トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 農薬用効力増強剤
【発明者】 【氏名】林 利夫

【氏名】鈴木 忠幸

【氏名】栗田 和彦

【要約】 【課題】作物に対して薬害がなく安全に使用でき、しかも各種農薬に対して優れた効力増強作用を有し、且つ生育を目的とする植物体の生育を促進する農薬用効力増強剤及び農薬組成物を提供する。

【解決手段】特定のアルコール化合物、エーテル化合物及びエステル化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する農薬用効力増強剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する農薬用効力増強剤。
【化1】

〔式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基、R4は炭素数12〜24の炭化水素基、R5は炭素数1〜24の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基、mは0〜50の数、nは0〜50の数、R6は炭素数11〜23の炭化水素基、R7は炭素数12〜24の炭化水素基又は−COR8であり、R8は炭素数11〜23の炭化水素基を表す。〕
【請求項2】 更に、一般式(I)〜(III)で表される化合物以外の界面活性剤及びキレート剤の少なくとも一種を含有する請求項1記載の農薬用効力増強剤。
【請求項3】 界面活性剤が、(1)エステル結合、エーテル結合及びアミド結合の少なくとも一つを有する非イオン界面活性剤、(2)陰イオン界面活性剤、(3)陽イオン界面活性剤並びに(4)両性界面活性剤の少なくとも一種である請求項2記載の農薬用効力増強剤。
【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の農薬用効力増強剤と農薬原体とを含有する農薬組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な農薬用効力増強剤及び農薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、植物成長調節剤をはじめとする農薬は、乳剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル剤等の剤型にて使用されている。その際、農薬原体の効果を十分引き出すために、製剤物性上様々な工夫がなされているが、製剤上の工夫により農薬の効果を更に増強させることは困難な現状である。また新規な農薬の開発は、一層困難であるため、既存の農薬の活性を一層増強させることは、産業上大いに意味のあることである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物及び一般式(III)で表される化合物の少なくとも一種を有効成分として含有する農薬用効力増強剤該本発明の農薬用効力増強剤と農薬原体とを含有する農薬組成物を提供する。
【0004】
【化2】

