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【発明の名称】 小動物用忌避具
【発明者】 【氏名】堀江 誠一

【要約】 【課題】多様な場所と環境条件下で、人間の生活環境に対して有害になることのある小動物を効果的に追い払う小動物用忌避具を提供する。

【解決手段】忌避剤2と、該忌避剤の有効揮発成分が通過することができる通気性外壁部7を備え、水の通過を阻止することができる、前記忌避剤を収容した容器部3と、該容器部を所定の場所に取り付けることができる取り付け部4とを有して成る小動物用忌避具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 忌避剤と、該忌避剤の有効揮発成分が通過することができる通気性外壁部を備え、水の通過を阻止することができる、前記忌避剤を収容した容器部と、該容器部を所定の場所に取り付けることができる取り付け部とを有して成ることを特徴とする小動物用忌避具。
【請求項2】 前記容器部は、上面シートと基材シートとを貼り合わせて成る請求項1に記載の小動物用忌避具。
【請求項3】 前記上面シートは、前記通気性外壁部を形成する請求項2に記載の小動物用忌避具。
【請求項4】 前記上面シートは、PETスパンボンド不織布とLLスパンボンド不織布とPPメルトブロー不織布との三層構造を有するシートである請求項2又は3に記載の小動物用忌避具。
【請求項5】 前記基材シートは、ポリオレフィンシートである請求項2〜4のいずれか1項に記載の小動物用忌避具。
【請求項6】 前記取り付け部は、前記基材シートの外表面に設けられた粘着剤層を有して成る請求項2〜5のいずれか1項に記載の小動物用忌避具。
【請求項7】 前記粘着剤層は、粘着剤層小片から構成される請求項6に記載の小動物用忌避具。
【請求項8】 前記粘着剤層に使用される粘着剤は、オレフィン系接着剤である請求項6又は7に記載の小動物用忌避具。
【請求項9】 前記取り付け部は、前記粘着剤層の表面に、着脱可能な剥離紙を有して成る請求項6〜8にいずれか1項に記載の小動物用忌避具。
【請求項10】 前記忌避剤は、粉状、粒状、又はゼリー状である請求項1〜9のいずれか1項に記載の小動物用忌避具。
【請求項11】 前記小動物用忌避具は、ハト用忌避具である請求項1〜10のずれか1項に記載の小動物用忌避具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小動物用忌避具に関し、さらに詳しくは、人間の生活環境に対して有害になることのある小動物、例えばハト、ネズミ及びネコを追い払うことができ、目的とする場所に容易に付着することのできる小動物用忌避具に関する。
【0002】
【従来の技術】ハト、カラス、ネズミ、モグラ、ネコ、イヌ、及びヘビのような小動物は、人間の生活環境に対して有害になることがあるので、これらの小動物を建物、庭、畑、又は公園などから追い払うことが必要になる場合がある。このような場合には、これらの小動物が忌避する薬剤である忌避剤が使用されることが多い。
【0003】この忌避剤は、通常錠剤であり、ボトルに収容された状態で使用者に提供され、追い払う対象である小動物が現れる場所、例えば庭やベランダに撒くことにより使用される。
【0004】しかし、このような忌避剤の使用方法であると、忌避剤は外部空間に露出されているので、これを屋外で使用した場合には、雨によって忌避剤の有効成分が流出したり、風によって忌避剤が吹き飛ばされたりすることがある。そうなると、目的どおりに小動物を追い払うことができなくなるだけでなく、その忌避剤が拡散することにより環境に影響を及ぼすことにもなる。さらに、忌避剤が露出した状態であると、子供が誤って飲み込んでしまうなどの事故が発生することも考えられるので、危険である。
【0005】また、例えばベランダに現れるハトはベランダの手すりにとまることが多いが、このハトを追い払おうとするときには、錠剤である忌避剤を、例えば縦断面における輪郭が円形である手すり上に撒くことは実質的に不可能であるので、忌避剤をベランダの床面に撒くことになる。
