トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 農園芸用殺虫剤
【発明者】 【氏名】本郷 智明

【氏名】西牟田 耕一

【要約】 【課題】クロロニコチニル系殺虫化合物を主剤とし改良を加えることで、従来、殺虫効果の及ばなかった害虫特に潜孔性害虫に対しても非常に高い防除効果を示すとともに、その有効成分量が少なくても高い防除効果が得られ、低コスト化された殺虫剤及び殺虫方法を提供することを目的とする。

【解決手段】特定のクロロニコチニル系殺虫化合物と少なくとも有機燐系殺虫化合物とを有効成分として成ることを特徴とする殺虫剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (1)式に示すクロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物とを含有することを特徴とする農園芸用殺虫剤。
【化1】

(但し、X2は、=N−NO2、=N−CN、又は=CH−NO2を示し、R1は、水素、メチル基、又はエチル基を示し、R2は、メチル基、又はメチルアミノ基を示し、R1−N−C−R2が5員環、又は6員環を形成していても良い。)
【請求項2】 前記クロロニコチニル系殺虫化合物の有効濃度が50〜200ppmであり、前記有機燐系殺虫化合物の有効濃度が125〜500ppmである前記請求項1に記載の農園芸用殺虫剤。
【請求項3】 潜孔性害虫用である前記請求項1又は2に記載の農園芸用殺虫剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、農園芸用殺虫剤に関し、さらに詳しくは特定のクロロニコチニル系殺虫化合物に一種類以上の有機燐系殺虫化合物を組み合わせることで、特に潜孔性害虫に対して極めて高い防除効果を示す農園芸用殺虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】農園芸分野において、病害虫から作物を守る一手段として害虫防除剤の使用が挙げられる。しかし、害虫防除剤ごとに防除し得る病害虫の種類が異なるので、作物が収穫されるまでの間に、複数の害虫防除剤が大量に使用されている。このような現状をうけ、農薬コストの低減、及び環境問題に伴う農薬散布薬量の低減が求められおり、これを解決するための手段として、さまざまな試みがなされている。そのひとつの手段として、幅広い種類の病害虫を防除することができ、しかも低薬量で十分な防除効果を有する農薬の開発がある。最近はこのようなことを視野に入れ、絶えず数多くの有機化合物が合成され、実用化されている。しかしながら、単独成分を有効成分とする薬剤では、防除対象となる害虫の種類又はその防除効果に限界があり、単独成分に一種類又はそれ以上の他の化合物を混合した混合薬剤が数多く上市されている。
【0003】このような中、クロロニコチニル系殺虫化合物は、近年新しく開発された殺虫剤の有効成分であり、その特長は、植物体内へ速やかに浸透移行し、外部から食害を及ぼす害虫を効率的に防除できることにある。
【0004】しかし、植物体内へ入り込んで加害する潜孔性害虫に対しては殺虫活性が弱く、防除効果があまり期待できない。現在、クロロニコチニル系化合物と他の化合物との混合薬剤について種々検討されてはいるものの、いずれも水稲分野を対象とした殺菌剤との混合剤で、単に相加的な効果を狙ったものであり、潜孔性害虫に対し相乗的に防除効果が増大するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情からなされた発明であり、クロロニコチニル系殺虫化合物を主剤として改良を加えることで、従来、殺虫効果の及ばなかった潜孔性害虫に対しても非常に高い防除効果を示すとともに、その有効成分量が少なくても高い防除効果が得られ、低コスト化された農園芸用の殺虫剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し、潜孔性害虫に対し殺虫活性が弱いクロロニコチニル系殺虫化合物に、同様に潜孔性害虫に対し殺虫活性が弱い有機燐系殺虫化合物を組み合わせたところ、予想しなかった程非常に高い相乗効果が得られ、その結果、この混合剤が潜孔性害虫に対して高い殺虫作用を示すことを見い出した。
【0007】前記課題を解決するための本発明の手段は、(1)式で示されるクロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物とを含有することを特徴とする農園芸用殺虫剤であり、【0008】
【化2】