【0005】〔式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基、R4は炭素数12〜24の炭化水素基、R5は炭素数1〜24の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド基、mは0〜50の数、nは0〜50の数、R6は炭素数11〜23の炭化水素基、R7は炭素数12〜24の炭化水素基又は−COR8であり、R8は炭素数11〜23の炭化水素基を表す。〕
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、農薬の活性を一層増強させ、且つ生育を目的とする植物体の生育を促進させる効果を持つ農薬用効力増強剤において、有効成分として上記一般式(I)〜(III)で表される化合物の少なくとも一種が用いられる。中でも一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物が好ましく、特に一般式(I)で表される化合物が好ましい。
【0007】一般式(I)〜(III)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8の炭化水素基は、それぞれ飽和、不飽和の何れでも良く、好ましくは飽和であり、また直鎖、分岐鎖、環状の何れでも良く、好ましくは直鎖又は分岐鎖、特に好ましくは直鎖である。
【0008】また、R1、R2、R3の炭素数の合計、R4、R5の炭素数の合計、R6、R7、R8の炭素数の合計は、何れも50以下が好ましく、より好ましくは12〜48、更に好ましくは16〜44である。
【0009】一般式(I)において、R1の炭素数は14〜22が好ましく、より好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。また、一般式(I)で表される化合物は、総炭素数が12〜48、更に16〜28、特に16〜24であることが好ましい。更に、総炭素数が12〜24で水酸基を1個有するものが好ましく、特に総炭素数が16〜22で水酸基を1個有するものが好ましい。一般式(I)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0010】(I−1)
CH3(CH2)o-1OH(oは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1−アルカノールが挙げられる。具体的には、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−イコサノール、1−ヘンイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノールが挙げられる。
【0011】(I−2)
CH3CH(OH)(CH2)p-3CH3(pは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される2−アルカノールが挙げられる。具体的には、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、2−イコサノール等が挙げられる。
【0012】(I−3)
CH2=CH(CH2)q-2OH(qは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される末端不飽和アルコールが挙げられる。具体的には、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール等が挙げられる。
【0013】(I−4)その他の不飽和長鎖アルコールとして、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール(α又はβ)、リシノイルアルコール等が挙げられる。
【0014】(I−5)
HOCH2CH(OH)(CH2)r-2H(rは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1,2−ジオールが挙げられる。具体的には、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール等が挙げられる。
【0015】上記(I−1)〜(I−5)のうち、(I−1)、(I−2)、(I−4)、(I−5)が好ましく、(I−1)、(I−2)、(I−4)がより好ましく、(I−1)、(I−4)が更に好ましく、(I−1)が特に好ましい。
【0016】また、一般式(II)で表される化合物は、総炭素数が13〜48、更に24〜48、特に32〜40であることが好ましい。一般式(II)中のmは好ましくは0〜30、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。一般式(II)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0017】(II−1)
CH3(CH2)s-1−O−(CH2)s-1CH3(sは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表されるジ−n−アルキルエーテルが挙げられる。具体的には、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル等が挙げられる。
【0018】(II−2)
CH2=CH−OR5'(R5'は炭素数12〜24、好ましくは16〜24のアルキル基又はアルケニル基)で表されるビニルエーテルが挙げられる。具体的には、ビニルラウリルエーテル、ビニルミリスチルエーテル、ビニルセチルエーテル、ビニルステアリルエーテル、ビニルオレイルエーテル、ビニルリノレイルエーテル等が挙げられる。
【0019】上記(II−1)、(II−2)のうち、(II−1)が好ましい。
【0020】また、一般式(III)で表される化合物は、総炭素数が24〜48、更に28〜48、特に32〜44であることが好ましい。一般式(III)中のnは好ましくは0〜30、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。また、一般式(III)中のR6、R7、R8は直鎖型又は飽和型が好ましく、特に直鎖型且つ飽和型であることが好ましい。また、一般式(III)で表される化合物は、グリフィン(Griffin)の式によるHLBが好ましくは7未満、より好ましくは6以下、更に好ましくは5以下、特に好ましくは4以下である。このグリフィンの式は、HLB=(親水基部分の分子量/界面活性剤の分子量)×(100/5)で表されるものである(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社、昭和60年11月1日発行、第128頁)。一般式(III)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0021】(III−1)R6'−COO−CH2CH2OCOR8'(R6'、R8'は、同一でも異なっていてもよく、炭素数11〜23、好ましくは15〜23、特に好ましくは15〜19のアルキル基又はアルケニル基)で表されるエチレングリコール脂肪酸ジエステルが挙げられる。具体的には、ジラウリン酸エチレングリコールエステル、ジミリスチン酸エチレングリコールエステル、ジパルミチン酸エチレングリコールエステル、ジステアリン酸エチレングリコールエステル等が挙げられる。
【0022】(III−2)R6'−COO−R7'(R6'は炭素数11〜23、好ましくは15〜23、特に好ましくは15〜19のアルキル基又はアルケニル基であり、R7'は炭素数12〜24、好ましくは16〜24、特に好ましくは16〜20のアルキル基又はアルケニル基)で表される脂肪酸エステルが挙げられる。具体的には、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸パルミチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、ステアリン酸パルミチル、ステアリン酸ステアリル等が挙げられる。
【0023】上記(III−1)、(III−2)のうち、(III−2)が好ましい。
【0024】本発明の農薬用効力増強剤が農薬の構造の種類に関係なく顕著な効力増強作用を呈するかについての機作は必ずしも明らかではないが、その1つとして本発明の効力増強剤が農薬に対する可溶化力が非常に強いため農薬を微粒子化し植物体内あるいは虫体、菌体への浸透を促すことが考えられる。本発明の農薬用効力増強剤の剤型は、液状、粉末状、粒状等のいずれでもよく、これらに限定されるものではない。
【0025】本発明に係わる農薬用効力増強剤の使用方法は、農薬用効力増強剤を含有する農薬組成物を使用する方法と、農薬(本発明の効力増強剤を含有しないもの)の希釈使用時に別添の農薬用効力増強剤を使用する方法があるが、どちらの方法にても本発明の目的とする効力増強作用が得られる。また、本発明に係わる農薬用効力増強剤は種々の作物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
