネの幼苗に加害するスクミリンゴガイや、野菜、花卉や果物等に加害するナメクジ類に対して優れた麻痺効果を有する物質を提供するとともに優れた防加害法を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000952 【氏名又は名称】カネボウ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月22日(2001.3.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−275004(P2002−275004A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−82133(P2001−82133) |
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