【0006】しかし、このような使用方法であると、追い払う対象であるハトと忌避剤との間の距離が大きいので、ベランダの床面上に撒かれた忌避剤の有効成分は、手すり上のハトには効果的に到達しない。したがって、従来の忌避剤の使用方法では、ベランダからハトを追い払うことは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の忌避剤が有する前記欠点を解消することを目的とする。すなわち、この発明の目的は、多様な場所で、また多様な環境条件下で、人間の生活環境に対して有害になることのある小動物を効果的に追い払うことができる小動物用忌避具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するためのこの発明は、忌避剤と、該忌避剤の有効揮発成分が通過することができる外壁部を備え、水の通過を阻止することができる、前記忌避剤を収容した容器部と、該容器部を所定の場所に取り付けることができる取り付け部とを有して成ることを特徴とする小動物用忌避具であり、前記小動物忌避具の好適な態様として、前記容器部は、上面シートと基材シートとを貼り合わせて成り、前記上面シートは、前記通気性外壁部を形成し、前記上面シートは、PETスパンボンド不織布とLLスパンボンド不織布とPPメルトブロー不織布との三層構造を有するシートであり、前記基材シートは、ポリオレフィンシートであり、前記取り付け部は、前記基材シートの外表面に設けられた粘着剤層を有して成り、前記粘着剤層は、粘着剤層小片から構成され、前記粘着剤層に使用される粘着剤は、オレフィン系接着剤であり、前記取り付け部は、前記粘着剤層の表面に、着脱可能な剥離紙を有して成り、前記忌避剤は、粉状、粒状、又はゼリー状であり、前記小動物は、ハトである。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明に係る小動物用忌避具の一具体例である小動物用忌避具1を図1及び図2に示す。図1は、小動物用忌避具1の平面図であり、図2は、小動物用忌避具1のA−A断面図である。なお、図2、並びに、以下に示す図4及び図5の各断面図においては、小動物用忌避具1をわかりやすく表現するために、各部材の厚みは拡大されて記載されている。小動物用忌避具1は、その平面形状が長方形であり、その中央部が膨らんだ形状を有する。
【0010】小動物用忌避具1は、忌避剤2、容器部3、接着剤層4、及び剥離紙5を有する。また、忌避剤2、容器部3、及び接着剤層4から成る部分、つまり小動物忌避具1の剥離紙5以外の部分は、小動物忌避具1における、実際に被着物に付着する部分である忌避具付着部9である。
【0011】忌避剤2は、追い払おうとしている小動物が忌避する薬剤であって、容器部3の内部に収容されている。忌避剤2は、対象とする小動物を追い払うことができるようにその有効成分を放出することができる性能を有していれば、その小動物及び目的に応じて適宜選択可能である。
【0012】忌避剤2の剤形としては、例えば、粒状形及び粉状形を挙げることができる。忌避剤2が粒状形、及び粉状形であると、忌避具付着部9の形状を適宜変化させることが可能になり、忌避具付着部9を被着物の形状に適合させて、被着物に付着させることができる点で好適である。また、忌避剤2は、ゼリー状であってもよく、この場合にも、忌避具付着部9を被着物の形状に適合させて、被着物に付着させることができる点で好適である。
【0013】忌避剤2は、対象とする小動物を追い払うことができる有効成分を発散することのできる薬効物質を含有する。前記薬効物質が固体の場合には、これをそのまま又は所定の形状に成形することにより忌避剤2として使用することができ、また前記薬効物質が液体の場合には、これを担剤に担持させて、又はゼリー化させて忌避剤2として使用することができる。
【0014】例えば、前記薬効物質がトウガラシのような固形物である場合には、これを粉末状にして忌避剤2にすることができる。また、前記薬効物質が精油である香料のような液体である場合には、この精油を担材、例えばゼオライト、シリカゲル、若しくはセルロースビーズに保持させることにより、又は、この精油を乳化させて、これにゲル化剤を加えてゼリー状にすることによって、忌避剤2にすることができる。
【0015】前記液状の薬効物質を担持する前記担材は、多孔質体であると、前記薬効物質の保持量が多くなるので好ましい。前記担材は、可燃物質、例えばセルロースから形成されていると、小動物忌避具1の使用が終了した後、忌避剤2を焼却処分することができるので、廃棄物処理が容易になって、好適である。また、前記担材は、水溶性高分子により形成されていると、小動物忌避具1の使用が終了した後、忌避剤2を水に溶解させることにより処分することができ、また、誤って忌避剤が外部環境中に放出された場合でも、前記担材が雨水により溶解されて、環境中に残留することがないので好適である。