【0026】本発明の農薬用効力増強剤には、一般式(I)〜(III)で表される化合物の少なくとも一種に、更にそれら以外の界面活性剤を併用することにより、一般式(I)〜(III)で表される化合物の農薬の効力増強効果を維持したまま、一般式(I)〜(III)で表される化合物の使用量の低減化を計ることができる。界面活性剤は、前記グリフィン(Griffin)の式によるHLBが好ましくは7以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは9以上、特に好ましくは10以上である。
【0027】界面活性剤としては、(1)エステル結合、エーテル結合及びアミド結合の少なくとも一つを有する非イオン界面活性剤、(2)陰イオン界面活性剤、(3)陽イオン界面活性剤並びに(4)両性界面活性剤の少なくとも一種が好ましい。
【0028】(1)のエステル結合、エーテル結合及びアミド結合の少なくとも一つを有する非イオン界面活性剤としては、エステル系としてソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、エーテル系としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン、ポリオキシアルキレンブロック共重合体(プルロニック型)等が挙げられ、アミド系としてアルキルアルカノールアミド、糖系脂肪酸アミド等が挙げられる。ここで、糖系脂肪酸アミドとしては、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドが挙げられる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN−メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。
【0029】糖系脂肪酸アミドとしては、式(1)
11−CO−NR12X (1)
(式中、R11は炭素数5〜17の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基であり、R12は水素、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、−(CH2CH(R13)O)c−H(ここで、R13は水素又はメチル基であり、cは0〜10の数である。)、−CH2CH2OH、−CH2CH(OH)CH3又は−CH2CH2CH2OHであり、Xは炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基である。)で表される化合物を好ましく使用することができる。
【0030】式(1)におけるR11としては、炭素数5〜17の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基の中でも、R11COがカプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸から誘導される基を挙げることができ、特に、カプリン酸、ラウリン酸から誘導される基を好ましく挙げることができる。
【0031】R12の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イソステアリル基又は重合度2〜10のポリエチレングリコール基若しくはポリプロピレングリコール基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。中でも、水素、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基を好ましく挙げることができる。
【0032】尚、Xの炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基には、モノ−、ジ−又はオリゴサッカライド基とグリコシド結合している炭素数4〜7のポリヒドロキシアルキル基を含む。
【0033】上記非イオン界面活性剤は、これらは単独で用いてもよいし、これらの界面活性剤は2種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0034】(2)の陰イオン界面活性剤として、典型的なものは、水溶液或いは固体状態で入手され得るが、その例としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、脂肪酸塩、直鎖及び分岐アルキルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、アルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、ステアリン酸及びその塩、オレイン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(taurides)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)がある。
【0035】(3)の陽イオン界面活性剤の例としては、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、例えばタローアミンエチレンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココアミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオキサイド付加物、WO95/33379に記載のアルカノールアミンアルキルエステル化物及びそのアルキレンオキサイド付加物など並びにこれらの化合物から誘導された4級アンモニウム化合物、さらにそれらの混合物がある。
【0036】(4)の両性界面活性剤の例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、これらの混合物などがある。
【0037】これらの界面活性剤のうち、好ましくは前記特定の結合を有する非イオン界面活性剤、及び陰イオン界面活性剤の少なくとも一種であり、特に好ましくは前記特定の結合を有する非イオン界面活性剤である。なかでもエステル系及び/又はエーテル系の非イオン界面活性剤が好ましく、特にエステル系の非イオン界面活性剤が好ましい。エステル系非イオン界面活性剤の中でもソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
【0038】前記一般式(I)〜(III)で表される化合物とそれ以外の界面活性剤とを有効成分とする農薬用効力増強剤において、一般式(I)で表される化合物の総量と界面活性剤の好ましい併用割合は、〔一般式(I)で表される化合物の総量〕/〔該化合物以外の界面活性剤〕=0.01〜100(重量比)であり、更に好ましくは0.05〜50、特に好ましくは0.1〜10である。
【0039】本発明の農薬用効力増強剤には、一般式(I)〜(III)で表される化合物の少なくとも一種に、更にキレ−ト剤を配合することができる。キレート剤を配合することにより、農薬の効力増強効果を更に向上させることができる。このキレート剤としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメチルグリオキシム(DG)等であり、これらは酸のまま或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形のものであってもよい。本発明において、キレート剤は、一般式(I)〜(III)で表される化合物1モルに対して0.001〜30倍モル、更に0.01〜20倍モル、特に0.05〜15倍モル配合されるのが好ましい。
【0040】アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、a)RNX2型化合物b)NX3型化合物c)R−NX−CH2CH2−NX−R型化合物d)R−NX−CH2CH2−NX2型化合物及びe)X2N−R’−NX2型及びこの型の化合物でXを4以上含む化合物の全てが使用できる。上記式中Xは−CH2COOH又は−CH2CH2COOHを表し、Rは水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はこの種の公知のキレート化合物を表す置換基を表し、R’はアルキレン基、シクロアルキレン基及びこの種の公知のキレート化合物を表す基を表す。これらの代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)並びにこれらの塩等が挙げられる。
【0041】芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤としては、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
【0042】アミノ酸系キレート剤としては、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン又はメチオニン及びこれらの塩及び誘導体等である。更に、本発明に使用し得るエーテルポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば次式で表される化合物並びにその類似化合物及びその塩(特にNa塩等)が挙げられる。
【0043】
【化3】

