| 【発明の名称】 |
植物病害防除剤および植物病害防除方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松井 正弘
【氏名】笠原 信男
【氏名】高田 廣身
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| 【要約】 |
【課題】土壌汚染等の環境汚染の原因とならないよう配慮するとともに、有効成分が効果的かつ持続的に残留する植物病害防除剤を提供する。
【解決手段】植物病害防除剤は、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる、ヒノキチオール1等の精油と、天然乳化剤としての大豆レシチン7等のレシチンとを含有してなるものである。また、植物病害防除剤には、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤13が別途添加される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなることを特徴とする植物病害防除剤。 【請求項2】 前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油であることを特徴とする請求項1に記載の植物病害防除剤。 【請求項3】 前記レシチンは、大豆から得られることを特徴とする請求項1または2に記載の植物病害防除剤。 【請求項4】 木酢液を含有してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。 【請求項5】 前記木酢液は、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物を由来とする木材から得られることを特徴とする請求項4に記載の植物病害防除剤。 【請求項6】 グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる乳化安定剤を含有してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。 【請求項7】 ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤を添加してなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。 【請求項8】 ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる多孔性鉱物を混合してなることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の植物病害防除剤。 【請求項9】 対象となる植物群に、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる、副剤としての多孔性鉱物を散布または塗布し、次いで、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなる主剤を散布または塗布することを特徴とする植物病害防除方法。 【請求項10】 前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油であることを特徴とする請求項9に記載の植物病害防除方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、芝生をはじめ、農作物、果樹園芸作物、森林植物等に発生する植物病原菌や病害虫に対する植物病害防除剤および植物病害防除方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、台湾ヒノキ、青森ヒバ、アメリカネズコ(ウエスタンレッドシダ)、ニオイヒバ、アスナロ等のヒノキ科植物またはビャクシン等のビャクシン科植物から得られる精油は、抗菌作用、殺菌作用、防虫作用等に優れていることが知られており、工業用原料等として様々な分野で広く利用されてきた。 【0003】前記精油は、水に難溶で一般有機溶媒に易溶であることから、例えば、前記抗菌作用等の緒作用を期待して、前記精油を含有する植物病害防除剤を製造する場合には、乳化剤を添加することにより、精油の、水やアルコール含有水等の水系溶媒に対する分散性を高める必要があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の植物病害防除剤は、前記乳化剤として適当なものを見出すことが困難であった。すなわち、汎用されるアルキルベンゼンスルホン酸塩とかポリオキシエチレンアルキルエーテル等の石油系由来の合成界面活性剤は、土壌汚染等の周辺環境に与える影響を考慮すると使用し難かった。 【0005】また、多くの乳化剤は、分散性のみならず可溶性をも高めてしまうため、植物に付着した有効成分としての前記精油が、雨や露に溶解して、前記植物の付着部位から流れ落ちることがあった。そのため、前記抗菌作用とか防虫作用等が、効果的かつ持続的に発揮されないといった問題があった。 【0006】この発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、土壌汚染等の環境汚染の原因とならないよう配慮するとともに、有効成分が効果的かつ持続的に残留する植物病害防除剤および植物病害防除方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明に係る植物病害防除剤およびその植物病害防除方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、請求項1に記載の植物病害防除剤は、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなることを特徴とする。これにより、植物病害防除剤は、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油の作用により、芝生等の植物から病害を防除する。そして、植物病害防除剤は、天然素材で構成されて生分解性が良好なため、周辺環境に対する環境汚染等の懸念を極めて少なくすることができる。また、レシチンまたはサポニンは、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油の、水やアルコール含有水などの水系溶媒に対する分散性を改善して、過度に可溶化させないので、植物に付着された植物病害防除剤中の前記精油は、風雨を受けても、その植物の付着部位から容易に流れ落ちたりしない。 