【0016】前記薬効物質は、対象とする小動物の種類に応じて公知の薬効物質の中から適宜決定することができる。例えば、ハトを対象とする場合には、前記薬効物質として、ハトが忌避する香料、例えばフローラル系調香料を使用することができる。これらの精油は、これらを外気に直接接触させないようにすれば、一定期間匂い成分を持続的に発散させることができる。
【0017】前記薬効物質の使用量は、前記有効成分の発散を所定の期間持続させることのできる量に決定される。例えば、小動物忌避具1が、ベランダに飛来してくるハトを追い払うことを目的とする場合には、前記薬効物質の使用量は、使用上の便宜から、通常3週間程度有効成分の発散が持続するような量に決定され、またそのような量の前記薬効成分が含有されるような量の忌避剤2が容器部3内に収容される。
【0018】容器部3は、忌避剤2を収容し、忌避剤2を保護し、忌避剤2の有効成分を外部空間に持続的に放出する機能を有する。容器部3は、基材シート6と通気性シート7とから形成されている。基材シート6と通気性シート7とは、平面形状が互いに同一の長方形であって、図2に示したように、忌避剤2を挟んだ状態で重ね合わされて、その四辺部が相互に接着されることによって、容器部3を形成している。
【0019】基材シート6は、前記のように容器部3の一部を構成し、その片面側に通気性シート7が前記のように接着され、他面側に粘着剤層4を有する。基材シート6は、可撓性を有する部材であり、通気性シート7を保持し、被着物に対する付着部を形成し、忌避剤2の薬効物質の漏出を防止し、また、外部から小動物忌避具1に加えられる物理的作用、例えば機械的な力、熱、及び水による作用、並びに、化学的な作用、例えば酸素、水、及びその他の化学物質による作用から忌避剤2を保護する機能を有する。したがって、基材シート6は、水の作用により前記有効成分の発散が低下しないように、実質的に非通水性であることが好ましい。
【0020】基材シート6の材料は、前記機能を発揮することができれば、忌避剤2の種類、並びに、小動物忌避具1の使用場所、使用時間、及び使用環境などに応じて適宜決定することができる。このような基材シート6の材料としては、例えば、プラスチックシート及び金属箔を挙げることができる。前記プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブテンのようなポリオレフィンから形成されるシートを挙げることができる。
【0021】基材シート6の大きさ、つまりその長辺の長さ、短辺の長さ、及び厚みも、前記機能を発揮することができれば、基材シート6の材料、忌避剤2の種類、並びに、小動物忌避具1の使用場所、使用時間、及び使用環境などに応じて適宜決定することができる。
【0022】例えば、小動物忌避具1が、ベランダに飛来してくるハトを追い払うことを目的として使用される場合には、基材シート6は、その材料がポリオレフィンシートであり、その長辺方向の長さが50〜300mmであり、その短辺方向の長さが30〜200mmであり、その厚みが0.01〜0.05mmであると好適である。基材シート6をこのようにすると、通気性シート7を熱融着により保持することが可能であり、忌避具付着部9がベランダの手すりに付着させるのが容易な大きさになり、また、水の浸透を阻止することができるので、雨が降っても内部に水が浸透せず、水の作用による忌避剤2の劣化を防止することができ、さらに、風などの作用から忌避剤2を確実に保護することができる点で好ましい。
【0023】上面シートである通気性シート7は、前記のように容器部3の一部を構成し、その片面側に基材シート6をする。通気性シート7は、前述のように、その四辺部において、基材シート6に接着している。小動物忌避具1においては、通気性シート7における、基材シート6との接着部以外の部分が通気性外壁部を形成している。
【0024】通気性シート7は、可撓性を有する部材であり、基材シート6を保持し、忌避剤2の薬効物質の漏出を防止する一方、前記薬効物質から揮発する有効成分を通過させて、これを容器部3の外部に放出させる機能を有する。通気性シート7が有する通気性は、忌避剤2の使用可能期間中、前記薬効物質が保持される程度であることが好ましく、例えば前記ハトの例では、3週間程度有効成分の発散が確保される程度であることが望ましい。
【0025】また、通気性シート7は、外部から小動物忌避具1に加えられる物理的作用、例えば機械的な力、熱、及び水による作用、並びに、化学的な作用、例えば酸素、水、及びその他の化学物質による作用から忌避剤2を保護する機能を有する。したがって、通気性シート7は、水の作用により前記有効成分の発散が低下しないように、実質的に非通水性であることが好ましい。