【0044】〔式中、Yは、水素原子、式:−CH2COOHで示される基又は式−COOHで示される基を表し、Zは、水素原子、式:−CH2COOHで示される基又は【0045】
【化4】

【0046】で示される基を表す。〕。
【0047】本発明の農薬用効力増強剤には、溶剤又は浸透補助剤を併用することができる。溶剤又は浸透補助剤の例は下記の通りである。
1)イオン交換水、有機又は無機酸水溶液、アルカリ水溶液などを含む水。
2)エタノール、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の炭素数1〜11の一価アルコール。
3)エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン,ジグリセリン等の炭素数2〜11の多価アルコール、前記多価アルコールのモノアルキル又はアルケニル(炭素数1〜6)エーテル、前記多価アルコールのモノアルキル又はアルケニル(炭素数1〜6)エーテルアセテート、前記多価アルコールのジアセテート及び前記多価アルコールのジアルキル又はアルケニル(炭素数1〜6)エーテル;(常温で)液体のポリエチレングリコール、(常温で)液体のポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子量の多価アルコール類及びそのモノ又はジエーテル類。これら3)の中で、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜6)エーテル、ジエチレングリコールジアルキル(炭素数1〜6)エーテル、トリエチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜6)エーテル及びトリエチレングリコールジアルキル(炭素数1〜6)エーテルが更に好ましい。
4)炭素数1〜11の1価アルコールの有機酸(炭素数2〜18)モノ,ジ又はトリエステル。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、オレイン酸、乳酸、安息香酸、アビエチン酸、シュウ酸、マロン酸、フタル酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、クエン酸等が挙げられる。炭素数1〜11の1価アルコールは前記2)で述べたものと同じである。それらの中で好ましいものは、フタル酸アルキル及びトリメリット酸アルキルである。
5)大豆油、綿実油等の植物油。
【0048】本発明の農薬組成物は、一般式(I)〜(III)で表される化合物の少なくとも一種を含有する本発明の農薬用効力増強剤と、農薬原体とを含有するものである。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分をいう。本発明の農薬組成物においては、一般式(I)〜(III)で表される化合物と農薬原体の重量比が、〔一般式(I)〜(III)で表される化合物〕/〔農薬原体〕=0.001〜100、更に0.05〜50、特に0.01〜20であることが好ましい。この範囲で良好な農薬の効力増強効果が得られる。
【0049】また、本発明の農薬組成物の製剤型は、乳剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤等いずれでもよく、製剤型は問わない。従って、その製剤型に応じた他の添加剤、例えば乳化剤、分散剤、担体等を含有するものであってもよい。
【0050】本発明の農薬組成物には,必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤を加えてもよい。
【0051】キレート剤としては、農薬用効力増強剤で使用したものと同じものを使用することができる。
【0052】本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩である。
【0053】本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0054】また本発明に使用し得る増粘剤としては、天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用でき、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザンフロー、植物由来のペクチン、アラビアゴム、グアーゴムなどが、半合成粘質物では、セルロースまたはでんぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物などが具体例として挙げられる。
【0055】本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体としては、例えば「農薬ハンドブック1998年版」(第10版、平成10年12月15日、社団法人日本植物防疫協会発行)に記載されたものが挙げられる。その具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0056】殺菌剤としては、有機硫黄殺菌剤として、ジネブ剤、マンネブ剤、チウラム剤、マンゼブ剤、ポリカーバメート剤、プロピネブ剤等、ベンズイミダゾール系殺菌剤としてはベノミル剤、チオファネートメチル剤等、ジカルボン酸系殺菌剤としてはイプロジオン剤、プロシミドン剤等、その他の合成殺菌剤としてはトリアジン剤、イミノクタジン酢酸塩剤、イソプロチオラン剤、TPN剤、プロベナゾール剤、キャプタン剤、フルオルイミド剤、DPC剤、イミノクタジンアルベシル酢酸等、ステロール生合成阻害剤としては、トリフミゾール剤、ビテルタノール剤、ピリフェノックス剤、フェナリモル剤、トリホリン剤、トリアジメホン剤、ミクロブタニル剤、ジフェノコナゾール剤、イミベンコナゾール剤等、酸アミド系殺菌剤としては、メタラキシル剤、メプロニル剤等、銅殺菌剤としては、無機銅剤剤、有機銅剤等、抗生物質殺菌剤としては、ストレプトマイシン剤、ポリオキシン剤、ブラストサイジンS剤、カスガマイシン剤、バリダマイシン、オキシテトラサイクリン剤等、土壌殺菌剤としては、エクロメゾール剤、ヒドロキシイソキサゾール剤等、メラミン生合成阻害剤としては、フサライド剤、カルプロパミド剤、有機リン系殺菌剤としては、IBP剤、EDDP剤、ホセチル剤等、無機殺菌剤としては、無機硫黄剤、炭酸水素塩剤等、メトキシアクリレート系殺菌剤としては、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル剤等、アニリノピリミジン系殺菌剤としては、メパニピリウム剤等、合成抗細菌剤としては、オキソリニック酸剤等、天然物殺菌剤としては大豆レシチン等、生物由来の殺菌剤としては、対抗菌剤等が挙げられる。