【0008】また、請求項2に記載の植物病害防除剤のように、前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油であるのが望ましい。このようなヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油は、構造上のユニークさから活発な研究が行われており、工業的に採油されることから、安定供給が可能である。また、抗菌作用も強力である。 【0009】また、請求項3に記載の植物病害防除剤のように、前記レシチンは、大豆から得られるのが好ましい。このような大豆から得られるレシチンは、前記精油の水に対する分散性を良くする。 【0010】また、請求項4に記載の植物病害防除剤のように、木酢液を含有してなるのが好ましい。ここで、木酢液は、溶液安定性および保存性を高める目的で含有されるが、その他にも、前記精油と相俟って害虫の発生を防止する害虫忌避作用とか、土壌を肥沃にする土壌改良作用とか、植物の生育を促進させる植物生育促進作用とか、緩和な展着作用等、植物病害防除剤にとって有用な種々の機能を兼ね備えている。 【0011】また、請求項5に記載の植物病害防除剤のように、前記木酢液は、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物を由来とする木材から得られるのが好ましい。これにより、木酢液と精油とは、同一系統の樹種から得られることになるので、資源の有効利用が図れる。 【0012】また、請求項6に記載の植物病害防除剤のように、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる乳化安定剤を含有してなるとよい。これにより、植物病害防除剤は、製品保管中において、有効成分としての精油が結晶化して沈殿するのを防止できる。 【0013】また、請求項7に記載の植物病害防除剤のように、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤を添加してなるのが好ましい。このようなヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルは、前記精油と同一系統の樹種から得られるので、資源の有効利用が図れる。 【0014】また、請求項8に記載の植物病害防除剤のように、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる多孔性鉱物を混合してなるものであってもよい。かかる多孔性鉱物は、展着作用剤として機能する。 【0015】また、請求項9に記載の植物病害防除方法は、対象となる植物群に、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる、副剤としての多孔性鉱物を散布または塗布し、次いで、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなる主剤を散布または塗布することを特徴とする。このように、対象となる植物群に、予め副剤としての多孔性鉱物を散布または塗布して置くことにより、後に散布または塗布される主剤は、植物の付着部位に付着し易くなる。 【0016】また、請求項10に記載の植物病害防除方法のように、前記精油は、ヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油であるのが望ましい。このようなヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油は、工業的に採油されることから、安定供給が可能である。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、この発明に係る植物病害防除剤および植物病害防除方法の実施の形態を具体的に説明する。 【0018】この発明に係る植物病害防除剤は、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、天然乳化剤としてのレシチンと、溶液安定性および保存性を高める木酢液と、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのうちのいずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる乳化安定剤とを含有してなるものである。また、植物病害防除剤は、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤が添加され、あるいは/および、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土等の多孔性鉱物が混合される。これら展着作用剤や多孔性鉱物は、前記植物病害防除剤に予め添加または混合されていてもよいが、取り扱い性の便宜から、使用直前に別途添加または混合されるとよい。 【0019】ここで、前記ヒノキ科植物としては、セイヨウヒノキ、オオイトスギ、ヒノキ、台湾ヒノキ、ベニヒ、ロウソンヒノキ、アラスカシダ、アスナロ、ヒノキアスナロ、青森ヒバ、ニオイヒバ、アメリカネズコ(ウエスタンレッドシダ)、ネズコ、オニヒバ、ショウナンボク、コノテガシワ、またはマオウヒバ等が用いられ、また、前記ビャクシン科植物としては、ビャクシン等が用いられる。そして、これらヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油は、抗菌作用、殺菌作用、防虫作用、および害虫忌避作用等に優れていることが一般に知られており、これら緒作用が有効に発揮されることで、この発明に係る植物病害防除剤の、芝生等の植物から病害を防除する植物病害防除作用も有効に発現される。 【0020】また、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油は、どこの部位から抽出されたかに関わらず、葉油、枝葉油、材油、根油等のいずれであってもよく、精油の成分としては、ヒノキチオール(β−ツジャプリシン)、α−ツジャプリシン、γ−ツジャプリシン、α−ツジャプリシノール、β−ツジャプリシノール、β−ドラブリン、ツジアシッド、ネズコン、メチルツジャータ等が含まれ、これら成分の中から選択される一種もしくは二種以上の精油が用いられる。この場合、採算性を考慮すれば、単一成分としての精油を用いるのではなく、中間分離物質として精製過程の途中で得られる、混合物としての精油を用いるとよい。 【0021】また、前記精油が、ヒノキチオールまたはヒノキチオールを含有するフェノール性精油である場合には、ヒノキチオールが炭素七員環骨格を備えるという構造上のユニークさから活発な研究が行われ、工業的に採油されて安定供給が可能であるため、利用価値が高い。