【0026】通気性シート7の材料は、前記機能を発揮することができれば、忌避剤2の種類、並びに、小動物忌避具1の使用場所、使用時間、及び使用環境などに応じて適宜決定することができる。このような通気性シート7の材料としては、例えば、スパンボンド不織布及びメルトブロー不織布を積層して成るシートを挙げることができる。このようなシートとしては、例えば、PETスパンボンド不織布/LLスパンボンド不織布/PPメルトブロー不織布を挙げることができる。このようなシートは、通気性シート7に要求される前記機能を充分に発揮することができる点で好適である。特に、このシートにおいては、JIS−L−1906に準拠した引張強度が40〜100N/50mmであり、JIS−L−1906に準拠した引裂強度が7〜15Nであり、引張伸びが15〜40%であり、JIS−Z−0208カップ法に準拠した透湿度が3500〜7000g/m24hrであり、JIS−L−1092高水圧法に準拠した耐水圧が500〜1500mmHOであり、JISP8117ガーレ法に準拠した通気性が5s/100cc以下であり、JISL1096フラジール法に準拠した通気性が3〜25cc/cmsであると、性能及びコスト等を考慮した実用面から好適である。このようなシートの市販品としては、例えば、「ストラマイティMNM060」(出光ユニテック(株)製)がある。
【0027】通気性シート7の長辺の長さ及び短辺の長さはそれぞれ、前述のように、基材シート6の長辺の長さ及び短辺の長さと等しく決定される。通気性シート7の厚みは、前記機能を発揮することができれば、通気性シート7の材料、忌避剤2の種類、並びに、小動物忌避具1の使用場所、使用時間、及び使用環境などに応じて適宜決定することができる。
【0028】例えば、小動物忌避具1が、ベランダに飛来してくるハトを追い払うことを目的とする場合には、通気性シート7は、その材料が前記「ストラマイティMNM060」であり、その長辺方向の長さ及び短辺方向の長さが、それぞれ通気性シート7の長辺方向の長さ及び短辺方向の長さと等しく、その厚みが0.2〜0.4mmであると好適である。通気性シート7をこのようにすると、忌避剤2の薬効成分の漏出を防止することができる一方、前記薬効物質から揮発する有効成分を通過させて、これを小動物忌避具1外に効率良く放出させることができ、基材シート6と熱融着により接着することが可能であり、また、水の浸透を阻止することができるので、雨が降っても内部に雨水が浸透せず、水の作用による忌避剤2の劣化を防止することができ、さらに、風などの作用から忌避剤2を確実に保護することができる点で好適である。
【0029】粘着剤層4は、基材シート6の外表面に設けられ、容器部3を被着物に付着させる機能を有する。粘着剤層4は、剥離紙5とともに取り付け部を構成する。粘着剤層4は、小動物忌避具1の不使用時においては、その表面を覆う剥離紙5が存在するので、外部からは見えないが、剥離紙5を剥がすことにより外部から見えるようになる。図3に、小動物忌避具1における剥離紙5以外の部分である忌避具付着部9の平面図を示す。
【0030】粘着剤層4は、基材シート6の外表面のほぼ全面にわたって設けられており、基材シート6の長辺方向及び短辺方向に沿ってそれぞれ行及び列をなすように一定間隔で設けられた複数個の長方形状の粘着剤層小片8から形成されている。粘着剤層4がこのように複数個の粘着剤層小片8から形成されていると、被着物の形状に適合するように忌避具付着部9を変形させて、忌避具付着部9を被着物に付着させたときに、粘着剤層4に発生する応力が、各粘着剤層小片8相互間に形成された空隙12によって緩和されるので、その応力に基づいて忌避具付着部9が被着物から離脱するという現象の発生を抑制することができるという利点がある。したがって、忌避具付着部9は、平面部だけでなく、凹面部又は凸面部に対しても付着が容易であり、また、付着後においてはその部分から離脱しにくい。
【0031】粘着剤層4に使用される粘着剤は、小動物忌避具1が使用される状況下で忌避具付着部9を被着物に効果的に付着させておくことができ、また小動物忌避具1の使用終了時には、忌避具付着部9を被着物から容易に離脱させることができれば、被着物の形状、大きさ及び材料、並びに小動物忌避具1が使用される環境条件などに応じて適宜決定することができる。このような粘着剤としては、例えば、天然ゴム、SBR、又はポリイソブチレンから構成されるゴム系粘着剤を挙げることができる。例えば、小動物忌避具1が、ベランダに飛来してくるハトを追い払うことを目的とする場合には、前記粘着剤として前記ゴム系粘着剤を使用すれば、忌避剤2の効果が持続する期間中、降雨時又は強風時においても、忌避具付着部9をベランダの手すりに確実に付着させることができるので好適である。