【0057】殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、フェンバレレート剤、シフルトリン剤、ペルメトリン剤、フルシトリネート、エトフェンプロックス剤等、有機リン系殺虫剤としては、DDVP剤、MEP剤、マラソン剤、ジメトエート剤、PAP剤、MPP剤、DMTP剤、EPN剤等、カーバメート系殺虫剤としては、BPMC剤、NAC剤、メソミル剤等、ネライストキシン系殺虫剤としては、カルタップ剤等、天然物系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤、大豆レシチン剤、デンプン剤等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン剤、テフルベンズロン剤、クロルフルアズロン剤、ブプロフェジン剤、イソプロチオラン剤、フルフェノクスロン剤等が挙げられる。
【0058】また殺ダニ剤としては、ケルセン剤、BPPS剤、酸化フェンブタスズ剤、ヘキシチアゾクス剤、アミトラスズ剤、フェンピロキシメート剤、テブフェンピラド剤、ハルフェンプロックス剤、ビアラホス剤等、クロロニコチニル系殺虫剤としては、イミダクロプリド剤等、その他の合成殺虫剤としては、オレイン酸ナトリウム剤、オレイン酸カリウム液剤等、殺線虫剤としては、D-D剤、タゾメット剤、ベノミル剤等、生物由来の殺虫剤としてはBT剤等が挙げられる。
【0059】除草剤としては、酸アミド系除草剤としては、DCPA剤、アラクロール剤、アシュムラム剤等、尿素系除草剤として、DCMU剤、リニューロン剤等が挙げられる。ビピリジリウム系除草剤としては、例えばパラコート剤、ジクワット剤等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル剤、レナシル剤等が挙げられる。S-トリアジン系除草剤としては、例えばCAT剤、シメトリン剤等が挙げられる。その他の有機除草剤としては、例えばDBN剤等のニトリル系除草剤、セトキシジム剤、クレトジム剤等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン剤、ペンディメタリン剤等が挙げられる。カーバメート系除草剤としては、ベンチオカーブ剤等が挙げられる。芳香族カルボン酸系除草剤としては、例えばMDBA剤等が挙げられる。フェノキシ酸系除草剤としては、2,4-PA剤、シハロホップブチル剤等が挙げられる。有機リン系除草剤としては、ピペロホス剤、ブタンミホス剤等が挙げられる。アミノ酸系除草剤としては、グリホサート剤、ビアラホス剤、グルホシネート剤等が挙げられる。脂肪酸系除草剤としては、ペラルゴン酸剤、DPA剤等が挙げられる。スルホニル尿素系除草剤としては、チフェンスルフロンメチル剤、フラザルスルフロン剤、ベンスルフロンメチル剤等が挙げられる。ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤としては、ビスピリバックナトリウム塩等が挙げられる。ダイアゾール系除草剤としては、ピラゾレート剤等が挙げられる。
【0060】これらの除草剤のうち、酸アミド系除草剤、ダイアジン系除草剤、ニトリル系除草剤、ジニトロアニリン系除草剤、芳香族カルボン酸系除草剤及びアミノ酸系除草剤が好ましく、特にアミノ酸系除草剤、中でもビアラホス剤、グルホシネート剤又はグリホサート剤が好ましい。
【0061】更に植物成長調節剤としては、オーキシン拮抗剤としては、マレイン酸ヒドラジド剤、ウニコナゾール剤等、オーキシン剤としては、インドール酪酸剤、1-ナフチルアセトアミド剤、4-CPA剤等、サイトカイニン剤としては、ホルクロルフェニュロン剤等、ジベレリン剤としてはジベレリン剤等、その他のわい化剤としては、ダミノジット剤等、蒸散抑制剤としては、パラフィン剤等、その他の植物成長調整剤としては、コリン剤等、生物由来の植物成長調整剤としては、クロレラ抽出物剤等、エチレン剤としては、エテホン剤等が挙げられる。
【0062】更に、本発明の農薬組成物には上記以外の植物成長調節剤、肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
【0063】本発明の農薬組成物のより具体的な製剤型の例としては、(a)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、(b)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上と該化合物以外の界面活性剤の1種以上とからなる混合物の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、(c)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上の分包包装体と、該化合物以外の界面活性剤の1種以上の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、(d)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上とキレート剤とからなる混合物の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、(e)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上とキレート剤とからなる混合物の分包包装体と、前記化合物以外の界面活性剤の1種以上の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、(f)前記一般式(I)〜(III)で表される化合物の1種以上と該化合物以外の界面活性剤の1種以上とキレート剤とからなる混合物の分包包装体と、農薬原体の分包包装体とからなる農薬製剤、が挙げられる。各分包包装体中の形態は限定されず、用途、目的に応じて調製される。
【0064】
【実施例】実施例1(A)一般式(I)〜(III)で表される化合物、(B)界面活性剤、(C)キレート剤を表1のように用いて種々の農薬用効力増強剤を製造した。
【0065】
【表1】