なお、ヒノキチオールは、前記台湾ヒノキ、アスナロ、青森ヒバ、ニオイヒバに多量に含まれており、強力な抗菌作用を有することが知られている。 【0022】そして、前記天然乳化剤としてのレシチンは、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油を、水やアルコール含有水などの水系溶媒に過度に可溶化させず、適度に分散させる働きがある。よって、植物に付着された植物病害防除剤中の精油は、風雨を受けても、容易に流れ落ちたりせず、その植物の付着部位にて、効果的かつ持続的に残留することができる。この場合、レシチンは、大豆から得られるレシチン(以下、大豆レシチンと言う。)を用いるのが好ましい。大豆レシチンは、精油の水に対する分散性を良くするからである。 【0023】また、前記レシチンの代わりに、天然乳化剤としてのサポニンを用いても構わない。かかるサポニンとしては、例えば、大豆サポニンとかキラヤサポニンを用いるとよく、これら大豆サポニンとかキラヤサポニンは、低濃度で良好な気泡性および乳化性を呈する。特に、キラヤサポニンは、溶液に透明性を付与するとともに、乳化力も強いので好ましい。 【0024】そして、植物病害防除剤には、溶液安定性および保存性を高めるために木酢液が含有される。この木酢液は、単に溶液安定性等を高めるだけではなく、植物病害防除剤にとって有用な多くの機能を兼ね備えており、例えば、前記精油と相俟って害虫の発生を阻止する害虫忌避作用とか、土壌を肥沃にする土壌改良作用とか、植物の生育を促進させる植物生育促進作用とか、さらには、前記展着作用剤の機能を補助するような展着作用を備えている。ここで、木酢液が、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物を由来とする木材から得られる場合には、前記精油と同一系統の樹種から構成されることになるため、資源の有効利用が図れて好ましい。 【0025】また、植物病害防除剤には、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、もしくはトロロアオイのうちのいずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる、天然の乳化安定剤が含有されるので、製品保管中において、有効成分としての精油が結晶化して沈殿する、いわゆるケーキングを防止できる。 【0026】また、植物病害防除剤に、予めまたは別途添加される前記展着作用剤は、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とするので、前記木酢液で説明したのと同様に、前記精油と同一系統の樹種から得られることによる、資源の有効利用が図れるメリットがある。このように、展着作用剤や木酢液が、精油と同一系統の樹種から得られるということは、製品保管中に余計な化学反応が起きる可能性を極力低くすることができるという意義もある。なお、植物病害防除剤に含有される木酢液やレシチンや植物病害防除剤に混合される多孔性鉱物も、それぞれ、展着作用を少なからず有しているので、前記ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤は、その添加量が多くならないよう注意する必要がある。 【0027】また、植物病害防除剤に、予めまたは別途混合される前記多孔性鉱物は、ゼオライト(天然ゼオライト)、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせによって構成される。これら多孔性鉱物は、展着作用剤として機能する他、植物の生育に必要なミネラルを保持する陽イオン交換容量が大きく、土壌の保肥力を高めて団粒構造の形成に寄与するため、土壌改善作用が期待される。 【0028】このように、この発明に係る植物病害防除剤は、全て天然素材で構成されて生分解性が良好なため、周辺環境に対する環境汚染等の懸念を極めて少なくすることができ、動植物に悪影響を及ぼす虞も少ない。しかも、後述するように、ヒノキチオール等の精油とかレシチンとか木酢液は、溶液中に、それ程高い濃度で含有されず、低い濃度で有効に機能し得るので、仮に、これら天然素材の生分解性が悪くても、周辺環境に与える影響は少ない。 【0029】次に、この発明に係る植物病害防除剤の製造方法を、図面に基づいて説明する。始めに、前記ヒノキチオールと、前記大豆レシチンとを含有してなる主剤の製造方法を、図1に示す製造工程図に基づいて説明する。なお、ヒノキチオールの代わりに、ヒノキチオールを含有するフェノール性精油とかその他のヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油を用いてもよく、また、レシチンの代わりにサポニンを用いても構わない。 【0030】まず、ヒノキチオール1とアルコール(メタノールまたはエタノール)2とを等容量混合して、ヒノキチオール1が、アルコール2によって2倍に希釈された、ヒノキチオール希釈液3を作製する。次いで、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物を由来とする木材から得られる木酢液4を水5で希釈して、5%(V/V%)木酢希釈液6を作製し、さらに、この木酢希釈液6に、粉状の大豆レシチン7を、2%(W/W%)添加し、ミキサー等で攪拌混合して、木酢乳化液8を作製する。この木酢乳化液8の90容量部に、前記ヒノキチオール希釈液3の1+0容量部を、攪拌しながら少しずつ添加混合し、ヒノキチオール1が20倍に希釈された主剤原液9を作成する。その後、この主剤原液9を水5で約100倍に希釈して、ヒノキチオール1が2000倍に希釈された主剤10を作製する。そして、必要に応じて、前記グアーガム等の乳化安定剤を、0.05%(W/W%)添加した後、前記主剤10は、容器30内に保管される(図3参照)。 【0031】一方、この主剤10に添加される、副剤としてのヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤は、図2に示す製造工程図に従って製造される。すなわち、まず、粉状の大豆レシチン7を水5で乳化して、1%(W/W%)大豆レシチン乳化液11を作製する。そして、この1%(W/W%)大豆レシチン乳化液11の100重量部と、ヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイル12の10重量部とを、ホモジナイザー等によって乳化した後、必要に応じて、前記グアーガム等の乳化安定剤を、0.05%(W/W%)添加して、展着作用剤13を作製する。なお、主剤10および副剤としての展着作用剤13に含有される前記大豆レシチン7は、取り扱い性の良さから、粉状物を用いたが、液状物であっても構わない。 