ここで、X2は、=N−NO2、=N−CN、又は=CH−NO2を示し、R1は、水素、メチル基、又はエチル基を示し、R2は、メチル基、又はメチルアミノ基を示し、上記式におけるR1−N−C−R2が5員環、又は6員環を形成していても良い。
【0009】本発明の好適な態様においては、前記クロロニコチニル系殺虫化合物の有効濃度が50〜200ppmであり、前記有機燐系殺虫化合物の有効濃度が125〜500ppmであり、この農園芸用殺虫剤は潜孔性害虫駆除に特に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の殺虫剤は、特定のクロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物とを有効成分として含有する。
【0011】また、本発明における特定のクロロニコチニル系殺虫化合物は、(1)式に示す基本構造を有することにより構造的特徴を備え、有機燐系殺虫化合物と組み合わせることにより、植物の葉への浸透作用が各成分の総和以上に高まって潜孔性害虫に対する優れた殺虫性が発揮される。
【0012】
【化3】

【0013】ここで、X2は、=N−NO2、=N−CN、又は=CH−NO2を示し、R1は、水素、メチル基、又はエチル基を示し、R2は、メチル基、又はメチルアミノ基を示し、上記式におけるR1−N−C−R2が5員環、又は6員環を形成していても良い。
【0014】前記(1)式で示される特定のクロロニコチニル系殺虫化合物の中でも、例えば、(2)式で示されるジノテフランが好適である。
【0015】
【化4】