【0066】上記の農薬用効力増強剤をそれぞれ0.02重量%の濃度となるようにイオン交換水に溶解させた。得られた0.02重量%希釈液を用いて、市販の除草剤であるラウンドアップ液剤(グリホセートイソプロピルアミン塩として有効分41重量%)、ハービエース水溶剤(ビアラホスとして有効分20重量%)のそれぞれについて300倍希釈を行い、1つの有効成分につき2種の農薬組成物を得た。
【0067】温室試験のために水田より採土した肥沃土と川砂と市販の培養土を7:2:1(重量比)で混合した土を入れた内径12cmのポットにメヒシバの種子を蒔き、発芽させた。ポット間の個体の均一性を高めるため、発育が異常なポットは廃棄した。メヒシバの草丈が18cm程度に成長したポットを試験に用いた。農薬組成物は、スプレーガン(岩田塗装機工業(株)製、RGタイプ)を用い、10リットル/アールに相当する割合でポット中のメヒシバ全体に均一にかかるように噴霧し、殺草効力を評価した。
【0068】殺草効力の評価は、地上部生重量を散布処理後10日目に量り、無処理区の地上部生重量を基準とした殺草百分率で示した(下記式参照)。各農薬組成物の殺草率を表2に示す。
【0069】
【数1】