【0032】粘着剤層4の厚み、つまり粘着剤層小片8の厚みについては、小動物忌避具1が使用される状況下で容器部3を被着物に効果的に付着させることができるように、前記粘着剤の種類、基材シート6の大きさ及び材料、被着物の形状、大きさ及び材料、並びに環境条件などに応じて適宜決定することができる。
【0033】粘着剤層小片8の長辺方向の長さ、短辺方向の長さ、及び数についても、小動物忌避具1が使用される状況下で忌避具付着部9を被着物に効果的に付着させることができるように、前記粘着剤の種類、基材シート6の大きさ及び材料、被着物の形状、大きさ及び材料、並びに環境条件などに応じて適宜決定することができる。
【0034】剥離紙5は、粘着剤層4の表面全体を覆うように忌避具付着部9に設けられた長方形のシートである。剥離紙5は、小動物忌避具1の不使用時には、粘着剤層4を覆うことによって、粘着剤層4が剥離紙5以外に付着するのを防止する機能を有し、一方、小動物忌避具1の使用時には、忌避具付着部9から剥がされることによって、忌避具付着部9を目的物に付着するのを可能にする機能を有する。
【0035】剥離紙5の材料としては、前記機能を発揮することができれば、粘着剤層4に使用される粘着剤の種類等に応じて適宜決定することができる。このような剥離紙5の材料としては、例えば、クラフト紙やグラシン紙のような紙系基材にポリエチレンのラミネートを施し、さらにその上にシリコーン樹脂を塗布して成る剥離紙、及び、PETやOPPのようなプラスチックフィルムにシリコーン樹脂を塗布して成る剥離紙を挙げることができる。剥離紙5が、このような剥離紙であると、粘着剤層4に対する剥離紙5の着脱が容易である。
【0036】剥離紙5の長辺の長さ、短辺の長さ、及び厚みは、前記機能を発揮することができるのに必要充分な大きさに決定されている。
【0037】小動物忌避具1において、基材シート6、粘着剤層4、及び剥離紙5から成る部分については、市販されている「ニトタックG(ZR−1)」(日東電工(株)製)を使用すると好適である。この製品は、基材シート6、粘着剤層4、及び剥離紙5に要求される前記機能を充分に発揮することができる。
【0038】小動物忌避具1は、以下のように作用する。小動物忌避具1から剥離紙5を除去し、忌避具付着部9を対象とする小動物を追い払おうする場所にある被着物に付着する。例えば、ハトをベランダから追い払おうとする場合には、忌避具付着部9をベランダの壁や手すりに付着する。
【0039】小動物忌避具1に使用される忌避剤2は、粒状体、粉状体、又はゼリー状体であるので、形状を容易に変化させることができ、また基材シート6及び通気性シート7は可撓性を有することから、忌避具付着部9を被着物に付着させるときに、忌避具付着部9の形状をその被着物の形状に適宜適合させることができる。したがって、忌避具付着部9は、様々な被着物に容易に付着させることができる。
【0040】忌避具付着部9を平面状の壁面10に付着させた状態における忌避具付着部9及び壁面10の断面図を図4に示す。忌避具付着部9は、基材シート6の外表面全面に配置された粘着剤層小片8を有するので、忌避具付着部9を壁面10に強固に付着させることができる。したがって、忌避具付着部9は、強風下でも、好適に被着物に付着させておくことができる。
【0041】また、忌避具付着部9を円柱状の手すりの管11に、忌避具付着部9の短辺方向を管11の周方向に一致させて付着させた状態における忌避具付着部9及び管11の断面図を図5に示す。このように忌避具付着部9を管11に付着させた状態においては、粘着剤層4の下面が管11の周面に沿う距離と粘着剤層4の上面が管11の周面に沿う距離との差に基づく応力が粘着剤層4に発生するが、小動物忌避具1においては図3に示したように、粘着剤層4が独立した複数個の粘着剤層小片8から構成され、各粘着剤層小片8相互間には前記応力の逃げ場となり得る空隙12が存在するので、前記応力は空隙12によって緩和される。小動物忌避具1においては、付着時に粘着剤層4に発生する応力によって忌避具付着部9が管11から離脱するという現象の発生を抑制することができる。この結果、小動物忌避具1においては、忌避具付着部9を長期間にわたって被着物に付着させていくことができる。