【0016】この発明においては、有機燐系殺虫化合物として、たとえば、その化学構造から分類されるところの、たとえばCYAP、MPP、MEP、ピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、ECP、キナルホス、及びクロルピリホス(別名ダーズバン)を始めとするチオノ型有機燐系殺虫化合物、マラソン、PAP、PMP、DMTP、エチオン、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、及びエチルチオメトンと始めとするジチオ型有機燐系殺虫化合物、プロチオホス、プロフェノホス、ピラクロホス、及びスルプロホスを始めとする非対称のリン酸エステル型有機燐系殺虫化合物、DDVP、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、モノクロトホス、及びプロパホスを始めとするホスフェート型有機燐系殺虫化合物、DEP、及びEPNを始めとするホスホネート型有機燐系殺虫化合物、ESP、及びバミドチオンを始めとするチオール型有機燐系殺虫化合物、たとえばアセフェートを始めとするアミデート型有機燐系殺虫化合物、並びに、たとえばイソフェンホスを始めとするアミドリン酸型有機燐系殺虫化合物を挙げることができる。なお、これらの化合物は、社団法人日本植物防疫協会発行の農業ハンドブック1998年版に一般名として記載されている。
【0017】有機燐系殺虫化合物の好適な例としては、たとえば、チオノ型有機燐系殺虫化合物を挙げることができ、特に好適な例として、MEP、ダイアジノン、クロルピリホス、CYAP、MPP、ピリミホスメチル及びクロルピリホスメチルより成る群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。
【0018】本発明に係る農園芸用殺虫剤の有効成分における前記クロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物との配合割合は、殺虫剤の剤形、用途等に応じて広範囲に変化させることができる。通常、クロロニコチニル系殺虫化合物:有機燐系殺虫化合物が5:95〜95:5(重量比、質量比)の範囲であることが好ましい。さらに、前記有効成分中に、有機燐系殺虫化合物以外の殺虫化合物を配合させることもできる。
【0019】前記農園芸用殺虫剤は、形態上の特に制限はなく、粉剤、顆粒剤、乳剤、油剤、水和剤、水溶剤、懸濁性剤、ゾル剤、及びフロアブル剤等の形態にすることができる。本発明に係る農園芸用殺虫剤におけるクロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物との合計含有濃度は、いずれも1〜70質量%(重量%)の範囲とすることができる。
【0020】この農園芸用殺虫剤は、前記各種の形態を採用することにより、固形の製剤とし、あるいは液状の製剤とし、また、噴霧状の製剤とすることもできる。
【0021】この農園芸用殺虫剤を固形の製剤にするときには、クロロニコチニル系殺虫化合物及び有機燐系殺虫化合物を適当な担体に担持するのがよい。その担体には、補助剤を共に担持させてもよい。
【0022】固体担体としては、ベントナイト、タルク、クレー、カオリン、モンモリロナイト、珪藻土、炭酸カルシウム、硫安、雲母、珪砂、及び尿素を含む鉱物質粉末、大豆粉、小麦粉、木粉、タバコ粉、澱粉、及び結晶セルロースを含む植物質粉末、アルミナ、珪酸塩、糖重合体、高分散性珪酸、並びに各種のワックスが挙げられる。
【0023】前記補助剤としては、たとえば界面活性剤、分散剤、及び固着剤を挙げることができる。
【0024】この農園芸用殺虫剤を液状の製剤にするときには、溶剤に前記クロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物とを溶解し、又は分散する。
【0025】そのような溶剤としては、例えば、水、キシレン、トルエン、ベンゼン、クメン、エチルナフタレン、及びジメチルナフタレンを含む芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロメチレン、クロロエチレン、4塩化炭素、クロロホルム、トリクロロフルオロメタン、及びジクロロフルオロメタンを含む塩素化炭化水素、ベンジン、シクロヘキサン、及びヘキサンを含む脂肪族又は脂環式炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、ブタノール、エチレングリコール、及びベンジルアルコールを含むアルコール、アセトン、メチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノンを含むケトン、エチルエーテル、エチレンオキシド、ジオキサン、及びテトラヒドロフランを含むエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセテート、及び酢酸アミルを含むエステル、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びアクリロニトリルを含むニトリル、ジメチルスルホキシドを含むスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びエチレングリコールモノエチルエーテルを含むアルコールエーテル、石油エーテル、及びソルベントナフサを含む工業用ガソリン、並びに各種のパラフィン、灯油、及び軽油を含む石油溜分が挙げられる。
【0026】また、本発明に係る農園芸用殺虫剤には、他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、及び動物用飼料等が含まれていてもよい。これにより、適用病害虫、使用方法、使用時期等の適用範囲の拡大を図ることができる。また、これらを配合せずに併用することもできる。
【0027】本発明に係る農園芸用殺虫剤の使用は、害虫あるいは害虫が生息する場所に例えば直接、又は噴霧器等の器具を用いて散布、噴霧、散粉、散粒、燻蒸等の方法により行うことができる。
【0028】本発明に係る農園芸用殺虫剤に適用される害虫、特に潜孔性害虫としては、マメハモグリバエ(Liriomyza trifoliiBurgess)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella Linne )、ミカンハモグリガ(Phylloenistis citrella Stainton )、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella Matsumura )、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus Bates grape borer)等をはじめナシチビガ(Bucculatrix pyrivorella Kuroko) 、ギンモンハモグリガ(Lyonetiacter ringoneella Matsumura)、ブドウハモグリガ(Phyllocnistis toparca Meyrick)、ムギクロハモグリバエ(Agromyza albipennis Meigen)、カンバハモグリバエ(Agromyza betulae Sasakawa)、クワハモグリバエ(Agromyza morivora Sasakawa et Fukuhara)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae Munakawa)、バラハモグリバエ(Agromyza spiraeae Kaltenbach)、フジハモグリバエ(Agromyza wistariae Sasakawa)、ヤノハモグリバエ(Agromyza yanonis Matsumura)、ムギキイロハモグリバエ(Cerodontha denticornis Panzer)、アヤメハモグリバエ(Cerodontha iraeos Robineau-Desvoidy)、ヒメアヤメハモグリバエ(Cerodontha iridicola Koizumi)、ムギキベリハモグリバエ(Cerodontha lateralis Macquart)、イエハモグリバエ(Cerodontha luctuosa Meigen)、オカザキハモグリバエ(Cerodontha okazakii Matsumura)、フジタハモグリバエ(Hexomyza webstri Malloch)、アラカシハモグリバエ(Japanagromyza quercus Sasakawa)、ダイズクロハモグリバエ(Japanagromyza tristella Thomson)、アブラナハモグリバエ(Liriomyza brassicae Riley)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae Kaltenbach)、アサハモグリバエ(Liriomyza cannabis Hendel)、ナギハモグリバエ(Liriomyza chinensis Kate)、ニッポンネギハモグリバエ(Liriomyza nipponallia Sasakawa)、ダイズメモグリバエ(Melanagromyza koizumii Kate)、ダイズクキモグリバエ(Melanagromyza sojae Zehntner)、シュンランクキモグリバエ(Melanagromyza tokunagai Sasakawa)、ニセインゲンモグリバエ(Ophiomya centrosematis Sasakawa)、ゴボウネモグリバエ(Ophiomya lappivora Koizumi)、インゲンモグリバエ(Ophiomya phaseoli Tryon)、ダイズネモグリバエ(Ophiomya Shibatsujii Kate)、ヤナギハモグリバエ(Paraphytomyza populi Kaltenbach)、キクハモグリバエ(Paraphytomyza albicepsMeigen)、リンドウハモグリバエ(Paraphytomyza gentianae Hendel)、ナモグリバエ(Paraphytomyza holticola Goureau)、ゴボウハモグリバエ(Paraphytomyzalappae Robineau-Desvoidy)、ムギスジハモグリバエ(Paraphytomyza nigra Meigen)、及びチャノハモグリバエ(Tropicomyia theae Cotes)等を挙げることができる。
【0029】また、本発明に係る農園芸用殺虫剤は、前記のとおりのクロロニコチニル系殺虫化合物と有機燐系殺虫化合物とを含有する製剤を散布し、あるいは、クロロニコチニル系殺虫化合物を有効成分とする単剤と、有機燐系殺虫化合物を有効成分とする単剤とを使用時に混合して使用することもできる。
【0030】本発明に係る農園芸用殺虫剤は、クロロニコチニル系殺虫剤の有効成分濃度が50〜200ppm、有機燐系殺虫剤の有効成分濃度が125〜1000ppmになるように散布されることが望ましい。有効成分濃度が上記濃度より低いと潜孔性害虫に対する殺虫効果が低く、有効成分濃度が上記濃度より高いと、コストの問題及び薬害等の発生が懸念される。
【0031】
【実施例】次に述べる試験例により、本発明を説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の内容に制約されるものではない。
(実施例1)(マメハモグリバエ幼虫の殺虫試験)
(薬剤の調製)クロロニコチニル系殺虫化合物としてジノテフランを用い、有機燐系殺虫化合物としてMEPを用いて製剤化し、それぞれが表1に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調製し、試料1〜9とした。また、ジノテフラン、MEPそれぞれ単独で表1に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料1〜6とした。
【0032】(殺虫試験)マメハモグリバエ幼虫が寄生しているインゲン(品種:ながうずらインゲン)に各試料1〜9、比較試料1〜6をそれぞれ十分量散布した。散布3日後における幼虫の生存虫数と死亡虫数を目視により調査し、下記に記載した式1により死亡虫率を求め、その結果を表1に示した。尚、同じ試験を3回繰り返し行い、その死亡虫率の平均値を求めた。また、比較例7として、無散布で3日経過後における死亡虫率も求めた。なお、死亡虫率の算出は、以下の計算式を用いた。