【0032】こうして、製造された展着作用剤13と主剤10とは、対象となる植物群に散布または塗布するに際し、主剤10の1000容量部に対して、展着作用剤13の10容量部を添加混合して用いる。 【0033】なお、前記植物病害防除剤の製造方法は、上記態様に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、ヒノキチオールとアルコール(メタノールまたはエタノール)とを混合して、10%(V/V%)ヒノキチオール希釈液を作製するとともに、粉状の大豆レシチンを水で乳化して、0.5%(W/W%)大豆レシチン乳化液を作製する。そして、前記0.5%(W/W%)大豆レシチン乳化液の990容量部に、前記10%(V/V%)ヒノキチオール希釈液の10容量部を、攪拌しながら少しずつ添加混合し、ヒノキチオールが1000倍に希釈された主剤を作製する。 【0034】上記製造方法で示すように、この発明に係る植物病害防除剤は、少なくとも、ヒノキチオール等のヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、大豆レシチン等のレシチンまたはサポニンとから構成される主剤を含有していればよく、前記木酢液や前記乳化安定剤は、使用目的および使用状況等に応じて適宜含有される任意的要素であって、含有されなくてもよい。もちろん、副剤としての前記展着作用剤やゼオライト等の多孔性鉱物が添加または混合されるか否かも、任意である。 【0035】ところで、前記多孔性鉱物は、例えば、天然ゼオライトを、摂氏200度以下の条件で、10%以下の水分含量となるまで熱風乾燥し、その後、100メッシュの篩別を行って調製する。この副剤としての多孔性鉱物は、主剤に予めまたは別途混合されてもよいが、植物病害防除方法として、以下の使用態様で用いるのが好ましい。 【0036】すなわち、この発明に係る植物病害防除方法は、まず、対象となる植物群に、ゼオライト、モンモリロライト、ベントナイト、バーミキュライト、もしくは珪藻土のうちの、いずれか一種または二種以上の組み合わせよりなる、副剤としての多孔性鉱物を散布または塗布する。このとき、植物の病害損傷部には、多めに散布または塗布するとよく、例えば、前記病害損傷部でない周辺部の2倍容量以上を散布または塗布する。次いで、前記ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油と、レシチンまたはサポニンとを含有してなる主剤を散布または塗布する。この主剤は、前記ヒノキチオールが2000倍に希釈された主剤であってもよいし、また、前記ヒノキチオールが1000倍に希釈された主剤であってもよい。さらに、主剤には、前記副剤としてのヒノキ油、ヒバ油、またはレッドシーダーオイルを有効成分とする展着作用剤が添加されていても構わない。なお、かかる作業は、雨天や雨上がり直後は、ロスが大きいので避けるのが望ましく、およそ一日一回の頻度で、全部で三回程度行うとよい。 【0037】こうして、対象となる植物群に、予め副剤としての前記多孔性鉱物を散布または塗布して置くことにより、後に散布または塗布される主剤は、植物の付着部位に付着し易くなる。 【0038】 【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る植物病害防除剤および植物病害防除方法によれば、次の効果がある。 【0039】請求項1に記載された植物病害防除剤によれば、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油の作用によって芝生等の植物から病害を防除することができる。また、天然素材で構成されているので、生分解性が良好となり、周辺環境に対する環境汚染等の懸念を極めて少なくすることができる。さらに、ヒノキ科植物またはビャクシン科植物から得られる精油は、レシチンまたはサポニンの作用により、植物の付着部位から容易に流れ落ちたりせず、その付着部位に、効果的かつ持続的に残留することができる。 【0040】請求項2に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、精油の安定供給が可能である。 【0041】請求項3に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、精油の水に対する分散性を良くする。 【0042】請求項4に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、溶液安定性および保存性が高まるとともに、植物病害防除剤にとって有用な種々の効果が奏される。 【0043】請求項5に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、木酢液と精油とが、同一系統の樹種から得られるので、資源の有効利用が図れる。 【0044】請求項6に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、精油が結晶化して沈殿するのを防止できる。 【0045】請求項7に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、展着作用剤と精油とが、同一系統の樹種から得られるので、資源の有効利用が図れる。 【0046】請求項8に記載された植物病害防除剤によれば、加えて、展着効果が奏される。 【0047】請求項9に記載された植物病害防除方法によれば、加えて、主剤が、植物に付着し易くなる。 【0048】請求項10に記載された植物病害防除方法によれば、加えて、安定供給が可能な精油を用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501003652 【氏名又は名称】株式会社ユタカファーマシー
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| 【出願日】 |
平成13年2月23日(2001.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079968 【弁理士】 【氏名又は名称】廣瀬 光司
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| 【公開番号】 |
特開2002−255717(P2002−255717A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−48836(P2001−48836) |
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