【0042】小動物忌避具1においては図3に示したように、複数個の粘着剤層小片8が基材シート6の長辺方向及び短辺方向に同じように配列されているので、忌避具付着部9の長辺方向を管11の周方向に一致させて忌避具付着部9を管11に付着させても、上記と同様の効果を得ることができる。また、前記と同様の理由により、忌避具付着部9は、凹凸を有する面に対しても好適に付着させることができる。
【0043】一般に、忌避剤によって小動物を追い払おうとするときには、その小動物が現れる場所からできるだけ近い場所に忌避剤を設置することが好ましい。しかし、従来のような、忌避剤を撒くという方法では、ベランダの手すりのような、一般に水平面をほとんど有していない物体の上に長期間にわたって忌避剤を置いておくことは事実上不可能であるので、手すり上に止まっているハトの近くに忌避剤を設置することは困難であり、忌避剤によって効果的にハトを追い払うことが難しかった。
【0044】これに対して、小動物忌避具1においては、上記のように、実質的に場所を選ばずに忌避具付着部9を付着することができる。すなわち、小動物忌避具1においては、上述のように手すりの管のような所にも忌避具付着部9を容易に付着させることができるので、手すり上に止まっているハトの近くに忌避剤を設置することが可能である。
【0045】忌避具付着部9の通気性シート7は、忌避剤2が有する薬効物質から揮発する有効成分を通過させて、これを容器部3の外部に放出させることができるので、前記のように被着物に付着された忌避具付着部9から、前記有効成分が通気性シート7を通過して外部空間に放出される。そして、その有効成分が追い払う対象である小動物に到達し、その小動物はその有効成分を忌避して、その有効成分の影響が及ばないエリア外に逃亡する。このようにして、小動物忌避具1は、目的とする小動物を所定の地域から追い出すことが可能である。
【0046】小動物忌避具1においては、前述のように、忌避具付着部9を多様な場所に設置することができるので、忌避具付着部9を、出没する小動物のすぐ近くに設置することが可能であり、忌避具付着部9から放出される前記有効成分を確実にその小動物に到達させることができる。前記のハトの例においては、ベランダの手すりに設置された忌避具付着部9から放出される前記有効成分は、その効果を充分に発揮することのできる濃度を維持して、ベランダの手すり上に止まったハトに到達するので、ベランダからハトを確実に追い払うことができる。
【0047】一方、従来の忌避剤を撒く方法では、前述のように、ベランダの手すり上に忌避剤を置くことは事実上不可能であるので、通常ベランダの床面上に忌避剤を置くことになるが、この場合、忌避剤とハトとの間の距離が大きいので、忌避剤から放出された有効成分は、手すり上のハトに到達するまでの間に拡散して、ハトに到達するときには、その効果を充分に発揮することのできる濃度範囲を維持していない可能性が高い。したがって、この従来の方法では、ベランダの手すり上のハトを効果的に追い払うことが困難であった。
【0048】小動物忌避具1においては、基材シート6及び通気性シート7が水不透過性であるので、外部から水が容器部3内に浸入することがない。したがって、小動物忌避具1を屋外で使用した場合に、雨が降っても、容器部3内に雨水が浸入することがない。したがって、小動物忌避具1においては、容器部3内の忌避剤2が水の作用により劣化するという不都合の発生を回避することができる。また、粘着剤層4には、水がかかっても、その粘着性が大きく低下することのない粘着剤が使用されているので、忌避具付着部9を屋外で降雨時に使用しても、雨水の作用により忌避具付着部9が被着物から離脱するという現象は起こりにくい。
【0049】以上のような理由から、小動物忌避具1は、雨や風などの自然現象から受ける影響が小さいので、屋外においても好適に使用することができる。
【0050】また、小動物忌避具1は、平袋状であり、被着面に沿わせて付着させることができるので、被着物に取り付けても違和感がなく、景観が損なわれることがないという利点を有する。