【0070】
【表2】

【0071】実施例2カンザワハダニメス成虫を、インゲンのリーフディスクに1区25匹、4反復にて植え付けたのち、24時間25℃で培養した。リーフディスクは、直径4cmで円形状のものを使用した。その後、リーフディスク全体を試験溶液に5秒間浸漬させ、試験溶液から取り出して25℃で48時間放置後に観察し、殺ダニ率を無処理区の場合を基準にして求めた(下記式参照)。殺ダニ剤としては、オサダン水和剤25(酸化フェンブタスズとして有効分25重量%)の2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強剤は実施例1と同じものを用いた。農薬用効力増強剤の有効成分の希釈液中の濃度が0.1重量%になるように調整して使用した。また、農薬用効力増強剤を使用しない場合についても同様に行った。殺ダニ率は下記式により求めた。また、同時にリーフディスクの葉の緑色度を示すSPAD値を「ミノルタ葉緑素計SPAD502」(ミノルタ社製)により測定した。SPAD値は、1試験区あたり30点測定し、その平均値を無処理区を100としたときの相対値で表した。結果を表3に示す。
【0072】
【数2】

【0073】
【表3】

【0074】実施例3インゲンのリーフディスク全体に試験溶液を5秒間浸漬し、試験溶液から取り出し、風乾後、あらかじめ培養しておいたウンカの3齢幼虫をリーフディスクに10頭のせ、25℃で10日間培養し、肉眼にてウンカの死亡数を調査して、殺虫剤の効力検定を行った。リーフディスクは、直径4cmで円形状のものを使用した。尚、試験は10反復行い、殺虫率は殺ダニ率と同様に求めた。殺虫剤としては、アプロード水和剤(ブプロフェジンとして有効分25.0重量%)の2000倍希釈液を用い、農薬用効力増強剤は実施例1で用いたものをその希釈液中の濃度が0.025重量%になるように調整して使用した。また、同時にSPAD値を実施例2と同様に測定した。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】

【0076】実施例4殺菌剤抵抗性菌であるキュウリ灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液(107個/ml)をキュウリの幼苗(本葉3葉展開中)に1ポット当たり10mlずつ散布し、25℃、90%相対湿度下に1日間静置した。試験区あたりのポットの反復は10個とした。その後、市販の殺菌剤であるベンレート水和剤(ベノミルとして有効分50重量%)を実施例1で用いた農薬用効力増強剤の0.025%希釈溶液にて2000倍に希釈してから、1ポット当たり5mlずつ散布した。その後、25℃、85%相対湿度下に静置し、殺菌剤散布後14日目に病斑数を数え、無処理区に対する防除価を下記式により求めた。また、その時の植物体の草丈及び生重量(地上部と地下部の合計)を測定し、農薬単独処理区を100としたときの相対値で表した。結果を表5に示す。
【0077】
【数3】

【0078】
【表5】

【0079】実施例1〜4は、本発明の農薬用効力増強剤の効力を、一般の界面活性剤を農薬用効力増強剤として用いた場合(比較品)と比較した場合を示す。表2〜5から明らかなように、本発明の農薬用効力増強剤は顕著に効果を発揮し、且つ生育を目的とする植物体の生育を促進させた。
【0080】
【発明の効果】本発明の農薬用効力増強剤は、汎用されている植物用及び動物用農薬に配合して農薬組成物として使用することにより、又は農薬用効力増強剤を前記農薬と共に使用することにより、その防除効力を大幅に向上させることができる。また、本発明の農薬用効力増強剤は安全性も高い。このように本発明の農薬用効力増強剤の使用により、既存の農薬活性を向上させ、且つ生育を目的とする植物体の生育を促進させることができるため、生産者において非常に有意義である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成13年12月19日(2001.12.19)
【代理人】 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外4名)
【公開番号】 特開2002−249403(P2002−249403A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−385467(P2001−385467)