【0033】
【表1】

【0034】(実施例2)(モモハモグリガ幼虫の殺虫試験)
(薬剤の調製)クロロニコチニル系殺虫化合物としてジノテフランを用い、有機燐系殺虫化合物としてMEPを用いて製剤化し、それぞれが表2に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調製し、試料10〜18とした。また、ジノテフラン、MEPそれぞれ単独で表2に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料9〜14とした。
【0035】(殺虫試験)調整した各試料10〜18、及び比較試料9〜14のそれぞれの薬液500mlにモモハモグリガ幼虫が寄生しているモモ葉(品種名:あかつき)10葉を浸漬した。処理2日後に実体顕微鏡を用いて、幼虫の生存虫数と死亡虫数を調査し、実施例1と同様に死亡虫率を求め、その結果を表2に示した。また、比較例15として、無散布の場合の死亡虫率も求めた。
【0036】
【表2】

【0037】(実施例3)(ミカンハモグリガ幼虫の殺虫試験)
(薬剤の調製)クロロニコチニル系殺虫化合物としてジノテフランを用い、有機燐系殺虫化合物としてMEPを用いて製剤化し、それぞれが表3に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調製し、試料19〜24とした。また、ジノテフラン、MEPそれぞれ単独で表3に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料16〜21とした。
【0038】(殺虫試験)調整した各試料19〜24、及び比較試料16〜21のそれぞれ500mlにミカンハモグリガ幼虫が寄生しているミカン葉(品種名:早生温州)20葉を浸漬させた。処理3日後に実体顕微鏡を用いて、幼虫の生存虫数と死亡虫数を調べた。実施例1と同様に死亡虫率を求め、その結果を表3に示した。また、比較例22として、無散布の場合の死亡虫率も求めた。
【0039】
【表3】

