| 【発明の名称】 |
ジアセトンアルコールを有効成分とする作物発芽抑制剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 忠弘
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| 【要約】 |
【課題】安全安価で作物発芽抑制効果に優れ、簡単に製造でき、容易に入手可能で、安定供給できる作物発芽抑制剤を提供する。
【解決手段】式1のジアセトンアルコールをそのまま、あるいはこれを含有してなる作物発芽抑制剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジアセトンアルコール【化1】をそのまま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする作物発芽抑制剤。 【化1】
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ジアセトンアルコール【化1】をそのまま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする安全で農業分野で広く使用可能な作物発芽抑制剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ジアセトンアルコール【化1】は、塗料(アクリル系、エポキシ系、ラッカーなど)の溶剤、グラビアインキの溶剤、接着剤の溶剤、殺虫剤や殺菌剤の溶剤、写真フィルムの製造、等に広く用いられている汎用有機薬品である。 【0003】ジアセトンアルコール【化1】の植物成長調節作用に関する報告を以下に示す。Fiziol.Rast.(Sofia)(1982)には、藻類あるいは高等植物から単離されたジアセトンアルコールに、コムギ子葉鞘の成長調節作用が記載されている。 【0004】しかしながら、ジアセトンアルコール【化1】の発芽阻害あるいは除草活性など農業利用に関する試験や報告もない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】世界人口の爆発的な増加にともない、より安定的な食糧確保が望まれている。しかしながら、穀物の収穫前に芽が出てしまう穂発芽による被害は、古くから認められてきており、特にイネ、ムギの穂発芽が起こると食糧として利用できず、減収となることから、農業上大きな問題となっている。耐穂発芽性に優れた品種改良も盛んに行われているが、その効果は十分ではない。そこで、人体にとって安全で安価で、しかも作物発芽抑制効果に優れ、簡単に製造でき、安定して供給できる作物発芽抑制剤の開発が望まれている。 【0006】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、容易に入手可能で、安価に得られ、しかも、安全性が実証されている有機薬品に着目し、鋭意研究を重ねた。その結果、ジアセトンアルコール【化1】に顕著な作物発芽抑制効果のあることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0007】従来、ジアセトンアルコール【化1】は有機薬品従来は塗料(アクリル系、エポキシ系、ラッカーなど)の溶剤、グラビアインキの溶剤、接着剤の溶剤、殺虫剤や殺菌剤の溶剤、写真フィルムの製造の原料としかみられておらず、ジアセトンアルコール【化1】を作物発芽抑制剤に使用するなどいう考えはなかった。本発明は、汎用有機薬品であるジアセトンアルコール【化1】を用いることを特徴とする安全で農業分野で広く使用可能な作物発芽抑制剤に関するものである。 【0008】ジアセトンアルコール【化1】は、上述のように有機薬品として広く使用されており、その安全性はすでに確かめられているものである。 【0009】すなわち、本発明は、ジアセトンアルコール【化1】をそのまま、あるいはこれを含有してなることを特徴とする作物発芽抑制剤であって、簡単入手でき、安価に、しかも安全に上記の効果を示す非常に優れた作物発芽抑制剤を得ることができる。 【0010】 【実施例】本発明品【化1】の作物発芽抑制効果試験について、以下に記載する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の試験例に限定されるものではない。 【0011】コムギ種子発芽阻害試験操作法ペトリ皿(直径60x15mm)に2枚重ねたろ紙(No.2)を敷き、所定濃度のサンプル水溶液4mlを加え、その上にコムギ種子(品種:RL4137)20粒を置いた。15℃で蛍光灯下4日間放置し、発芽および発根したコムギ種子数を数えた。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。 【0012】イネ種子発芽阻害試験操作法ペトリ皿(直径60x15mm)に2枚重ねたろ紙(No.2)を敷き、所定濃度のサンプル水溶液4mlを加え、その上にイネ種子(品種:ハエヌキ)20粒を置いた。25℃で暗黒下3日間放置し、発芽および発根したイネ種子数を数えた。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。 【0013】種子発芽率および発根率発芽率および発根率は以下の計算式で求めた。 【式1】発芽率=100x(サンプル溶液中の発芽種子数)/(コントロール条件の発芽種子数) 【式2】発根率=100x(サンプル溶液中の発根種子数)/(コントロール条件の発根種子数) 【0014】コムギ種子発芽阻害試験(1) 【表1】
【0015】イネ種子発芽阻害試験(2) 【表2】
