| 【発明の名称】 |
植物成長調節剤の薬害軽減方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松田 保彦
【氏名】森田 哲郎
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| 【要約】 |
【課題】植物成長調節剤として公知の2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドの栽培植物に対する望ましくない害作用を軽減ないしは回避すること。
【解決手段】2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドと亜リン酸又はその塩とを、同時に又は近接して処理することを特徴とする2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドの薬害軽減方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドと亜リン酸又はその塩とを、同時に又は近接して処理することを特徴とする2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドの薬害軽減方法。 【請求項2】亜リン酸又はその塩が亜リン酸である、請求項1に記載の薬害軽減方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は植物成長調節剤として公知の2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリドの栽培植物に対する望ましくない害作用を軽減ないしは回避する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】2−クロロエチルトリメチルアンモニウム・クロリド(以下クロルメコートと略す)は、ペスティサイド・マニュアル The Pesticide Manual Eleventh Edition 220〜222に記載の公知の植物成長調節剤であり、クロルメコート・クロリドとも呼ばれる。 【0003】クロルメコートは小麦、馬鈴薯、トマト、綿、こしょうなどの畑作物や、ハイビスカス、ツツジ、カーネーション、キョウチクトウ、ノボタン、ゼラニウム、ベゴニア、ポインセチア、ムクゲなどの観賞用植物に対する生育調節剤として、主に茎の伸長を抑制し、不良環境に対する抵抗力を強める目的で使用されている。使用方法としては土壌潅注により根から吸収させる方法と、茎葉散布によって茎葉部から吸収させる方法があるが、茎葉散布をした場合において、植物の種類、植物体の生育前歴、散布前後の気象条件、ほかの除草剤や殺虫剤、殺菌剤との混用或いは散布濃度により被散布葉にクロロシスを生じることがあり、散布に当たっては細心の注意を払うことが要求されている。(参考文献:北海道農務部編「農作物病害虫防除基準.除草剤使用基準.植物生育調節剤使用基準」平成2年度版) 一方、亜リン酸及びその塩が、植物病害防除活性を示すこと(特公昭56−41603号公報)及び肥料効果があること(米国特許5514200公報)は公知である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、クロルメコートを植物生育調節剤として使用するに当たっては、作物にクロロシスを生じないよう細心の注意を払うことが必要であるが、クロロシスの発現に関与する諸々の要因が十分に解明されているわけではなく、また不適当な条件下でやむを得ず散布する場合もあって、クロロシスを生じる例が見受けられる。 【0005】また、茎の伸長を抑制する必要性が高いけれどもクロロシスが生じやすいためにクロルメコートを使用することが難しい栽培植物〔例えばトロロアオイ、百日草など〕もあり、クロロシスを回避しながらなおかつ安定した高い効果をあげる方法の開発が待望されていた。 【0006】更に、小麦や馬鈴薯などの様に、病害の被害を受けやすいために殺菌剤の使用回数の多い作物においては栽培管理作業の省力化を図る上で、クロルメコートと殺菌剤との混合使用を求められるがクロルメコートは薬害回避対策の必要性から他剤との混用は不可とされている。茎の伸長を抑制すると同時に病害防除が可能な薬剤や方法の開発が待望されていた。 【0007】本発明者等は、植物病害防除活性を有しておりその混用による薬害の発生が危惧されたにも関わらず、亜リン酸又はその塩が上記の課題を解決する上で有用であり、これら亜リン酸又はその塩とクロルメコートとを一定の割合で配合して、同時に又は近接して連続的に使用することによって、本来の植物生育調節作用を損なうことなく、クロロシスの発生を軽減ないしは回避すると共に、ある種の病害に対して防除効果を有することから栽培管理上の省力効果が得られることを見出し本発明を完成させた。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、クロルメコートと亜リン酸又はその塩とを、同時に又は近接して処理することを特徴とするクロルメコートの薬害軽減方法である。 【0009】本発明の亜リン酸又はその塩は、例えば、亜リン酸又はその、カリウム塩、ナトリウム塩のようなアルカリ金属塩若しくはカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩であり、好適には、亜リン酸又はそのカリウム塩若しくはカルシウム塩であり、より好適には、亜リン酸である。 【0010】 【発明の実施の形態】これら亜リン酸又はその塩をクロルメコートの作物に対する薬害の軽減を目的として使用するに当たっては、以下に述べるように、種々の方法や技術を用いることが可能である。すなわち(1)クロルメコートと亜リン酸又はその塩とを所定の割合で混合し、更に必要に応じて農薬補助剤を加えて、農薬製造分野において通常、一般に行われている方法により水和剤、液剤、フロアブル剤、乳剤などに製剤したものを使用する方法。 (2)クロルメコートを作物に対して散布する際に、クロルメコート散布液に亜リン酸又はその塩を同時混合した混合希釈液として使用する方法。 (3)クロルメコートを作物に対して散布する数日前又は数日後或は当日であっても異なる時刻に、亜リン酸又はその塩を、単独で又はほかの農業用薬剤や液体肥料などと混合した希釈液として使用する方法。なおこの場合の散布間隔は1〜3日とすることが好ましい。 【0011】本発明による亜リン酸又はその塩の投下薬量は、亜リン酸として、通常、2.5〜100g/アールであり、好適には、7.5〜30g/アールであり、クロルメコートとの混合比率は、質量比で、通常、1対10ないし10対1であり、好適には、1対3ないし3対1である。投下薬量は作物の種類や作物の生育ステージ、散布水量、散布間隔、天候等により可変である。 【0012】以下に、実施例で亜リン酸の優れた薬害軽減効果を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお亜リン酸とクロルメコートの処理量はすべてアールあたりの投下薬量(g)で表してある。 【0013】 【実施例】 【0014】 【実施例1】秋播小麦への適用圃場において前年9月24日に播種した秋播小麦(品種名:ホクシン)を止葉期まで生育させ、6月1日に、亜リン酸(薬剤P)とクロルメコート(薬剤C)を単独又は所定の比率で混合して散布液を調製し、10リットル/アールの散布液を小麦の茎葉部に散布した。15日後に下記の等級に従い薬害(クロロシス発生)の程度を評価した。更に散布45日後に小麦の草丈を測定し、薬剤無処理の植物の草丈に対する割合を計算し、伸長抑制効果を評価した。結果を表1に示す。 薬害程度の等級0:無害2:微かな薬害4:小程度の薬害6:中程度の薬害8:激しい薬害10:完全枯死【0015】 【表1】 秋播小麦への適用─────────────────────────── 処理薬量(g/a) 薬害程度 伸長抑制効果───────── (0〜10) (%)薬剤P 薬剤C───────────────────────────24 23 1 9312 23 2 91─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─24 0 0 10012 0 0 101 0 23 6 92 0 0 0 100 (87.9cm)───────────────────────────【0016】 【試験例2】馬鈴薯への適用圃場において4月30日に植え付けた馬鈴薯(品種:男爵)の開花期(7月2日)に、亜リン酸(薬剤P)とクロルメコート(薬剤C)を単独又は所定の比率で混合して散布液を調製し、10リットル/アールの散布液を馬鈴薯に茎葉散布し、9日後に試験1の等級に従い薬害(クロロシス発生)の程度を評価した。さらに散布9日後と19日後に疫病の発病度を調査した。発病度は下記式に従って算出した。結果を表2に記す。 【0017】 【数1】発病度=(Σ発病指数×当該株数/4×調査株数)×100(%) なお、発病指数は下記の基準に従う。 発病指数0:病斑なし1:1/4程度の葉が発病2:ほぼ半数の葉が発病、時には一部の葉が枯死3:ほとんどの葉が発病し枯死葉多数4:葉はほとんど枯死、時には茎も枯死【0018】 【表2】 馬鈴薯への適用────────────────────────────── 処理薬量(g/a) 薬害程度 発病度───────── (0〜10) ─────────薬剤P 薬剤C 9日後 19日後──────────────────────────────15 18.4 0 0 4 7.5 18.4 1 4 15─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─15 0 0 1 11 7.5 0 0 4 17 0 18.4 4 16 50 0 0 0 18 55──────────────────────────────【0019】 【発明の効果】本発明は植物成長調節剤であるクロルメコートの本来の成長調節作用を損なうことなく、作物に対する潜在的な薬害(クロロシス)発生のおそれを回避することを可能にするものであり、以下のような効果を奏する。 【0020】高温、強光、多照、などのクロロシスを生じやすい気象条件下での使用が可能となった。 【0021】クロロシスを生じやすい栽培植物に対してもクロルメコートを使用できるようになり、クロルメコートの適用範囲を拡大することが可能となった。 【0022】従来から使用されている栽培植物に対しては、投下薬量を増加させることが可能となり、成長調整効果の安定性が高まった。 【0023】クロルメコートは薬害回避対策の必要性から他剤との混用は不可とされており、別途殺菌剤等の散布作業を必要としたが、植物病害防除活性を有する亜リン酸との混用により病害防除効果が得られるため、散布回数の削減が可能となり、栽培管理作業の省力化が得られた。 【0024】亜リン酸の肥効によって、植物成長調節効果と同時に成長促進効果、品質向上効果、増収効果を期待することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001856 【氏名又は名称】三共株式会社 【識別番号】391011076 【氏名又は名称】北海三共株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月5日(2001.3.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081400 【弁理士】 【氏名又は名称】大野 彰夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−255704(P2002−255704A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−60365(P2001−60365) |
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