【0051】小動物忌避具1は、公知の方法を組み合わせることにより製造することができる。例えば、小動物忌避具1は次のようにして製造することができる。基材シート、粘着剤層、及び剥離紙から成る部分としては前述のニトタックG(ZR−1)を使用し、通気性シートとしては前述のストラマイティMNM060を使用して、両者を同じ長方形状に成形し、重ね合わせ、それぞれの三辺の部分を熱融着させて、袋体を作成する。その袋体の中に忌避剤を入れる。忌避剤としては、公知の忌避剤を使用することができる。ゼリー状体の忌避剤を使用する場合には、薬効物質である精油を乳化させて得られた液状体を前記袋体内に注入し、これにゲル化剤を加えて、前記袋体内でゲル化させてゼリー状にすることができる。前記袋体の開口部を熱融着させて、前記袋体を閉口させる。以上により、小動物忌避具1が完成される。
【0052】小動物忌避具1は、この発明の目的を達成することができる範囲内で適宜変更を加えることが可能である。
【0053】この発明に係る小動物忌避具に使用する容器部の形状は、長方形状には制限させず、例えば、円形状、楕円形状、又は三角形状であってもよい。また、前記容器部は、容器部3のような、2枚のシートを貼り合わせて成る容器には制限されず、容器部3において示した要件を満たす限り、例えば円板状、円柱状、又は直方体状の容器であってもよい。このような場合でも、前述のニトタックG(ZR−1)及びストラマイティMNM060を適宜使用することが可能である。
【0054】小動物忌避具1においては、容器部3を構成する上面シートである通気性シート7が通気性外壁部を形成しているので、容器部3の一側面のほぼ全面が通気性外壁部となるが、この発明に係る小動物忌避具の通気性外壁部は、前記通気性外壁部に要求される機能を有していれば、小動物忌避具1のような構造には制限されず、例えば、前記容器部の一側面の一部に設けられていてもよく、また前記容器部の複数箇所に設けられていてもよい。また、前記通気性外壁部は設けられる位置は、前記通気性外壁部に要求される機能を確保することができる限り、前記容器部のどの位置であってもよい。
【0055】前記粘着剤層を構成する粘着剤層小片の形状は、粘着剤層4について示した機能を確保することができれば、小動物忌避具1の場合のような長方形状に制限されることはなく、例えば円形状、三角形状、又は正方形状であってもよく、また基材シート6の長辺又は短辺方向に沿って帯状であってもよい。また、粘着剤層4について示した機能を確保することができる限り、前記粘着剤層は、粘着剤層小片に分割せず、単一の層により形成されていてもよい。
【0056】この発明に係る小動物忌避具における取り付け部は、容器部を所定の被着物に取り付けることができれば、粘着剤層により形成される必要はなく、例えば、容器部を被着物に締着することのできるバンドを有して成る部材、容器部を被着物に結わえ付けることのできるひもを有して成る部材、又は、容器部を被着物に挟着することのできるクリップを有して成る部材であってもよい。
【0057】この発明に係る小動物忌避具は、前記忌避剤、容器部、及び取り付け部を適宜決定することにより、多様な小動物、例えばハト、カラス、ネズミ、ネコ、イヌ、サル、ヘビ、及びモグラに対して使用することができる。例えば、小動物忌避具1は、前述のように、ハトに対して好適に使用することが可能である。
【0058】
【発明の効果】この発明に係る小動物忌避具は、多様な場所に、簡便に取り付けることができるので、小動物から近距離の場所に取り付けることができる。したがって、この発明に係る小動物忌避具は、これらの小動物を効果的に追い払うことができる。
【0059】この発明に係る小動物忌避具は、被着物に強固に取り付けることができ、降雨時や強風時においても被着物から容易には離脱しないので、多様な状況下においても好適に使用することができる。
【0060】この発明に係る小動物忌避具においては、雨によって忌避剤の有効成分が流出したり、風によって忌避剤が吹き飛ばされたりすることがなく、環境に影響を及ぼすことがなく、さらに、忌避剤を子供が誤飲するなどの事故が発生する危険性もない。
【0061】この発明に係る小動物忌避具は、使用材料を適宜選択することにより、焼却しても有害ガスを発生しないようにすることができるので、使用後においては、焼却処分をすることにより、環境に影響を及ぼすことがなく処分をすることができる。
【出願人】 【識別番号】591097757
【氏名又は名称】堀重商事株式会社
【出願日】 平成13年2月9日(2001.2.9)
【代理人】 【識別番号】100087594
【弁理士】
【氏名又は名称】福村 直樹 (外1名)
【公開番号】 特開2002−234805(P2002−234805A)
【公開日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願番号】 特願2001−34501(P2001−34501)