【0016】コムギ穂発芽抑制効果試験(3) 【化1】を500ppmの水溶液に調製し、その中にコムギの穂(品種:ホクシン)を室温で24時間浸した。風乾後、高湿度条件下に4日間保ち、穂発芽度を調査した。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。その結果、本試験化合物【化1】は、コムギの種子発芽を完全に抑制した。 【0017】製剤品のコムギ発芽抑制効果試験(4) 【化1】を製剤例2の如き水和剤(濃度500ppmの水溶液)に調製し、その中にコムギ種子(品種:ホクシン)を室温下24時間浸した。風乾後、高湿度条件下に4日間保ち、種子発芽度を調査した。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。その結果、本試験化合物【化1】の水和剤は、コムギの種子発芽を完全に抑制した。 【0018】製剤品のコムギ穂発芽抑制効果試験(5) 【化1】を製剤例2の如き水和剤(濃度500ppmの水溶液)に調製し、その中にコムギの穂(品種:ホクシン)を,室温下24時間浸した。風乾後、高湿度条件下に4日間保ち、穂発芽度を調査した。比較のため、サンプルの代わりに蒸留水を用いて同様に行いコントロールとした。その結果、本試験化合物【化1】の水和剤は、コムギの穂発芽を完全に抑制した。 【0019】以上のように、【化1】は顕著な種子発芽抑制効果および穂発芽抑制効果があることがわかった。 【0020】ジアセトンアルコール【化1】は、イネやムギ類に対する優れた種子発芽抑制剤として使用できるだけでなく、他の作物、例えば、バレイショのようないも類、タマネギ、ニンニクのような鱗茎類、トウモロコシのような雑穀類、など、広く作物の発芽抑制剤として利用できる。 【0021】ジアセトンアルコール【化1】を作物発芽抑制剤の有効成分として用いる場合は、そのまま使用してもよいが、通常は固体担体、液体担体、ガス状担体等と混合し、必要あれば界面活性剤、分散剤、その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤等に製剤して使用する。これらの製剤には、有効成分として本発明化合物を通常、重量比で0.01%〜95%含有する。 【0022】製剤補助剤として使用する坦体、希釈剤、界面活性剤を例示する。固体坦体として、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレーなど。 【0023】液体希釈剤として、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アルコールなど。 【0024】界面活性剤は、その効果により使い分けるのがよく、乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなど。分散剤として、リグニンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩など、湿潤剤として、アルキルスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩などを、あげることができる。 【0025】上記製剤には、そのまま使用するものと水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがある。希釈して使用する時の本発明化合物の濃度は0.01〜1.0%の範囲が望ましい。また、本発明化合物の使用量は畑、田、果樹園、温室などの農園芸地1haあたり、10〜5000g、より好ましくは50〜1000gである。 【0026】これらの使用濃度及び使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所、対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することは勿論可能である。 【0027】さらに、本発明化合物は他の有効成分、例えば、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植調剤、殺ダニ剤などと組み合わせて使用することもできる。 【0028】ジアセトンアルコール【化1】は、汎用有機薬品であり、今までの用途はほとんどが、塗料(アクリル系、エポキシ系、ラッカーなど)の溶剤、グラビアインキの溶剤、接着剤の溶剤、殺虫剤や殺菌剤の溶剤、写真フィルムの製造の原料としてしか考えられていなかったものである。本発明品【化1】のような作物発芽抑制効果に優れたものが簡単に入手可能で、安価に得られることは、従来考えられなかったジアセトンアルコール【化1】の新しい利用用途を開発したものである。 【0029】以下、製剤例を示す。 なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の製剤例に限定されるものではない。 【0030】 製剤例1 :粉剤 重量部 【化1】 3 クレ− 40 タルク 57を粉砕混合し,散粉として使用する. 【0031】 製剤例2 :水和剤 重量部 【化2】 50 リグニンスルホン酸塩 5 アルキルスルホン酸塩 3 珪藻土 42を粉砕混合して水和剤とし,水で希釈して使用する. 【0032】 製剤例3 :粒剤 重量部 【化3】 5 ベントナイト 43 クレ− 45 リグニンスルホン酸塩 7を均一に混合し更に水を加えて練り合わせ,押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする. 【0033】 製剤例4:乳剤 重量部 【化1】 20 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3 キシレン 67を均一に混合溶解して乳剤とする. 【0034】 【発明の効果】ジアセトンアルコール【化1】は、イネやムギ類に対する優れた種子発芽抑制剤として使用できるだけでなく、様々な作物の発芽抑制剤として利用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501127567 【氏名又は名称】加藤 忠弘
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| 【出願日】 |
平成13年2月23日(2001.2.23) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−255708(P2002−255708A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−97357(P2001−97357) |
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