【0040】(実施例4)(キンモンホソガ幼虫の殺虫試験)
(薬剤の調製)クロロニコチニル系殺虫化合物としてジノテフランを用い、有機燐系殺虫化合物としてMEPを用い、それぞれが表4に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調製し、試料25〜33とした。また、ジノテフラン、MEPそれぞれ単独で表4に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料23〜28とした。
【0041】(殺虫試験)調整した各試料25〜33、及び比較試料23〜28のそれぞれ500mlにキンモンホソガ幼虫が寄生しているリンゴ葉(品種名:ふじ)10葉を浸漬した。処理3日後に実体顕微鏡を用いて、幼虫の生存虫数と死亡虫数を調べた。上記に記載した式1により死亡虫率を求め、その結果を表4に示した。実施例1と同様に死亡虫率を求め、その結果を表4に示した。また、比較例29として、無散布の場合の死亡虫率も求めた。
【0042】
【表4】

【0043】(実施例5)(キンモンホソガ幼虫の殺虫試験)
(薬剤の調製)クロロニコチニル系殺虫化合物としてジノテフラン、イミダクロプリドを用い、有機燐系殺虫化合物としてMEP、ダイアジノン、クロルピリホスを用いて製剤化し、それぞれが表5に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調製し、試料34〜36とした。また、ジノテフラン、イミダクロプリド、MEP、ダイアジノン、及びクロルピリホスそれぞれ単独で表5に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料30〜33とした。
【0044】(殺虫試験)調整した各試料34〜36、及び比較試料30〜33のそれぞれ500mlにキンモンホソガ幼虫が寄生しているリンゴ葉(品種名:ふじ)10葉を浸漬した。処理3日後に実体顕微鏡を用いて、幼虫の生存虫数と死亡虫数を調べた。実施例1と同様に死亡虫率を求め、その結果を表5に示した。また、比較例34として、無散布の場合の死亡虫率も求めた。
【0045】
【表5】

【0046】(実施例6)(ブドウトラカミキリ虫の殺虫試験)
(薬剤の調整)クロロニコチニル系殺虫剤化合物としてジノテフランを用い、有機燐系殺虫剤化合物としてMEPを用いて製剤化し、それぞれが表6に示す濃度になるように、水で希釈することにより、薬剤を調整し、試料37〜39とした。また、ジノテフラン、MEPそれぞれ単独で表6に示す濃度になるように、水で希釈したものを比較試料35〜37とした。
(殺虫試験)ブドウトラカミキリが寄生しているブドウ樹に各試料37〜39、比較試料35〜37をそれぞれ十分量散布した。散布120日後に各試験区ごとの剪定をし、ガラスハウス内で水差し栽培する。約40日経過後、各試験区のブドウ枝を削り、内部の幼虫について生存虫数と死亡虫数を目視により調査し、実施例1と同様に死亡虫率を求め、その結果を表6に示した。また比較例38として無散布の場合の死亡虫率も求めた。
【表6】

【0047】本発明に係る実施例1〜実施例6から明白なように、マメハモグリバエ、モモハモグリガ、ミカンハモグリガ、キンモンホソガ、及びブドウトラカミキリ等の潜孔性害虫に対して、クロロニコチニル化合物と有機燐化合物をある一定の割合に混合処理することにより、それぞれ単独処理に比べ、非常に高い死虫率を示し、優れた相乗効果が発現することが示唆される。又、その混合比については一定の割合、及び希釈液中のそれぞれの成分濃度についてはある範囲においてのみ潜孔性害虫を十分防除できることが示された。
【0048】
【発明の効果】本発明により、従来、果樹、野菜分野等において難防除害虫とされている潜孔性害虫に対して、それぞれ単独では防除効果が低いクロロニコチニル化合物及び有機燐化合物をある一定の割合で混合処理することにより極めて高い防除効果が認められ、優れた相乗効果が発現することが見いだされた。この混合製剤により、それぞれ個々の化合物が有する、防除可能な害虫に加え、従来において難防除害虫とされていた潜孔性害虫の防除薬剤として使用できるとともに、その製剤中に含まれる化合物量は互いの相乗効果により低薬量に抑えることができる。したがって、本明細書の冒頭で述べたように、本発明は現在農業分野における課題である、環境問題、或いは薬剤の低コスト化に有効な手段を提供するものである。
【出願人】 【識別番号】591049930
【氏名又は名称】サンケイ化学株式会社
【出願日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【代理人】 【識別番号】100087594
【弁理士】
【氏名又は名称】福村 直樹
【公開番号】 特開2002−249406(P2002−249406A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−370103(P2001−370103)